「好きだ、」☆☆☆
監督:石川寛
脚本:石川寛
出演:宮崎あおい 西島秀俊 永作博美 瑛太 小山田サユリ 野波麻帆 加瀬亮 大森南朋
高校の同級生、ユウとヨースケ。野球部をやめて今は毎日のように川べりで自分の作った曲をギターで弾いているヨースケをユウは隣で見守っている。しかしヨースケは恋人を半年前に失ったばかりのユウの姉のことを心配して気にかけていた。姉とヨースケを会わせるユウだが、やはりユウはヨースケが好きだった。しかしある出来事が起きて以来、二人は会わなくなる。17年後、それぞれ大人になった二人は偶然再会する。
見所はやはりその独特のカメラワークですかね。画面を9分割してその中心の枠だけを映している感じで、ほぼ固定、ロングのズームで人物がその枠から何度も外れていながらもじっくりとその演技を切り取っていく。人物にじっくりと寄りきった画面はとても緊張感にあふれていて、この映画独自の雰囲気を映し出すことには成功している、とは思います。
ただその映像的緊張感がちょっとズレると単に退屈なだけな時間につながりかねないのは否定できないでしょう。必要以上と思えるくらいに寄ったアングルによって見たい部分も見れないもどかしさや、そんなのどうでもいいじゃんくらいに一つ一つの出来事をじっくりと時間をかけて描く展開描写は好き嫌いが分かれるでしょう。いいシーンもあるんだけど、かったるいシーンもやはりありますね。
未来 → 過去 → 未来 と時代が変わる映画は多いけど、こういうふうにスパッと過去 → 未来 だけで構成された映画は珍しいですね。
若いときの2人、と言うか姉も含めた3人の関係をじっくりと描いた過去のシーンは僕は好きです。特に川辺でふざけ合いながら微妙な距離を縮めていくユウとヨースケのシーンは絶品。ここは先にも書いた映像的センスが光っている名シーンでしょう。
でも再会後の未来のシーンはあまり好きではないな。17年という長い年月が2人それぞれにどう積み重なっていったのかあまりよく分からないから。17年ぶりに再会した2人がその空白をどう埋めていくのかではなく、単に2人が17年ぶりに会って、17年前にやり残したことを急いで取り戻そうとしているようにしか見えないんですよね。タイトルは「好きだ、」だけど、言うべきは「好きだった。」でしょう。でも二人が言おうとするのはやはり「好きだ、」なのです。17年間どう生きてきたんだろう。この話なら17年なんて長い期間でなく、せいぜい5年くらいの話ですね。
主演女優陣3人(宮崎あおい、永作博美、小山田サユリ)はそれぞれ好演。ただ永作さんは34歳よりはだいぶ若く見えるね。えっでも70年生まれ。本当に実年齢35歳なのね。わけー。
2006.7.6
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