言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 8/2 NEWS 27


全国人権連事務局長  新井直樹


 法務省案より酷い民主党案を廃案にするため、
  与党幹事長・政調会長・国対に審議未了・廃案を要請しよう!!

 民主党は8月1日、「人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案」(仙谷由人氏ら6名 衆法162-33)を国会に提案した。理由は、「政府案が出なくなった以上、民主党案を世に問わなければなりません」(民主党内のPT座長 江田五月参議院議員)ということによる。
 今国会は8月13日が会期末。衆議院法務委員会は国民の反対が根強い共謀罪新設などの議論がおこなわれているもとで実質審議ができる状況ではない。つまり、選挙対策であることは明白。さらに法案の取り扱いが今後どうなるか不透明だが、今後の国会において自民党内の協議を促し、省案との修正取引をすすめ、何らかの法案を成立させることを意図していると考えられる。
 しかし、この民主党案は法務省案より、更に部落解放同盟の意向にそった内容であり、国民の言論表現の自由を極めて侵害しかねないひどいものである。
 民主党案の特徴は、特別救済の対象を、不当な差別的言動であって、相手方を畏(い)怖、困惑、又は著しく不快にさせるもの、とするなど、省案と同様に定義が曖昧で、恣意的運用が可能であること。
 また、人権委員会を内閣府の外局と、地方にも設けるというもの。しかも中央・地方の人権委員は、「人格が高潔で人権に関して高い識見を有する者」、人権擁護委員は「人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員のうちから」推薦することとしている。
 「差別」でないものまで多数で押しかけ威圧的に「差別糾弾闘争」を進め人権侵害を引き起こしている部落解放同盟の関係者が、解同との癒着をいまだ断ち切れない行政が行われているもとでは、中央・地方の人権委員会や人権擁護委員を組織的に牛耳ることは可能であり、公平な選任の手続き保障もなく、委員の政治的中立性も明記されていない欠陥から。
 「人権」や「差別」などの文言をきちんと定義していないことが、権力や解同による恣意的運用を可能にし、具体的な権利侵害行為からの救済ではなく、国民の内心への介入・監視・管理という極めて危険な事態を常態化しかねないのである。
 党利党略による民主党の暴挙を厳しく指弾すると共に、審議未了に追い込むものである。


 解同の露払い「朝日新聞社」に猛省を促す申し入れを行った。(7/28)
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2005年7月28日
朝日新聞社 御中
全国地域人権運動総連合
議長  石岡 克美

朝日新聞の3月18日と7月28日付社説を問題にする

1,マスコミ等の報道によれば、25日、自民党の与謝野政務調査会長は、自民党人権問題調査会長の古賀氏と協議し、党内の反対論が根強く、仮に法案を提出しても八月十三日までの今の国会の会期内に成立させるのは難しいとして、今の国会への提出を断念せざるを得ないという認識で一致し、与謝野氏が夕方開かれた自民党の役員会で報告し、了承された、といいます。
理由は「(国会の)法務委員会の審議が滞っている現状から」というものです。
 しかし、提案を断念に追い込んだのは、良識ある国民世論と運動です。
 この間私たちは、時々の情勢に応じて、法務大臣や関係議員への申し入れ、3000を目標とした再提案反対のはがき運動、中央の労組・民主団体と共同した要請書の提出、議会対策など、廃案を一貫して求めてきた運動と世論を組み立ててきた成果です。
 マスコミの論調も朝日新聞を除いて、廃案、一から出直せとの社説や主張、論壇が掲載され、人権や差別の定義があいまいで自由な言論活動が抑圧されるとの点が強調されるに至りました。以前の、所管問題やマスコミ規制しか載せず本質的な問題を避けてきた姿勢から大きく変化しました。
 さらに、3月以降、「真の人権擁護を考える懇談会」(自民党/平沼会長)や「人権擁護法案から人権を守る会」(民主党/呼びかけ人=松原仁議員等)が組織され、あいまいな定義による自由の抑圧問題の他に、人権擁護委員の国籍を日本人に限ることや人権委員会の権限が強大であることなどを主張し、大幅修正や廃案を要請しました。
 ジャーナリストや市民による反対運動も広範囲に展開され、地方議会でも言論表現の自由を抑圧しかねないと危惧する意見書も採択され出しました。
このように、人権擁護法案の本質的な問題が議論されるにいたり、自民党内の協議がまとまらなかったものです。
2,先の法案が広範な国民の反対により廃案となったのは、
(1)国連が示す国内人権機構のあり方(パリ原則)とは異なる
(2)公権力による人権侵害を除外しており、最も必要性の高い救済ができない
(3)報道によるプライバシー侵害を特別救済手続きの対象としており、表現・報道の自由と国民の知る権利を奪うことになる
(4)「人権」や「差別」についての明確な規定なしに、「差別言動」を「特別救済手続」として規制の対象としたことが、国民の言論表現活動への抑圧であり憲法に抵触す  るとの批判を受けたこと、などによるものです。
 しかし、朝日新聞は、「メディア規制に加え、『法務省の外局では独立性が保たれない』との批判を受けて廃案に追い込まれた」と2点のみしか問題をあげません。
 特に法案第3条の差別禁止規定に関わって、解同がいう「救済が必要な実態の厳しさ」を鵜呑み、前提に、この条項の見直しに「朝日新聞」は正面から切り込まないでいます。「解同」の部落解放基本法を取り込んだ禁止規定を擁護し、思惑を代弁しているかのごとくです。
 この法案の本質的な問題は、言論・表現、出版、取材の自由に関わる私的領域はもとより公的領域に権力の介入・監視を許すかどうかにあります。
 このように先に廃案となった代物の再検討が求められた課題に対し何らの検討もなく、先に修正が頓挫した内容のままの「人権擁護法」案は、到底、国民的合意も国際社会からも賛同が得られるものではありません。
 「朝日」が法案成立を促す根拠がわかりません。国会での修正協議になるようなものではないことは、平沼氏ら「懇談会」の人たちと与謝野・省との話が決裂していることからも明らかです。
 法律の「根幹」が問題になっているものです。

3,さらに法案のもとは、同和の特別対策の終結との関わりからつくられた人権施策推進審議会の答申にあり、「解同」委員や連合委員も入りとりまとめられた経緯があります。 人権問題といいながら部落差別問題が中心であり、その問題点が法案に反映しています。
 つまり、同和問題に関わる結婚・交際問題のように、この分野で合意されてきた政府見解では、何が差別かを判定することは困難であり、法律などで罰したり規制することは、かえって啓発に反し差別の潜在化を招くと捉えていたが、この法案は明らかに問題解決に逆行する仕組みを内包しています。
 結婚・交際に際して、「部落差別」との断定のもとに、周囲の「反対者」の嫌がらせや侮辱などに「特別救済」を行うことは、国民の内心の自由への介入につながり、意に反する婚姻の強制など憲法が保障する婚姻の自由への行政権力の介入になりかねず、結果的に人権を侵害し、部落問題解決をも阻害するものです。
 また、表現には表現で対抗することが近代社会の基本であり、定義できない「不当な差別的言動」「差別助長行為」などの表現行為に対して、曖昧な基準で「停止」「差し止め」ができ、調査におうじなければ過料を課すなど物理的、強制的な手段による対応を行うことは、言論表現の自由を侵害し、しかも自由な意見交換のできる環境づくりによる部落問題解決にも逆行するものです。
 人権擁護委員に差別糾弾闘争を是とする解同系の関係者が任命されれば、この法により糾弾闘争は合法化され、主観的な判定による「差別」で人権侵害が蔓延しかねません。
 このように、この法案は、国民の望む人権救済制度のあり方に十分応える内容になっていないばかりか、従来、国民生活に係わる私的自治やマスコミのような報道の自由が不可欠な分野へ新たな権力の介入に道を開き、しかも異議申し立てなどの反訴や黙秘権も明確に規定されておらず、解同などの一部の反社会的行為に合法化の道を開くなど、新たな人権侵害を生み出しかねないものです。
 差別や虐待に係わる個別法の整備を進めることで十分対処できる現状です。
 諸外国でも政府から独立した人権救済機関は、個別課題への対応を行っています。
 韓国を例にするならば、あいまいな定義をきちんとすることなど省案の根本的な見直しが必要です。

4,こうした問題をもつ人権擁護法案に反対するものは正当にあつかわれこそすれ、「人権をないがしろにする」「的はずれな議論」などと悪罵をなげかける社説は、国民を愚弄するものです。
 徹底審査の上、公平な議論を国民間でできるよう、猛省を求めます。

朝日新聞【社説】2005年07月28日(木曜日)付
人権擁護法 救済の法律は必要だ

 人権の侵害を、どのようにして救済するか。その手続きを定める人権擁護法案が今国会に提出される予定だったが、自民党は見送る方針を決めた。
 私たちはこの法案に問題があることを指摘してきた。
 ひとつは、新たにつくられる人権委員会が法務省の外局とされたことだ。刑務所や入国管理施設など法務省が管轄しているところでの人権侵害が指摘されるのに、身内に厳しく対処できるだろうか。
 もうひとつは、メディアの取材による被害も救済の対象としたことだ。取材のあり方を行政機関が決めることになり、表現・報道の自由を侵しかねない。
 しかし、差別や虐待に苦しむ人たちをすばやく救済する仕組みや、それを保障する法律は必要である。私たちは、問題のある条文を修正したうえで、法案の成立を急ぐべきだと主張してきた。
 そうした修正のために法案提出を見送ったというのなら、自民党の方針を理解できなくもない。しかし、今回の見送りは、まったく別の問題をめぐって党内の議論が紛糾し、まとまらなかったのが理由だ。
 法案では、各市町村で人権擁護委員が委嘱され、相談や調査・救済の実務に当たる。その委員に外国人がなれるのは問題だ、などの意見が急に噴き出した。
 朝鮮総連や部落解放同盟の名を挙げ、特定の国や団体の影響が強まるのではないかという批判も相次いだ。人権擁護委員から外国人を締め出すため、国籍条項を加えるよう求める声も高まった。
 だが、心配のしすぎではないか。
 今も続く部落差別をなくすことが、この法案の原点だ。部落解放に取り組む人が人権擁護委員に就くことを、この法案は想定している。
 国連規約人権委員会は98年、入国管理職員や警察官らによる人権侵害を扱う独立機関をつくるよう、日本に勧告した。この勧告も法案につながった。外国人への差別や虐待も救済しようという法案である。委員の中に少数の外国人が加わるのは自然なことだろう。
 そもそも、新しい人権擁護委員は市町村長の推薦を受けて委嘱される。その活動は、国会の同意を受けて首相が任命する中央の人権委員会が監督する。
 そんな仕組みで運営されるのに、特定の団体が委員の多数を占めたり、牛耳ったりすることが起こり得るだろうか。短絡的にすぎるのではないか。
 法案に問題がないかどうか、党内で事前に論議するのは結構だ。だが、人権にかかわる大事な法案が、的はずれの意見にとらわれて提出できないようでは、政権党としての度量と責任が問われる。
 人権侵害に苦しむ人びとは、救済の法律を待ち望んでいる。自民党は、なによりもこの現実に目を向けるべきだ。
 法案の最大の問題は、人権委員会の独立性とメディア規制である。広範な支持を得て法案を成立させるために、政府はこの修正をためらってはいけない。


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 7/25 NEWS 26


全国人権連事務局長  新井直樹

法案の今国会提案を断念に追い込む。ねばり強い廃案運動の成果。
 22日全国人権連は井上哲士議員と小西・人権擁護局長に面談し、廃案を主張。
 同日、法務省との話し合い。「差別糾弾の省見解は今後も生かす」(総務課長答弁)
「ただ与謝野政調会長らは、次の国会で修正なしで提出する道筋をつけたい考え」
                          
(TBS NEWS 23日23:14)
与党懇話会の協議内容が明らかになるまで、はがき運動を継続しよう!
解散・総選挙も視野に、真の廃案勢力を前進させるために奮闘しよう!

自民、人権擁護法案の今国会提出見送りへ(朝日新聞 7月23日23時40分)
 自民党は、人権が侵害された場合の救済手続きなどを定める人権擁護法案の今国会提出を見送る方針を固めた。党内の推進、反対両派の調整が暗礁に乗り上げており、来月13日の会期末までに妥協案をまとめるのは困難と判断した。近く与党人権問題懇話会を開いて、最終決定する。
 執行部の一人が23日、「(残り)会期を考えると提出はできない」と明言した。小泉首相が最優先課題に掲げる郵政民営化法案の参院採決を控え、党内に新たな混乱の火種をつくりたくないとの考えもありそうだ。
 同法案をめぐっては、政府や古賀誠・党人権問題等調査会長らが今国会への再提出を目指したが、平沼赳夫前経産相や安倍晋三幹事長代理らが「人権侵害」の定義の明確化や、人権擁護委員を日本国民に限る「国籍条項」の導入など法案の大幅修正を求めていた。
 古賀、平沼両氏が今月13日に協議したが、公明党が反対している国籍条項の導入を古賀氏が拒否。協議は物別れに終わり、与謝野馨政調会長に法案の扱いが委ねられていた。

人権法案 今国会提出見送り 与党方針 郵政優先、亀裂を回避 (産経新聞 24日)
 与党は23日までに、自民党内で賛否が分かれる人権擁護法案の今国会提出を見送る方針を決めた。国会会期末が来月13日に迫る中、「参院は郵政民営化法案で手いっぱい」(自民党幹部)で、法案を提出しても成立のメドが立たないためだ。参院本会議での「郵政決戦」を前に党内の亀裂を深めることは得策ではないとも判断した。
 自民党の与謝野馨政調会長は20日、慎重派の平沼赳夫元経産相らに対し、派閥幹部を通じて「法案提出は困難」との考えを伝えている。また、同法案に反対する党都連幹部らにも法案提出断念の意向を伝えた。
 法案推進派の公明党も、法案提出による自民党内の混乱を懸念、「公明党は自民党内の意見を待っており、まとまらなければそれまでだ」(党幹部)との見方が強い。
 同法案は、自民党人権問題調査会・法務部会合同部会で了承を取り付け、今国会に提出する予定だったが、部会で反対意見が噴出、党内手続きも終わっていない。
 このため、与党人権問題懇話会座長として法案を主導してきた古賀誠元幹事長は今月上旬から、平沼氏や安倍晋三幹事長代理ら慎重派と会談を重ねたが、協議は決裂。
 平沼氏らは「党内民主主義を無視して法案提出を強行すれば政局になることも辞さない」と態度を硬化させていた。

[人権擁護法案]「やはり一から作り直すべきだ」7月25日付・読売社説
 会期末まで残り少ない今国会に、これほど問題点の多い法案を無理に提出する意味は、もうないだろう。
 人権擁護法案については、自民党内でもまだ、意見集約ができていない。郵政民営化関連法案が順調に成立した場合、速やかに党内で法案了承手続きを進め、国会提出を目指す動きもあるが、取りやめるべきである。
 党内の反対派議員でつくる「真の人権擁護を考える懇談会」は、これまで法案の様々な問題点を指摘し、法務省などに条文の修正を迫ってきた。
 法案の問題点の一つは、人権侵害の定義があいまいなことである。
 「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」とされている。だが、この規定では、例えば拉致事件に関し、在日本朝鮮人総連合会の活動を批判する政治家の発言なども、「差別的言動」として「その他の人権侵害行為」に該当する、とされかねない。
 現に発生した人権侵害による被害だけでなく、これから発生する「おそれのある」ものまでが対象とされている。自由な言論・表現活動を委縮させる結果につながる恐れが大きい。
 二つ目は、法務省の外局に置かれる人権委員会の権限が強大すぎることだ。
 「特別救済手続」と称して、裁判所の令状なしに、関係者に出頭を求め、質問することができる。関係書類を提出させたり、関係場所に立ち入ったりすることも可能だ。
 正当な理由なく拒めば、過料が科される。これも運用次第では、言論・表現活動の場に、「弾圧」にも等しい権力機関の介入を招き、調査される側の人権が不当に侵される恐れがある。
 三つ目は、地域社会の人権問題に携わる人権擁護委員の選任資格の問題だ。法案には、現行の人権擁護委員法にある国籍条項がなく、外国人も委員になることができる。
 懸念されるのは、朝鮮総連など特定の団体の関係者が人権擁護委員になり、自分たちに批判的な政治家や報道内容について調査し、人権委員会に“告発”するようなケースだ。
 懇談会は、人権侵害の定義の明確化、人権委員会の権限抑制、国籍条項の導入などを求めた。法務省は一部を除き、根本的修正にはほとんど応じなかった。
 真に、かつ迅速に救済が図られるべき人権を守り、一方で、新たな人権侵害を生む余地のない法案を目指すべきだ。
 そのためには、一から作り直すしかないだろう。拙速な国会提出に、これ以上こだわるべきではない。
新井・注 国籍条項を除けば、読売社説の主張点(内容ではない)は理解できる。


人権法案 今国会提出を断念(東京新聞 23日)

 自民党は二十二日、党内の調整が難航していた人権擁護法案の今国会提出を見送る方針を固めた。同法案をめぐっては、政府が今国会での再提出を目指していたが、八月十三日の会期末が近づく中で、反対派が抵抗姿勢を崩しておらず、政調審議会や総務会など党内手続きのメドが立っていなかった。 

 今月に入って、党人権問題等調査会長の古賀誠元幹事長と、反対派の平沼赳夫前経産相や安倍晋三幹事長代理が会談したものの、平行線に終わっている。

 党執行部は現在、焦点の郵政民営化関連法案の成立に全力を挙げており、党内の混乱を避けるためにも、人権擁護法案の党内手続きをいったん棚上げすることとした。

 推進派の古賀氏ら与党人権問題等懇話会メンバーは22日、同法案について非公式に協議。反対派の抵抗が予想以上に強いことや、今国会の会期が残りわずかなことなどから、法案成立は難しいとの認識で一致。来週中に同懇話会を開き、同法案の今後の取り扱いについて、最終方針を決定することを確認した。

人権法案の今国会提出断念(共同通信)
 自民党は23日までに、党内の調整作業が難航していた人権擁護法案について今国会提出を断念する方針を決めた。自民党幹部は同日、滝実前法務副大臣が郵政民営化関連法案の衆院本会議採決で造反し罷免された影響で、衆院法務委員会が空転していることなどを理由に挙げ「この状況で法案を出すのはみっともない。(見送りの)腹は決めた」と明言した。
 8月13日に会期末を控え、党執行部は郵政法案の成立を最優先する方針で、党内で反発が根強い人権擁護法案の提出手続きを進めようとすれば、さらに党内の混乱を招きかねないとの判断も働いたとみられる。
 同法案は、政府が今国会提出を目指していたが、党内から(1)人権侵害の定義があいまい(2)人権侵害を調査する「人権擁護委員」の選任基準に国籍条項がなく特定団体の影響を受けかねない−−などの反対意見が出て、調整が難航していた。


7月22日法務省(総務課長・救済課長・啓発課長等)との話し合い

(申し入れ事項)


1,国連パリ原則に反し、人権侵害の定義もあいまいで、マスコミ取材や報道、私人間の「差別的諸言動」をも規制する「人権擁護法案」は、欠陥だらけの法案です。法案の問題点が広く国民周知となった今日、国会再提出を断念し、あらためて人権擁護・救済の議論を国民に開かれた方法で行われたい。
  なお、自民党内等での協議に係わって、与謝野試案も含む法務省が示してきた「修正事項」を明らかにされたい。

2,行政書士が職務上の権限を悪用して戸籍謄本や住民票などを取得していた問題は、兵庫県内のみならず全国に波及しています。住民票の閲覧にしても、個人情報保護法との関わりから法的規制が検討されていますが、今回の問題も法的規制を検討すべきと考えます。
そこで、戸籍謄本不正取得の実態を明らかにすると共に、部落解放同盟(解同)兵庫県連が不正請求リストを取得したとの報道(6月9日付神戸新聞)に係わって、この行為は管理者の権限を侵し、個人情報保護法や個人のプライバシーの保護にも反する憲法上の問題を含んでいると考えます。貴省の見解を明らかにされたい。
  とりわけ緊急をようするのは、閲覧された当事者でもない解同本部らが行政書士が 不正に取得した戸籍謄本などを全国で公文書開示請求をしてその実態を明らかにする、としている違法性のある行為を止めさせることです。至急手だてを講じられたい。

3,「解放新聞」2223号(6月20日号)はテレビ朝日と「夏にも糾弾会実施へ」と報じています。
  法務省権管第280号は「確認・糾弾」の違法性を明らかにしていますが、「差別解消という行政目的を達成する上で障害」になっている事態を重く見て、解同とテレビ朝日を指導されたい。


2005年7月22日

法務大臣 南野知恵子 殿


全国地域人権運動総連合
議 長  石岡 克美

人権擁護法案の国会提出に反対します

 今自民党内では、2003年に廃案になった人権擁護法案の骨格を変えずに、メディア規制を「凍結」するとの一部手直しで党内手続きを進めようとする動きと、法案の「根幹」に問題があると指摘する意見とが屹立しています。
 これは、法案の持つ根本的な矛盾により生じているもので、私たちが一貫して指摘してきた問題点の反映でもあります。
 また、多くの新聞社説は、自民党執行部が国民の広範な反対世論を無視して強引に成立させようとしていることに批判の意見を提示し、廃案を主張しています。
 こうした状況の下で、法務省もこれまでの経緯にこだわらずに、広範な国民の反対意見に誠実に耳を傾け、拙速に国会提案を行わないでいただきたい。簡易・迅速な人権侵害の救済に向けて、現行法規の見直しや国連パリ原則に沿った在り方を根本から議論し直すべきでしょう。
 先の法案が、広範な国民の反対により廃案となったのは以下の理由によります。
1,国連が示す国内人権機構のあり方(パリ原則)と異なる。
2,公権力による人権侵害を除外しており、もっとも必要性の高い救済ができない。
3,報道によるプライバシー侵害を特別救済手続きの対象としており、表現・報道の自 由と国民の知る権利を奪う。
4,「人権」や「差別」についての明確な規定なしに、「差別的言動」を「特別救済手続」 として規制の対象としたことが、国民の言論表現活動への抑圧であり憲法に抵触する。
 なお、法務省はこの法により差別と虐待を救済すると喧伝していますが、例えば部落差別は現行法規で充分対応ができます。「現行法では不十分だ」として「人権侵害に関する法律」の早期成立を要求しているのは、一部の解放運動団体だけです。この団体は、法務省も批判見解を明らかにしていますが、国民の言論と内心の自由を抑圧する私的制裁の「確認・糾弾」を「解放運動の生命線」と言って憚らず、この法案を「確認・糾弾」に代理させようとしているものです。
 また、女性や障害者、高齢者などの差別や虐待の救済は、個別法の整備で済みます。
 国民の基本的人権に関わる重要な政策が、非民主的な手続きのもと、反対意見を無視して提案・可決することのないよう、あらためて申し入れるものです。

*関係議員に対する再提案反対、激励の申し入れ、麻生大臣への真相を糺す申し入れも22日に行いました。


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 7/15 NEWS 25


全国人権連事務局長  新井直樹


「再提出反対・廃案要請はがき」の段取りと点検、3000目標をやりきろう!!
解同は25日に3000人集会を計画。基本法実行委解体の申し入れを早急に!!


  平沼は14日午後、「人権法案の協議打ち切り」を古賀に通告
 古賀は与謝野に「今国会提出に向けた党内手続きを進めるか
         どうかは党執行部の判断に委ねる」と。(共同通信7月14日)


 (産経新聞)7月12日 「法務部会の法案了承手続きには一切瑕疵(かし)はない。法案の重要性と合わせて理解してほしい」法案を主導する古賀誠元幹事長は6日夜、反対派の平沼氏、安倍晋三幹事長代理、古屋圭司衆院議員と都内で極秘に会談し、今国会での法案成立に決意を示した。これに対し、平沼氏らは「この法案は問題点が多い。強引なやり方で党内手続きを進めたらどうなるか分かるはずだ」と譲らず、平行線をたどった。この会談を受けて、古賀氏は8日午前、党本部で与謝野馨政調会長と今後の対応を協議。部会での手続きを終えたという認識は確認したが、政調や総務会など今後の党内手続きについて結論は出なかったという。


 (西日本新聞)7月15日 人権擁護法案が付託される衆院法務委員会には現在、共謀罪の新設を含む刑法など一部改正案、少年法改正案が残っており、日程的にも厳しい状況だ。12日の集会で組坂繁之・部落解放同盟中央本部執行委員長は「今週が最大のヤマ場。与野党議員が知恵を出し合い、今国会制定に向けて努力を」と強調。自見庄三郎・自民党人権問題等調査会副会長は「与党としての責任を果たさなくてはならない」と述べた。


 (産経新聞)7月14日 古賀誠元幹事長らと、平沼赳夫元経済産業相らが13日、都内のホテルで会談し、古賀氏は今週中に政調審議会、総務会を開いて法案提出の了承を取り付けたい意向を示したが、平沼氏らは「議論を続けるべきだ」と譲らず、結論を持ち越した。会合では、法案を所管する法務省幹部が、平沼氏ら慎重派が求める法案の大幅修正に強い難色を示したため、慎重派は「納得いかない」と反発した。


 (産経新聞)7月15日 与謝野は14日、党人権問題調査会長の古賀誠元幹事長と会談し、党内で賛否が分かれる人権擁護法案について「何とか政調審議会にかけられるようにしたい」と述べ、党の法案了承手続きを進め、今国会中の法案提出を目指す意向を示した。これに対し、「真の人権擁護を考える懇談会」(会長、平沼赳夫元経産相)は同日夕、緊急役員会を開催。「強引な手法で法案を押し通すならば、自民党の歴史に重大な汚点を残す」との声明を出し、党執行部の性急な対応を牽制した。


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 7/8 NEWS 24


全国人権連事務局長  新井直樹


「再提出反対・廃案要請はがき」の段取りと点検、3000目標をやりきろう!!
 法案は7月11日の週がヤマ場
 廃案世論が法案の帰趨を決める。古賀・辞任表明の真相不明(後日、与謝野に慰留されてたことが判明)

(読売新聞5日 深夜)「自民党の古賀誠・元幹事長は五日、都内で記者団に対し、党人権問題等調査会長と、自民、公明両党でつくる与党人権問題等懇話会の座長を辞任することを明らかにした。衆院本会議での郵政民営化関連法案採決で棄権したことが理由と見られる」

日本共産党・穀田恵二衆議院議員「人権擁護法案」について−市民の言論規制する危険
 政府が今国会に再提出を予定している人権擁護法案について、世論の批判が高まっている。私のところにも、連日のように反対を訴える電子メールが届いていて、この問題の関心の高さを伺える。同時に頼もしい限りだ。
 皆さんのメールに感謝しつつ、私の考える点を表明する。
 日本共産党は、そもそもこの法案が憲法21条で保障された国民の言論・表現の自由を脅かす根本的な問題・欠陥を持っている法案であることから、この法案に反対し、国民的合意ができる人権救済の仕組みをつくるため議論を根本からやり直すべきだと主張している。
 また、今国会に提出されている政府案は、そのほかにも様々な問題点がある。
 法案では、法務省の外局につくられる人権委員会が、不当な差別や虐待など人権侵害の救済に当たるという。
 官庁や企業による不当な差別的取り扱いを規制するのは当然だが、市民の間の言論表現活動も規制の対象になるという。何を差別的とするかの判断は裁判などで意見が分かれる微妙な問題であり、恣意的な運用で、人権委員会による市民の言動への監視・市民生活への介入が懸念される。
 「差別」を口実にした市民生活への介入といえば、かつての「解同(部落解放同盟)」による、一方的な「差別的表現」との断定や集団的つるし上げ「確認・糾弾闘争」を思い出す。教育現場での混乱、校長の自殺など痛ましい事件も起きた。現在でも、この「糾弾闘争」は続いており、今回の法案が「解同」の運動に悪用されれば「人権擁護法」によって、人権侵害の「確認・糾弾闘争」が行われるという皮肉な結果になりかねない。
 また、報道機関への「差別」を口実にした出版・報道の事前差し止めなど、メディアへの介入・規制の危険もある。出版の自由への法による規制は、到底認められない。
 人権委員会が法務省の外局となっているが、これでは同省の管轄化にある刑務所などの人権侵害は救済されない。
 こんな法案は国会に提出すべきではない。国民的な合意ができる人権救済の仕組みを
つくるため、議論を根本からやり直すべきだ。(Update : 2005/06/27)




はがき要請文


   解同の差別糾弾を合法化し、「人権」「差別」を口実に
   国民の言論表現の自由を奪い、差別解消をも阻害する
  「人権擁護法案」の再提案に反対し、廃案を求めます

 「人権擁護法案」が、2003年に廃案になった理由は、次の通りです。
(1)国連が示す国内人権機構のあり方(パリ原則)と異なる
(2)公権力による人権侵害を除外しており、最も必要性の高い救済ができない
(3)報道によるプライバシー侵害を規制の対象としており、表現・報道の自由と国民の知る権利を奪うことになる
(4)「人権」や「差別」についての明確な規定が無く、「差別的言動」を罰則・規制の対象としたことが、私人の領域も含む言論表現活動への抑圧であり憲法に抵触する
 しかし政府・与党は、こうした問題の根幹を見直しもせずに、メディア規制を「凍結」するとの小手先の手直しで今国会に再提案、成立をはかろうとしています。
 法案の必要性について、差別と虐待を救済すると喧伝するが、部落差別は現行法規で対応ができ、虐待なども個別法の整備で済みます。不十分だと宣伝しているのは、国民の言論を抑圧する私的制裁である「確認・糾弾」をもって、国民の内心を管理せんとする一部の部落解放運動団体だけであり、これに乗じる与党懇話会のみです。
 国民の基本的人権に関わる重要な法律が、一部の利害で立案されてはならない。このような、人権抑圧法の再提案、可決に断固反対します。

要請先


〒100-8981
千代田区永田町2−2−1 衆議院第一議員会館222号室
自民党政調会長 与謝野 馨 様

(2枚目)
〒100-8981
千代田区永田町2−2−1 衆議院第一議員会館619号室
衆議院法務委員会委員長 塩崎 恭久 様



言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 

                                       6/27 NEWS 23
                                       全国人権連事務局長  新井直樹

 国政に反映する都議選で、革新勢力の前進に力をつくそう 
 法案は7月11日の週がヤマ場
    7月末までに参議院に送れば成立は可能
 最悪、古賀・公明・民主の議員提案もあり得る情勢

  小泉が古賀の郵政賛成と引き替えに、法案反対派の会議足止めを指示しかねない
  広範な団体・個人に「再提出反対・廃案要請はがき」(近日着)の段取りと点検を

人権法案 都議選後に提出へ 政府与党『郵政』衆院通過に専念 (東京新聞23日付)
 政府・与党は22日、自民党内の調整が難航している人権擁護法案について、7月3日投開票の東京都議選後に提出する方針を固めた。 
 郵政民営化関連法案の修正問題や衆院での採決をめぐり、自民党内の混乱が予想されるため、当面は民営化法案の処理に専念。それが終了次第、人権擁護法案の政府・与党内調整を再開し、自民党内手続きを経て国会提出する。
 与党人権問題等懇話会は、同法案を今月上旬に提出する方針を確認しており、提出時期は大幅に遅れることになる。しかし、今国会の会期が8月13日まで延長されたことから、提出が7月になっても、今国会中の成立は可能とみている。
 同法案をめぐっては、自民党内の反対派が人権侵害の定義の明確化など抜本的な法案修正が得られない限り、提出に反対する姿勢を崩していない。執行部は、国会会期を考慮し、反対派の同意が得られない場合でも、提出に踏み切ることを想定している。
 


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 

                                     6/21 NEWS 22
                                     全国人権連事務局長  新井直樹

「欠陥法案の国会再提案断念を求める」世論と運動を高めよう!!
 6月26日(日)14:00大阪グリーン会館で法案シンポ(井上弁護士と新井)

人権擁護法案、2000人反対 都内で集会、平沼元経産相ら出席 (産経)20日
 政府が今国会に提出を予定している人権擁護法案に反対する市民集会が19日、東京都内で開かれた。集会には法案に反対する自民党議員でつくる「真の人権擁護を考える懇談会」の会長、平沼赳夫元経産相らが出席し、現行法案の国会提出に反対する考えを改めて強調した。
 平沼氏は「法案の問題点が改められなければ承認できない」として、「人権侵害」の定義のあいまいさや、救済機関となる人権委員会の権限が強すぎる点、人権擁護委員に国籍条項がない点−、などの問題点を指摘。「国民のすべてが納得し、国民のすべての人権が擁護されるようにするのが政治家の責任だ」と述べた。
 集会は拉致問題や教育問題を考える有志らが主催したもので、約2000人が参加。東京都日野市の市議会で「人権擁護法案の国会提出に反対する意見書」が採択されたことや、約200人の法案に反対する地方議員の組織ができていることも報告された。
 法案に関しては、国籍条項がないことなどを問題視する立場から拉致議連や「救う会」などが反対の声明を出している。表現の自由を守る立場から、日本ペンクラブや日本新聞協会、日本民間放送連盟も、反対や見直しを求める声明を出している。
 法案は与党内で賛否が分かれ提出が先送りされていたが、国会の会期延長で再び提出される可能性が出ている。ただ、党執行部が提出を強行すれば、反対派との衝突は避けられず、郵政民営化関連法案の行方をも左右しかねないだけに、ギリギリの駆け引きが続きそうだ。
 党内手続きの一任を受けた与謝野馨政調会長は、反対派の「真の人権擁護を考える懇談会」(平沼赳夫会長)が作成した修正案を突っぱね、法案提出に前向きとされる。武部勤幹事長も法案提出に理解を示しており、党執行部で反対派は安倍晋三幹事長代理だけ。しかし、中堅・若手中心の反対派は「問題の深さは郵政民営化関連法案の比ではない」(古屋圭司衆院議員)と法案提出を阻止する構えだ。
─────────────────────────────────────── 
(集会参加議員)古川禎久・自民党衆議院議員、渡辺周・民主党衆議院議員(秘書)  

(日野市議会)日本共産党議員団が提起した修正案が全員一致で採択されました。

                                   平成17年6月  日
内閣総理大臣 小泉純一郎 様
法  務大臣 南野千恵子 様

                                   日野市議会

        人権擁護法案の国会提出に反対する意見書

 平成13年に人権擁護推進審議会が行った、「独立の機関を中心とした新たな人権擁護制度」を求めた答申を受けて、政府が提出した人権擁護法案は、国会審議の過程で、メディア規制条項などの抜本修正を求める世論が高まり、平成15年10月の衆議院解散により廃案となりました。しかしながら、政府は前法案にほとんど修正をしないまま今国会に法案の再提出をめざしており、これには下記の問題点が指摘されています。

 「人権侵害」の定義があいまいなため恣意的解釈が可能であり、市民の間の言動まで「差別的言動」として人権委員会が介入し、規制することになれば、国民の言論・表現の自由、内心の自由が侵害される恐れがあります。この問題点を残したまま法案が成立するならば、基本的人権である言論の自由が奪われ、あらたな人権侵害につながる恐れがあります。

 よって、日野市議会は言論統制の時代を将来せしめる、法案の政府提出に強く反対するものであります。

 以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出します。


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 

                                   6/17 NEWS 21
                   全国人権連事務局長  新井直樹

6月19日までの国会会期は、8月13日まで延長必至
与党は都議選後に教基法改悪や郵政、
 人権法案など重要案件を一気に仕上げる構え
都議選(7月3日投開票)の結果は国政に連動する、
 都民の暮らしと福祉を重視する真の革新勢力を伸ばそう!!
人権法案推進勢力の自公民等の都議候補に
 廃案の要請を進め選挙の争点にしよう!!

産経新聞(6月15日朝刊)
 人権擁護法案をめぐり自民党の与謝野馨政調会長は15日、党本部で法案反対派の議連 「真の人権擁護を考える懇談会」会長の平沼赳夫元経産相と会談し、 平沼氏は「法案の根本的な問題は解決しておらず、今国会提出にこだわるべきでない」 と議論継続を要請。
 与謝野氏は議論継続に強い難色を示したが、「私の職権で法案提出を強行することはない」 と述べた。

週刊新潮6月23日号
 法務省官僚が自民党異論派の説得工作にあたっている様子が記事化されている。


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 

                                          6/9 NEWS 20
                                     全国人権連事務局長  新井直樹

 以下の意見書案が議会に出されています。今後、各地の議会でも問題になることが予想されます。
 「人権擁護法案の廃案を求める意見書(案)」
1) 「人権侵害」の定義があいまいなため恣意的解釈が可能であり、不当に人権侵害の申出の対象としてされた者の保護が不十分である。
2) また、人権救済機関となる人権委員会に裁判所の令状なしに家宅捜査・差押え、ならびに出頭命令をおこなう権限をあたえることは、司法権を侵し憲法違反の疑いがある。
3)しかも、人権擁護委員には国籍条項が整備されておらず、加えて、その選任過程における透明性の確保や政治的中立性の規定が不十分である。
  

  言論統制社会を招来せしめる、法案の政府提出に強く反対し、その廃案を要望する。
                          平成17年6月 日 (東京都)日野市議会議長

 意見書案の提案者は拉致議連・平沼氏や「新しい教科書をつくる会」とも連動する人々か?
   

          日本会議首都圏地方議員懇談会    会長 藤崎よしのり(墨田区)                                          http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-date-20050604.html


 日本会議(会長 三好達元最高裁長官)は平成9年5月設立。超党派の国会議員懇談会(会長 平沼赳夫前経済産業大臣)と連携。日本会議に所属する首都圏の地方議員が連携し、地方議会から「誇りある国づくり」を発信するため日本会議首都圏地方議員懇談会を設立。(平成17年3月6日)
〈基本方針〉
1、皇室を尊び、伝統文化を尊重し「誇りある日本」の国づくりをめざす。
2、わが国の国柄に基づいた「新憲法」「新教育基本法」を提唱し、この制定をめざす。
3、独立国家の主権と名誉を守る外交と安全保障を実現する。
4、祖国への誇りと愛情をもった青少年の健全育成へ向け、教育改革に取り組む。


   懇談会 副会長 松浦芳子(杉並区)氏らは「法案に反対する全国地方議員の会」を主宰
   http://matsuura-yoshiko.cocolog-nifty.com/hitorigoto/(4月29日現在161名)

 廃案の意見書だが、全国人権連が法案の問題点と指摘する事柄と異なり賛同はできない。
 

 法案の問題点は、

(1)国連が示す国内人権機構のあり方(パリ原則)と異なる、

(2)公権力による人権侵害を除外しており、最も必要性の高い救済ができない、

(3)報道によるプライバシー侵害を「特別救済手続」の対象としており、表現・報道の自由と国民の知る権利を奪うことになる、

(4)「人権」や「差別」についての明確な規定なしに、「差別言動」を「特別救済手続」として規制の対象としたことが、国民の言論表現活動への抑圧であり憲法に抵触する、ことにある。


 人権擁護委員に国籍条項を設けて日本国籍に限る、国交のある国の国籍に限るなどの意見は、世界人権宣言等に反する排外主義・人種等の差別論であり国籍条項は必要ない。


資料  懇談会の提言と法務省回答を紹介します   6月3日
               http://blog.goo.ne.jp/jinken110/d/20050603
        人権擁護法案を危惧する国民協議会 人権擁護法案を考える市民の会

***********************************

<定義関係>(2条・3条)

<政府案>
@「その他の人権を侵害する行為」(2条1項)
A「侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動」(3条1項2号イ)
B「不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的」(同項1号)

<問題点>
○人権侵害の定義があいまいであり、恣意的な解釈・運用が可能でないか。

<修正の考え方と修正イメージ>
○人権侵害の定義を次のとおり明確化する。
@「日本国憲法の保障する権利及び自由を違法に侵害する行為」
A「侮辱その他の違法な差別的行為」
B「違法な差別的取扱いをさせる目的」
*「B差別助長行為」の規定の存否については、なお要検討

<回答>
@対応可 ただし規定振りについては要検討
A対応不可
審議会答申も差別表現に対する積極的対応を求めており、言論を除外することは本法案の根幹にかかわる。
B対応不可
差別助長行為等の要件を「不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的」から「違法な差別的取扱いをさせる目的」に修正することにより、部落地名総鑑等の頒布等による差別助長行為等に対応することができなくなり、審議会答申の趣旨にも反する。
***********************************

<基本計画の策定>〔新設〕

<政府案>
〔規定なし〕

<問題点>
○人権委員会に準司法的手続を担わせることは、同委員会に大きな権限を付与することにつながり不適当である。むしろ人権委員会には、人権救済全般に対する提言機能を付与するべきではないか。

<修正の考え方と修正イメージ>
○政府(法務大臣?)は、人権委員会の意見を聴いて、人権擁護に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本計画を策定しなければならないものとする。〔下記「人権委員会」の項参照〕。

【基本計画に盛り込むべき事項(案)】
・人権侵害の実態の把握
・個別の人権侵害に対する救済の在り方(必要な法制度及びガイドラインの整備等を含む。)
・その他被害の救済を図るための総合的かつ効果的な推進体制
*計画策定権限をどの機関に付与するかについては要検討

<回答>
対応不可
人権委員会の位置付け、権限と関係し、人権委員会を8条機関とした上で権限を縮小することを前提とするものであると思われるが、人権委員会を政府からの独立性のある機関とすることは、審議会答申も求めており、国際機関からも要請されている。人権委員会を8条期間とすることは本法案の根幹にかかわる。
なお、人権委員会の提言機能については、本法案20条に規定されている。
***********************************

<人権委員会 機関関係>(5条)

<政府案>
○3条機関(法務省所轄)

<問題点>
○人権委員会は3条期間でなければならないのか。

<修正の考え方と修正イメージ>
○次の二つの観点から権限及び位置付けを整理する。
・大幅に権限を縮小した上で、大臣から若干の独立性を保った3条機関とするか、あるいは大臣に従属する8条機関とするか。
・法務省に設置するか、それとも他の機関(内閣府)とするか。
*権限縮小に伴う名称変更の必要性について要検討

<回答>
対応不可 
人権委員会を政府から独立性のある機関とすることは、審議会答申も求めており、国際機関からも要請されている。この点を修正することは本法案の根幹にかかわる。
***********************************

<人権委員会 権限関係>(6条)

<政府案>
○人権委員会の所掌事務
・人権侵害による被害の救済・予防
・人権啓発及び民間における人権擁護運動の支援
・人権擁護委員の委嘱
・国際協力
・その他法律に基づき人権委員会に属せられた事務

<問題点>
○人権委員会の権限が強大ではないか。

<修正の考え方と修正イメージ>
○所掌事務を次のとおりとする。(特別調査権限は削除し、併せて特別救済措置の内容を整理する。) 〔下記「人権救済手続」の項参照〕。
・人権侵害による被害の救済・予防
・人権啓発及び民間における人権擁護運動の支援
・“削除→人権擁護委員の委嘱”
・“削除→国際協力”
・人権擁護に関する基本的な計画に関し、意見を述べること(上記〔責務〕の項参照)その他その所掌に属させられた事務
*人権擁護委員の委嘱をどの機関に行わせるかについては、上記「機関関係」と同様に要検討。またこれと併せて人権委員会と人権擁護委員との関係をどのように整理するかについても要検討

<回答>
対応不可
人権委員会を8条機関とした上で権限を縮小するものであると思われるが、人権委員会を政府からの独立性のある機関とすることは、審議会答申も求めており、国際機関からも要請されている。この点を修正することは本法案の根幹にかかわる。
***********************************

<人権擁護委員 選任要件>(22条・23条)

<政府案>
○国籍要件なし。
○弁護士会等の構成員であることが委嘱の推薦の要件の一つとされている。(22条関係)。
○委嘱の特例規定あり。(23条関係)。

<問題点>
○外国人に人権擁護委員の選任資格を与えることは不適当ではないか。
○人権用語委員の推薦に当たっての団体構成員枠をなくすべきではないか。
○市町村長の推薦を経ることなく、人権擁護委員の選任を認めた場合、人権擁護委員は、民主的な手続により選任されるとはいえないのではないか。

<修正の考え方と修正イメージ>
○国籍要件を設ける。(次の条文の緑字部分を参照) <ブログ注記 緑字は表示されません。>
○団体構成員に係る文言を削除する。
市町村長は、○○大臣*に対し、当該市町村の議会の議員の選挙権を有する住民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者 “削除→及び弁護士会その他人権の擁護を目的とし、またはこれを支持する団体の構成員”のうちから・・・候補者を推薦しなければならない。
*人権擁護委員の委嘱をどの機関が行うかについては要検討
○23条(委嘱の特例規定)を削除する。
“削除→人権委員会は、市町村長等の意見を聴いて、市町村長が推薦した者以外の適任者に人権擁護委員を委嘱することができる。”
*当該規定を削除した場合、市町村長の負担がかえって増すことになるとの懸念もあり、規定の存否について要検討

<回答>
○国籍要件 
審議会答申の趣旨を尊重して外国人に人権擁護委員を委嘱することを可能とすべきである。ただし、国会審議の状況により対応は可能。
○団体構成員に係る文言の削除
合同会議において既に修正済み
○委嘱の特例規定の削除
審議会答申で提言された制度であり、削除することは審議会答申の趣旨に反することになるが、国会審議の状況により対応は可能。
***********************************

<人権擁護委員 服務関係>(29条)

<政府案>
○政治的中立性に係る規定なし。

<問題点>
○人権擁護委員について政治的中立性に係る規定を設けるべきではないか。

<修正の考え方と修正イメージ>
○政治的中立性に係る規定を置く。
人権擁護委員は、その職務上の地位又はその職務の執行を政党又は政治的目的のために利用してはならない。

<回答>
○服務関係
合同会議において既に修正済み
***********************************

<相手方の保護>

<政府案> 〔規定なし〕

<問題点>
○不当な人権侵害の申出の対象とされた者の保護が不十分ではないか。

<修正の考え方と修正イメージ>
○濫訴的な申出に係る事案等については救済手続を不開始とする旨明示とともに、その具体例(「救済手続の不開始事由に関する規則のアウトライン」)を法律に明記する。
○簡易迅速な救済が図られるということは、申出の相手方の人権が粗略に扱われることではないか。

【アウトラインの概要】
・学術上論争の当否等に関する判断を行わなければ、人権侵害に該当するか否か判断できないものであるとき。
・特定の法制度が憲法に違反することを前提にしなければ、人権侵害に該当すると認められないものであるとき。
・不当な利権を得る目的で申出が為されたとき。
・特定団体の運動の思想を喧伝する目的であるとき。
○調査を受けた相手方の求めに応じ、調査結果を通知しなければならない旨の規定を設ける。
人権委員会は、調査をした結果措置を講ずる必要がないと認める場合において、相手方から調査結果について通知を求める旨の申出があったときは、調査の結果を通知しなければならない。
(以上38条関係)
○「勧告」に対して、不服の申出制度を設ける。
勧告を受けた者は、当該勧告に不服があるときは、人権委員会に対し異議を述べることができる。
○「勧告」の通知を受けた被害者について記載情報の濫用防止規定を設ける。
勧告の通知を受けた被害者は、当該内容を用いるに当たり、不当に関係者の名誉又は生活の平穏を害することのないように注意しなければならない。
(以上60条関係)
○申出・申請についての濫用防止規定を設ける。
この法律の定めるところにより、申出をするに当たっては、他者の人権を侵害することがないように留意するとともに、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。
(82条関係)
○相手方の意見を十分に聴取するなどの手続的担保措置(「人権委員会の判断の透明性に関する規則のアウトライン」)を法律に明記する。(38条関係)

【アウトラインの概要】
・人権委員会は、人権侵害等の事実を認定するためには、証拠に基づいてしなければならない。
・ 事実認定に基いる(原文のまま。正しくは“用いる”であろう) ことができる証拠は、適法に収集されたものに限られる。

<回答>
○不開始事由
対応可 ただし、規定振りについては要検討。
○調査結果の通知
合同会議において既に修正済み
○勧告に対する不服申出
合同会議において既に修正済み
○勧告の通知を受けた被害者の情報朗詠防止規定
対応可 ただし規定振りについては要検討。
○申出等の濫用防止
合同会議において既に修正済み
○手続的担保措置
対応可 ただし、規定振りについては要検討。
***********************************

<特別救済>(41条、42条、44条、46条〜65条)

<政府案>
○特別救済手続の対象となる人権侵害等の定義
・「不当な差別的言動」
・「相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの」(以上42条1項2)号
・「前各号に規定する人権侵害に準ずる人権侵害」(同項5号)
○報道期間等が行う人権侵害が特別救済の対象とされている(同項4号)
○特別救済措置を行うための前段階の措置として次の特別調査権限あり(44条関係)。
・関係者に出頭を求め、質問すること。
・文書等の所持人に対し、提出を求め、又は当該文書等を留め置くこと。
・人権侵害が行われ、又は行われた疑いがある場所に立ち入り、文書その他の物件を検査し、質問すること。
○特別救済の内容として、次の措置を規定
・調停及び仲裁(45条〜59条)
・勧告及びその公表(60条・61条・64条)
・訴訟援助(62条・63条)
・差別助長行為等の差止請求訴訟(65条)

<問題点>
○特別救済手続の対象となる人権侵害につき文言があいまいであり、恣意的な解釈・運用が可能ではないか。
○いわゆるメディア規制条項を削除すべきではないか。
○人権委員会の権限が強大ではないか。

<修正の考え方と修正イメージ>
○特別救済手続の対象となる行為を明確化する。
・「違法な差別的行為」
・「相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせる方法で行われるもの」(以上42条1項2号関係)
・“削除→前各号に規定する人権侵害に準ずる人権侵害”(42条1項5号の削除)
○42条1項4号を削除する。(ブログ注記 いわゆるメディア条項の削除)
○特別調査に係る規定をすべて削除する(44条関係)。
・“削除→関係者に出頭を求め、質問すること。”
・“削除→文書等の所持人に対し、提出を求め、又は当該文書等を留め置くこと。”
・“削除→人権侵害が行われ、又は行われた疑いがある場所に立ち入り、文書その他の物件を検査し、質問すること。”
○「調停及び仲裁」並びに「勧告」以外の特別救済の措置を削除する。
・調停及び仲裁(45条〜59条)
・勧告“削除→及びその公表”(60条・“削除→61条”・64条)
・“削除→訴訟援助(62条・63条)”
・“削除→差別助長行為等の差止請求訴訟(65条)”
*「勧告」の措置の存否については要検討
*この法律に規定する救済以外については、司法的救済(刑罰・損害賠償請求など)、準司法的救済(裁判外紛争解決手続)又は行政的救済(雇用関係については都道府県労働局長による紛争解決援助など)に委ねることとする。

<回答>
○「違法な差別的行為」
対応不可 
審議会答申も差別的表現に対する積極的対応を求めており、言論を除外することは本法案の根幹にかかわる。
○「相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせる方法で行われるもの」
対応可  ただし、規定振りについては要検討。
○「前各号に規定する人権侵害に準じる人権侵害」の削除
対応可
○報道関係条項の削除
与党懇の凍結の方針を尊重すべきである。ただし、国会審議の状況により対応は可能。
○特別調査に係る規定の削除
対応不可
人権救済の実効性を担保するため、調査権限を強化することは審議会答申も求めており、本法案の立法の意味はこの点にある。特別調査に係る規定をすべて削除することは、本法案の根幹にかかわる。
ただし、@過料を引き下げること、A差別的発言等について立入調査を行わないことなどの対応は可能。
○特別救済措置の一部削除
対応不可
人権救済の実効性を担保するため、訴訟援助等の措置を設けることは審議会答申も求めており、本法案の立法の意味はこの点にある。訴訟援助等の措置を削除することは本法案の根幹にかかわる。
***********************************

<その他>

<政府案>
【目的規定関係】
○「人権の侵害により発生し、又は発生するおそれのある被害」
○「適正かつ迅速な救済又はその実効的な予防」(以上1条)

【人権委員関係】
○人権委員会事務局に「弁護士となる資格を有する者」の必置規定あり(15条)。
○〔規定なし〕<ブログ注記 以下の<問題点>の三項目に該当する法案条文がないという意味>
○人権委員と私的な人権擁護団体との調整規定あり(83条)。

<問題点>
○上記修正による定義の明確化を踏まえると、「救済」と同列で「予防」を目的に記載することは不適切ではないか。
○弁護士となる資格を有する者とはいかなる者か不明確ではないか。
○人権委員会による事務局員の監督規定が必要ではないか。
○人権委員会が私的な人権擁護団体と緊密に連携することにより、法律が適正に運用それなくなるのではないか。

<修正の考え方と修正イメージ>
○全体の修正に合わせて目的規定を整理する。
「人権の侵害により発生した被害」
「適正かつ迅速な救済等」
○資格を明確化する。
弁護士法第2章の規定により弁護士となる資格を有する者
○委員長の監督規定を設ける。
事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。
○「公私の団体」の文言を削除する。
人権委員会・・・は、この法律の運用に当たっては、関係行政機関“削除→及び関係のある公私の団体”と緊密な連携を図るよう努めなければならない。

<回答>
○「おそれ」「予防」の削除
対応不可
人権侵害による被害のおそれがある場合にその予防のために措置を講じることは、人権救済にとって最も効果的であり、審議会答申もこの点強調している。「おそれ」「予防」の規定を削除することは本法案の根幹にかかわる。
ただし、言論等の表現活動に限定して「おそれ」「予防」の場合に、一定の措置を講じないとの構成にとどめるものであれば、対応は可能。
○弁護士資格の明確化
対応可
ただし、規定振りについては要検討。なお、現に弁護士である者に限るということであれば対応不可。<ブログ注記 弁護士となる資格は司法試験に合格し司法修習を終えた者以外に、司法試験合格後一定の条件を満たせば企業勤務者、大学教授、国会議員などでも弁護士となる資格を有します。>
○委員長の監督規定
人権委員会を8条期間とすることを前提とするのであれば、対応不可。
○「公私の団体との緊密な連携」の削除
合同会議において既に修正済み


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 

   6/8 NEWS 19
全国人権連事務局長  新井直樹

 自民党内の議論は大きなヤマ場。「法案の根幹は変えない」という省・自民執行部。

 全国人権連は、中央諸団体に抗議の要請をしました。各都府県連も抗議の集中を。


 (共同通信)政府の人権擁護法案に反対する自民党議員による「真の人権擁護を考える懇談会」は8日午前、国会内で会合を開き、懇談会がまとめた修正案に対する与謝野馨政調会長の回答について「(法案の)根幹的な問題点を解決しておらず、受け入れられない」との見解をまとめ、政府案の国会提出に反対する方針をあらためて示した。 (6月8日12時56分更新)


(資料)
                             2005年6月8日
中央労組・民主団体 御中
全国地域人権運動総連合
議 長  石岡 克美


 解同の差別糾弾を合法化し、国民の言論表現の自由を奪う「人権擁護法案」
 皆様方からも、人権擁護に役立たない、憲法改悪の先取り等と、

それぞれの立場から批判を集中してくださることを、強くお願いするものです。


抗議先 自民党幹事長   武部勤  FAX 03−3502−5190
     政調会長      与謝野馨 FAX 03−3357−6655
 総務局長      二階俊博 FAX 03−3502−5037
 調査会長     古賀誠 FAX 03−3597−0483


 政府と解同・古賀らは法案を3月15日に閣議決定し、早い時期の成立を画策していました。ところが自民党法務部会(平沢会長)と人権問題等調査会(古賀会長)の合同会議で、拉致議連関係の議員多数から「人権侵害の定義が曖昧」等の異論が噴出し、党内議論は紛糾し今日に至っています。
 現在、二階が5日の解同和歌山県連大会で、「武部幹事長と解同は4月24日の山拓補選前に今国会での成立を確約している」と暴露。与謝野は自民党内の懇談会(会長・平沼)と古賀らの調整を一気に進める、という事態にあります。
 特に、懇談会側が法案に対する見解をまとめ与謝野の回答(6月2日)を得たところ、法務省の見解として、1)「人権侵害の定義等が不明確」との指摘に「審議会答申の趣旨に反する」から対応不可、2)「人権委員会の権限が強大」との点は「審議会答申も求めており、国際機関からも要請されている」から対応不可と、「理由にならない」(懇談会)ものです。このように「法律の根幹」(法務省)に係わる部分は一切見直しをしないことを表明したものです。
 こうした自民党内の懇談会が提起している点は、われわれ民主勢力が以前から指摘したことであり、廃案運動の継続が、法の持つ本質的な欠陥をあらわにさせてきたものです。去る20日の学習会では「憲法改悪反対を封じ込める『差別規制装置』としての側面は軽視できない」こと、廃案の世論と運動を盛り上げることを確認しました。
是非皆様方の力強いご意見を自民党の関係者にしていただけると幸いです。


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 6/7 

 昨日産経は各紙の社説を検証する記事を掲載した。とりわけ朝日の姿勢を厳しく批判していた。

 朝日は、様々な問題点が自民党内でも指摘され出したにも拘わらず修正して成立を急げ、との立場を崩さない。

 「真の人権擁護を考える懇談会」は6月2日に、

   法案の主な問題点を指摘したペーパー(一部修正したPDF版を掲示)を議員やマスコミに配布した。

 指摘している点の多くは、我々も当初から問題にしてきたもの。言論表現に係わる規制事項が主要な論点と。

 誰が見ても「欠陥法案」である。これらの問題点を頬被りして、対案などあり得ない。推進する側の意図が露わとなった。

6月7日付・読売社説(1)
 [人権擁護法案]「国会提出には抜本修正が必要だ」
 人権擁護法案をめぐる議論の過程で、様々な疑念が浮かび上がっている。それが少しも解消されていない。
 自民党内では、週内にも、調整役の与謝野馨政調会長が政府案の推進派、反対派双方の代表と三者会談を開き、法案の国会提出に向けて最終的な結論を出す意向だという。
 反対派は、そもそも「人権侵害」の定義があいまいだ、と主張してきた。
 法案は「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」と規定している。法務省は「刑法上の犯罪行為と民法上の不法行為が、これに該当する」という見解をとっている。
 だが、「その他の人権侵害」が、恣意(しい)的に拡大解釈される恐れはないのか。政治家の政治的信条に基づく言動や、メディアが報道目的で行う言論活動までが、一方的に「人権侵害」と指弾を受けることも想定される。
 そうした疑念を取り除くためにも、定義を一層、明確なものにする必要があるのではないか。
 救済機関である人権委員会は、極めて強い権限を持っている。「特別調査」の名のもと、裁判所の令状なしで関係場所の立ち入り調査や関係者の出頭要請、事情聴取などが可能だ。これを拒むと、過料が科せられる。
 運用次第では、人権救済機関が、憲法の保障する思想・良心の自由、表現の自由にかかわる新たな人権侵害を引き起こしかねない。反対派が法案に強い危機感を抱くのも、もっともである。
 「国籍条項」の問題も、自民党内でどう決着がつくのか、焦点の一つだ。
 法案では、日本人ばかりでなく外国人も、市町村長の推薦を受けて人権擁護委員になれる。
 反対派は、例えば在日本朝鮮人総連合会の関係者が多数、委員になるなどし、拉致問題で朝鮮総連を批判している政治家らの言動を、ただちに「人権侵害だ」と“告発”するような危険性があるのではないか、と疑念を呈している。
 そうした不安が払拭(ふっしょく)されるような回答は示されていない。
 一度は廃案になった人権擁護法案だが、今年初め、急に再浮上してきた。メディア規制条項や、人権委員会を法務省の外局とする位置づけは以前から問題になっていた。推進派は、それぞれ「凍結」「数年後の法の見直し」といった便法で批判をかわそうとしている。
 疑念を解消すべく、ここは国会提出を焦らずに、法案全体に抜本的な修正を施すべきである。政府・与党の拙速な動きには、重ねて再考を促したい。


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 6/3 NEWS NO18
                全国人権連事務局長  新井直樹

「最終の攻防」「調整はヤマ場」を迎えたとのマスコミ報道
 与謝野政調会長に「与謝野試案なるものの撤回と、廃案を」要請しよう!
民主党の救済案明らかに 
 http://www.eda-jp.com/dpj/2005/050601.html

人権擁護法案 与謝野氏、修正に難色 自民内反対派と攻防激化 (産経)3日2時
 自民党内で賛否が分かれる人権擁護法案をめぐる折衝が再び動き出した。調整役の与謝野馨政調会長は二日、反対派の「真の人権擁護を考える懇談会」会長の平沼赳夫元経産相と会談したが、人権救済対象を限定することを柱に懇談会がまとめた修正案に難色を示し、物別れとなった。この問題は、郵政民営化の国会審議が軌道に乗るまで冷却期間が置かれていたが、再開後も対立解消の糸口がみえず、十九日に会期末を迎える今国会での法案提出をにらんだ最終攻防は激化しそうだ。
 与謝野氏は、国籍条項の追加など小幅な修正には応じる意向を示したが、「人権侵害の定義や人権委員会の位置付けは、法案の根幹にあたる」として、大部分は「ゼロ回答」とした。
 その上で「いざとなったら、私の職権で政調審議会を通してもいいんだよ」と述べ、反対派の意向を踏まえずに法案了承の党内手続きを進める考えを示唆。
 これに対して平沼氏が「そんなことをやったら党内にどんな禍根を残すことになるかお分かりか」と反論する一幕もあったという。
 協議後、平沼氏は懇談会役員会を開催。「与謝野氏の回答では法案への疑念は払拭(ふっしょく)されない」「修正案がのめないなら、人権擁護推進基本法(仮称)など対案を作るべきだ」と反発が続出したため、来週早々にも再度役員会を開き、今後の対応を決めることにした。
 一方、与謝野氏は来週にも、党人権問題調査会長として賛成派を主導する古賀誠元幹事長や平沼氏と会談し、打開策を示したい考えだ。ただ、党内手続きについても「一任を取り付けた」と主張する古賀氏に対し、党法務部会の平沢勝栄部会長が「了承していない」と反論するなど、見解が分かれたまま。
 今国会での成立を求める公明党側の圧力も強まりつつあり、法案の取り扱いをめぐる与党内の混乱は簡単に収まりそうもない。

国会審議で人権法修正も 与謝野氏、国籍条項で (共同通信) 2日19時11分更
 与謝野氏は「人権擁護委員」の選任基準で、反対派が日本国籍に限定するよう求めていることに対し、国会審議によっては「国籍条項」を盛り込むなど法案修正する可能性はあると説明。政府案で「凍結」になっている「メディア規制条項」についても、反対派が主張する削除も含め、国会審議を踏まえ対応を検討する考えを示し、今国会提出に理解を求めた。

<人権擁護法案>国籍条項は「当面容認」与謝野氏が私案 (毎日)3日3時
 政府が今国会への提出を目指す人権擁護法案について、自民党の与謝野馨政調会長は2日、法案提出に反対している「真の人権擁護を考える懇談会」(会長・平沼赳夫前経済産業相)に対し、人権擁護委員の国籍条項について、当面容認することを柱とした私案を示した。懇談会側に一定の配慮を示したもの。同会は「事実上のゼロ回答」としているが、与謝野氏は来週、平沼氏と法案推進派の古賀誠・党人権問題等調査会長(元幹事長)との三者会談を開き、打開策を探る。
 懇談会側は2日の会合で、与謝野氏の案について「受け入れられない」として、今国会提出に改めて反対する方針を確認したが、執行部は来週中にも党内手続きを再開したい考えで、調整はヤマ場にさしかかっている。

(資料)人権擁護法案(政府案)への対応について(概要) 平成17年5月30日
     http://blog.goo.ne.jp/jinken110/e/d842f0d5b0f01be8ae4b2639d47c49e6
真の人権擁護を考える懇談会
1. 人権擁護法案の経緯(略)
2. 人権擁護法案(政府案)に対する問題点
 1「人権侵害」等の定義が不明確であり、恣意的な解釈・運用がなされるおそれがある。
 2強制的な調査権限など、人権委員会の権限が強大過ぎる。
 3加害者のレッテルをはられた者に対する保護が不十分。
 4外国人にも人権擁護委員の選任資格を与える等その選任基準が不適当。
3.対応策
<A案:政府案の修正>
 政府案の問題点を解消するため、次のとおり、条文の修正を行う。
 1人権侵害の定義を明確化する。
  恣意的な解釈・運用を避けるため、次のような修正を行う。
  ・「その他の人権を侵害する行為」→「日本国憲法の保障する権利又は自由を違法に侵害する行為」
  ・「不当、助長、誘発」といった用語の削除
 2人権委員会の権限を縮小させる。
 <1>救済手続の不開始事由の明確化
  法務省の修正予定項目に加えて、救済手続の不開始事由を法律上に明記する。
 <2>特別救済に係る権限の縮小化
   強制的な特別調査規定を削除するとともに、特別救済については、「調停」、「仲裁」及び「勧告」*のみとする。
   *「勧告」の措置の存否については要検討。
   *この法律に規定する救済以外については、司法的救済(刑罰・損害賠償請求など)、準司法的救済(裁判外紛争解決手続)又は行政的救済(雇用関係については都道府県労働局長による紛争解決援助など)に委ねることとする。
 <3>人権委員会の組織を見直す(政府案は、3条機関(法務省の外局))。
   今後の検討を踏まえ、次のいずれかに整理する。
   ・所属を「法務省」とするか「内閣府」とするか。
   ・機関を「3条機関」とするか「8条機関」とするか。
  注 3条委員会、8条委員会とも、国家行政組織法上の組織の通称。
   同法第三条
     @国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。A行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。B省は、内閣の統轄の下に行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、委員会及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。C略 

   同法第八条
     第三条の国の行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。
 3加害者のレッテルをはられた者の保護に関する規定を整備する。
  <1>勧告に対する不服申立制度を創設する。
  <2>勧告の通知を受けた被害者に係る記載情報の濫用防止規定を設ける。
  <3>申出・申請についての濫用防止規定を追加する。
  <4>手続的担保措置規定を追加する。
 4人権擁護委員の資格要件を明確化する。
  適任者を選任するため、国籍要件を設けるとともに政治的中立性に係る規定を設ける。
  上記A案のとおり、修正を行うこととした場合には、政府案の基本的な制度設計の転換を伴うものとして、修正になじまないのではないかとの指摘が考えられる。とすれば、次のとおり現行法を活用する方策も考えられる。
<B案:現行法を活用する案>
○人権擁護委員法の整備
  現行の人権擁護委員法に所要の整備を行い、人権擁護委員の活用を図る。
○人権擁護推進基本法(仮称)の制定
  人権教育及び人権啓発の推進に関する法律を拡充するなどして、人権擁護施策全般に関する事項を内容とする基本法を整備する。
 1○○大臣* が権限を所管
  *どの機関に行わせるかについては要検討。
 2人権擁護審議会(仮称)を設置 (○○大臣の所属)
   人権侵害の実態を踏まえ、個別に整備すべき法令の調査検討などを行うほか、人権擁護基本計画(仮称)の策定に関与する。
 3救済手続の整備
   ・○○大臣が一般救済(援助、指導及び調整等:任意調査のみ)を担当
   ・人権擁護審議会が特別救済(あっせん、調停及び仲裁:任意調査のみ)を担当
   *この法律に規定する救済以外については、司法的救済(刑罰・損害賠償請求など)、準司法的救済(裁判外紛争解決手続)又は行政的救済(雇用関係については都道府県労働局長による紛争解決援助など)に委ねることとする。
  A案、B案のいずれの方策を採るにせよ、そもそも現実にいかなる人権侵害が発生し、なぜ本法案が必要なのかについて、十分な説明を得られていない(立法の背景となる事実の把握が不十分)のが実情。このため、まずは次の対応が必要不可欠。
4.今後の進め方
1 具体的にいかなる人権侵害が発生しているのかについて、法務省や関係団体から実情 報告を求める(特に今回の人権擁護法案の立法経緯が同和差別への対応であることを踏まえると、同和関係で具体的にいかなる差別行為が発生しているのか詳細に把握しておく必要がある。)。
2 個別の問題について市町村長、関係団体、関係省庁からヒアリングを行う。
 ・「パリ原則」(1993年12月20日総会決議)の拘束力等について(外務省)
 ・地方自治体の独自の取組 (京都市等)
 ・その他、関係省庁が所管する事務のうち人権侵害が起きやすいものがあるか、及びその人権侵害について、人権擁護法案(政府案)による救済を行うのが良いのか、という点を中心にヒアリングを行う。
5.結論
 以上をまとめると、
○現段階で、A案、B案のいずれかを選択することは困難。
○まずは、十分な時間をかけて、上記4@及びAに記載したヒアリングを行いつつ、慎重な検討を行うことが必要不可欠。


2005年5月31日

自民党政調会長 与謝野馨 様
  懇談会会長 平沼赳夫 様
  懇話会座長 古賀 誠 様
  法務部会長 平沢勝栄 様

全国地域人権運動総連合
 議 長  石岡 克美

「人権」「差別」を口実に国民の言論表現取材の自由を侵害し、
差別解消をも阻害する「人権擁護法案」は提案しないこと

 与党懇話会は、2003年に廃案になった人権擁護法案の骨格を変えずに、メディア規制を「凍結」するとの小手先の手直しで党内手続きを進め、6月初めにも今国会に提案・成立をはかるとの報道がされている。
 本法案の持つ根本的な問題点を顧慮せず、国民の広範な反対世論を無視して強引に成立させようとする、与党懇話会の本意を疑うものである。なぜなら先の法案が、広範な国民の反対により廃案となった以下の理由に、まともに答えていないからである。
(1)国連が示す国内人権機構のあり方(パリ原則)とは異なる
(2)公権力による人権侵害を除外しており、最も必要性の高い救済ができない
(3)報道によるプライバシー侵害を特別救済手続きの対象としており、表現・報道の自由と国民の知る権利を奪うことになる
(4)「人権」や「差別」についての明確な規定なしに、「差別的言動」を「特別救済手続」として規制の対象としたことが、国民の言論表現活動への抑圧であり憲法に抵触する
 しかも、差別と虐待を救済すると喧伝するが、部落差別は現行法規で充分対応ができる。不十分だと宣伝しているのは、国民の言論を抑圧する私的制裁である「確認・糾弾」を進め、国民の内心を管理せんとする一部の部落解放運動団体だけである。
 国民一般の基本的人権に関わる重要な政策が、一部団体の邪な考えで左右されてはならない。このような、名目的「修正」の人権抑圧法の提案は断固認められない。


以上


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 5/31 NEWS NO17
     全国人権連事務局長  新井直樹

与党懇話会は6月初めの国会提案・成立の構えを崩さず。
自民の異論派(平沼氏ら)は、廃案を基本に修正事項をまとめ与謝野政調会長と会談。
与謝野と異論派の話し合いは継続されるが、古賀との協議で一気に修正案提案も。
民主・江田PTも法制局を経、NC会議で議員立法のための法案登録が了承された「人権 侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案」(本則78条、付則19条)まとめる

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法案の安易な修正による上程を許さず、廃案の要請を懇話会などに継続して行おう!!
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産経新聞 更新日時 : 2005年05月31日(火)05:06
人権擁護法案の提出 来月初め党内手続き 与党懇話会が意向

 与党人権問題懇話会(座長・古賀誠自民党元幹事長)は30日の会合で、自民党内で賛否両論が対立する人権擁護法案について、今国会成立を目指す方針を改めて確認した。来月初めにも法案提出に向けた党内手続きを終えたい意向だ。
 一方、反対派で対案作りを進める「真の人権擁護を考える懇話会」の平沼赳夫会長(前経済産業相)は同日夜、与謝野馨政調会長と会談して法案の問題点を指摘。与謝野氏は「問題点を払拭(ふっしょく)するにはどうしたらいいかよく考えたい。再度話し合いたい」と応じた。

読売新聞 更新日時 : 2005年05月30日(月)19:59
人権擁護法案、与党の懇話会が今国会提出を再確認

 公明党の冬柴幹事長は、政府原案の反対派から指摘のある人権擁護委員の国籍条項盛り込みについて、「国会審議の中で十分に議論を交わし、必要があれば修正すればいい」と述べ、扱いを国会審議に委ねるべきだとの考えを示した。
 一方、平沼氏ら「真の人権擁護を考える懇談会」のメンバーは同日夜、与謝野政調会長に対し、<1>人権侵害の定義を明確化し、人権委員会の権限を縮小するなど政府原案の見直し案<2>法案提出をやめ、代わりに人権擁護に関する基本法と種々の人権侵害に対応する個別法を整備する――との2案を提示した。

NHK 人権擁護法案で対立深刻化も 05/31 04:49
 政府が今の国会への提出を目指している人権擁護法案をめぐって、自民党の人権問題調査会長の古賀元幹事長は、6月上旬に提出したいとしていますが、党内の反対派は、法案を提出する場合は大幅な手直しが必要だとしており党内の対立は深刻さを増すことも予想されます。

TBS人権擁護法案、自民内の対立深刻化 (31日 0:41)
 人権被害を受けた人を救済するための人権擁護法案をめぐり、与党の推進派議員は来月上旬の法案提出を目指し、手続きを進めることで一致しましたが、反対派はこれを阻止する構えで、自民党内の対立が深刻化しています。
 自民党の古賀元幹事長や公明党の冬柴幹事長ら、法案を推進する議員は30日に会合を開き、公明党の意見を一部取り入れる他は政府案通りで法案を国会に提出する手続きを進めることで一致しました。
 一方、政府案に反対する平沼前経済産業大臣らは政策責任者の与謝野政調会長と会談し、人権被害の定義や新設される人権を守るための機関の在り方など、法案の根幹 部分に対し異議を唱えました。
 与謝野氏は数日中に反対派に回答する方針ですが、推進派と反対派両者の対立は党内の権力闘争の様相を呈しているため、郵政民営化法案を抱える中、対応に苦慮しています。

産経新聞(共同)国籍条項盛り込み調整へ 人権擁護法案で自民(05/31 02:00)
 自民党は30日、今国会提出をめぐり党内調整が難航している政府の人権擁護法案について、人権侵害を調査する「人権擁護委員」選任にあたって国籍を制限する「国 籍条項」を盛り込む方向で調整に入った。
 同法案に反対する同党議員の「真の人権擁護を考える懇談会」(平沼赳夫会長)が(1)人権擁護委員は「市町村議会選の選挙権を有する住民」とし、日本国籍に限定(2)「メディア規制条項」は削除−などを柱にした修正案を作成。関係者によると、平沼氏ら が30日夜、与謝野馨政調会長に会い、修正案を説明。与謝野氏は国籍条項を受け入れる考えを表明した。
 一方、推進派の与党人権問題等懇話会(座長・古賀誠自民党元幹事長)は同日の会合で同法案を6月上旬に国会提出する方針で一致した。同懇話会は、国籍条項を設けず政府案のままの提出を確認しており、調整にはなお曲折が予想される。
 修正案はまた、人権救済機関として設置される「人権委員会」は出頭要請や立ち入り検査などが可能で、権限が強大すぎるとしてこれらの規定を削除。明確ではないと 批判があった人権侵害の定義は、「憲法の保障する権利および自由を違法に侵害する行為」とした。
 これに対し、同懇話会の会合では、「表現の自由」を侵害する恐れがあると指摘されているメディア規制条項は削除せず、「凍結」扱いすることを確認。ただ国籍条項について、これまで否定的だった公明党の冬柴鉄三幹事長が、国会審議を通じ「必要があれば(政府案を)修正する」との考えを表明した。
 これに関連し、与謝野氏は30日、記者団に「古賀氏は国会提出について並々ならぬ決意をしている。古賀氏の努力を生かすようにしたい」と述べ、調整に全力を挙げる意向を示した。

日本会議首都圏地方議員懇談会 http://prideofjapan.blog10.fc2.com/
人権擁護法案:自民反対派が対案策定 委員に国籍条項

 自民党の「真の人権擁護を考える懇談会」(会長・平沼赳夫前経済産業相)は、5月17・25日と人権擁護法案の抜本的修正案をまとめる為の会合が行われました。
 毎日新聞でも報道されているように、政府案の提出を見送る代わりに人権擁護に関する「基本法」を設け、個別の人権侵害について救済策を立てる案も用意し、30日にも与謝野馨政調会長に報告し、政府案の修正を迫るとのことです。
内容に関しては、
1、人権擁護委員に国籍条項を設ける。
 ・権擁護委員の委嘱に関する特例規定を削除する方向。
 ・人権擁護委員は人権委員会ではなく法務省が委嘱する。
2、法務省に人権委員会を設置し、人権委員会の権限を限定する。
 ・人権委員会を8条機関(法務省所属)とする。
3、人権救済手続きを新たに規定し、被疑者の救済をはかる。
4、メディア規制を削除する。
などが検討され、人権擁護法案修正案を与謝野薫政調会長に提出する方向です。
 本法案は古賀誠氏ら推進派の圧力により、どうしても本案を提出しなければならない緊急のときに準備されたものであり、反対議連としてはあくまでも政府の人権擁護法案の廃案の道筋はだけは貫くとの由です。


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に5/12NEWS NO16
              全国人権連事務局長  新井直樹

自民党内協議は6月に持ち越し、廃案を決めたわけではない。法務部会へ継続要請を。


民主は、江田五月PT座長が法試案を衆議院法制局に検討要請、一方異論派は櫻井よし

 こ等を呼んで勉強会を実施し今月半ばに党幹部に法案の議論を呼びかける、という。


杉並区議の松浦芳子議員を代表に、『人権擁護法案に反対する全国地方議員の会』が発足

 地方議員161名が「法案」に反対表明 http://www4.ocn.ne.jp/~yoshikom/

人権法案 月内提出見送り 自民、手続き再協議へ(産経新聞) - 5月11日
 自民党の与謝野馨政調会長は10日、都内で古賀誠元幹事長、平沼赳夫元経済産業相と会談し、党内で賛否が分かれている人権擁護法案の党内手続きについて6月以降に再協議する方針を伝えた。これにより、法案の今月中の国会提出は事実上見送られることになった。
 会談では、党人権問題調査会長として法案を主導する古賀氏が、今月中の国会提出へ党内手続きを急ぐよう求めたが、与謝野氏は郵政民営化法案の国会審議に見通しがつくまで、人権擁護法案の党内手続きを待ちたいとの考えを示した。一方、法案反対派でつくる「真の人権擁護を考える懇談会」会長の平沼氏は、与謝野氏に、今月中に懇談会で法案の問題点などを整理する考えを伝えた。
 同法案をめぐっては、4月21日の党法務部会・人権問題調査会合同会議で、古賀氏が「一任取り付け」を宣言。これに対し、平沢勝栄法務部会長が「部会は了承していない」と反発し、宙に浮いた形となっていた。

「人権擁護法案は差別解消に有効か」(産経新聞5月10日正論 長谷川・埼大教授)
ー逆効果の恐れさえもなしとせずー(添付)

「人権擁護法案学習会」成功へ 
 5月20日(金)14時〜 全国教育文化会館
  来賓・国会報告 井上哲士・日本共産党参議院議員 
  問題提起1,仮題「法務省案の問題点と求められる人権救済機関」
         日本弁護士連合会政府から独立した国内人権機関
          の設立に関するワーキンググループ委員
          小池振一郎さん(第二東京弁護士会所属)
      2,仮題「メディアと国民の言論表現の自由はどうなるか」
          上智大学教授 (メディア総合研究所)田島泰彦さん
      3,仮題「法務省案は女性差別撤廃に有効か」
     日本婦人団体連合会会長 堀江ゆりさん


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 4/27NEWS NO15
               全国人権連事務局長  新井直樹

 26日(火)の自民党法務部会は審議の継続を確認(今週は予定無し)
各県では法務部会に確認糾弾の実態を知らせ廃案要請を進めよう!!

一任せず議論継続を確認 人権法案で自民法務部会

 平沢勝栄部会長は記者団に「手続きに瑕疵(かし)がある。与謝野氏と会って部会の議論の内容を伝える」と述べ、党内手続きを拙速に進めないよう求める意向を明らかにした。(共同通信) - 4月26日11時53分更新
 なお、別な情報では、出席者は法案推進派は4人、反対派は16人という。
 さらに、「人権侵害の定義が曖昧であり、濫用される恐れがある」との重大な疑問に対して、法務省小西局長は、人権侵害とは「民法・刑法等に照らして従来から違法なものとされている行為で、判例や一般に承認された法解釈に照らして違法なもの」と、従来通りの杓子定規な答弁を繰り返すばかりだったという。

民主党有志による「人権擁護法案から人権を守る会」の勉強会(26日)
 松原仁・衆議院議員の司会で会は進行。最初に、渡辺周・衆議院議員が呼び掛け人挨拶を行い、続いて、櫻井よしこ氏と屋山太郎氏が講演。次に、「民主党の取り組みについて」と題して 民主党人権侵害救済法プロジェクトチーム事務局長代理の福山哲郎参議院議員(京都府)が説明。内容は、民主党の「人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案大綱」の内容と、この民主党案と政府案との相違点。このあと、櫻井、屋山両氏を交えた質疑、意見交換。
 参加議員は以下の通り。
【本人出席】
 大江康弘、小宮山泰子、須藤 浩、長島昭久、中津川博郷、西村真悟、牧 義夫、松崎公昭、松下新平、松原 仁、吉田 泉、笠 浩史、渡辺 周、鈴木康友、菊田真紀子、三井辧雄、森 ゆうこ、米沢 隆、広田 一、工藤堅太郎
【代理出席】
 神風英男、中野 譲、松崎哲久、岸本 健、野田佳彦、下条みつ、小林憲司、広野ただし、青木 愛、泉 房穂、原口一博、奥村展三

自民党法務部会 (FAX番号が判明している役員のみ掲載)
 会  長 平沢勝栄 03-3508-3527 副部会長 萩野浩基 03-3508-3723
 副部会長 渡辺博道 03-3597-2728 副部会長 岡田広 03-5512-2410
 副部会長 松村龍二 03-5512-2325 副部会長 森元恒雄 03-5512-2304


言論表現抑圧の人権擁護法案を廃案に 4/25 NEWSNO14
               全国人権連事務局長  新井直樹

 26日(火)部会(8時)正調審議会(10時)で強行裁決をさせない
 抗議と廃案の要請を引き続き行おう!!

合同会議についての私の見解  自民党法務部会長 平沢勝栄
 4月22日、与謝野政調会長と会ったが、「21日の法務部会・ 人権問題等調査会の合同会議は、古賀調査会長が座長として取りしきっ たことを了解してほしい」との要請があった。異例ではあるが、政調会長にはこの種の決定を下す権限があるから、これには従わざるを得ない。しかし、「法務部会長としては全く了承していない」ということは強く 申し上げておいた。今後も賛否両論に割れている党内の意見集約や問題点、疑問点の解消のために、来週の火曜日(26日)に、この問題について法務部会を開かせて頂く予定である。(平成17年4月22日)

「読売新聞」4月23日社説 最大の論点は、国籍条項だ。
 幼児や高齢者の虐待など、特定の人権侵害に限定的かつ慎重に運用する、と言うのであれば、それらは個別の法律で対処しても良いのではないか。「様々な人権問題に包括的、網羅的な規制の網をかける必要はない」とする党内の反対派議員の主張には、説得力がある。法が恣意(しい)的に運用されれば、人権救済の名目で新たな人権侵害すら起きかねない。すべての疑念が解消されるよう、さらに法案を練り直すべきだ。

「産経新聞」4月23日主張 問題は法案の本体にある。
 第一は、「人権侵害は不当な差別、虐待、その他の人権を侵害する行為」とするあいまいな定義により、恣意(しい)的な解釈がまかり通る恐れがある。憲法21条で保障されている国民一人一人の「言論、出版その他一切の表現の自由」が侵害される。
 第二は、法務省の外局として新設される人権委員会に事情聴取や立ち入り検査などの権限が付与されることだ。憲法35条の令状主義は上記の「行政手続き」にも適用されるとの有力な見解がある。令状なしはおかしい。そもそも事実上の警察機能を持つ巨大な組織の創設は行革に反する。
 第三は、人権委とその下部組織の人権擁護委員の選出基準だ。人権侵害の情報収集を行う人権擁護委員の活動によっては、かえって人権侵害が生じる恐れが出てくる−などである。このような問題点を放置したまま、国会で法案を拙速に成立させるようなことになれば、密告がまかり通る社会になりかねない。将来に大きな禍根を残す法案に重ねて反対を表明する。

「真の人権擁護を考える懇談会」の決議(22日の役員会決定)
 一、 人権侵害の定義の曖昧性 二、 人権擁護委員に関わる国籍要件の問題 三、 三条委員会としての人権擁護委員会への疑義
 「法の恣意的運用によって、新たな人権侵害が生起することを未然に防止すべく、真摯で前向きな議論を」今後とも継続していくことを決議する。
会長 平沼赳夫  座長 古屋圭司

FAX送信先
法務部会 (FAX番号が判明している役員のみ掲載)

 会  長 平沢勝栄 03-3508-3527  副部会長 萩野浩基 03-3508-3723
 副部会長 渡辺博道 03-3597-2728  副部会長  岡田広 03-5512-2410
 副部会長 松村龍二 03-5512-2325  副部会長 森元恒雄 03-5512-2304
 
人権問題等調査会
 会  長 古賀誠 03-3597-0483   会長代理 二階俊博 03-3502-5037
 副会長  熊代昭彦 03-3508-3383  副会長   自見庄三郎03-3502-5004
 副会長  渡海紀三朗03-3508-3230

政務調査会
 会  長 与謝野馨 03-3508-3222   会長代理 柳澤伯夫 03-3593-1729
 副会長  長勢甚遠 03-3592-9048   副会長  園田博之 03-3502-5142
 副会長  河村建夫 03-3502-5085   副会長  斉藤斗志二03-3501-7525
 副会長  砂田圭佑 03-3508-3225   副会長  谷畑孝 03-3508-3726
 副会長  野田聖子 03-3591-2143   副会長  原田義昭 03-3597-2773
 副会長  森英介 03-3592-9036    副会長  山口泰明 03-3508-3367
 副会長  泉信也 03-3503-5589    副会長  武見敬三 03-5512-2521
 副会長  林芳正 03-3508-2375

抗議文のポイント
 1,国連パリ原則でいう「政府からの独立性」が法文上に記述されていない
 2,「人権」「差別」「差別的言動」「不当な人権侵害」の定義がない
 3,メディア規制を完全に削除し、自主的解決機構に問題を委ねる
 4,立法の実体的根拠が明らかにされていない
 5,現行人権擁護制度の問題点はどこにあり、法案により何が改善されるのか不明
 6,人権擁護委員の選任にあたって人権委員会も推薦できる仕組みは必要ない
 7,人権擁護委員を2万人も管理することは地方分権・構造改革に反する
 8,私人間に関わる言論表現行為を特別救済の対象にすることは国民監視であり、国際的にも例はない、司法に委ねる事項である
 9,出版物の事前差し止めは、司法の管轄にとどめるべき事柄である
10,法務省案を根本からあらためて、国民の意見を再度聞くべきである。



                     2005年4月25日
各 位
                     全国地域人権運動総連合
                      議 長  石岡 克美

   人権擁護法案は「修正」で済む法案ではない
   根本的見直しのため、法務省へ差し戻しを

 前略
 私ども全国地域人権運動総連合(略称・全国人権連)は、前身である全国部落解放運動連合会当時より、国民の人権擁護と部落差別解消に奮闘し、人権擁護推進審議会でも、司法制度の充実、「人権」「差別」の名のもとに言論表現・取材活動を規制しないこと、人権擁護委員会の民主化などを意見陳述してきた団体です。
 今回の部会などでの論議の結果、一部修正案が法務省から示されているようですが、国民には目の届かないところでの論議です。
 部会などでは充分論点を明らかにして、法務省での案の抜本的練り直しを指示されることを求めます。
 私たちは、以下の問題点を強く指摘します。
 1,国連パリ原則でいう「政府からの独立性」が法文上に記述されていない
 2,「人権」「差別」「差別的言動」「不当な人権侵害」の定義がない
 3,メディア規制を完全に削除し、自主的解決機構に問題を委ねる
 4,立法の実体的根拠が明らかにされていない
 5,現行人権擁護制度の問題点はどこにあり、法案により何が改善されるのか不明
 6,人権擁護委員の選任にあたって人権委員会も推薦できる仕組みは必要ない
 7,人権擁護委員を2万人も管理することは地方分権・構造改革に反する
 8,私人間に関わる言論表現行為を特別救済の対象にすることは国民監視であり、国際的にも例はない、司法に委ねる事項である
 9,出版物の事前差し止めは、司法の管轄にとどめるべき事柄である
10,法務省案を根本からあらためて、国民の意見を再度聞くべきである


人権擁護法案NEWS NO13 全国人権連事務局長 新井直樹

 全会一致制の総務会を焦点に、廃案の働きかけを更に。具体化は次報で。

毎日新聞 2005年4月22日 13時14分
人権擁護法案:古賀氏に一任、与謝野氏裁定 自民合同会議

 自民党の与謝野馨政調会長は22日午前、党内調整が難航している人権擁護法案の取り扱いについて、古賀誠元幹事長(党人権問題等調査会長)と平沢勝栄法務部会長と党本部で個別に協議した。前日の党法務部会・人権問題等調査会合同会議で、古賀氏が同氏への一任を求め、平沢氏が否定的な見解を示した問題について、与謝野氏は古賀氏の判断に従うよう要請した。これに対し、平沢氏は「法務部会としては納得していない」と述べたが、要請には理解を示した。与謝野氏の「裁定」により、合同会議として法案の扱いは事実上、古賀氏に一任した形となった。

(共同通信社) - 4月22日13時14分更新
古賀氏に一任と判断 人権擁護法案で与謝野氏
 自民党の与謝野馨政調会長は22日午前、党本部で平沢勝栄法務部会長と会談し、今国会提出をめぐり党内調整が混乱している人権擁護法案の取り扱いについて、古賀誠人権問題等調査会長(元幹事長)が一任を取り付けたとの判断を示した。これにより、同法案は政調審議会と総務会で了承を求める手続きに入ることになり、国会提出に向け前進した。同法案については、21日の党法務部会・人権問題等調査会合同会議で、一任を取り付けたとする古賀氏と、平沢氏の見解が対立するという異例の事態になっていた。
 与謝野氏は平沢氏に「会議の座長は古賀氏だ。古賀氏が仕切ったという形にしてほしい」と述べ、平沢氏は「政調会長がそう言うならやむを得ない」と応じた。


朝日新聞 : 2005年04月22日(金)16:07
人権擁護法案の扱い「古賀氏に一任を」 自民政調会長

 自民党の与謝野馨政調会長は22日、人権擁護法案の取り扱いについて平沢勝栄・法務部会長と協議した。21日の同部会と人権問題等調査会の合同部会で「対応の一任を取った」とする古賀誠・人権問題等調査会長とそれを否定する平沢氏との間で見解が分かれていた問題に対し、与謝野氏は古賀氏への一任に同意するよう求め、平沢氏はこれを基本的に受け入れた。このため、難航していた同法案の今国会提出に向けた党内手続きが進む可能性が出てきた。
 平沢氏によると、与謝野氏は「昨日の合同部会の座長は古賀氏だったことにして一任を認めてほしい」と要請したという。会談後、平沢氏は記者団に、「納得はしていないが、政調会長のご判断だから。しかし、これからも必ずもめますよ」と語った。


「人権擁護法案」に関する取組   05/4/22   NO12
                 全国人権連事務局長 新井直樹

21日の論議は賛否両論のままで、古賀「一任」の結論になっていない
 法案反対派の意見に法務省はまともに返答をすべきである
 人権問題等調査会が法案提出を勝手に進めかねない。関係委員に抗議の集中を!!

 自民党の法務部会・人権問題等調査会合同会議が21日に開かれ、省の説明でこれまでの修正事項に加わったのは、(1)人権擁護委員の政治的中立が記載されていないという指摘に配慮するため、人権擁護委員は国家公務員法が適用されることを法文中に明記する、(2)人権擁護委員の国籍条項について、国会で「日本国籍でない人を委員に加える場合、必要性、適格性を慎重に考慮する」との付帯決議を付ける、(3)(関係行政機関等との連携)「第83条 人権委員会、厚生労働大臣及び国土交通大臣は、この法律の運用に当たっては、関係行政機関及び関係のある公私の団体と緊密な連携を図るよう努めなければならない」の「及び」から「団体」までを削除する、点である。

 21日の合同会議では「差別に苦しむ人がいる以上、一刻も早く法案を通すべきだ」などの賛成論の一方で「今どんな人権侵害があり、今の仕組みでどこが救済できていないのかが不明確。乱用され逆差別を生む懸念がぬぐえない」、修正案について「詳細な検討がされていない」、「人権委員会という強力な組織を作ること自体が問題だ」「法案によりさらなる人権侵害が生まれる」などと法案そのものへの反対論が続出、収拾がつかない状態となった。

 賛成派と反対派が一歩も譲らず、開始から2時間あまりたったところで、古賀氏が「申し訳ないがご一任をお願いします」、そう言い渡すと、二階俊博総務局長と共に退席した。賛成派の議員からは拍手が起きたが、反対派は一斉に立ち上がり「冗談じゃない」「見切り発車だ」などと古賀氏らを非難した。
 退席後、古賀氏は記者団に「調査会長として一任を受けた。後は政審、総務会の場で議論すればいい」とし、法案の今国会提出に向けて党内手続きを進めていく考えを示した。
 ところが、平沢勝栄法務部会長は退席しなかった。拉致議連会長の平沼赳夫・前経済産業相が「古賀氏が訳の分からないことを言って出て行ってしまったのは残念だ。衆知を集めて法案をきれいにまとめるべきだ」と強調した。
 平沢部会長は「部会としては一任していない。引き続き議論する」と宣言。
 会議後、反対派の古屋圭司衆院議員は「合同会議はあくまで法務部会が主で、調査会は機関決定組織ではない」とぶぜんとした表情で記者団に語った。
「一任」は宙に浮いた格好(毎日新聞)となった。

 この問題では、自民党の自見庄三郎・人権問題推進懇話会長が21日、首相官邸に杉浦正健官房副長官を訪ね、同法案の早期提出を求める細田博之官房長官あての申し入れ書を提出した。申し入れ書は、人権擁護委員の国籍条項と、人権の定義の明確化について「必要な検討」を行うよう求めている。

 「産経新聞」は、古賀氏ら推進派には「反対派の中心メンバーは法案を多少修正しても賛成には回らない」との見方から、「押し切って決着をつけるには24日の衆院統一補選を利用するしかない」(中堅議員)との思いがあった。
 この日の合同部会はそのタイムリミットだった。部会には古賀氏が事務総長を務める堀内派の議員が多数動員された。
 自民、民主両党対決の構図となった宮城2区、福岡2区の衆院統一補選で自民党は何としても二勝したいところ。それに向けて、法案の成立を求める公明党や人権擁護関連団体の支援を得るには「自民党が法案成立への意思を明確に示す必要がある」ということを大義名分にする“作戦”だ。
 古賀氏らは、それによって中間派を引き寄せ、法案賛成の流れを一気につくろうとしたが、反対派が強く抵抗したのは誤算だった。
 古賀氏らは今後、法案提出に向けて党内手続きを進める考えだが、法案を審議する政調審議会や党執行部内にも反対派は多く、混乱は避けられない情勢。ある自民党幹部は「老獪(ろうかい)といわれてきた古賀氏としては稚拙な手法だ。なぜそんなに焦るのか。これでますます法案の成立は遠のいたのではないか」と語った、と報道する。

「朝日新聞」は「差別的言動の規制」を論点に追加した。(4月19日付「報道と人権委」)
 「どんな表現を「差別的」と判断するかが困難なために、表現の自由を狭めるおそれがある、と指摘する専門家は少なくない」と。3月19日の朝日「主張」は、産経の論調を非難し、独立性とメディア規制を指摘するのみで、早期提案・修正成立を強調していた。
 4月19日付では、
 長谷部恭男・東大大学院教授は、私人の人権侵害を国家に守ってもらうようなもの、表現の自由の観点から「差別的言動」に対する規制に神経質にならざるをえない、国家権力を使って抑圧しないいとならないそんな脆弱な市民社会でしかないのだろうか、メディア規制に関する特別救済の条項を削除しても一般救済の手続きは残る。それで問題が無くなるわけではない。
 本林徹・前日弁連会長は、人権委員会は公権力の人権侵害から救済するものとして世界的には位置づけられている。法案の性格が非常にゆがんでいる。
 原寿雄・元共同通信編集主幹は、行政が何でも権限を強めて介入してくる、心配なる。


「人権擁護法案」に関する取組   05/4/21   NO11
                 全国人権連事務局長 新井直樹

人権擁護法案に関わる第6回目の法務部会・人権問題等調査会合同会議が本日の午後4時から自民党本部704室で開かれます。
 この会合は「黒白つける最終局面・・・、修正案ではわざと国籍条項を外しておいて、最後の段階でこれを入れて、採決に持込む可能性があるとみられている。しかし、あの法案は国籍条項さえ入れればそれでいいという内容ではない。そもそもどう修正しても、直しようのない法案、成立してはならない法案である」(西尾幹二webサイト)。
全国人権連は、4月15日付通知21号で、廃案に向けた取り組みを強めるため、要請文(下記)と要請先のFAXやメールアドレスを各都府県連におろしました。
 まだ取り組んでいないところは、至急要請をしてください。

人権擁護法案の廃案と現行人権擁護制度の民主化の検討を求める
前略
 政府・与党懇は人権擁護法案について、3月15日の閣議決定を経て、今国会での成立を予定していたようですが、自民党法務部会では反対意見が多く了承に至らず、さらに法案に反対する「真の人権擁護を考える懇談会」(自民党の衆参両院議員31人)も旗揚げされ、法案について、〈1〉人権侵害の定義があいまい〈2〉人権委員会の権限が強い〈3〉人権擁護委員の選任条件に国籍条項がなく、偏った団体の影響を受ける恐れがある、等の問題点を指摘しています。
そもそも人権擁護法案は、「差別」や「虐待」に関わる人権侵害を救済するのが目的とされていますが、部落差別問題は、国の特別対策も終結し「人権教育・啓発」に移行して取り組まれている課題であり、法律による強制力を持って解決に当たらなければならない立法根拠・実態には既にありません。虐待に関しては児童だけでなく高齢者や障害者など個別法が準備・改善されてきており、人権擁護法案は必要ありません。しかも女性の賃金・昇級差別問題等労働者の問題には積極的な差別是正を行わず関係省庁に委ねるとのことですから、ますます人権擁護法案の有用性は乏しいものになります。
 法務省がとりまとめている案は、結局の所、公権力等の国民に対する人権侵害を軽視し、第3条の差別禁止規定をもって国民やマスコミ等の言論表現取材の自由を抑圧することにか機能しないものです。しかも準司法的に肥大化した人権委員会が、国連パリ原則を逸脱して、事前差し止めをはじめとする言論表現行為の規制を行うもので、憲法違反に当たる内容です。
 一方、民主・解同案は、解同など特定団体の利益を温存するのが目的であり、部落差別に特化した取締法、糾弾擁護法です。問題外の代物です。
このように重大な欠陥を擁する法務省案をこれ以上「修正」の論議を積み重ねても国民の利益にはなりません。国内外の期待に応えられる、国連パリ原則に合致した国内人権救済機関の在り方を振り出しから議論するため、現行法案の廃案を強く申し入れます。以上
 さらに、4月18日には、自民党法務部会等の関係者へ、「人権擁護法案はきっぱりと廃案に」の要請、そして、4月19日には、20を超える中央の民主・労組団体あてに、「人権擁護法案の廃案を求める要請」もおこない、取り組みへの協力をお願いしています。


資料(第4回会議。修正対照表などもあるが、以下の対応案が唯一公開されているもの)
自民党衆議院議員・松本純(神奈川選出)リポート2005 2005/04/08
 自民党法務部会における主な論点への対応案

▼議員意見(7つの論点)
1.外国人に人権擁護委員に選任される資格を与えることは不適当。
(法務省対応案)○現時点では、その取り扱いにつき保留。
2.人権擁護委員の推薦に当たっての団体構成員枠をなくすべき。
(法務省対応案)○法案第22条第3項の「弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員」との文言を削除する。
3.「人権侵害」の定義があいまいであり、恣意的解釈が可能。
(法務省対応案)○法案第38条に、濫訴的な申出に係る事案等については、救済手続きを開始しない旨を追加するとともに、その具体例を規則で定める。○法案第82条に、「他の者の人権を不当に侵害することがないように留意するとともに、本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用することがあってはならない。」旨を追加する。
4.不当な人権侵害の申出の対象とされた者の保護が不十分。
(法務省対応案)○法案第38条に、人権侵害の申出があっても、その事実がないときは、申出の対象者が求める場合には、人権侵害が認められなかった旨の通知をする旨の規定を新たに設ける。○勧告に対する不服の申出の制度を新たに設け、法案第60条以下に規定する。
5.人権委員会の判断に際しては、裁判手続きに準じた透明性を確保すべき。
(法務省対応案)○申し立てられた相手側の意見を十分に聴取するなどの手続的担保については、これを規則中に明記する。
6.人権委員会に裁判所の礼状なしに捜索・差押えを行う権限を与えることは、憲法に反する。
(法務省対応案)○憲法は、刑事責任の追及を目的とする逮捕、抑留、拘禁及び捜索等に裁判官の発する令状を必要とする旨規定している(令状主義)。○本法案で令状主義が問題となりうるのは、立入り及び物件の留置であるが、人権委員会は正当な理由もなく立入り等を拒んだ者に、裁判所を通じて過料を課すことができるのみであって、相手方が立入り等を拒否した場合には強制することはできないので、令状主義に反するものではない。○なお、行政機関が調査のために過料や罰金で担保された立入り等を行うことができるとする規定は、独禁法第46条、公害紛争処理法第42条の18等多数存在している。
7.人権擁護委員についての政治的中立性の規定がない。
(法務省対応案)○現行の人権擁護委員には国家公務員法の適用が除外されているが、本法案の人権擁護委員については、非常勤の国家公務員であり、国家公務員法が原則として適用されるところ、同法第96条に「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、」との規定があり、この規定により、人権擁護委員は、職務を行うに当たっては中立・公平でなければならず、当然ながら政治的にも中立・公平でなければならない。
以上


「人権擁護法案」に関する取組について 05/3/24  NO10
全国人権連事務局長 新井直樹

 23日の与党懇話会は国籍条項で一致できず、古賀座長に今後の調整を一任。

 あくまでも今国会成立にこだわる古賀氏。

 解同も3月15日の閣議で決定し4月中の成立(民主党が今後の組織の見直し規定を飲むことで)を目論んでいたが頓挫。

 再提案断念の要請を自民党・古賀氏、公明党・東氏に手紙・FAX・メールでの集中を。

古賀誠 〒100−8982
       東京都千代田区永田町2−1−2 衆議院第1議員会館431号
       FAX 03−3597−0483 kogamakoto@hotmail.com
東順治 衆議院第1議員会館519号 FAX 3508-3519 goikenban@j-higashi.com       

与党懇話会、今国会成立を確認 (毎日新聞 3月23日 22時11分)
 与党人権問題懇話会(座長・古賀誠自民党元幹事長)は23日、国会内で会合を開き、自民党内の調整が難航している人権擁護法案について、今国会で成立させることを確認した。同党内には、人権擁護委員の選任要件に国籍条項を設けるなどの修正を求める意見が出ているが、公明党側は「原案通りの成立が望ましい」と異論を唱えた。
 会合で古賀氏は「私の不行き届きと力不足で、未だに最初の関門を突破できない状況だ。公明党の皆さんには申し訳ない」と陳謝した。さらに「党内手続きは非常に難しい。法案の中身も含め、検討させていただきたい」と述べ、公明党側も今後の調整を古賀氏に一任することを了承した。
「国交」規定で修正検討 人権擁護法成立を再確認(共同通信3月23日19時8分更新)
 人権侵害を調査する「人権擁護委員」に国籍制限がないことから、「日本と国交がない国は除外する」などの文言を加える案が23日までに有力になってきた。自民党内では、北朝鮮による拉致問題への影響を懸念し、国籍条項を求める声が強まっていた。公明党は同条項に反対しており、人権擁護委員を「国交がある国」からの選任とする案は、自民、公明両党の主張に配慮した形だ。


人権擁護法案で協力要請 (NHK 03/23 05:40)
 平沼氏が会長を務める、北朝鮮の拉致事件の解決を目指す議員連盟は、「人権擁護法案」に盛り込まれる人権擁護委員について、「選考過程が不透明なうえ、国籍条項がなく、朝鮮総連の関係者が委員になる可能性が否定できない」などとして、国会への提出に懸念を表明しています。これについて、与党の人権問題懇話会の座長を務める自民党の古賀元幹事長は22日夜、平沼氏に対し、「人権擁護委員に外国人を選任することに、一定の制限を設けるなど、何らかの手立てがないか考えている」と述べ、法案の手直しを検討していることを伝え、協力を求めました。これに対し、平沼氏は「人権擁護委員の選任に国籍による制限がないのは認められない」としたうえで、「手直しした内容を見たうえで、話し合いたい」と述べ、法案がどう手直しされるか、慎重に見極めたいという意向を示しました。


「人権擁護法案」に関する取組について 05/3/22 NO9
             全国人権連事務局長 新井直樹
 自民党法務部会は10日、15日、18日と三度法案の了承を見送り継続議題とし、23日の与党懇に再戻した。

 当初の15日閣議決定4月中の成立は頓挫し、今国会提出、次期国会成立の線も浮上しているが、

 第3条のあいまいな人権侵害規定、人権委や人権擁護委員の国籍条項、人権委の強制権限など、

 どの程度の議論が煮詰まるか、もとより提案断念まで追い込めるか、適時論点に対する見解が必要となろう。


(参考資料)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2005.03.17-1)

 自民党人権問題調査会と法務部会は、明日3月18日、人権擁護法案について三回目の合同会議を開き、法案を国会に上程する動きをみせている。これに対し、党内では多数派工作が行われているとのことであるが、予断を許さない状況となっている。
 報道によれば、古賀誠・自民党人権問題等調査会長は、所属する堀内派の会合で、人権擁護委員を日本国籍を持つ人に限るなど国籍条項を入れる手直しを行うことを検討する考えを示している。
 この法案は、部落解放同盟が主導し、朝鮮総連や多数の人権団体が運動に加わってきたと言われるが、朝鮮総連の主張のみを取り下げることを切り札にして、他の人権団体の主張を通そうとしている動きのようにも見える。また、古賀会長は、「法案の手直しの手順については、自民党の党内調整で行うのか、国会審議の中で修正協議をするのか、状況に応じて柔軟に対応する」との考えを示し、あくまで問題のある法案を通そうとしているようにも見える。
 この法案のままでは、人権擁護委員から一般国民は排除され、人権問題に関わったことのある活動家・有識者なるもの約2万人が全国から選ばれかねない。仮に国籍条項が入ったとしても、偏向した価値観を持つ人々のみが選ばれれば、朝鮮総連の主張が彼らによって代行される可能性もある。また、主観的な判断で「人権を侵害された」と訴えれば、令状なしの家宅捜査が行われて尋問され、「人権侵害があった」として罰金が課せられることにもなる。さらに、日本が密告社会化し自由な言論ができなくなる懸念も強い。拉致被害者の人権回復を求める家族会、救う会の活動であっても「人権」の名の下に大きな制約が課せられることも予想される。
 もし、明日3月18日に、法案賛成派が多数派工作を背景に「審議打ち切り」で「強行採決」を諮るようなことになれば、容易ならざる事態となる。
 このような状況下で、超党派で組織された拉致議連が、「本法案が拉致被害者支援活動、さらには自由主義・民主主義の根幹である『自由な言論』までも侵害する可能性があると強い懸念を感じている」と、4点について「この懸念が完全に払拭されるまで、本法案を国会に提出すべきではない」との緊急声明を発表した。以下はその全文である。

■拉致議連が人権擁護法案で緊急声明「人権擁護法案に対する緊急声明」 3月17日
「拉致議連」(北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟)
                   会長 平沼 赳夫

 三年前に提出され、「メディア規制法」と批判を浴び、廃案となった人権擁護法案が国会に再び提出されようとしている。国民の生命と財産を守ることが国および政治家の責務との信念を持ち、北朝鮮による国家犯罪である拉致問題の解決のために被害者および家族の視点で活動してきた我々は、本法案が拉致被害者支援活動、さらには自由主義・民主主義の根幹である「自由な言論」までも侵害する可能性があると強い懸念を感じている。我々は、出生や国籍などを理由にした人権侵害は許されないと考えていることは言うまでもなく、本法案が目指している本来の趣旨である人権侵害に対し、救済措置を施すことに何ら異論はない。しかし、本法案は下記のような重要な問題を含んでいる。
この懸念が完全に払拭されるまで、本法案を国会に提出すべきではない。
 まず第一に、本法案では、「人権侵害」の定義があまりに曖昧である。第二条で「人権侵害とは不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」と規定しているが、これでは「人権侵害とは人権侵害である」と言っているのと同じではないか。さらに「助長」や「誘発」までも救済措置の対象とされており、拡大解釈の余地があまりにも大きい。新設される人権委員会が「人権侵害」と認定する段階で、恣意的な解釈が可能であり、健全な言論活動は著しく侵害され、「言葉狩り」が横行する危険がある。例えば、北朝鮮の拉致問題への対応を批判したり、経済制裁を求めることまでも、在日韓国・朝鮮人への人権侵害を助長したと解釈されてしまう危険性がある。
 第二に、本法案は人権侵害に関する情報収集や被害救済・予防活動を行う人権擁護委員を全国で2万人委嘱されることを定めているが、その選考があまりに不透明である。市町村長が「弁護士会その他人権の擁護を目的とし、または支持する団体の構成員」のうちから推薦することになっているが、国籍条項はない。破壊活動防止法に基づき、いまだに公安調査庁の調査指定団体となっている朝鮮総連の関係者が委員になる可能性は否定できない。また、北朝鮮などと連動して活動している日本の市民団体や特定の政党の影響を排除するための規定も見あたらない。
 第三に、人権委員会は人権侵害の特別救済手続きとして、出頭要請、押収、立ち入り検査など、いわゆる3条委員会としての強制力を持つ。法務省は「令状主義に反するものではない」と説明しているが、国民に畏怖、抑圧し、自由な言論を妨げることにつながる危惧は払拭できない。
 第四に、現行法上の人権擁護委員は、政治活動が禁止されているが、本法案上は、積極的な政治活動のみが禁止されているに過ぎない。
 まずは、ADR(裁判外の紛争解決手段)の充実や現行人権擁護委員の権能強化など司法制度改革を推進し、本当の権利侵害を受けた弱者が迅速かつ簡便な救済策を受けられる制度を充実していくべきである。
 以上われわれ「拉致議連」として、「人権擁護法案」は慎重に取り扱うべきであることを声明する。「表現の自由」は民主主義の根幹であり、すべての国民が有する権利である。我々はこの民主主義を守るために毅然とした姿勢を貫くことをここに誓いたい。


「人権擁護法案」に関する取組について 05/3/15 NO8
           全国人権連事務局長 新井直樹

 産経の論調が自民党の若手を中心に活用され、我々が示す論点を異なる角度からとらえ、提起している。

 自民党法務部会関係者等へのメール・FAXを引き続き展開を!!

人権擁護法案「意見集約なければ提出せず」 自民部会長(朝日03月15日10時58分)
 政府が今国会に再提出する予定の人権擁護法案について、自民党の法務部会は15日、改めて審議したが、意見はまとまらなかった。部会長の平沢勝栄衆院議員は「意見集約ができない限り、法案を出すつもりはない」とし、引き続き議論することにしている。
 出席した議員からは「各地で救済実務にあたる人権擁護委員は日本人に限定するべきだ」との意見のほか、「マスコミ規制は凍結の必要はない」「部落差別を逆手にとった悪質な事例があるが、新法はきちんと対処できるのか」など様々な意見が出され、法案に対する賛否が分かれた。
 法務省は当初、10日の自民党法務部会で了承を得たうえ、15日の閣議決定を経て今国会に提出する予定だったが、10日の部会でこうした異論が噴出し、了承が見送られている。


救う会が人権擁護法案に関して緊急声明発表!! 3/15
「この法案は人権を擁護するものではなく、自由な言論を抑圧し、拉致問題の解決に障害となる法案になりかねない極めて危険なものである。」
http://www.sukuukai.jp/houkoku/index.html


【主張】人権擁護法案 問題多く廃案にすべきだ(産経 3月10日)

 三年前に国会に提出され、廃案となった人権擁護法案に代わる新法案が十五日閣議決定され国会に提出される。
 出生や国籍などを理由とした差別、虐待は許されない。適切な救済措置などを取ることは当然である。だが、新法案はあまりにも問題が多い。「人権侵害」の定義があいまいなため、恣意(しい)的な拡大解釈がまかり通る恐れがあるからだ。運用次第では密告社会すら出現しかねない。
 憲法で保障されている国民一人一人の「言論、出版その他一切の表現の自由」だけでなく、国民主権も損なわれる懸念がある。
 新法案は前法案を踏襲したが、違いはメディア規制条項の「凍結」と五年後の見直しを盛り込んだことだ。
 この条項は、報道機関のつきまといや待ち伏せなどの取材方法による人権侵害を「特別救済」の対象とし、犯罪少年の私生活の報道もその対象に含めている。行き過ぎは是正されねばならないが、この条項は、報道の自由を侵す恐れが極めて強い。
 問題は、「人権侵害は不当な差別、虐待、その他の人権を侵害する行為」とするあいまいな定義だ。「人権侵害を助長、誘発する行為」も禁止される。いずれも拡大解釈が可能である。メディア規制条項を削除しても、メディアを含め、すべての国民が規制の対象であることに変わりはない。
 人権侵害の判断は、法務省の外局として新設される人権委員会に委ねられる。人権委には事情聴取や立ち入り検査などの権限が付与される。拒否には罰金(三十万円以下)を科す。
 下部組織の人権擁護委員(二万人以内)は人権侵害の情報収集などを行う。事実上の警察機能を持つ巨大組織の誕生といえる。
 ところが人権委、人権擁護委員とも国籍条項が入っていない。従来の人権擁護委員は「市町村議員の選挙権を有する」だったが、新法案では「市町村の住民」にした。外国人を想定しているとも考えられる選考基準だ。
 これは、「公権力の行使または国家意思の形成に参画する公務員に日本国籍が必要なことは当然の法理」とする政府見解にも抵触しよう。憲法違反の疑いがある法案は、国会で厳しく検証し、廃案を目指すべきだ。
人権擁護法案:民主・江田氏 条件次第で容認の考え示す毎日新聞3月14日21時19分
 民主党は、人権委の独立性を確保するために設置場所を内閣府にするよう求めているが、江田氏は「修正協議で与党が受け入れることはないと思わざるを得ない」と言及した。人権委を法務省に置くことを前提に「委員の人選、事務局や予算の体制などによって、法務省の力が実質上及ばないものにどこまでできるか考えねばならない」と述べた。
人権擁護委員に国籍条項 国会提出へ推進派一致(共同通信 3月14日21時43分)
 政府が今国会への再提出を目指す人権擁護法案の自民党内での調整が難航している問題をめぐり、人権侵害の調査などを行う「人権擁護委員」は日本国籍を持つ者に限るとの「国籍条項」を新たに盛り込む修正案が14日、自民党内で浮上した。
 了承を見送った10日の自民党法務部会で「人権擁護委員に在日外国人が就任でき、特定の国、団体の影響を受ける可能性がある」との異論が相次いだため。法案を推進する自民党の議員連盟「人権問題推進懇話会」(会長・自見庄三郎元郵政相)は14日の会合で、党内手続きを進めるために国籍条項を加えるべきだとの認識で一致した。
 ただ党内には「人権侵害の定義があいまいだ」として法案の抜本見直しを求める意見も多い。
人権擁護法案提出先送り 与謝野氏、調整に努力((共同通信03/11 12:37)
 自民党は11日午前の役員連絡会でも古屋圭司党改革実行本部長代理らから「メディア関連条項をどうするかを含め、ほとんど議論されていない。人権救済機関の人権委員会には国籍条項もない。重要法案であり、しっかり議論し、修正すべきは修正すべきだ」などの異論が出た。


「人権擁護法案」に関する取組について 05/3/11 NO7
                      全国人権連事務局長 新井直樹

 NO6で報じましたが、10日自民党の法務部会等では、我々が指摘してきた論点について、

「これまでにない議論」(マスコミ報道)がなされ、15日の再議論へと法案了承が見送られました。
 この間、自民党法務委員や法務部会役員などに、全国人権連の見解等を送付・送信してきましたが、

 さらに多くの世論を短期に集中する必要があると考えます。
 そこで、以下のところへ、法案再提案反対のひとことをそえて、メールもしくはFAXを組織してください。お願いします。

 法務部会長 平沢 勝栄 info@hirasawa.net
 部会長代理 西田 猛 http://www.nishida.gr.jp/mail/index.htmlフォームあり
               072-622-0766
 副部会長  萩野 浩基
      渡辺 博道 g04978@shugiin.go.jp
     岡田 広 hiroshi_okada@sangiin.go.jp 03-5512-2410
      松村 龍二 info@ryuji-m.net
      森元 恒雄 tsuneo_morimoto@sangiin.go.jp
部員 古川 禎久 03-3506-2503
 城内 実 minoru.kiuchi@nifty.com
 人権問題調査会会長
古賀 誠 kogamakoto@hotmail.com 03-3597-0483
自民党幹事長
武部 勤 takebe-t@js6.so-net.ne.jp 03-3502-5190
 自民党参議院幹事長
片山 虎之助  toranosuke_katayama@sangiin.go.jp 03-3502-8896
衆議院法務委員会委員長
   塩崎 恭久 shiozaki@y-shiozaki.or.jp 03-3508-3619


「人権擁護法案」に関する報道について 05/3/11 NO6
                    全国人権連事務局長 新井直樹

 法案第3条の問題をさらに提起へ 言論表現の自由擁護を

 不公正な人選(人権委員会・人権擁護委員)を排除し透明性の確保を


人権擁護法案の了承見送り 自民部会、審議大荒れ

                       (産経新聞3月11日2時44分)
 自民党は十日、法務部会、人権問題調査会の合同部会を開き、政府が今国会への再提出を目指している人権擁護法案を審議したが、出席議員から反対意見が続出し了承されず、十五日に再度審議することになった。これにより同日に予定していた閣議決定は見送られる。審議では法案の部分修正ではなく、法案自体への批判が広がっており、今後の党内調整は難航しそうだ。
 「今日の意見には今後もきちんとお答えするが、国会日程もご承知の通りだ。今日で(了承の)手続きをお願いしたい」
 席上、与党人権問題懇話会座長と自民党人権問題調査会長を務める古賀誠元幹事長は深々と頭を下げた。どんなに激しい議論があっても有力議員のひと言で収束するのが自民党の部会の「定石」だが、今回は違った。
 「これだけ異論があるのに了承などできない」「こんなやり方では誰かさんの郵政民営化と同じじゃないか」と出席議員は一斉に反発。古賀氏はその後も「お願いします」と何度も頭を下げたが、ついに了承を得ることはできなかった。
 部会は冒頭から荒れ模様。古川禎久氏が「人権侵害の定義があいまいで恣意(しい)的に運用される余地が大きいうえ、新設される人権委員会には令状なしの捜索など強制権がある。憲法の精神にのっとっているといえるのか」と切り出すと、「人権擁護委員の選考が不透明で国籍条項もない。朝鮮総連関係者も選任されるのか」(城内実氏)など批判が相次いだ。
 これに対し、法務省担当者は「人権の定義は憲法の規定通りだ」「朝鮮総連を絶対に入れないといけないということではない」と答えたが、「説明になっていない」と逆に反発を招いた。
 発言者のうち法案への賛成論はわずか。民主党と同様に、メディア規制条項の削除や人権委員会を内閣府の外局にすることなど、修正を施すことで成立を容認する声も一部にあった。だが、大半は「言論界はもちろん学術対処・文化活動までも萎縮(いしゅく)させる」「人権侵害の救済は司法制度の拡充で目指すべきだ」など、法案の成立を認めない強硬論だった。
 途中、古賀氏が「この法案が一部の団体の圧力でやっているというのは誤解だ。二十一世紀に重い課題を議論する場を国会にもっていきたい」と割って入ったが、議論は収まらず、批判はさらにエスカレート。結局、平沢勝栄法務部会長は再度部会を開くことを条件に幕引きを決断した。
 古賀氏は記者団に、「なかなかいい意見が出てますよ。まあいいことじゃないですか。急がば回れということもある」と余裕をみせたが、対照的に平沢氏は「法務部会長がこれほどしんどいとは…」と語った。


人権擁護法案:揺らぐ与党シナリオ 自民調整に影
                        (毎日新聞3月11日1時44分)
 政府が今国会に再提出する予定の人権擁護法案で、与党のシナリオが揺らぎ始めた。自民党の部会で10日、これまで議論の表舞台に出なかった観点から反対意見が続出して了承に至らず、結論は15日に持ち越した。既に公明党の部会は法案を了承しているが、既定方針のはずだった15日の閣議決定は困難になった。メディア規制条項を残したまま凍結するという異例の内容に野党側は批判を強めており、法案の行方に微妙な影が差し始めた。
 ◇人権擁護委員 国籍条項で異論
 「これだけ反対がある中で了承するわけにはいかない」。10日、自民党の法務部会と人権問題等調査会の合同会議では法案への異論が相次いだ。
 法案は、人権問題等調査会会長の古賀誠元幹事長が座長を務める与党の「人権問題等に関する懇話会」の主導で再提出が決まっただけに、この日の会議で了承されるとの見方が強かった。だが城内実、古川禎久両衆院議員がそれぞれ法案の疑問点を列記したペーパーを配り、流れが変わった。
 2人は「人権擁護委員の選考過程が不透明で、国籍条項も撤廃されるのは問題だ」などと指摘した。これを受け、複数の議員が部落解放同盟や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の名を挙げて「特定の団体の影響力が強まり、法の理想通りに運用できない恐れがある」などと懸念を表明した。自民党や官邸には、電子メールや投書で同様の反対意見が大量に寄せられているという。
 法案では、人権擁護委員(2万人以下)は全国に配置され、新たな人権救済機関となる人権委員会の委嘱を受けて各地域で人権相談などを行う。現在の人権擁護委員は日本人に限られているが、人権擁護推進審議会が01年、地域の実情によっては外国人の選任も可能にすべきだと答申した。これを受けて既に旧法案の段階で国籍条項が撤廃されることになったが、その際の審議では大きな問題になっていなかった。
 出頭要請や立ち入り調査も認められる人権委員会についても2人は「強い権限が与えられ、新たな人権侵害につながる恐れもある」と指摘し、他の議員も同調した。これまで政府側が想定していたメディア規制条項などの問題とは全く異なる論点が浮上した。
 2人は「法案の人権侵害の定義があいまいで、憲法が保障する表現の自由などに反する」とも主張した。城内氏によると、9日に自民党の若手議員が集まり、法案を分析した結果を基にペーパーを作ったという。
 「いい議論ができた。急がば回れだ」。古賀氏は会議終了後、記者団に語った。党としてはあくまで法案を修正せず、今国会に再提出する方針を崩していない。
 ◇メディア規制条項 「凍結」「削除」で与野党平行線
 自民、公明両党は既に2月3日、メディア規制条項は凍結し、解除には別の法律が必要だとの基本方針を決め、今国会成立を期すことで合意していた。規制条項への反対論が野党に強い一方で、政治家の不祥事報道などを念頭に「表現の自由は無制限ではない」と規制条項への賛成意見が自民党内に多いことに配慮し、妥協した結果だった。
 今月8日になって、自民党の片山虎之助参院幹事長が規制条項の削除に柔軟姿勢を示すなど同党内に修正ムードが浮上したが、自民党との調整に当たった公明党幹部は「現場の状況が分かっているのか」と不快感をあらわにした。神崎武法代表も「一部マスコミによる報道被害は依然、後を絶たない。メディアがきちんと自主規制すれば、凍結したままで削除と同じ効果を生む」と強調した。公明党法務部会は9日、法案を了承している。
 一方、民主党内では、メディア規制条項の削除ではなく「凍結」でもやむを得ないとの意見もあった。だが8日の役員会で、削除を要求する方針を確認した。これに先立つ5日、岡田克也代表が「メディア規制は凍結では不十分。削除が必要だ」との姿勢を鮮明にしたためだ。同党の政策決定プロセスでは「人権侵害救済法プロジェクトチーム」(江田五月座長)の結論を待つのが通常の手続きだが、岡田氏の強い意向に引っ張られた形だ。ただ、岡田氏は8日の会見で「メディアの自己努力を法案に入れるべきだ」との認識も示した。
 ◇部落解放同盟 「十分論議を」
 「法案提出はずれ込むかもしれないが、どういう法律が必要なのか与野党で十分論議し、今国会で成立させてほしい」。部落解放同盟の組坂繁之委員長は10日、自民党の合同会議が法案了承を見送ったことについて、そう語った。解放同盟の影響力が強まることを懸念する意見が出たことに対しては「人権委員会に同盟員を入れるよう求めたりするつもりはない。法律で我々の力が強まるようなことはあり得ない」と反論した。
 法案を巡る今回の動きでは、解放同盟が重要な役割を果たしてきた。組坂氏が1月21日、古賀氏と会談し、法案を今国会で決着させることで一致し、廃案になったままだった法案の再提出に向けた流れをつくった。
 解放同盟は、政府案は不十分だとして、人権委員会を内閣府の外局に置くことや、メディア規制条項の削除などの抜本修正を求めている。ただ、ある幹部は「100点満点は難しい。及第点が取れれば、大胆に決断しなければならない」と話している。

自民部会、人権擁護法修正案に異論相次ぎ了承見送り
(日経3/10 21:00)
 15日の合同会議で再協議する。これにより、政府が目指していた15日の閣議決定は今月下旬以降にずれ込むこととなった。民主党は「メディア規制条項を削除し、マスコミの自助努力を求める」との方針を決めており、今後、修正協議が行われる可能性もある。


「人権擁護法案」に関する報道について 05/3/10  NO5
                          
全国人権連事務局長 新井直樹

日本共産党参議院 井上哲士議員 本日10日(木)14時30分〜15時00分
 人権擁護法案等について法務委員会で質問
 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/で審議中継でライブ映像が覧れます。
人権擁護法案:自民部会が反発 15日閣議決定は困難

 自民党の法務部会と人権問題等調査会の合同会議が10日開かれ、政府が今国会に再提出する人権擁護法案について審議したが、異論や反対意見が続出し、同会議としての了承を見送った。政府が目指していた15日の閣議決定は困難になった。
 人権侵害の相談・調査や情報収集をする人権擁護委員の選任方法が特に問題とされた。同委員に関して、法案は「当該市町村の住民で、人権について高い見識を持つ人や人権擁護を目的とする団体構成員の中から市町村長が候補者を中央の人権委員会に推薦する」などと定めている。会議では「国籍条項がなく、国民主権に反する」「特定団体やえせ人権団体が影響力を強める懸念がある」などの反対意見が相次いだ。
 また、法案が禁止する「人権侵害」の定義があいまいで、政治家やマスコミの言論や学術・芸術活動を萎縮させる恐れがある、との意見も出た。メディア規制条項については、削除を求める意見も出たが、政府案通りに凍結にとどめるべきだとする意見が大勢を占めた。(毎日新聞 2005年3月10日 11時39分)
人権擁護法案、自民部会が了承見送り 15日に再度開催
 政府が今国会に再提出する予定の人権擁護法案について、自民党の法務部会は10日、「地方で救済実務を担う人権擁護委員の選考過程が不透明」などとして、法務省案の了承を見送った。15日に再度部会を開き、党内調整を進める。当初予定していた15日の閣議決定は見送られる方向になり、提出はずれ込む見通しとなった。
 部会では、「人権擁護委員の資格として国籍は問わないのか。どのような人が、どう選ばれるのかが不透明だ」などとする意見が相次いだ。また、法案が規制対象としている差別の「助長」「誘発」などの定義があいまい、との意見もあった。「人権の名の下に何でもまかり通ってしまうのは危険だ。あわてて提出する必要はない」などとして、改めて部会で議論することにした。
 民主党などが「削除」を求めているメディア規制条項については、一部の議員から「法案を通すためには削除でもいい」「報道の問題は別の法律で対処するべきだ」との意見も出たが、「凍結でいい」との意見が大半を占めた。人権委員会を法務省の外局に置くことについても、「現実的に妥当」との意見が強かった。 (朝日新聞 03/10 11:11)


「人権擁護法案」に関する報道について 05/3/10  NO4
                                         全国人権連事務局長 新井直樹
日本共産党参議院 井上哲士議員 本日10日(木)14時30分〜15時00分
 人権擁護法案等について法務委員会で質問
 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/で審議中継でライブ映像が覧れます。

自民党法務部会関係者に「再提案反対」のメールを送信しました。
なお、15日の国会再提案をうけて、17日に反対闘争本部の会議で方針を決めます。
人権擁護法案、5年後の見直し盛る 法務省の修正案
 03年に廃案となり、今国会に再提出される人権擁護法案について、法務省が検討している修正内容の全容が7日、わかった。法律の見直し期限は5年後とし、修正の柱となる「メディア規制の凍結」とともに、法案の「付則」に書き込む方針だ。15日の閣議決定を目指し、調整を進める。
 法務省が作成した「人権擁護法案の概要」によると、救済機関となる人権委員会を法務省の外局に置く点や、救済の仕組みなどについては前回廃案となった法案の中身と同じ。 施行日については「公布の日から2年を超えない範囲内で、政令で定める日」とした。メディア規制については付則で「別に法律で定める日まで(報道機関による人権侵害に対する特別救済の措置を)講じないものとする」との規定を設ける方針だ。
 この法案を巡って、自民党の古賀誠・元幹事長と民主党の川端達夫幹事長らは先月会談し、今国会で成立を目指す点について大枠で合意しているが、人権委員会の独立性の問題や、メディア規制の問題をめぐって意見の相違もある。 (朝日新聞 03/08 06:49)
メディア規制「削除」の声、公明党内でも 人権擁護法案
 今国会に再提出する予定の人権擁護法案について、法務省は9日、初めて与党側に詳細を説明した。午前中の公明党の法務部会で了承を得たが、行き過ぎた取材などを人権救済の対象とする「メディア規制」については「凍結ではなく削除した方がいい」との意見が相次いだ。メディア規制については民主党も削除を求める方針を固めており、今後の与野党協議で大きな争点となるのが確実な情勢だ。
 法務省側は(1)法相の諮問機関である人権擁護推進審議会の議論を経て、規制の条項を盛り込んだ(2)メディアによる深刻な人権侵害事案が実際にある(3)犯罪被害者の団体から強い要望がある――などの理由から、凍結という形で条項を残す必要性を主張した。
 結局、凍結の方針を打ち出した自民・公明の人権問題懇話会での結論も尊重する形で了承した。
 10日には自民党の法務部会でこの問題が取り上げられる。法務省は15日の閣議決定を経て今国会での成立を目指している。 (朝日新聞 03/09 12:09)



「人権擁護法案」に関する報道について 05/2/24  NO3
                                         全国人権連事務局長 新井直樹

自民・民主両党が今国会成立で一致。再提案後に修正協議を本格化。
全国人権連は再提案反対の申し入れなど一連の行動を明日の常幹で協議予定。
法制定阻止のため県段階や市町村段階での請願情報を把握し採択の阻止へ。
議会請願のひな形などは、全国人権連のHP(http://homepage3.nifty.com/zjr/)
 埼玉人権連のHP(http://homepage2.nifty.com/e-jinken/)から入手を。

メディア規制の対応焦点 人権擁護法案で調整(共同通信2月23日22時43分更新)
 自民、民主両党が23日、人権擁護法案の今国会成立を目指して調整を本格化させていく方針で一致したことにより、今後は人権委員会、メディア規制条項の扱いなどをめぐる民主党の対応が焦点となる。
 自民党側は今国会成立に自信を示すが、メディア規制問題などに関して民主党内の論議はこれから。支援する部落解放同盟は人権救済機関の新設などに向け新法制定を求めている一方で、党内にはメディア規制条項の凍結という政府、与党の方針に「絶対に解除されないことが必要だ」(幹部)と慎重な意見も根強い。このため、執行部は「法案を成立させないといけないが、あまりハードルを高くしては法案ができない」と対応に苦慮している。

人権擁護法案、今国会成立へ協議 自民・民主幹部ら合意(朝日新聞02/23 21:48)
 川端氏は会談後、記者団に「人権擁護という意味で、何もしなくていいという話ではない。(人権擁護の仕組みが)何もないという状態は脱すべきだ」と語った。
 修正協議は3月中旬の政府案提出後に始まる見通し。民主党はどのように対処するか、改めて党内論議を進める方針だが、与党は「メディア規制の削除には応じられない」(幹部)としている。
 小泉首相は23日夜、記者団に対し、「一度廃案になったものを一緒にやっていこうというのだから、いいと思う」と与野党協議に期待を表明した。公明党の神崎代表は記者会見で「提出できれば成立できる」との見通しを示したうえで「メディア規制を全く無しにするのはいかがか。自主規制を期待する強いメッセージとして、凍結にしておいた方がいい」との考えを示した。

人権侵害救済の法律を 部落解放同盟などが集会 (共同通信2月23日18時21分更新)
 部落解放同盟(組坂繁之委員長)などでつくる「部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会」は23日、参院議員会館で集会を開き、人権侵害救済に関する法律の今国会での成立を目指す方針で一致した。
 あいさつに立った組坂委員長は「われわれは一切の差別をなくすために人権侵害救済の法律を求めている。この国会が最大のヤマ場。安易な妥協はしないが、展望ある着地点を探したい」と述べ、与野党や政府への働き掛けを強める考えを表明した。

江田五月・民主党PT座長(2月23日11:00〜、HPより)
 人権侵害救済制度のあり方につき、与党の懇談会の古賀誠会長と二階俊博さん、民主党幹事長で部落解放推進委員会委員長の川端達男さん、人権侵害救済法PT座長の私と事務局長の堀込征雄さんが集まり、意見交換しました。まず、人権救済制度を作らなければならないという認識では、みな一致しました。その上で、与党が考え方をまとめて政府に法案提出を求めているとの説明がなされました。そこで、今の段階で与党と民主党が合意をして政府に注文することはせず、民主党としては、政府の法案提出を待って、これを検討して態度をまとめると申し上げました。新しい政府案が報道されているとおりだとすれば、民主党が既にまとめている法案大綱との違いは大きく、賛成できません。法案審議の段階に入って、独立性、実効性などにつき将来展望を見出せる合意が得られるかどうか、真剣な努力を傾けることになります。

【人権擁護法案】メディア規制の疑念がぬぐえない(南国新聞2月23日)
 「人権が尊重される社会の実現」という法案の目的に異論はない。日本は、国連の規約人権委員会から、公権力による人権侵害を救済する機関の設置を勧告されている。差別や虐待などの被害を防ぐ社会の仕組みを強化するのは当然だ。
 しかし、人権擁護法案は公権力による人権侵害のチェックという国連の要請から逸脱し、メディア規制の色合いを残している。成立すれば報道が国家の制約を受ける恐れがあり、懸念される。
 廃案になった法案が、骨格をほとんど変えないまま、この時期に再提出の動きになったのも不可解だ。小泉純一郎首相は1月の施政方針演説で「引き続き人権救済に関する制度について検討を進める」と述べたが、それがなぜ法案提出につながるのか、丁寧な説明を求めたい。
 もう一つの問題点は、法案が人権侵害の救済機関を法務省の外局に設置するとしていることだ。法務省が所管する刑務所や入国管理施設は人権侵害が起きやすいとされる。法務省管轄下の施設での人権侵害は被害者にとって相談しにくい。公平な処理が行われるか疑問も残る。
 公権力による公権力の監視には限界がある。救済機関を政府から独立させることも重要なポイントである。民主主義社会ではマスメディアによる公権力の監視が欠かせない。国家によるメディア規制は民主主義の後退である。確かに、犯罪被害者への過剰取材などメディア側にも問題があり、被害救済や防止の手だては必要だ。だが、その対応は報道機関の自主規制に委ねるべきだ。メディア規制の疑念が消えないままでの法案提出は反対である。


「人権擁護法案」に関する報道について  05/2/4
  全国人権連事務局長 新井直樹

 懇話会が示す修正内容は、かつてご破算となった内容であり、法案の持つ国民の言論表現を封じ込め、権力や大企業などの人権侵害から国民を救済するものではない。

一部修正し今国会に再提出へ 政府・与党
 マスコミ各紙は、03年10月に廃案になった人権擁護法案について政府・与党は3日、一部修正して今国会に再提出することを決定した、と報じる。この日開いた「与党・人権問題等に関する懇話会」(座長・古賀誠自民党元幹事長)は(1)「メディア規制」の規定は凍結し、凍結を解除するには新たな法律を必要とする(2)法律施行後、一定期間が経過した後に必要な見直しを行う−−の2点の修正を行うことを確認した。
 差別や虐待などの人権侵害を救済するため立ち入り調査をしたり、文書の提出を命じたりできる「人権委員会」を法務省の外局に設けることも明文化する。
 法務省は、法律見直しを行う期間などについて検討(与党幹部は「3−5年程度を想定している」)したうえで、3月中旬までに改めて修正案を今国会に提出する。
 古賀氏は記者団に「日程は厳しいが、ぜひ今国会で成立を期したい」と強調。
 毎日新聞によれば、同法案に関する日弁連のワーキンググループ事務局長を務める武村二三夫弁護士は「委員会の独立性、実効性に欠ける。見直し規定を入れても、適切な見直しの保障はない」と批判する。解同幹部も「人権救済の法律を早期に成立させる必要はあるが、委員会を将来は内閣府に置くよう担保するべきだ」と指摘する。報道の自由を脅かすとの批判があったメディア規制の規定について、政府・与党は当初、削除することも検討したが、結局は凍結にとどまった。凍結解除には新たな法律が必要との一定の歯止めをかけたものの、将来は解除される余地を残したことで、削除か凍結かを巡って改めて論議を呼ぶのは必至だ、と解説。
 読売新聞は、懇話会では、同条項を凍結して議論を先送りする形で同法案の成立を図り、救済機関を早期に設置する必要があると判断した。政府・与党が再提出に向け動き始めたことを受け、民主党は党内にプロジェクトチームを設け、法案修正に応じられるかなど、党内の見解をまとめることにしている。見直し条項を盛り込むのは、人権委員会の設置場所について将来の見直しに含みを残すことで、民主党などの理解を得る狙いがある、と報じる。


 参考資料 2002年10月21日 共同声明
日本ジャーナリスト会議、日本出版労働組合連合会、日本ペンクラブ、
日本マスコミ文化情報労組会議、日本民間放送労働組合連合会、メディア総合研究所

     
人権擁護法案の修正の動きに反対し、あくまでも廃案を求める声明

 先の通常国会で継続審議となった人権擁護法案について、与党三党は先ごろ、「報道被害に対する報道機関の自主的な取り組みがどう進むかを見守り、別の立法で解除するまでメディア規制部分の凍結を続ける」旨で合意した、と伝えられる。この修正案をもって、政府・与党は報道・表現の自由への制約が解消されたとして、この臨時国会で法案成立を期すものと見られる。
 しかし、私たちはこのような修正は、小手先の目くらましでしかないと考える。
 人権擁護法案に対する批判の最たるものは「人権侵害がしばしば指摘される拘置所・入管施設などを所管する法務省の外局として人権委員会を設置するのでは、委員会の独立性が保てない」ということだ。公権力による人権侵害を軽視したこの法案の根本的な欠陥を如実に示すもので、この点を無視した今回の修正は、国内世論はおろか、諸外国や国際機関などからの厳しい批判も免れないだろう。
 人権擁護法案は他にも多くの問題を抱えている。法案にはそもそも「人権」についての定義がなく、行政による恣意的な拡大解釈のおそれがある。法案がいう「差別助長行為」には「文書の頒布、掲示その他」が含まれており、差別的取扱いを助長・誘発する「おそれがあることが明らか」であるものには「将来行わないことを勧告」できるという、出版・放送の事前差し止め(事実上の検閲)も認めるような規定も設けられている。また、人権委員会の組織も中央に5人の委員を置くだけで、全国各地で発生する人権侵害事案を処理するためには極めて不十分である。結局、法務官僚の力に大きく頼らざるを得なくなり、委員会の独立性はやはり有名無実化するだろう。この他、「縦割り行政」の弊害から、労働権に関わる人権侵害など他省庁の所管とされるものには、人権委員会は関与できない。また、防衛庁で発覚した情報公開請求者リスト作成問題にみられるような、公権力による市民活動の監視などという問題は、法案が規定する人権侵害の類型にはどこにもあてはまらず、人権委員会の機能を全く期待できない。
 このように、期待される人権擁護の機能は十分に果たせず、一方で市民の活動や表現の自由を不当に抑圧するおそれの強い欠陥だらけの法案は、小手先の修正程度ではとうてい認められない。私たちは、この法案をまず廃案とした上で、現在の日本でどのような人権侵害が問題となっているか、司法的救済では何が不十分なのか、国民的な議論に委ねて根本から検討しなおすことを強く訴えるものである。

「人権擁護法案」に関する報道と対応について  05/2/2
  全国人権連事務局長 新井直樹

 1月23日付け「西日本新聞」は、「人権擁護法案」について、自民党・古賀誠(与党・懇話会座長)と「解同」組坂委員長が1月21日に都内で会談し、組坂が「将来的な見直し」を条件に3月の全国大会に向けて組織内協議をすすめ、6月までの今通常国会で成立させることで双方一致したと報道していた。
今回の読売、共同通信の報道は「解同」を揺さぶると共に、昨年の懇話会で衆議院に提案することも決めており(自由同和会報)、とりわけ与党の腹が固まったとみれる。
 今後、情報の収集、時期をみて法務・自民党との交渉、自由法曹団等との連携、国会請願、諸集会の開催など、大会・幹事会決定の具体化を進める必要がある。
 読売新聞は、「人権擁護法案提出へ、報道関連規定は凍結…政府・与党」との見出しで、
 政府・与党は1日、2003年に廃案となった「人権擁護法案」を一部修正したうえで、今国会に提出する方針を固めた。 修正は、「報道規制につながる」との反対論があった報道に関する規定を凍結することなどが柱だ。 この修正で野党側の理解が得やすくなると判断しており、今国会での成立を目指す。 同法案は、不当な差別や虐待などの人権侵害に対し、法務省の外局となる「人権委員会」が調停・仲裁などの支援策を講じることなどが盛り込まれていた。民主党などは人権委員会を内閣府の下に置くよう求めていた。 政府・与党は人権委についても、法務省の外局とするものの、法案に見直し規定を盛り込む方向で調整している。 地方にも人権救済に関する組織を設置することを検討している。 同法案は2002年3月に提出されたが、野党側が「法務省の外局では、同省所管の刑務所などでの人権侵害に対応できない」と強く批判したため、審議は進まず、2003年秋の衆院解散に伴って廃案となった、と報道。(2005/2/2/03:11)

 共同通信も「人権擁護法案を再提出へ」
 2003年に廃案となった人権擁護法案について政府・与党は2日、「表現の自由を侵害する」として批判が強かったメディア規制部分を凍結するなど一部修正した上で今国会に再提出する方向で調整に入った。3日に行われる与党内の協議で、修正の具体的な方向性を詰める方針。同法案は人権侵害の救済を目指し、救済機関として「人権委員会」を法務省の外局に設置する内容、と。[2005年02月02日 ]

 法務省は、全会一致が望ましいと交渉では答えていたが、人権擁護局長の交代もあり、国会議員、地方議会や行政などが法案の硬直状態による煩雑な状況を政治による解決を求めた結果の動きではないのか。省は、人権侵犯処理規程の見直しなどを進めてきたが、人権救済の骨格を充分再検討した結果ではない。


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