監督:松井久子
脚本:松井久子
出演:原田美枝子 吉行和子 トミーズ雅 田野あさ美 加藤登紀子 中島ひろ子
自分も嫁も両親健在でみんな元気なのですが、だからと言って、というか逆にいつなんどき、介護の問題が僕らの上に降りかかるかわかりません。そのときうろたえずに現実に目を向けて向かい合えるか、やはりこの時点ではなんとも言えませんね。
この映画の吉行和子さんは見た目には全然元気でまだまだ若いのに、アルツハイマーを症してしまいます。人のうちの前にごみを捨て、自分で仕舞ったお金の場所を忘れて盗まれたと騒ぐ。面倒を観ることになった義理の娘(原田美枝子さん)の立場からすると、まさに厄介もので頭痛の種です。一緒に住み始めるときは全くそんな兆候も無かったのに、住み始めたとたんにこれじゃ、目も当てられません。頭で分かっていてもなかなか納得できるものではないでしょう。
しかし一旦は根も詰めて老人センターへの入所を決めてしまいますが、義母の本質を理解するようになるにつれ、やはり一緒に住むことを選択します。病気を病気として受け入れつつ、お互いに助け合える、理解できる関係を保っていこうとするのです。この過程はなかなかさわやかに感動を生んでいますね。特に吉行さんの気持ちを受けて原田さんが涙したりすると、思わず感情移入してしまいますね。
主演のお二人の好演もあって、しみじみ心動かされる好篇でした。