■2006年5月20日新潟県支部総会における全国事務局長・薗部英夫氏の講演を受けて書いた私の感想文「薗部さんの講演を聞いて・・・」を紹介します。

「薗部さんの講演を聞いて・・・」

  520日薗部さんに会うのは、4年ぶりだと思います。30年近く前、金沢大学で出会ったのが最初でした。気がつくと薗部が私の人生の転換期に助言をくれる大切な一人になっていました。それは、私が「親亡き後地域で生活することを決めた時」と、同時に始めたメールの交換で濃密になってきたと思います。1990年頃日本も新しい社会保障のあり方が求められる気運があった時、私も「新津市の福祉計画策定委員」に選ばれたりして、私が引かれたのは、早稲田大学の社会科学部・スウェーデン社会学科の教授の講座を聴く機会ができた時です。薗部も毎年のように北欧の視察へ行くようになり話をしてくれるようになっていました。

『知識は生きる力〜私の転換期』

 
30年程前全障研を知り全国大会で多勢の障害者、それに関わる様々な人達が こんなにいるんだ・・・と感動して帰ってきた事を覚えています。全障研の理論なんか分かっておらず、友人や色んな方々の活動や言葉から、日本社会の一員という開放感のようなものを感じたのです。「自分も何かができる・・・何かがしたい」と思いながらこれまできたと思います。

私の転換期というと近年では「親亡き後」になります。施設入所も不本意であっても考えていた自分に元気をくれたのは、「みんなのねがい」の編集を手伝っていた人の一言でした。「どこで暮らすかは問題ではない・・・住み慣れた家があるのだからどのような介護体制を作れるか」という事でした。病院に入院中の私は相談員に自分の気持ちを全て伝え関係者に働きかけることを一任したのです。相談員は、可能な限りの体制を準備するために「薗部」にも情報を求めたと聞いています。私にとって地域で暮らすことがあたり前のような気がしていましたが、そうでもないことを介護保険の学習会が行なわれた時、障全協の吉本氏に「全介護の人が一人でいるのは聞いたことがない・・・」と声を掛けて頂きうれしく思った時でした。


 障害者自立支援法は想定以上の問題が噴出しています。よりどころとしてきた「今の施策水準からは低下させません」という尾辻前厚労大臣の国会答弁も、全くといっていいほど有効なものとは成り得ていません。自立支援法は、私の自立を阻む結果になっている事を書かなければなりません。多くの人が指摘するように今までの日本の社会保障は、必要な制度を個人の状況に応じて、介護・医療・日常生活・交通権保障などを併用しながら社会生活を営めるようにすると言われてきました。
自立というなら、生活の全てを保障して成立するものであり、応益負担という事は、経済的圧迫であり、自立支援法は、言葉だけとしか言えないと思います。

「構造改革と利用者への規制」
   構造改革は、私達に何をもたらしたのか、市町村合併は、地方自治法を破壊し市町村が独自にやっていた住民サービスを廃止する結果になっています。デイサービスの利用回数を減らしたり、4月から「総合利用」から撤退する業者は、新たな投資ができなくて、障害者を受け入れないこととなりました。これは、規制緩和と言ってきた一方で新たな規制が事業所に課せられるからと言われています。別のデイサービスへ行かなければならなくなった障害者の受ける側の心理的動揺など配慮する余地などないのです。
『私の生活状況〜自己負担』 病院への通院は、福祉タクシーになります。市の助成は、毎週一回以上使う者にとっては、経済的負担は、計り知れない事です。助成券は、3ヶ月でなくなります。
 医療の関係にしても「県障」という医療費助成は、継続されていますが、「訪問看護の利用回数」は、週3 回までとなっています。市町村合併前は、毎日必要な私に対して市が2回派遣していました。合併直前にこの2回を「デイサービスを使え・・・」という事になったのです。これは、医療的ケアの範囲を充実するような方向で解決します。福祉の先進国は、訓練を受けたホームヘルパーが糖尿病患者の注射も行っています。自立支援というならば数字で規制するのはおかしいし、家族がやれる程度の「医療的ケア」を個人に合わせて認めることが新しい方向でしょう。
 
■通院費、助成券年度分は、6月いっぱいでなくなり、自己負担分はおよそ1ヶ月5回通院することもあるため、往復25000
 ■医療費自己負担は、訪問看護と外来自己負担分を合わせて7000円位になります。
 ■自立支援法の自己負担分が新潟市の助成を引いて19700

 私が自立生活を始めたのは、35年前になります。これまでは、医療・介護通院費用を合計しても一ヶ月5千円程度でした。3年前の市町村合併が決まった頃ボランティアによる移送車が廃止され、訪問看護が減らされ、そして、自立支援法の自己負担分がかかってくると、月額6万円が必要になります。障害基礎年金、重度障害福祉手当、扶養共済などの合計の「50%」の負担増となります。自立支援法で自立できなくなるということです。

「知識は生きる力〜未来志向」
薗部が講演の中で社会保障の先進国の話をしてくれた。そこに何かを見つけようと思うのは、私だけではないでしょう。北欧各国に共通するのは、国民の生命、財産および市民生活が最優先にされた社会作りなのだと思います。
高齢者・障害者・男女・幼児子供などの「枠」はないという事です。人が生まれた時点から必要な殆どの物を社会全体が保障しているからなのだと言うことです。税金は高いと言う事だけ強調されますが、医療従事者やホームヘルパーは国家公務員で身分が保障されており月給が30万円程なのだと言われています。半分が税金だとしても預貯金をする必要もないのです。徹底した所得再配分が行われるのだと思います。年金の問題が日本にも言われていますが、年金のあり方を議論する時、スウェーデンの立法府は、一年以上かけたことは、有名です。日本は、行政府の代表が格差社会のどこが悪いとか、世界のどこを見てもこんな代表は、いないと言われています。格差は、どの位なのか・・・。日本が約100倍・アメリカ511倍と言うのが最近のデータです。こんな社会がいつまでも続く気もしないのですが、もっと勉強する必要はあるのでしょうか。皆さんはどう思いますか・・・。