国で10場の競馬場を有している日本中央競馬会(JRA)。そしてその中の一つである中山競馬場。そんな中山競馬場は他のJRA競馬場と同じように、芝が生え揃った芝コース、土を敷き詰めたダートコース、障害物が置いてある障害コースといった3種類のコースを有する競馬場です。これらのコースでは沢山のクラス・条件のレースが行われていますが、それらが行われるコースには競馬場毎に大きさ高低差など違いがあるのはご存知でしょうか。各競馬場のコースではこれらに特徴があり、それによって予想や白熱したレースを演出ています。

中でも個性的なコース形態をしているのが中山競馬場。東京競馬場や京都競馬場などと比べると小さく不格好ですが、そんな中に潜む高低差は中央随一。これが他の競馬場とは違った奥の深さを生み出しています。それらのコースでは、誰もが一度は聞いた事があるであろう有馬記念を初めとした様々なレースが行われており、競馬場に遊びに来た方々はそんなコースで行われるレースに歓声を上げています。

■・・・芝コース(TURF)


芝コースはコース全体に芝が敷き詰められたコースこと。特徴としてはダートや障害といったコースよりも走りやすいためパワーよりもスピードの勝った馬向きのコースと言えるでしょう。中央競馬が模範としているヨーロッパの競馬場のメインのコースであるため、中央競馬でもメインのコースとして大きなレースが行われていますが、コースに敷き詰められた芝は馬が走るたびに掘り起こされてしまうため状態の維持が難しいうえ、雨などで湿ると上滑りしやすくなるなど天候にも左右されやすいなど、その時の芝の状態がレース結果に大きな影響を与えるという難点も抱えています。そんな中山競馬場の芝コースは内周りコースと、外周りコースがあり、それぞれ施行距離によって使い分けられています。

■・・・ダートコース(DART)


ダートコースはコース全体に砂が敷き詰められたコースのこと。芝のコースよりも走り難く力を要するため、スピードよりもパワーのある馬向きのコースです。ダートのレースは花形である芝のレースに隠れがちですが、馬が走った後はハローをかけて整地できるため状態の維持が簡単。コース状態がレースの結果に与える影響は少なく、馬は持っている能力を発揮しやすいという長所があるため、ダートのレースは芝の保護という目的なども含めて、1日の施行レースにおいて芝と同等芝よりも多い頻度で行われています。そんな中山競馬場のダートコースは芝の内周りコースのさらに内側に楕円形のコースとして造られています。コースの形態としては単純ですが、アップダウンが激しくタフなコースとして有名です。

■・・・障害コース(STEEPLECHASE)


障害コースはコースに障害物が置かれたコースのこと。障害の種類には生け垣水ごうバンケットなどがあり、馬たちはそれらを越えてゴールを目指します。中でも中山競馬場はコース途中に巨大な坂道があるなど中央競馬屈指の障害コースであり、唯一障害G1競走の行われる競馬場です。障害競走はスピードやスタミナだけでなく障害を飛越するセンスも問われる高度な競走であり、それを一緒に乗り越えていく騎手と馬のパートナーシップは非常に重要。このため、ヨーロッパでは芝のレース同等、もしくはそれ以上に人気のあるレースですが、日本の場合は他のコースで結果の出なかった馬が出走するという現状であり、「日に1度あるか・ないか」といった頻度で行われているというのが現状です。

■・・・右?左?中山競馬場は右周り!

突然「周り」と言われてもピンと来ないかもしれませんが、競馬場はゴール板の位置を動かせない関係上(施行距離によってスタート位置が変化)、競馬場ごとに競馬の行われる方向(回り方)が決められています。中山競馬場は右回り(時計回り)の競馬場として造られているため、常に右回りで競馬が行われており、最後の直線では右から左に馬が走っていきます(スタンドから見た場合)。「回りの方向なんてたいして関係ないよ」と思うかもしれませんが、馬の中にも「右回りが得意な馬」や「左回りが得意な馬」がいるため、予想における侮れないファクターの一つです。ちなみに全国に10場ある中央競馬会の競馬場のうちで東京・中京・新潟競馬場の3場が左回り、中山競馬場を含める他が7場が右回りで行われています。