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by はる
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2004年5月以降 人目のご訪問者です。('96.8〜'04.05・・・130,000人位)

「旅の贈りもの 0:00発」☆☆☆

監督:原田昌樹
脚本:篠原高志
出演:櫻井淳子 多岐川華子 徳永英明 大平シロー 大滝秀治 黒坂真美 樫山文枝 梅津栄 石丸謙二郎 石坂みき 小倉智昭 細川俊之 正司歌江 

 数ヶ月に1回、深夜の0:00に大阪を出る行き先不明の列車。まさに発車しようとしていたその列車に乗り込んだ女子高生の華子は、退屈な日常にやりきれない不満を抱えていた。その列車には恋人の浮気を目の当たりにしたキャリアウーマンや、妻を亡くした初老の男、リストラされたサラリーマンなど同じように心に荷物を持った人々たちが乗っていた。翌朝、列車はある海辺の田舎町へと到着する。

 不思議な味わいのある映画ですね。傷ついた人々が謎の列車で連れてこられた町の優しい人たちの心に触れて再生して帰っていく、という設定はかなりファンタジックなものを想像させるし、列車も町も本当に存在しているのかすら怪しいような描写にすればSFか童話として成り立つ物語でしょう。しかしその映像は全くと言っていいほど不思議感を持たせない落ち着きぶり。車掌さんが多少思わせぶりなそぶりを見せる以外は列車自体も町の風景も人々の態度も本当にフツー。列車の運賃は往復で9,800円だし、1ヶ月以内ならいつ帰ってもいいと説明されるし、既存のレールを普通に夜通し走って朝方普通に到着するし、その気になれば何の問題もなく普通に帰って行けるし、福引で乗車券が当たったりするし。(^^;) その列車がなんで走っているのか、何故その町なのかと言う点だけが、ほとんど説明されずにいるのだけがファンタジーなのです。
 主人公の一人華子は生きる意味を見出せずにいっしょに死ぬ相手としてリストラされ家族にも愛情を受けてないと思い込んでいるサラリーマンの若林に目を付けていっしょに死のうと持ちかけます。若林は生きることと死ぬことの狭間で大きく悩み、その結果とある騒動となり、その結果華子とともにある結論を出すのですが、このあたりでもう少し華子の心情の変化が描けてもいいかなと思いました。ただそこに至るまでの華子と町の人たちのふれあいやその優しさにはなかなか感動しましたよ。最初はつっけんどんしていた華子が最後にはいい笑顔を見せるのも(規定路線ながらも)良かったしね。
 もう一人の主人公、キャリアウーマンの由香のほうは町の人々と言うよりは以前彼らと同じようにこの町を訪れて以来町に住みこんでいる医者の越智との関係を通して傷を癒していくんだけど、これがラブストーリーめいてしまうのは若干安易過ぎるかもしれないなと。

 主演の多岐川華子さんは母親譲りでなかなかキレイでよし。ただし演技はこれから。桜井淳子さんはこういう大きな役は始めて見た気がするけど、充分すぎるくらいに無難な感じ。印象深かったのは金髪のチャキチャキ関西弁娘の黒坂真美さん。ちょっと注目。映画初出演の徳永英明さん。さあ皆さんごいっしょに。「なぜいま?」(笑) いやまあ無難にいい存在感ではありました。

2007.1.14


 

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