監督:古厩智之
脚本:古厩智之
出演:長澤まさみ 小栗 旬 伊藤淳史 塚本高史 うじきつよし 荒川良々 吉田日出子 須藤理彩 鈴木一真
古厩監督がまたも直球ど真ん中の青春映画の傑作を作ってくれました。主人公が自分の意思ではなく始めたことにどんどんのめりこんでいき、風変わりな仲間たちもそれがきっかけとなって変わっていき、ついには仲間一団となって最大の目的を達成して大団円。おぉ、なんて型どおりの展開なんでしょう。「シコふんじゃった」だって、「Shall
we ダンス?」だって「ウォーターボーイズ」だってそういう映画で、みんな大傑作だ。語り尽くされたパターンだなんて言うのは笑止。いくら語った後でもまた繰り返し何度でも語ることができるから、何万回とこれらは繰り返し語られてきたのでしょう。
ただ下手にひねることなどせずに、このど真ん中の道を通ろうとすることも難しいのはたしか。その道をあえて選んで通った古厩監督が僕は大好きです。この映画を観て、更に好きになったのは言うまでもありませんが。
この映画素晴らしさは、実在のロボコンという枠の中で最大限に面白い展開を生み出していることかな。僕はロボコン自体を見たことはありませんが、きっとこんな感じなのでしょう。実際のところは勝負は二の次、いかに自分らが楽しんで、いかに観客に楽しんでもらうかが重要なのでしょうね。だから例え予選1回戦で負けたチームでも、そこに独創性があれば全国大会に推薦されてしまう。ロボコンはおそらくは一流のエンターテイメントなのではないでしょうか。
しかしその場に長くいつづけるためには、やはり勝たなくてはならない。その勝ち方を考え、その手段を選び、それを実行できる技術を取得しなくてはならない。それを全て携えてこそ、ロボコンの頂点に始めて立てるのだ。そこにあるのはやはり知力体力時の運、あと技術。そして一直線な想い。この映画は落ちこぼれ的だった仲間たちが、いかにそれらのものを手に入れていくかを描いた、サクセスストーリーなのです。
その展開は先にも書いたとおりにあまりにも正統的で型どおり。先の展開はある程度読めるし、意外性もあまり無い。しかしこの映画ではそれがいいのだ。先が読めるようにそのまま進む映画だけど、それが僕の期待をそのままなぞってくれるのだから気持ちがよいとしか他に言いようも無い。いい意味で期待を裏切る映画もとても面白いけど、期待を裏切らないこともやっぱり大切なのだ。それがイヤな人もいるでしょうけど、僕は、この映画に関しては、それがベストに思いました。
それにしても試合のシーンの面白さは特筆もの。ドッヂボールのボールの転がり方まで深く考えると言う古厩監督のことだから、試合のシーンはかなり練られているのではないかと思います。一見失敗に見える箱の転がり方なども計算上ではないかと思う。しかし操作自体は出演者が実際に行っているそうな。それは現場の緊張感と臨場感として画面でも十分に伝わってきていると思う。「Shall we ダンス?」のダンス、「ウォーターボーイズ」のシンクロにも似た本物の感動があるのだ。これがもし、高校生の技術をはるかに超えた、秘密技や必殺技、裏技のオンパレードをCGかなんかでやっているような映画だったら、こんなに面白いことはなかったでしょうね。やっぱあの素朴な感じがいいのだ。
それにしても長澤まさみさんの魅力的なこと。トラックの荷台で気持ちよさそうに歌う彼女には心から惹きつけられたよ。(笑)