「接吻」☆☆☆☆☆
監督:万田邦敏
脚本:万田珠実 万田邦敏
出演:小池栄子 豊川悦司 仲村トオル 篠田三郎
家族とも疎遠で友人もいない孤独なOLの京子は喜びや楽しさとは無縁の日常を淡々と過ごしていた。ある日京子はテレビのニュースで殺人犯の坂口が逮捕される映像を見て、彼にえも言われぬシンパシイを感じ取る。裁判を傍聴し、差し入れをするようになる京子は生活のすべてが坂口に向けられていく。弁護士の長谷川はそんな彼女のことを心配して見つめていた。
これはすげえなあ。引きつけて惹きつけて最後にフルスイングしたバットで思いっきり打ち飛ばされてしまいました。大ホームランです。しかも場外です。(笑)
たしかに大した理由も無く殺人事件を起こし自らを逮捕させる豊川さんも全く分からないし、それに共感してどんどんのめりこんでいく小池さんも全く理解できません。でもその姿に大きく心が惹きつけられてしまうのは、世間に無視され続けてきたと静かな叫びを上げる彼女の気持ちそのものには共感できてしまう部分があるからでしょうかね。それによってその行動が右に行くのか左に行くのかはその人次第でしょうが、誰でも多少は世間への不満を持っているものです。
しかしどんどんと一つのことにのめり込んでいくその姿は激しいほどの狂気を感じさせて圧倒されてしまいました。彼女の最後の行動はある程度までは予想の範囲内だったけど、その後はそれを超えた超衝撃的な展開が待っていました。瞬間何が起きたのか全く受け入れられず、終了後DVDをもどしてラスト5分を見直しちゃいましたよ。こんなの初めてです。全体的にも非常に緊張感のある力強さがあって、メチャクチャ見ごたえがありました。文句なしに絶品。
主演女優賞を取るなどして評価の高い小池栄子さんは本当に素晴らしく、これからもどんどんいい映画に出てもらいたいです。仲村トオルさんも好演。しかしこの映画、2008年公開だったけど最後にクレジットされた制作は2006年なのね。2年も眠っていたとはもったいない。お蔵入りしなくて本当によかったです。
それにしてもこの映画に「接吻」というタイトルをつけるセンスには脱帽ですわ。
(DVD)
2009.3.4
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