長崎の路面電車ニュースファイル
特集記事 納涼ビール電車 発車!/超低床式電車3000形関連/路線延長関連/ドラマ「愛し君へ」電車ロケ
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※当コーナーのニュースソース

 特集 2004年6月1日運賃据え置き20年を迎えた100円電車

1994年(昭和59年)6月1日、長崎の電車の運賃が初めて3ケタの100円に値上げされた、前回値上げ90円(暫定値上げ)から僅か10か月、その前の80円から2年9か月。この間、ほぼ2〜3年おきに、市内バスと電車の値上げ合戦が繰り返されてきたが、電車は以来20年に渡り日本一安い運賃を持続し、かつ黒字経営を続けている。

また、この20年間、設備投資もそれなりに行ってきて、20年前は他社からの非冷房の中古車がまだ現役バリバリだったが、車体のみを新造する「車体更新車」(1300形〜1800形)を17両増備した結果、今では通常走る電車は冷房率ほぼ100%。他社からの譲渡車はもはや保存車的な存在となっている。また、2000年には、ほぼ全車に渡るステップ改良工事。全電停の嵩上げも実施され、2004年にはバリアフリーの超低床電車もデビューした。1989年4月1日の消費税導入(税込103円)、1997年4月1日の消費税率引き上げ3%→5%(税込105円)後も税込100円を続けられており、20年前より事実上の値下げとなっている。今では全国で「100円バス」が多数走っているが、その元祖と言ってもいいだろう。

公式には調べていないが、運賃据え置き20年というのは日本記録かも知れない。ちなみに、運賃据え置き20年を支える要素の一つ、「カラー電車」は1964年9月4日デビュー。つまり今年9月で40年目を迎える。

100円運賃20年を前に、マスコミ各社でこれに関する特集が組まれています。

2004年9月4日は カラー電車40年でした


運賃の経過

改訂年月日

内訳

備考

大正4年11月16日

1区1銭+通行税1銭 

開業時。9区までの区間制運賃

大正10年6月28日

均一制片道5銭+通行税1銭

乗客の利便性、乗務員の効率を高める目的で均一制運賃を採用

大正14年7月11日

長崎港に電車連絡船開業、船車連絡運賃6銭

電車乗車券同額で連絡船にも乗船できた、戸町航路は+3銭

昭和2年11月1日

片道6銭、早朝割引片道5銭(午前7時まで)

値上げ反対市民運動があった、早朝割引開始

昭和18年12月18日

電車連絡船、長崎市へ譲渡

電車運賃で市営交通船と連絡開始

昭和19年8月1日

片道10銭、軍人券5銭

早朝割引廃止、4月より軍人券開始当初3銭

昭和20年8月9日

原子爆弾投下により全線運転中止

昭和20年11月25日一部運転再開

昭和21年3月1日

片道20銭

戦後のインフレの為、短期間に驚異的値上げ

昭和21年8月23日

片道30銭

昭和22年2月16日

片道40銭

昭和22年7月7日

片道1円

昭和23年1月1日

片道1円50銭

昭和23年5月18日

片道2円50銭

昭和23年7月18日

片道5円(通行税込)

通行税復活

昭和25年5月12日

片道6円

通行税廃止

昭和26年9月1日

片道8円

昭和27年6月16日

片道10円

船車連絡運賃が11円に、以降双方値上げで変動

昭和28年9月1日

片道13円、往復25円、早朝往復割引20円

早朝往復割引新設

昭和36年11月1日

片道15円、小児10円、早朝往復割引25円

小児運賃新設

昭和40年6月1日

片道20円、小児10円、早朝往復割引35円

電車運賃値上げに伴い市内バス調節運賃実施20円

昭和44年5月1日

片道25円、小児15円

この当時バスは1区20円で、昭和46年1月11日まで電車の方が高くなっていた

昭和48年4月9日

片道30円、小児20円

昭和48年4月9日にバス運賃が1区40円となり、以降バス運賃より電車運賃が安くなる

昭和49年10月17日

片道40円、小児20円(暫定運賃)

昭和49年10月27日よりバス運賃1区60円に値上げ、格差広がる

昭和50年4月17日

片道50円、小児30円

昭和52年1月21日

片道60円、小児30円、1日乗車券300円

昭和52年8月4日より1日乗車券発売開始。昭和51年11月17日よりバス運賃1区70円に値上げ

昭和54年6月1日

片道70円、小児40円、1日乗車券350円

昭和54年1月8日よりバス運賃1区90円に値上げ

昭和56年9月1日

片道80円、小児40円、1日乗車券400円

バス運賃、昭和56年5月1日より1区100円、昭和57年10月30日より1区110円に値上げ

昭和58年8月4日

片道90円、小児50円、1日乗車券450円(暫定運賃)

昭和59年6月1日

片道100円、小児50円、1日乗車券500円

昭和59年11月1日よりバス運賃1区120円に値上げ、

平成16年

据え置き

バスは数回値上げを重ね、現在1区150円

※長崎電気軌道(株)社史 「五十年史」「ふりかえる二十年のあゆみ」より転載


100円運賃に関する新聞記事、ニュース

今年は100円運賃20年という事で春から6月10日の路面電車の日にかけて、長崎のマスコミで様々な形で特集が組まれました。(情報協力:長崎路面電車の会、長崎のちんちん電車、KTNテレビ長崎)

2004.12.25 路面電車 安さ日本一20年

長崎電気軌道が、全国一の安い運賃を守り続けて20年が過ぎた。
00年の国勢調査結果によると、人口集中地区の人口密度は1平方キロ当たり7915人。札幌、仙台、千葉、名古屋、広島より多い。市中心部の駐車場は慢性的に不足気味で、車より路面電車を使う人が自然に増える。
大浦天主堂、グラバー園、平和公園、出島と主な観光地をつなぎ、年間500万人を超える観光客にも人気だ。03年度の利用客数は2063万人だった。
全国に先駆けて64年に導入した車体広告が収入を支える。
03年度決算で23億円余の収入のうち約12%を広告費が占めた。1台を1カ月貸し切った広告費は制作費を含めて約70万円。78両のうち33両を占める中古車両は1台6千万円前後で、新車の半額。
 「値上げするいい方法はないのか」。100円に値上げして5年後の89年に3%の消費税が導入された際、長崎電気軌道に旧運輸省の担当者から電話が入った。しかし、佐藤龍太郎社長(74)は「10円(10%)の値上げは便乗値上げになる」と見送った。
97年に税率は5%に上がった。社内からも「値上げのいい機会ではないか」という声が出たが、「100円運賃は定着しているから」と据え置いた。今では130円の東京急行電鉄を引き離して全国一安い運賃だ。


■各地の路面電車の運賃

事業者名 運賃(営業距離) 事業者名 運賃(営業距離)
長崎電気軌道 100円(11.5キロ) 豊橋鉄道(愛知県豊橋市) 150円(5.4キロ)
札幌市交通局 170円(8.5キロ) 京阪電気鉄道(大阪市) ※160円(21.6キロ)
函館市交通局 ※200円(10.9キロ) 京福電気鉄道(京都市) 200円(11.0キロ)
東京都交通局(新宿区)  160円(12.2キロ) 阪堺電気軌道(大阪市) 200円(18.7キロ)
東京急行電鉄(渋谷区) 130円(5.0キロ) 岡山電気軌道(岡山市) 140円(4.7キロ)
富山地方鉄道(富山市) 200円(6.4キロ) 広島電鉄(広島市)  150円(19.0キロ)
万葉線(富山県高岡市) ※150円(12.8キロ) 伊予鉄道(松山市) 150円(9.6キロ)
福井鉄道(福井県武生市) 180円(3.3キロ) 土佐電気鉄道(高知市) 180円(25.3キロ)
名古屋鉄道(名古屋市) ※160円(23.9キロ) 熊本市交通局 ※130円(12.1キロ)
鹿児島市交通局  160円(13.1キロ)

(国交省鉄道局調べ。全国路面軌道連絡協議会加盟の19事業者。カッコ内の地名は本社所在地。
※はキロ変動制を採用している事業者の初乗り運賃。無印は同一地域内均一運賃)


長崎市の公共交通機関の輸送人員で路面電車のシェアは、バスやタクシーとは対照的に右肩上がりだ。

■長崎市内の公共交通機関別輸送シェア

85年 89年 93年 97年 01年
長崎電気軌道 13.6% 14.5% 16.1% 17.6% 19.4%
鉄道(JR) 5.3% 6.6% 7.3% 8.8% 10.3%
バス 59.4% 56.1% 56.7% 55.7% 53.3%
タクシー 21.7% 22.8% 19.9% 17.9% 16.9%

                     (市交通企画課調べ)

佐藤社長は「熱烈な支援をいただいてきた。100円は間違いではなかったと思う」と振り返る。もちろん、移動には路面電車を使う。

参考:朝日新聞 2004年12月25日記事
2004.6.22〜

連載 ワンコインでどこまでも 100円電車20周年

・年間2,100万人、1日役5万7,000人の利用
・2002年度営業収入は23億円、うち広告や駐車場など本業以外の収入が3割に当たる約5億5,000万円

○ワンコインの利点
・乗降がスムーズ
・観光客にわかりやすい
・500円両替の「薬袋」をお土産に持ち帰るのが密かなブーム

○歴史
・創業時は9区間制でスタート、1区1銭、豆腐1丁と同じ値段だった
・49年、県営バス、長崎バスが市内中心部で運行開始、これが転機に。長崎電鉄も53年にバス運行を開始。60年代はバス、電車ほぼ同額で推移。しかし、後発の電鉄バスの赤字の穴埋めに、好調だった電車運賃をバスより5円高く値上げ。結果、翌年の電車利用者は500万人以上激減の裏目に。71年に電車1本になってから徹底した低運賃戦略で、70年に1,650万人に落ち込んだ電車利用者は10年間で(94年)2,179万人まで回復。
長崎市内のバスは全国でも運賃設定が安い、運賃格差で対抗するため84年に90年から100円に値上げしたのを最後に20年間据え置いている。

○徹底した経費削減
・全国の中古電車の活用
・台車部分は全車両の約半分が中古、新車なら1両1億円以上が6,000万ほど
・敷石、レールも他社からのリサイクル品
・ワンコインなので両替器も不要
・広告電車により1年に1度塗りなおし費用約25万も節約

○広告電車
・1両当たりの広告料は製作料含め1ヶ月約80万円
・製作日数8日間
・全体の下地塗装の後、引き伸ばした写真や企業ロゴシールを貼る
・月平均30件の利用がある
・1964年全国で初の採用。化粧品会社のPRだった
・発案者は田栗優一氏、58年から企画書を出し続け、6年後ようやくゴーサイン
・スタート当初企業から申し込みが殺到
・企業からの要望に全て応じるのではなく、色彩に規定を設け景観を損なわないよう配慮
・全76両中30両を超えないよう調節

○佐藤社長コメント
・客数確保には低運賃は不可欠。利益よりも市民の足としての定着を重視した。
・今すぐ値上げする気はないが、情勢によって考えなくてはいけない時期が来るだろう。
・経費節減の継続と設備投資を進め、今まで以上に便利な乗り物を目指す考え。

○その他
・13年目を迎える「ビール電車」は「やればやるほど経営を圧迫する」赤字だが、毎年市民の予約が殺到するため継続している
・労使一体となって頑張りたい
・長崎西洋館、正覚寺下の駐車場は不況で横ばい

○今後の課題
・北部延伸は03年6月に検討協議会が「渋滞緩和のため、延伸の必要がある」と結論を出したが、国道拡幅のための用地確保など課題山積みで具体化のめどは立っていない。
・延伸しても線路敷設など新たな設備投資に加え、長い坂道のため既存の車両ではパワーが足りず新型車導入を含め同社の負担も大きい。
・5月に長年のライバル、長崎バスと事業協力策を探る研究会を設置。終点からバスへの乗り換えなど両社のメリットを生かした交通システムの模索が目的。
・仮に値上げした場合も乗降がスムーズなようICカード導入も検討している。
参考:長崎新聞 2004年6月22日〜5回連載 記事(ネット掲載なし 情報提供:長崎のちんちん電車)
2004.6.10 100円運賃 走り続けて20年
利用者の声。開業から89年のうちの20年。消費税5%になる時、既に13年目だったので社内で値上げの声もあった。値上げしかったのはいい選択だった。車両数78両(花電車を含む)、従業員数229人。
○経営努力
広告電車‥経費がかからず収入が得られる。広告収入が電車収入の1割程度、100円のうち10円は広告でカバーしている。
中古車両
新車なら1億円以上、中古車両利用で約6000万円に。3割の車両が半世紀以上前から走っている。
○長崎路面電車の会
当サイトの紹介(1分30秒)
路面電車アンケートの紹介
○100円運賃の今後
ここ数年の利用者数年間2000〜2100万人で推移、少子化やマイカー増加でやや減少傾向にある。今年度、2006年度に新たに超低床式電車(2億2千万円)の購入予定など設備面の負担が増える、100円運賃には厳しい要素もある。設備を充実させていくために値上げを検討する時期が来るかも?

長崎の交通政策の中で路面電車がそう位置付けられていくのか、利用者の動向にも関わってくる。
KTN「スーパーニュース」 特集(約8分の特集)2004年6月10日(路面電車の日)放送
(ネット掲載なし 情報提供:KTNテレビ長崎)
2004.5.20
日本一安い路面電車 100円続けて20年の今後は
運賃の変遷。利用者の声。消費税5%の際値上げ検討、しかし低運賃でお客さんを増やす努力で据え置きを決定。
○20年続いた秘密は?
経費節減、中古車、中古部品の活用、広告電車を全国初導入、総収入の約12%。観光都市なので台数は制限してやっている。
○古い車両のメンテナンスの紹介‥26人で78両をメンテナンス。整備次第で1世紀ぐらい持てばと思っている。中古部品利用で約6000万円の節約。全車両の年間走行距離260万km(地球約62周)
○中古車の利用でまだまだ100円OK?
交通バリアフリー問題‥新規導入車両は低床車を義務付け→中古車の新たな導入は不可能に。
超低床式電車1台2億2千万円→さらに2台導入を計画
○100円継続に暗雲が‥ついに値上げ???
超低床式電車導入は運賃値上げなしでいい見通しはついている。ICカード、停留所への運行情報装置の設置を検討中、それらを考えるといつまで100円か?
○いつまで100円か?
お客さんが極端に減らない限りしばらくは持続したいと思っている
NCC「スーパーJチャンネルながさき」 特集「どこまでも100円で」(約7分の特集)2004年5月20日放送
(ネット掲載なし 情報提供:長崎路面電車の会)
2004.5.18

運賃100円で20年 黒字経営の裏側

利用者の声。運賃の変遷紹介。消費税導入時の値上げ検討の話。車内72年に黒字転換、以降30年以上黒字経営を維持。利益追求よりも市民の役に立つ事が大切。先々代からの経営方針。
○低運賃の秘密 
1.中古電車の再利用‥車体の購入費が約半分、台車部分も整備して再利用 
2.車体の広告活用‥広告収入が全体の約3割、塗り替え費用の節約にも 
3.人材の「多能工」化‥何でもできる「多能工」として育成、人件費の抑制を図る 
4.利用さやすさの追求‥浦上車庫の配車室では市内6か所に設置したカメラで混雑状況を把握、臨時便を随時出し混雑緩和へ 
○今後の課題
1.超低床式電車‥18年ぶりの新車だが、1両で約1億1千万の負担、今後2台導入予定
○長崎路面電車の会
利用者の生の声を届けるため来月アンケートを実施、改善点を提言
○100円運賃の今後は
極力値上げしない努力をしたいが、限度もあるので状況により検討も

様々な企業努力により成り立っている
NIB「ニュース+1」 特集コーナーPLUS1特報(約7分半)2004年5月20日放送
(ネット掲載なし 情報提供:長崎路面電車の会)

2004.5.2

100円運賃が来月で20年 長崎の路面電車

長崎市民の足となり、観光名所もつなぐ路面電車。運賃が100円になってから、来月でちょうど20年。運賃を90円から100円にしたのは、1984年6月1日。低運賃の秘訣は、他都市で不要となった車両を安く購入。車体のリニューアルはするが、モーターや車輪がある台車部分は、極力そのまま使う。新車に買い替えると約1億2000万円かかるが、台車を活用すると半額程度。広告収入が約14%と多いのも特徴。40年前に全国で初めて車体全面広告を始めた。保有する78両のうち約30両が全面広告車両。車体塗り替え費用の節減にもつながっている。

参考:Yahoo!NEWS 共同通信 2004年5月2日記事 共同通信配信にて5月3日の 日刊スポーツ 四国新聞社 などにも掲載

2004.3.27

100円電車6月で20年

長崎市内の路面電車が運賃を百円に設定してから6月で20周年を迎える。以前は他の公共機関と同様、約2年置きに10円ペースで値上げを続け、84年に100円に。当時の市内バスは市内1区で120円。この20年間で、段階的に30円の値上げ。運賃格差が広がったことで、路面電車の輸送人員は、1880万2000人(84年)から10年間で2179万人まで回復。低運賃を維持するため、新車だと1億円以上掛かる車両費を中古部品使用で6000万円程度に抑えている。車体の広告収入は同社収入の約3割。広告用に塗装することで、車体塗り直しの負担の軽減にも。今後の課題も多い。3月に運行を開始した超低床式電車(LRT)は同社にとって18年ぶりの新車。国と長崎市の補助を受けたが、同社が負担した費用は1億1000万円。LRTは2004年度と06年度にも導入予定だが、同等の負担が想定される。景気が回復すれば物価の上昇や従業員の賃上げも予想される。長崎電気軌道は今後も百円で運行していく考え。

参考:長崎新聞ホームページ 2004年4月16日記事

2003.6.15

100円電車(社説:水や空)

市民の足として定着して88年。100円に運賃改定したのが昭和59年6月。それから19年を経過。新車の導入や軌道敷内のセンターポール化、電停やステップの改造など支出はたくさんあったが、何とか踏ん張った。市民の信頼と好感に裏打ちされて低運賃、高サービス、高品位を保つ。ワンコインを続けるには市民、観光客の力強い後押しが必要。

参考:長崎新聞ホームページ 水や雲や 2003年6月15日記事