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2004年5月以降 人目のご訪問者です。('96.8〜'04.05・・・130,000人位)

「たまもの」☆☆☆

監督:いまおかしんじ
脚本:いまおかしんじ
出演:林由美香 吉岡睦雄 華沢レモン 栗原 良 伊藤清美 伊藤 猛 川瀬陽太 桜井一紀 佐藤 宏

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 年間3桁の新作が作られ続けているピンク映画ですが、その大半は一部のマニアや識者、評論家などを除いては1本の映画として認識されずに、3本立てのうちの1本としてわずかな期間を上映されるのみでその使命のほとんどを終えていきます。全国何百スクリーンで公開される大手映画はさておいても、都内単館で上映された後にビデオやDVDで発売、レンタルされるような映画と比べても、ピンク映画のほとんどは非常に少数の人の目にしか触れることはないのです。
 そんななかこのピンク映画タイトル「熟女・発情 タマしゃぶり」は他のピンク映画と同様に3本中の1本として、年間百何十本の中の1本として公開されたのにも関わらず、その内容の素晴らしさから注目されて高い評価を得て、ついには一般映画の劇場でレイトショー公開され、DVD発売、ごく普通のレンタルビデオ屋に一般作と並んで置かれるまでになりました。おそらくは他のピンク映画の何倍か、何十倍かの人がこの映画を観たでしょう。ここ数年で一番たくさんの人が観たピンク映画ではないでしょうか。

 プロボウラーを目指しつつボーリング場で働く女が、ふとしたことで出会った郵便局員の男と付き合うようになる。お弁当を毎日作って渡すなどとことんまで尽くす彼女であったが、男の方は同僚の若い女の誘惑もあってだんだんと彼女のことが重荷になってきて、やがて別れを切りだす。しばらくして彼女の元に、結婚を翌日に控えた男から最後に会いたい旨の連絡がくる。

 この映画が高い評価を得たのは、おそらくは林由美香さんの演技によるところが大きいのではないかと思います。終盤に至るまでほとんどセリフがなく、パントマイム的にその感情を表情と振る舞いで見事に表現しきっています。どんなときにどんな想いでいるのか、ちゃんと分かるもんね。男をどれだけ愛しているか、どれだけ喜んでいるか、どれだけ悲しんでいるか、怒っているか、楽しんでいるか、みんなちゃんと分かるもんね。確かに素晴らしいです。海でのはしゃぎぶりとか、コンビニでの騒動とか、本当にいいよね。
 そんなつくしまくる彼女が、どれだけ彼を愛していたかを思うと、非常に切ない。愛して愛して愛してそして捨てられ、そして身勝手にもう一度現れた男にまた激しく求めてしまう彼女を見るのはやはり切ない。ラストの彼女の行動もやはり切なく、とことんまで切ない映画でした。

 ただこの映画はハードコアで、すなわち濡れ場は本当に実際にセックスしているらしい。うーん。だから実情感があると言えばそうなのかもしれないけど、それって映画作品としての演技の粋を超えちゃっているよね。これだけAVが発達しているいま、僕は映画の濡れ場にそれは求めないな。むしろ反対に余計なこと感じちゃって作品的にマイナスに思います。演技でそれだけの表情と臨場感を出してほしいです。

 さてずっと観たかったこの映画ですが、このタイミングでDVD借りてきて観たのは林さんの訃報があったからでした。日本映画界は大きな星をまたひとつ失ったと思っています。残念です。心からお悔やみを申し上げます。

2005.7.22


 

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