「トニー滝谷」☆☆☆
監督:市川 準
脚本:市川 準
出演:イッセー尾形 宮沢りえ
映画(特に劇映画)はこうあるべきだという先入観を持つ人は多いでしょう。もちろん僕も持っています。例えば謎をそのまま残して終わるのは好きじゃないし、登場人物が通常じゃ考えられない行動を不自然にとると違和感を覚えます。登場人物を見つめる視点は一定であるべきで、劇中の人物がその想いを画面を通り越して観客に話しかけるとなると、それは劇映画の域を超えていると言えるでしょう。
この映画ではほとんどの場面で状況をナレーション(西島秀俊さん)で伝えているのですが、時折中断し、登場人物が直接そのナレーションを補足・補助します。心の中を言葉にして表しているのではなく、その状況や行動を説明するのです。前者なら独り言と言う可能性も多少はありますが(もちろん不自然だけど)、後者などは通常の世界に生きている人なら間違いなくそんなことはありえません。劇映画に先入観を持つ僕には、なぜそんなことをする必要がここにあるのか、まったく分からないのです。ものすごい違和感です。これは劇映画なのでしょうか。
しかしその先入観を取り払って考えるとき、この妙な演出がどことなく味わいを持っているように感じてきてしまう。もちろんこれを”妙な演出”と言ってしまうのは受け入れる側の問題かもしれません。映画ファンならそこに明確な意図を見出すべきかもしれないけど、僕のような未熟なファンには、その意図よりもその表現そのものの味わい深さのほうを受け入れてしまいました。意図は分かりません。でもなんか面白かったです。
トニー滝谷(本名)は運命的な出会いを得て結婚するが、彼女は服を衝動的に買い続けなくてはならない依存症であった。そんな彼女がある日死んでしまい、大量の服だけがトニーに残された。
話はそこそこ面白かったです。妻が死んだあとのトニーの気持ちも分かるし、その後のトニーには幸せになってもらいたいですね。
しかし大学生のイッセー尾形にはぶったまげました。(笑)
2005.5.15
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