「鉄塔武蔵野線」


監督:長尾直樹
脚本:長尾直樹
出演:伊藤敦史 内山眞人 田口トモロヲ 麻生祐未 菅原大吉

 そもそも子供の冒険にはさしたる目的はないのです。彼らが鉄塔をたどる旅に出たのは単にそこに番号がふられていたからでしょう。71番のとなりには70番があった。次は69番だ。1番まで行ったら、そこには何があるのでしょう。彼は転校する前に何かがしたかったのでしょうが、それにはこの、一見くだらない冒険に対する好奇心を満たすことが最適だったようです。そして彼らはかつてない大冒険に出たのです。
 彼らが鉄塔をひとつひとつたどり、その先がどうなっていくかを観ていると、こちらまで一緒に旅をしているように感じてしまい、こっちまで1番 塔はどうなっているんだろうと思い始めてしまいました。単に鉄塔をたどって行き始めたとき、これはよほどのことがないと間が持たないのではないかと思いましたが、そんな危惧は不要のものでした。それが結構面白いのです。さりげなくふるまう子供たちの姿はやはり微笑ましくもあり、応援したくなります。27番の次が26-1番でその次が26番だったりするのってちょっと笑っ ちゃったな。上手いところに上手く運ばれていってる感じ。さて彼らは無事1番鉄塔にたどり着けたでしょうか。
 チビノリダーこと伊藤淳史くんは観てて気持ちがいい、好演ですね。友達の母親にちょっと憧れている素振りを見せるところなどはなんかよかったなあ。