「新・雪国」


監督:後藤幸一
脚本:笹倉 明 後藤幸一 門馬隆司
出演:奥田瑛二 笛木夕子 南野陽子 吉行和子 あき竹城 内海桂子 不和万作

 またもくたびれた中年男役をやらせたら宇宙一の奥田瑛二さん主演の、生きる望みを失った男と過去のある女のラブストーリー。ただし今回は奥田さんはあまりのっていないように見える。映画自体もさほどいいとは思いませんでした。
 そもそもなんであの二人が惹かれ合ったのか、よく分からなかった。中年男は絶望の淵でたまたま出会った若い活きのいい女に興味を持ったのは分かるけど、あの女に生きる活力をもらえるほどの魅力は感じませんでした。過去があって陰があることから多少変わっていることは認めるけど、あれではちょっと我の強い女に過ぎないのではないかな。明らかに誘っているのに「今日はここまで」とか言われてはまっちゃったのか。でも誰にでもしてそうなことだぞ、それって。
 女のほうも男に同情したのが始まりかもしれないけど、人生を変えてしまうほど影響を受けるような関係にはとても見えなかった。ただ本当にくたびれているだけで陰も光も感じないあの男に何を見たんでしょうか。
 あれだったら、もっとイヤらしい世界に落ちていって、愛欲ドロドロの関係になって若い女の身体に溺れることから男が生きる力が蘇っていくような展開のほうがいいと思う。そのほうが分かり易いし、共感し易い。あの二人の関係では何であそこまでお互いの意識が変わるのか本当によく分からなかったです。
 それにしても主役の二人よりも南野陽子さんが脇で光っていた。去年は「走れイチロー!」「大河の一滴」でも印象深かったけど、多少歳をとっていい感じになってきましたね。