「運命じゃない人」☆☆☆☆
監督:内田けんじ
脚本:内田けんじ
出演:中村靖日 霧島れいか 山中 聡 山下規介 板谷由夏 眞島秀和 近松 仁 杉内 貴 北野恒安 法福法彦 李 鐘浩 松澤仁晶 古郡雅浩 鬼界浩巳 山名吉孝 相場仁志 猪瀬祐一 先崎洋二
同棲を始めたばかりの彼女に去られ傷心の日々を送る宮田は、親友の神田と共に入ったレストランでやはり恋人と別れたばかりの真紀と出会う。気を利かせたのか神田がいつの間にかいなくなり、宮田と真紀はぎこちないままお互いに共感しあう。帰る当てのない真紀を一晩泊めることとなる宮田だったが、突然別れたはずのあゆみが現れ、真紀は部屋を出て行く。宮田は意を決してあゆみを一人部屋に残し真紀を追いかけ、再び会いたい旨を告げたが、、、。
ちょっといい話です。真面目すぎる位に真面目な30歳過ぎの男が、古い恋に見切りをつけて新しい恋のきっかけを自ら掴むためにひとつ成長する話。僕らのような恋愛に勇気を持てない男に、勇気を持たなくてはと改めて思わせてくれるストーリーです。
なーんて思って観ていたのは最初の30分だけ(笑)。その後の展開は驚きの連続でした。最初はほのぼのとして観ていた何気ない街の一風景に過ぎない話が、実は二転三転裏の裏まで絡みこんだ怒涛の出来事の一面でしかなかったのでした。僕は幸か不幸か予告編も観ておらず、踏み込んだ記事などもほとんど読んでいなかったので、この映画の構成がこういう作りだってことを全く知りませんでした。そのため一番いい状態でこの映画を観ることができたかもしれません。あとから観た予告では結構知らなくてよかった〜というようなことも教えてくれていました。
こういう同じ場面を違う角度から何度か繰り返して描写して新しい事実を伝えていくという構成は他にも時々見かけるけど、確かにこの映画の作りこみ方は見事。最初に観たときに受けた印象が2回目に観ると全然代わって、そういう話だったかと思っていると3回目で更に違う話に横滑っていく。各展開のリンクの仕方にも全く無理がなく、記憶を辿って振り返ってもすべてが納得できてしまう素晴らしさ。巧い、巧すぎる。
ただ基本的なお話としては個人的には最初の展開のようなほのぼのしたものが好きだったりするので、話がどんどん変なほうに進んでいくのは面白くもあるけどちょっとだけ残念でもあり。最初の話だけでも十分素敵な話だもんね。ヤクザやお金、詐欺師や探偵が乱れこむ展開もいいけど、個人的には青春ラブストーリーも好きなので、最初だけで終わっても満足がいったでしょう。 だからとことんまで巧い映画だとは思うのだけど、大好きな話とまではいかないのでした。好きだ、楽しい、面白いというよりは、巧い、見事、上手、感心感心というところ。
ところでネットでいろんな感想を読んでると、レストランで神田が宮田に言う、「30歳過ぎたらもう出会いなんか待っててもない」だの「友達から始まって結婚するなどもうない」といったセリフに打ちのめされている人の多いこと多いこと。(^^;) がんばれ、若人よ。(なーんて、自分の30歳の頃に見たら胸のど真ん中打ち抜かれていたでしょうが、、、) ちなみにこのセリフが出てきた際に傍にいたウエイターには要注目だ!
2006.2.21
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