MJQ(マンハッタン・ジャズ・クインテット)ライブ・裏方体験記
● おまけ:記念写真集とクリニックでのコメント
#1 デビット・マシューズとルー・ソロフ
 あああのデビッド・マシューズ(ピアノ)とルー・ソロフ(トランペット)と私。
2日目の夜に、クリニックといって、地元のアマチュアバンドをMJQのメンバーとMJQのプロデューサー・川島重行さんが指導するという会があった。そのときに、デビットさんは、クリニックを受けた3つのバンドに対して、
「ジャズが上手くなるためには、まず、ジャズのCDをたくさん聞くことです。たくさん聞くことから始まります。」
と言われていました。また、ルー・ソロフさんは
「ジャズを演奏している時に、ドラムはドラム以外の音を、トランペットはトランペット以外の音を、のように、みんなの音をしっかりと聞いて、音楽を作り上げていこう。そして、音は、どこから出てくると思う?音は、心から出てくるのさ。心から音を出していこう。」
と熱く語られました。もう語りが止まらず、とても熱心に熱く語られていたのに加えて、アマチュアバンドが演奏しているときは、自分の席に座らず、立ち上がり、会場の至るところで音をチェックしていました。
#2 ビクター・ルイスとジョアン・クライン(個人マネージャー)
 アメリカジャズ界では3本の指に入るドラマーであるビクター・ルイス(ドラムス)と私。彼は、とても気さくな人で、大物ミュージシャンにしては、たいへん腰が低く、礼儀正しい人であった。彼は、クリニックの中で、あるドラマーについてコメントを言った。
「ドラムについて一言。例えば、君はさきほど、サックスやトランペットがソロを行っているとき、なんだか一定のパターンを繰り返しているだけのようだった。例えば、8小節をひとまとまりと考えると、1小節目は、2拍目にアクセント、2小節目は3拍目、3小節は1拍目などのように変化をつけていかないと、グルーブ感が出てこない。」
と言われなんと、実演まで。そして実演の時にも、次のようなことを。
「おいおい、ドラマーは譜面台は2ついるんだよ。1曲をやるときに、譜面をめくる事なんてできないだろう。だから、楽譜をちゃんとコピーしておいて、めくらなくてもはじめから終わりまで一度に見れる譜面を用意して置かなくちゃ。」
これは基本中の基本だと思った。そして、
「ドラマーである君は、口でくわえて譜面をめくるかい?(笑)」
と言われていた。
 また、写真の女性は、ジョアンさんといって、ビクターのマネージャーさん。この方とライブ当日、いろいろとお話をして、僕たちの活動に理解を示してくれた人である。また、クリニックの時、僕は通訳兼司会だったが、音楽用語が分からず、専門用語が入った英語をうまく通訳できなかった。しかし、そのあとの懇親会で「すばらしい通訳だったわ。感謝しています。」と励ましていただいた。
 本当にこちらも感謝しています。また、NYに遊びに行くときは、連絡をしてくださいと、ありがたい言葉ももらった。たぶん、今回、一番仲良くなったのは、このビクターとジョアンだったと思う。
#3 アンディ・スニッツァー
 このアンディ・スニッツァーは、サックスプレイヤー。話によると、ローリング・ストーンズのツアーにも参加するなど、これまた超有名な人だ。彼の腕っ節は太く、すごく力強い!クリニックの時には、アマチュアのサックスプレイヤーの演奏について、まず素晴らしいと褒める言葉をかけたあと、
「ソロの時にね、タラララタラララとたくさん音を並べていただろう?確かに上手いというのは伝わる。しかし、良いソロというのは、たくさん音を並べるだけではいけないんだ。はじめの部分は、長い音と短い音を組み合わせて、ソロラインを作る。しかし、並べてはいけない。部分、部分に空白を上手く入れなければいけないんだ。そして、ソロ後半部分で、タララララと並べてもいいかもしれない。」
とソロの本当のうまさとは何か?について語っていた。また、僕の目の前で、突然サックスを吹き始め、とても感動した。アンディの指がサックスのキーを押さえる音までもが聞こえた。また、模範演奏をしたときに、満足行かなかったといって、もう一度良いプレイを見せたいと、やり直しもした。やっぱりプロのすごさだった。腕っ節の太さから考えると、ミュージシャンだからこそ、運動をして、トレーニングをしっかりと行うことも大変重要なことだと思った。
#4 チャーネット・モフェット
 チャーネット・モフェットは、ベースプレイヤー。あの大きなコントラバスをベースに、手で弾くときと、弓で弾くときと2つの弾き方をしていた。ライブ本番では、何というかものすごいプレイで会場を魅了していた。なんか話しやすい人だなぁと思って、情報を調べていたら、彼は僕よりも3つ年上。道理で話しやすいはずだった。さて、彼はクリニックで、コントラバスを弾く青年に対して、次のようなことを言っていた。
「まず、ベースがいいねぇ。とても印象的だったよ。ただね、ベースの・・・」
と言って立ち上がり、
「ベースの高さは、Eの音が目の高さと思って、下のエンドピンを調節してみよう。そうすると、とても弾きやすくなるんだ。」
と言われていた。そう言っていました。
#5 川島重行さんとデビット・マシューズ
 川島重行さんといえば、ギル・エヴァンスをプロデュースして、グラミー賞のビッグ・バンド部門を受賞している人である。あのグラミー賞である!そして、この川島さんは佐賀県出身。いろいろとお話をすることができた。
 ちなみに、川島さんは、MJQのメンバーからは、「カワ」と呼ばれていた。偉ぶったそぶりも全くなく、本当に優しい方でした。また、クリニックでの音の構成についても指摘されて、デビットさんと一緒に、バンド内での楽器の配置についていろいろと語っていた。
「メンバーは全員、ドラムの音は聞こえるかい?」
とリズムをしっかりと聴くことを大切にしょうと言われていた。
 今回は、本当に貴重な経験だった。それに、MJQという素晴らしいバンドに巡り会えたことも貴重なことだった。自分も音楽をするものとして、多くの事を学ばせてもらったし、イベントを運営するという側の努力や苦労も少しだけ理解できた。
 関係者のみなさん、本当にお疲れさまでした。

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