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by はる
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「怪談新耳袋 劇場版 幽霊マンション」☆☆☆☆

監督:吉田秋生
脚本:渡邉睦月
出演:黒川芽以 吹越満 前田綾花 英由佳 細田よしひこ 清水審大 伊佐山ひろ子 谷津勲 安田洋子 根岸季衣 曽根英樹 滝沢涼子 佐々木すみ江

  

 高校生の愛実とその父の充は家賃の安い古びたマンションに引越してきた。マンションの住民たちはそんな二人を異常なまでに歓迎し、愛実は違和感をおぼえる。実はそのマンションは夜中の12時までに家に戻らないと死んでしまうという幽霊マンションであった。フリーライターである充はその呪いを信じず、このマンションのことを面白く書いて雑誌に売り込もうとする。

 これは面白かった。何で呪われるのか、どうすれば呪いが解けるのかといった謎解き系のホラーは基本的に好きですが、この映画はそれだけでなく多様なエッセンスがちりばめられていてとてもはまり込みました。素晴らしい。
 例えば夜中の12時までにマンションに帰らなければ死んでしまうというルール。すなわち引越しして出て行くこともできないのだけど、それをあえてマンションを離れることに挑戦し、呪いと戦おうとする人たち。12時間際に家から離れたところにいることを余儀なくされ、死の恐怖に絶望しながら必死で家に向かう人とそれを救おうとする人たち。そしてそのルールをあることに利用してしまう人。マンションから抜け出せるたった一つの条件があるのだけど、それは本当に過酷な条件で、それを達成したとしてももう幸せになれるかどうかすら分からないのに、それでもその条件に向かって必死に日々を過ごす人たち。
 呪いのバリエーションもすごい。単に殺される人もいれば、毎晩毎晩極限的な苦痛を繰り返し受けさせられる人もいる。少しずつおかしくなっていく人もいる。同じ呪いの結果なのかどうかも分からないような様々な形なのだけど、どれもみなかなり凄まじいものばかりでかなり怖いです。

 しかし単純な呪怨ものだと思っていたら大間違いで、ラストに明かされる事実がかなり衝撃的でした。後にして思えば見事な伏線があちらこちらにちりばめられていて、すべてのピースがぴたっとはまり込む快感を十分に味あわさせていただきました。そっか、そうゆーことか。最後の「ふん、いいきみ」にはゾゾッときましたよ。

 もう既に主演映画が5本くらいある黒川芽以さんは安心して観ていられる。なんか最近好きになってきたよ。

(TV)

2008.8.16