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「男たちの大和/YAMATO」☆☆☆

監督:佐藤純彌
脚本:野上龍雄
出演:松山ケンイチ 中村獅童 反町隆史 鈴木京香 仲代達矢 蒼井優 山田純大 渡辺大 内田謙太 崎本大海 橋爪遼 高知東生 平山広行 森宮隆 金児憲史 長嶋一茂 渡哲也 高畑淳子 余貴美子 池松壮亮 井川比佐志 勝野洋 本田博太郎 林隆三 寺島しのぶ 白石加代子 奥田瑛二

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 終戦期の日本が誇った大戦艦大和。そこには若き少年兵たちをはじめとした何千人の兵たちがいた。

 戦後60年です。60年たっても100年たっても戦争のことを日本人は忘れてはいけない。いやもちろんいま現実に戦争や内戦が行われている国や地域もあるわけで、そういうところに住んでいる人たちにとっては戦争の恐ろしさ、重さ、悲しさ、そしてくだらなさをいままさに感じているのだから、忘れたくても忘れることなんかできないでしょう。戦争のもたらすものについては世界中の人たちが考えなくてはなりません。でも考えられない人もたくさんいるんだよなあ。

 話がずれましたが、60年という時は非常に長く、戦争を直接体験した日本人はいまはもう還暦を迎えた人よりも上の世代しかいません。実際に戦った人となるともうほとんど残っていません。そのため現代を舞台に戦争を振り返ろうとすると、もう現役を終え死を意識し始める、もしくはそれを直前に迎えつつあるような世代の人が息も絶え絶えにその想いを訴えるか、この映画のようにその次の世代が想いを受け継いで過去を振り返るかという形になってしまいます。つまりはもう現代を舞台に振り返り形で戦争を語るのはどんどん難しくなっているんだよね。個人的な印象としてはこういう形の戦争映画はもう無理と言っていいんじゃないかとも思います。
 この映画も実際には戦争にはなんら接点のない世代の鈴木京香さんが戦艦大和の沈んだ海へ行きたいとの意思を示しますが、それなりの理由を示してはいるものの、回りに多大な迷惑をかける可能性がありながらもそれだけの執念を持つまでの説得力は感じられません。戦艦大和の生き残りが希望して行くのなら分かるんだけど、そうではない人が希望していくというドラマは僕にはあまりなじめませんでした。
 それに何故この海に来たのか本当の理由が語られるのはそこに着いてから。10時間以上も船に揺れられ、そこまでにいくらでも過去やその後の話をしあう場面があるのに、それまでに一番大切な話がされてこなかったというのは不自然でしょう。もしくは船に乗る前に話していてもいいような話だと思うけどね。
 だいたい鈴木さん、実年齢は30代、役柄的にもせいぜい40代でしょ? 若すぎません?(^^;)

 結局僕はこの現代パートの描写がいまひとつに思うのです。現代パート長すぎ。現代パートは無くすか最小限にとどめて戦闘時、戦争時に何があったのかを重点的に描写するのがよかったと思いますね。「タイタニック」に構成がそっくりになっちゃってるし。

 ただし過去パートはなかなか素晴らしかった。迫力ある戦闘シーンも、少年兵たちの叫びも、待つ女たちの悲しみもみな涙を誘う。現代シーンをばっさりカット、過去パートのみで簡単なエピローグをつけるような映画だったらかなりの名作だったでしょう。惜しい。

2006.1.5


 

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