「絶食」☆☆☆☆
監督:伊藤匡史
脚本:高橋洋
出演:上野未来 中川翔子 辻本祐樹 貝塚直美 榎本由希 津田寛治 大森うたえもん 塩澤映真
楳図かずおの恐怖劇場の1本。憧れのあきらくんに告白したもののフラれてしまった知子。ふと気づくと自分とは思えないほど太った姿を鏡の中に見るようになり、激しく嘔吐する。いつしか本当に巨体となった知子は部屋に閉じこもり、学校にも行かなくなるが、再び現れたときには驚異的なダイエットの末に見違えるほど美しくなっていた。
エンドロールにて津田寛治さんの名前を発見。んっ、どこに出てたっけ? あれがそうだったっけ? あれーわからんなあと思っていたらロール終了後にエピローグがあって、ここに津田さんが登場。これがそれなりに新事実も出てくるしっかりした数分間の結末なんだけど、これがこの上なく蛇足に思えてしまったのが残念。ああ、確かにその事実を伝えるひとセリフは大切ではあるけれど、それがなかったとしてもこの映画は成立しているし、なにより主人公の最後のセリフがこの映画の結末を陳腐なものにしてしまっているよぉ。ああ、このエピローグがなかったならばあぁ。
そこまでは間違いなくかなりの傑作。サイコな恐怖に満ちているホラー仕立てでありながらも実は切ないラブストーリーであり、物語的なトリックも見事で中盤には大きな驚きも用意されていてすごい。また巨体となった知子の狂気的な振る舞いの恐ろしさや、鏡の中にその醜い自分の姿を見てしまったときや実は自分に大きな秘密があったと知ったときの衝撃の大きさの描写などには本当に驚かされました。
あきらくんが軽くて女に手が早いいい加減な部分と、自分は好きにならずとも自分を好きになってくれた相手に対して思いやりを持つような優しい部分を兼ね備えた知子が好きになって少しもおかしくない少年と描かれているのも素晴らしい。親友の理恵が知子を気にかけていながらも自分に暴言をかけられ戸惑っている様子なども丁寧だしね。
この映画がホラーである最もホラーめいたシーンについては宣伝や予告、スチールやDVDのパッケージなどでも露出されまくっているからこの映画を観る人なら誰でも事前に知っていることだろうけど、この部分を知らないで観れば更に衝撃度は高く、かなり驚くのではないかな。そこまでの展開で、そういった結末が用意されているなんて、たぶん想像できないよ。知っていたのが惜しいです。
といろいろ言ったものの、エピローグを除けば(^^;)いろんな要素を兼ね備え持った傑作。必見の域でしょう。
辻本祐樹くんは金八先生の頃から注目していたりして、出てくるとちょっと嬉しい。上野未来さんも中川翔子さんもなかなかよいのだが、なによりも巨体の知子を演じた貝塚直美さんの勇気に感服してしまいました。凄い迫力だ!
2006.3.15
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