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「支援費制度2年間を斬る」
2003年スタートした「支援費制度」は、私達に多少の期待を抱かせてくれた事もあるでしょう。それは、私達が、長い間叫び続けた社会保障の基本的政策が世界の流れに沿った主旨・概要も盛り込まれていたからです。
「支援費制度」と「介護保険」に照らしてみると、現実とはかけ離れた「言葉だけの政策」と思うことが最近いくつか感じられるようになりました。現実の介護の現場でどのようなことが起こっているのか検証して見たいと思います。
「介護の質の低下」
2月上旬、石川県のグループホームの職員が自殺未遂で発覚した老人への虐待・殺害がニュースになりました。起こってはいけない事ですが、どこでも起こりうる労働環境が背景にあると思われます。私の近くにも「ユニット」個室の特養があります。グループホームもデイサービスも増えた感じがします。ただし、共通した情報として聞こえてくるのは、個室やグループホームで働く人達の労働条件の厳しさです。支援費の指定事業者として対応する施設も極めて少ないと言えます。
50人定員のデイサービスの話として「午前中に50人を入浴させられないのか・・・」と言う経営者がいると言う事ですが、介護関係者なら難しい事だと言うでしょう。
全室個室の老人ホームは、新しい時代にあったような感じ方もしますが、夜間の体制は、2人の職員であり、その大変さのために長く同じ職場にいることが続かず、1ヶ月で辞めていく事など少なくないと聞きます。個室というのは、一部屋に数人いる部屋よりも職員の出入りが多くなり、同じような部屋を出入りするために途中で呼ばれた場合、どこから出たか分からなく戸惑う事もあるそうです。一人や二人で対応するのに真剣に介護の事を考える職員ほど責任を感じるようになるのです。グループホームは、以前から障害の重い人は、入れないと言われてきたのですが、なぜ何だろうと関係者に聞いたところ、厚労省の職員配置基準が一人の職員に18人の利用者までとなっているそうです。規制緩和によって民間事業者が入りやすくするためではないでしょうか・・・。それに加えて訪問介護や訪問看護の依頼をした場合、全額自己負担の請求となるとの事です。
訪問介護職員も優秀な人材が少なくなっていように思います。全体として優秀な人材が不足しているため各施設などへ転職しているのだと思われます。訪問介護に従事する人の8割前後がパートさんです。そして、殆どが「ヘルパー2級」程度の資格の人です。いつか報道されたように、「ヘルパー資格をなくして、介護福祉士へ」なんて事は、在宅介護が成り立たなくなると言っても過言ではないでしょう。それよりも、仕事の範囲を広く認める事や実働時間の賃金を認める事が専決だと思います。
豪雪地域の訪問介護員は、一人暮らしのお宅の雪かきをしないと家の中に入れません。無報酬だそうです。1日に5〜6件のお宅を訪問する事もあると言うことですが、車での移動は、大きな負担になっていると言うことです。
「利用者の選択権」
さらに利用者の選択権について思っている事は、事業所の都合(人手不足という事)で他の事業者を派遣する事になっているからです。私は、訪問介護員も私の方から事業所を追加してくれ等と言った事は、一度もないのですが、現在3つの事業所が入っています。デイサービスの利用についても一つ目の事業所は、受け入れを拒否しています。ある高齢者施設でも「不規則行動に対応できない・・・」と言う理由で受け入れを拒否されたと言う話があります。真実を知ることなど、私達には、確認のしようがないのです。利用者が選べるというのは、虚像でしかないと思います。利用者から「不服申請」ができる事にはなっていますが、実際には一般的ではないと思います。介護を受ける立場としては、人が度々変わるような事は、介護の質や意思の伝達などから考えても理想ではありません。そもそも自己選択という事ではありませんでした。高水準の労働環境による介護職員不足、施設不足を根本的に改めようとしない限り根本的解決はないと思われます。競争原理によって高水準の介護が期待できると言う人もいますが、介護のコストは、人件費だからです。同時に金儲けの商業主義をすることは、労働力や低賃金を続けることであり、良い介護は、成り立たないのが理論的矛盾だと感じています。
「財政難を理由に社会保障予算を削り、市町村合併などで住民の声を反映しなくなる。」
もう一つの側面として介護保険、支援費制度は、構造改革の一環で、市町村合併と密接に関係するものなのだと言えます。国が財政難を理由に社会保障からその責任を放棄する・・・市町村へ負担させる構図なのだと思います。ところが、日本中の自治体も財政破綻に至っているわけです。
このたび新潟市は、13市町村が合併されました。合併の1年以上も前から地域に根ざした独自施策を各市町村が打ち切ったりしていたのです。2005年3月21日。私の誕生と同じ市政55年で新津市は新潟市に吸収合併しました。最後の新津市議会では、新津市が行なってきた一部住民サービスは、一年間の移行期間(執行猶予?)となりました。新津市では長年継続してきた「重度心身障害者医療費一部負担金助成」(地方自治体の福祉医療制度の一つ)が、新潟市にはありません。私は通院と訪問看護の自己負担分(月額35000円をこえることもあります)が市によって助成されていますが、それがなくなってしまうというのです。さらに来年になると介護費用も3万円以上は自己負担が必要になると聞きます。
日本の社会保障の経過を振り返って考えた時、時の政治経済に翻弄されてきたと感じている人は、私だけではないと思います。「諮問政治」「行政改革」「構造改革」はあたかも国民が望む最善の政策の如く進められてきました。
「利用者にとって良い介護をする事を大切にする法人」もある事も確かです。しかし、介護を必要とする人の年金などの経済的状況は決して豊かとは言えず国家的大きな補償がなければ高齢者や障害者などには、低水準の保障しか受けられない事は明白です。今すぐにでも見直すべきことは、受けられる介護内容を拡大することや医療的介護も介護として認めることが求められているのです。
介護保険が実施された当時の平均一人当たりの利用率・自己負担額は、1万円程度だったのです。不足分は、家族介護などに依存しているという事です。農村部と市街地との利用率の格差が拡大していると言われており、今後、さらに個人負担が増えると言われています。深刻な事態が予測されます。
(参 考関連ページ)
支援費制度2003
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