ユーザータックルインプレッション

◆製品情報 ◇リール(投げ専用スピニング)…ダイワ精工

トーナメントサーフ・Z45C

お名前: 佐藤さん 型式等: 極細仕様
投稿日: 2002年6月16日 購入時期: 2002年4月
購入価格: 56,000円 定価: 70,000円
使用感:
(良い点・GOOD!)

Z45Cの最大の美点はなんと言っても「軽さ」にある。この「軽さ」はZ45Cを手にとってみても感じることが出来るが、その本当の価値は自分の竿にZ45Cを装着して振ってみるのが一番解りやすい。リールの軽量化で竿が非常に振りやすくなり、多少大げさに言えば自分がどのような投法でも出来るような錯覚に陥る。ちなみに私の場合は二号スプールを装着したZ45T(505グラム)から極細仕様のZ45C(410グラム)に変更したが、この95グラムの重量差は数値以上に感じる。なお、極細仕様のメインシャフトには軽量化を優先して超々ジュラルミン素材を使用している。ちなみに標準仕様のメインシャフトはステンレス素材を使用しているとのことである。

ダブルストッパーが採用され「逆転ガタ」が解消された。これによって微細なラインの張り調整がしやすくなった。また、新たにキャストロックが採用され、ラインローラーが12時の位置に来たところで完全にロックされる仕掛けになりフルキャスト時でも安心感が高くなっている。

アルミ鍛造のスプールは極めて薄く削られており、指で強くつまむと歪んでしまいそうな感じさえする。また、スプールの先端部は軽量化の為に肉抜き加工が施されており、このあたりの処理を見るとダイワが軽量化に苦心した様子が覗われる。スプールを全体的に見ていくと非常に品質感が高く、軽量で美しい仕上がりになっている。

Z45Cにはダイワ投げ専用リールのルーツであるSS45(1988年発売)を始めSS45U、Z45T、Z45T−PEという一連の機種のスプールが装着出来るようになっており、ダイワの投げ専用リールの基本的な設計思想が1988年以来変更されていない事を示している。

ベールは中空構造のエアベールとなり強度的に向上している。また、ラインローラに至るベールの曲線は美しく、見ていても楽しめる仕掛けになっている。

添付品のロゴ入りのネオプレーン製リール袋は厚みのあるしっかりしたもので運搬時も安心感が高く、デザイン的にも優れている。またスプールカバーは薄いクツションが入れられた上質のものである。これらの品質感が高い添付品類はリール本体の魅力を増す役割を果たしている。

使用感:
(悪い点・BAD!)

Z45Cで唯一の気に入らないところは防水式のラインローラーである。これはラインローラー内のボールベアリングの両側に防水パッキンを配置する事によりボールベアリングの防錆性能を向上させ、メンテナンスフリーを狙いとしたものだが、逆に防水パッキンを配置したことによりラインローラーの回りが渋くなってしまった。これでは何の為のラインローラーにボールベアリングを入れているか解らなくなってしまう。本来ラインローラーは滑らかに回るという機能が第一であり、これが満足して次に来るのがメンテナンスフリー等の機能であるからだ。

この件に関しダイワは本年の二月頃から「ラインローラーの回転性能を重視する場合は防水パッキンとベアリングを外し、添付したワッシャーとベアリング(防錆性能向上版)を組み込む」という対策を講じリールに交換手順を記した文書と部品を同梱しているが、私も部品を入れ替えたところ、ラインローラーは非常に滑らかに回転する様になり気持ち良く使用出来るようになった。部品入れ替えによってラインローラーに対するメンテに多少の手間は掛かるがZ45Cのユーザには是非こちらをお勧めしたい。

その他の感想:

今回ユーザタックルインプレッションを投稿するに当り、Z45Cに使用されているマグネシウム合金の種類や防食処理についてダイワの投げ専用リール企画担当の某氏と話す機会があったが、私が質問したほとんどの項目は「企業秘密」と言う事で回答が得られなかった。よって以下の内容は私が各所からかき集めた情報に基づく推測である。

Z45Cの軽量化に最も貢献したのがダイワが「エアメタル」と称している「マグネシウム合金」である。マグネシウム合金はZ45Cのボデイとローターに使用されているが、このマグネシウム合金も用途別に多種のバリエーションが存在している。

カタログに載っているZ45Cのパーツを組みこんでいないボディとローターの写真を見て解るとおり、これらは精密なダイカスト(金型)製法により造られている。また、Z45Cは海で使用されるため当然の事ながら「耐食性」に優れたマグネシウム合金が使用されている。

この精密なダイカスト製法に適し、また耐食性に優れるという二つの条件に合致するのはアルミニウム9%、亜鉛を1%含む「AZ91系」というマグネシウム合金であり、この中でも最新の精密ダイカスト製法である「チクソモールディング」という製造プロセスに最も適しているのは「AZ91D」という名称のマグネシウム合金である。このAZ91Dというマグネシウム合金は近年軽量化の進んでいるノート型PCや携帯電話機のハウジングとして最も多く使用されているものである。ちなみにカタログにある「比重1.74」というのは純マグネシウムの数値で、Z45Cに使用されていると考えられる「AZ91D」の比重は1.81である。

次にZ45Cに施されている防食処理だが、これについてダイワ投げ専用リール企画担当氏は「合金素材に表面処理を行い、更に塗装をかけマグネシウム合金の防食を行っている」と話してくれたがこれから想像すると、Z45Cに施されている耐食表面処理は酸化等の化学反応を利用して溶液中で品物の表面に薄い酸化物等の皮膜を生成させる「クロメート処理」でこの上に更に電着塗装を行っていると考えられる。

以上からZ45Cはマグネシウム合金の中でも耐食性の高い素材を使用し、これに耐食表面処理を行い、更に塗装を行っているので腐蝕に対する心配は一般な使用の範疇では無用と考える。なお、Z45Cの前モデルであるZ45Tのローターにはマグネシウム合金が使用されていたが、このマグネシウム合金製ローターの防食処理は素材に直接塗装というシンプルなものだったそうであるが、腐蝕に関するトラブルはほとんど発生しなかったとの事である。