「海は見ていた」


監督:熊井啓
脚本:黒澤明
出演:遠野凪子 清水美砂 永瀬正敏 吉岡秀隆 つみきみほ 河合美智子 石橋蓮司 奥田瑛二

 脚本:黒澤明、だそうです。巨匠黒澤の映画を4本(「七人の侍」の他「夢」以降の晩年の3本)しか観たことの無い僕(^^;)にとって、このお方はさほど特別な存在ではありません。偉大だったらしいですが、偉大だということを実感したことはありません。偉大だったんでしょうね。(^^;)

 その偉大な黒澤監督の脚本なのですが、この映画はあまりに構成が悪いんではないでしょうか。前半と後半の2部構成のような映画ですが、両者があまりにも分断されていますよね。前半の意味合いが後半に全然活かされていない気がします。あの展開だったら前半はもっとコンパクトにまとめて、後半をもっとじっくり描いて欲しかったな。前半はあんなに引っ張る話ではないでしょうし、後半の話にはもっと深みがあっていいと思う。遠野さんと永瀬君が惹かれ合う過程も曖昧だし、終盤の展開もなんか唐突だし。

 初ヌード(?)も披露した遠野凪子さんや、訳あり風の姉さん娼婦役の清水美沙さん、アホな若侍の吉岡秀隆さん、実直な性根を持ちながらも世を儚んですさみかけている永瀬正敏さん、清水さんを困らせるチンピラヤクザの奥田瑛二さん、女郎屋の常連の御隠居の石橋蓮司さんなどなど、出演陣はみんながんばっているんですが、いかんせんお話のほうは今一つでした。