見上げる形の写真集 (東京都庁)
日本の高層ビルのメッカである新宿に行ってきました。それほど遠くないので すが、あらためて撮りにでかけるほどの新鮮味を感じていませんでした。高層ビ ル群としては毎日その横を通っている幕張メッセもありますが、これも私の日常 に埋没してしまっています。ところがつい先日、初めて間近で都庁を見る機会が ありました。その時の印象から、あらためてデジカメを持って出直しました。
下の写真は、都庁の前に並んだ高層ビル群です。でこぼこのほとんどない立方 体ばかりなのであまりインパクトがありません。20年前に建ったばかりの頃は その高さで圧倒されたことをおぼえていますが、今ではそういった高さの恍惚も それほど感じさません。20年経って色も少しばかり褪せてきていることも関係 しています。
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次の写真のKDDビルも意味ありげな外観ではあるのですが、ちょっと古めか しくなってしまいました。一世代前の高層ビルというのが率直な印象ですが、そ の古さが意味を持つところまでは時間が経っていないのでしょう。40年経って いる 東京タワー くらいの時間差が必要なのでしょうか。
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こういった一世代前の高層ビルの単純な形と比べると、都庁はとにかく面白い 形をしています。建築デザインでこの新庁舎がどのように評価されているのかわ かりませんが、とにかく目をひきます。それだけ複雑な形をしているわけですが、 それによって巨大さの快感を味合わせてくれます。
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いろいろな立方体を積み上げてできているところに古代の建築物を連想させる ようなところがあります。一番下の写真でわかると思いますが、薄い褐色の地膚 に濃い褐色が石積みのように組み合わされているところも、エジプトやメソポタ ミアの神殿を思わせます。そういった古いものへの連想を誘うところが、見る人 に感情移入しやすくさせているような気がします。ただ、アンテナのついている 一番上の円い筒は、おもちゃのような雰囲気もあって独特の味付けです。ロボッ トの顔のように見えるところが、この建物の内包している現代技術の外への現わ れということなのでしょうか。写真には写っていませんが、頂上に大きな鉄塔も あります。そういった現代を思わせる形に、見る人を安心させる効果もあるよう に思えました。これが圧迫感よりも面白さを感じさせる理由なのかもしれません。
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塔の間の部分の窓は、次の写真にあるように表面から少しへこんでいます。こ れも古代の石造りの建物を連想させました。こういった細かい線に独特の繊細さ があるので、もしかしたら日本的という印象も与えるのかもしれません。
これだけ意匠にこだわることができるのは、大都市東京の新しいシンボルとし ての建物としてお金をかけることができたからなのでしょう。同じ丹下健三設計 事務所のものでも、都庁の隣に最近完成した新宿パークタワーや幕張プリンスホ テルなどはずっと単純な形です。
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