21世紀に入って様々な変化が起こった、社会保障制度も「転換期をむかえた」と言われ2003年4月には支援費制度がスタートする事となりました。しかし、全ての分野に目を向けて考えると私達の願いから考えて問題が多く感じられ、課題がいくつもある事が感じることが多いと言えます。このページは21世紀の障害者福祉について私が感じた事、体験した事などをいくつかの分野について書きたいと思います。

◆ 情報バリアフリー ◆
 私達障害者が現実の社会に照らし合せた制度改正の中で「日常生活用具」の対象となっていた日本語ワープロは、20世紀を終える頃から世の中から姿を消してしまっていました。そして、パソコンの普及率が50%前後の家庭に存在する時代に入っています。このような時代の流れに沿って2002年4月から日常生活用具(限度額11万8500円)の名目に「パーソナルコンピュータ」が適用用品となりました。

  「続・ITと障害者」
  2002年2月発売された「障害者問題研究第29・特集ITと障害者」の私のレポートの中で「いつまでも変わらない制度改正・・・」と言う文章で問題提起しました。この2ヶ月後に日常生活用具の内容が改定された事になります。しかし、1年を経過する2003年3月の段階に来て大きな問題がある事に直面しています。日常生活用具の給付を受けるには、一番簡素化した手順でも「日常生活用具給付申請書」と取り扱い販売店の「見積もり・請求書」を添えて市役所の福祉課に申請します。数日後に「給付決定通知書」と「給付券」が郵送され、納入業者にも何日までに納入する事などを記載した通知がいきます。そして申請者が「日常生活用具」を受け取るときに署名・捺印した「給付券」と日常生活用具を引き変える事になります。一方業者は給付券を指定の月日までに役場に届け出て、その後役場から業者の「口座に振り込まれる」となるのです。ここまでを考えても複雑な手順を取っている事を感じられます。私の住む新津市には大きな「量販店」が4箇所ぐらいあると思われます。しかし、市役所の担当者が説明とお願いに行ったところ、全て断られたと言う話が伝わってきました。
 では、一般小売店は言えば昔からのなじみもあって「請求書・見積書」など融通してくれるお店もあるとは思います。しかし、パソコンやDVDなど最新機器はメーカーが生産を限定しているような事で卸してくれないと言う話もあります。問題解決は簡単なのだと私は考えています。「支援費制度」は個人と業者との契約ですから実際に 北欧のように必要な日常生活用具は行政の責任で届けるシステムにするか、いっそ、いくつかの自治体では行われていると聞くようにパソコンを購入した障害者に(その領収書の金額を)支払う様にすればいいのではないでしょうか
国のIT政策で5年間期限付きの「情報バリアーフリー制度」は個人が買ってから振り込まれる形になっています。直販やネット販売など個人の選択肢は現代社会には多くあります。日常生活用具の改定を行うのであれば用具を手にする手順もIT時代にあったものにする事が、解決の道かと思います。(「みんなのねがい」2003年5月号「みんなの広場」掲載文)

◆ 介護支援について ◆
2003年4月支援費制度がスタートする直前に厚生労働省がホームペルパーの医療行為、いわゆる「医療的ケア」についての検討委員会をスタートさせたと言う報道がありました。このことは、私自身が1995年「自立生活」を始めた時、問題提起した事でもあります。

《医療的ケアについての私の経験と問題提起》
◆ 1990年頃私はテレビの番組でスウェーデンの在宅介護の様子を紹介していた光景を思い出しました。ホームヘルパーが、朝7時に訪問して最初に行った事が「インシュリン注射」だったのです。解説では医療的ケアも一定の検証を受けて仕事に携わっているとの事でした。日本が医師法17条で「医療従事者以外の医療行為を禁ずる」となっているそうですが、在宅介護などホームヘルパーが存在しなかった時代の法律なのではないかと思います。

座薬にはいくつかの種類があって、軟膏と解熱鎮痛剤など、外科と内科的作用に分けられると思います。95年私がインフルエンザで高熱を出した時、外来で解熱鎮痛剤が処方されました。訪問看護からヘルパーに「夜、寝る前に入れてもらえますか?」とお願いしましたが、ヘルパーは出来ないことになっていると言う事で、病院のワーカーがボランティアとして訪問してくれた事がありました。この時に「ボランティアに出来て、なんでヘルパーに出来ないのか・・」と思っていました。
ALS患者や脳梗塞の人が、数十分単位で吸引が必要な人が在宅でも多くなっています。これを怠ると呼吸困難になり命にも関わるものです。この事が、理由となってヘルパーが行えないためにヘルパーを利用できないとか、デイサービスも利用できない人が多くいます。家族が、日常的に行っている事であり、一時も体を休める事ができない一つにもなっています。
浣腸は昔から極度な便秘の時に一般家庭でも買い求めて使われてきたものです。私の場合二次障害の一つとして腸の動きが悪くなっています。腸の動きが悪くなると言う事は、「腸閉塞」の原因にもなります。食事もできかす゛、食べた物を戻したりする事もありました。私の場合、生活を維持していくには、毎日欠かす事のできない事です。もし,ヘルパーさんが介護の行為として行えれば、ショートスティも頻繁に利用しなくても良いかもしれません。
糖尿病患者の人が朝と晩などにインシュリンを注射することを病院で指導され在宅生活をしている高齢者も多くいます。高齢者によっては一人暮しの場合震える手で行っている老人もいます。このような場合ヘルパーが手伝う方が正確で安全性がある事はだれが考えても理解できると思うのですが。
内服薬、シップ塗り薬など、医師や薬剤師から注意点を指示されているような事も考えられますが,その注意点を守った上で行えるものではないでしょうか・・・。
日常生活支援を総合的な課題

障害者や高齢者が「人として生活する」上で必要なものや制度は、他の国民と同じに保障されるべきものだと思います。したがって「日常生活用具」に認定されているかいないかという枠組みで゛区別されているところが問題だと思います。労働が保障されていなく経済的な保障がないからこそ物品を給付するのだと言えます。日常生活に必要な物はその時代とともに変わるものであり、そもそも給付する公的機関が給付認定した物しか給付しないということから変えないといけないのだと思います,

 

ホームヘルパーの介護の範囲についても養成段階から見直すべきであり、実技研修の機関と内容を現実の在宅介護を必要としている人達の置かれている環境を総合的に介護できる体制を作れるように変えるべきだと思います。

 

医療行為についても色んな意見があることは承知していますが、日本の看護士全体数が先進国の中でも不足しているといわれています。訪問看護体制が取れていない市町村はいくらでもある事は、多くの人が知るところです。ある人が「ヘルパーの医療行為は政治的には進まない無いだろう・・圧力団体の力があるから・・・」と言っています。医師会などが反対するだろうという事なのです。しかし、例えば訪問看護制度の問題の一つとして、具体的に私が経験しているのは、「必要な人に必要な時間や回数を訪問してもらえない・・・」というこれもまた枠があるから問題なのです。現時点での身体障害者医療保険では1日1時間週3日が限度となっています。これでは毎日の生活に欠かせないとしたら無理だという事は誰でも理解出来ると思います。

 
日本の障害者は「所得保障」がされておらず、最低限の生活をするためには時代にあった家庭用品や機器、介護用品・補装具などを公的機関がいつでも給付できる体制が取られるべきです。エアコンが高価な物として生活保護を受けている人が処分するように役所の担当者から言われるなんて21世紀の今でもあるのでしょうか。エアコンも生活必需品として公費で購入できるようにするのは当然だと思います。
 
2003年5月7日厚生労働省は「ホームヘルパーの医療行為に関する検討委員会」の答申を打ち出しました。マスコミの報道によれば私達障害者や家族・関係者の願いから遠く離れたという声が聞かれるものでした。ALS患者など吸引を条件付きで認めるようになるとのことです。条件というのは,医師の指導を受けること。本人又は家族の了解を得ることなどとなっています。問題はいくつかあって「ヘルパーの介護と認めていない事、要するに医療的ケアーをヘルパーの仕事としては認めていない・・・。さらに責任の所在が、明確化されていない事が大きな問題だと言う事です。その他の医療的ケアーは、検討課題にもあらず,従来通りだと言う事でした。テレビの画面では、患者団体の人達が「家族の苦労は変わらない、患者の立場は何も変わらない・・・厚生労働省の役人は我々の置かれた立場なんかわかっていない・・・」と叫んでいました。
「私の一言」
 国会は国民の代表によって構成され最高決定機関という事は、誰でも知っている事でしょう。しかし、国民が戦争に巻きこまれる可能性が,出てくる法案は簡単に通るのに対して、私達一人一人の日常生活に前向きに答えようとする法案は置き去りにされているような事が、最近多くなっているような気がします。