成人が風疹の予防接種を受けるまでの道のり

通常は乳幼児期・または中学生くらいで受ける風疹の予防接種。成人になってから受けようと思い立った筆者が辿った、苦難の道のりをつづります。

なお、このページは風疹予防接種のための情報提供を目的としていません。あくまでも日記の一種です。記載の情報が古くなっている場合や、間違いのある恐れがありますので、予防接種を受けたい方は必ずご自分でお住まいの地域の役所等にご確認ください。

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きっかけ

昨年、妹が出産した。そのとき産院で言われたのは、妹は風疹の抗体がないので、予防接種を受けた方が良いということ。かつて風疹の予防接種は中学生対象に行われていたが、現在では乳幼児対象に変更されている。妹や私の世代は制度の変わり目にいたため、接種を受けていないのだ。
女性の妊娠初期に風疹にかかると胎児に影響があり、子どもを諦めなければならない場合もあるらしい。そ、そんな危険があるなら、予防接種を強制にしてほしい!
風疹の予防接種の時期が変更になったことについて知らない人も多いそうだ(私も含めて)。一時期、私達のような谷間の世代に対して無料で接種を受けられる措置がとられていたという。広報などで通知があったのだろうか?その措置の期限もすでに終わっている。
しかし、受けなければならないものを受けていないのは気になる。昔の「健康手帳」を見直しても風疹にかかった記録はないので、私も抗体を持っていないはずだ。ちょうど夏休みだったので、この機会に接種を受けることにした。

福祉予防センターに問い合わせする

まずは、予防接種がどこで受けられるかだ。横浜市のホームページやガイドブック「暮らしのガイド」で調べると、子供用の予防接種についての説明はあるが、接種を受け損ねた大人対象の記述はない。
そこで、「暮らしのガイド」にあった「福祉予防センター」なる機関へ電話してみた。2人の職員の方と話したが、どちらも品の良い年配の女性の声だった。

制度の変わり目にあって予防接種を受けていないので今から受けたい旨を相談すると、昔は移行措置があったが今は実費負担で近隣の病院で受けることになっていると説明される。費用は病院によって異なり、5,000円前後だという。
また、最初に血液検査をして抗体があるかないかを確認してから予防接種をするのが常道だが、抗体がある人に接種をしても害があるわけではないので、人によっては検査はせずに接種をしてしまう場合もあるとのことだ。

私:「どこか指定の病院はありますか?」
職員:「特にありません。内科でしたら、どこでも良いですよ。ただ、病院によって常にワクチンを置いていないことがありますので、前もって確認した方が良いですね」

病院に問い合わせする

職場近くの個人病院

さっそく、職場近くの病院に電話してみた。会社帰りに寄れた方が便利だ。電話には若い女性が出た。

私:「風疹の予防接種を受けたいのですが」
受付:「おいくつの方ですか?」
私:「成人です」
受付:「はい、しばらくお待ちください」
〜しばし保留音〜
受付:「すみません、うちではやっていないんですよ」
私:「えっ…そうですか。ありがとうございました。」

やっていないところもあるんだ…。気を取り直して、近所の個人病院に電話をかけてみる。

自宅近所の個人病院

ここなら内科も小児科もあるしね。ちょっと年配の女性が出た。

私:「成人なんですが、風疹の予防接種を受けたいのですが」
受付:「はい、しばらくお待ちください」
〜しばし保留音〜
受付:「すみません、うちではやっていないんですよ」
私:「えっ…(ここも!?)そうですか。あの、恐れ入りますが、この近辺で成人の予防接種を扱っている病院をご存知ないでしょうか」
受付:「うーん…わかりませんねぇ…。産婦人科なら、やっているかもしれませんよ」
私:「そうですか。ありがとうございました」

産婦人科!!普段全然縁がないから、どこにあるか全くもって見当つかないよ!そして、男性が接種を受けたい場合でも産婦人科でよいのだろうか。それ以前に、病院探すためにタウンページで調べようとしたら家族が紙ゴミに出したらしく、ないし。

自宅近所の総合病院

初診料が高額だが仕方がない。内科、小児科、産婦人科もなんでもある、総合病院に電話をかけてみた。

私:「成人なんですが、風疹の予防接種を受けたいのですが」
総合受付:「では内科に回しますので、しばらくお待ちください」
〜しばし保留音〜
内科受付:「はい、内科です」
私:「成人なんですが、風疹の予防接種を受けたいのですが」
内科受付:「はい、しばらくお待ちください」
〜しばし保留音〜
〜かなり長い保留音〜
〜保留音の後で、「うちって風疹の予防接種やってましたっけ?」と叫ぶ声が聞こえる〜
内科受付:「ええと、最近半年以内にこちらにかかっていますか?」
私:「えっ…内科はかかっていません。」
内科受付:「こちらにかかっている人でないとできないんですよ」
私:「えっ?あでも、皮膚科なら通っているので、診察券はあります」
内科受付:「それでは、皮膚科の先生に相談してもらえますか?」
私:「えっ??皮膚科で…皮膚科で風疹の予防接種をしてくれるんですか?」
内科受付:「皮膚科で相談して、先生が接種した方が良いと判断されたらするということで」
私:「でも風疹って皮膚科と違う気がするんですが、やってもらえるものなんですか?」
内科受付:「まぁ多分皮膚科に行っても個人の病院に行くよう言われると思いますけど」
私:「えっ???(意味ないじゃん!)」

これまでの「うちではやっていません」に比べ、よくわからない回答だ。やっていないわけではないが、通院中でないと接種できない。しかも(多分断られるだろうが)皮膚科で相談しろと…。

私:「あの、通院中の人以外は予防接種できないというのは、どのような理由があるのですか?」
内科受付:「そういうことになっているんです」
そういうことになっている…。「個人病院への業務の分担」でも、「利益が取れないから」でも、「法律上の取り決め」でもなく、「そういうことになっている」。
なんか…宇宙の真理を聞いたような気がするよ。そうですか、すべては「そういうことになっている」んだね。

産婦人科だったらどうだろう。子どもを無事出産させるのを目的の1つとする科だ。みすみす風疹の危険を放置するようなことはないのではないか。

私:「そちら、産婦人科がありますよね。電話を回していただけますか」
内科受付:「はい、しばらくお待ちください」
内科受付の担当者は、私の問い合わせから解放されて、ほっとした様子だ。
〜しばし保留音〜
産婦人科受付:「はい、産婦人科です」
私:「成人なんですが、風疹の予防接種を受けたいのですが」
何回目だろう、このセリフ。
産婦人科受付:「はい、しばらくお待ちください」
〜しばし保留音〜
産婦人科受付:「あの、現在こちらにかかっていますか?」
私:「いえ、かかっていません。」
産婦人科受付:「こちらにかかっている人でないとできないんですよ」
私:「あーそうですか…。あの、それはそういう決まり…なんですか?」
産婦人科受付:「そうなんですよ」
私:「わかりました。ありがとうございました」
産婦人科受付:「はい、失礼します♪」

電話を切って呆然とした。予防接種へのハードルがこんなに高いなんて。乳幼児だったら市から受けるように指示されるくらいなのに、成人になった今、どこも接種をしてくれない…。
それとも、たまたま扱っていない3軒に電話をかけてしまったのか?別の地域ならやっているところがあったのだろうか。

再度、福祉予防センターに問い合わせする

うーん、困った。これからシラミ潰しに病院に当たるのも無駄な気がする。そこで、最初に電話した福祉予防センターにもう一度相談してみた。

私:「先ほど風疹の予防接種についてお尋ねした者ですが…あのあと何軒か病院を探したのですが、成人の接種を扱っているところがないんです。そちらで接種を行っている病院をご存知でしたら、紹介していただきたいのですが…」
自分でも、かなり声に力がなくなっているのを感じた。
職員:「そうですか。では…」
教えてくれた機関は次の通り。

抗体があるかどうか検査してくれるところ

予防接種をしてくれるところ

紹介された機関に問い合わせする

まず、神奈川県予防医学協会へ電話する。

私:「風疹の抗体があるかの検査をお願いしたいのですが」
職員:「うちではやっていないです」
私:「えっ?福祉予防センターさんから紹介されてお電話したのですが」
職員:「やっていないです」
私:「そ、そうですか。失礼しました。」

うそ〜ん。

もうダメかと思いつつ、海外渡航者向け日本検疫衛生協会横浜診療所(長い名前だ)へ電話。

職員:「はい診療所です」
これまでとは違って、年配の男性が出た。話す雰囲気から、お医者さんかなと思う。背後には子どもの泣く声が。
私:「成人の風疹の予防接種をそちらで扱っていらっしゃいますか?」
職員:「はい、やってますよ」
あっさりした返事に、思わず確認する。
私:「えっ?やってらっしゃるんですか?接種してもらえるんですか?」
職員:「やってますよ〜」

一気に目の前が開けた。
ここでは、抗体の検査も予防接種もやっているとのことだ。診療時間は9:00-12:00と13:00-16:00で、予約はいらない、これから来れば良いとのことだ。行きます!

海外渡航者向け日本検疫衛生協会横浜診療所に出向く

問い合わせだけで午前中が潰れてしまった。午後からの診療に合わせて、山下公園前の産業貿易センター3Fに出向く。パスポート発行でおなじみの建物だ。

まずは受付へ。風疹の予防接種の件と告げると、「相談してからになりますので、そちらのグレーのソファーにおかけください」と言われる。

室内を見渡すとけっこう古そうな。同じ階に入っているピカピカの歯科とはずいぶん違う。カレンダーは巨大な船の写真の12ヶ月用だが、よく見ると上から年と各月を貼ってある。この写真が気に入っていて、毎年上から日付部分だけ貼っているんだろうか。
私の座っているソファーのすぐ前に相談用のテーブルがあり、中年の相談者夫婦と先生と思しき年配の男性が向かい合わせに座っている。
ソファーとテーブルの間にはアジアンテイストの間仕切りが置いてあるだけで、相談内容は丸聞こえだ。

元々が海外渡航者向けの診療所なので、風疹の接種なんてカワイイものを受けるのは私くらいのようだ。B型肝炎とか、破傷風とかいう言葉があちこちで聞こえる。みんな…いったいどこに行くんだい?東南アジア?アフリカ?
壁には、「マラリア流行の危険地域」「日本脳炎流行の危険地域」などの地図が張ってある。

私の順番が回ってきた。風疹の予防接種を…と言うと、「あぁ午前中電話くれた人ね」と言われた。電話で応対してくれたのはこの人なのだ。
結婚しているか、子どもがいるかなど聞かれる。既婚者の場合、接種後2ヶ月は確実に避妊を継続しなければならず、同意書にサインをする。それはやはり、万一妊娠して胎児に風疹の影響を与えてはならないからだ。でも、それで言ったら既婚も未婚も関係ない気がするぞ。ちなみに、予防接種のときは女性は生理中が良いとのこと(確実に妊娠中でないから)。

最初に検査を勧められた。接種を受けておらず、風疹にかかった記憶がなくても、知らないうちに風疹にかかっていて抗体ができている場合があるそうだ。しかし、来週から仕事のため再度ここに来るのが難しいので、この場で打ってもらうことにした。
申込書に必要事項を書き、問診してもらって、注射の先生のところへ行く。
予防接種なんて久しぶりで、腕を出すとき、普段血液検査をする位置を出してしまったが、予防接種の場合は二の腕に打つんだったね。忘れていた。プツッと刺して、ワクチンを注入したらOK。予防接種後の注意事項の紙をもらった。
受付で会計をし、領収書と予防接種を受けたことの証明書を受け取る。予防接種費用は6,500円。ちなみに検査は3,000円らしい。あと、保険証は不要だった(当たり前?)。

以上。あーよかった。すっきりしたよ。これでもう風疹も怖くないね。
と、思ったら、妹の世代で接種した際のポリオのワクチンの質があまりよくなかったそうで、再度の接種が勧められているらしい。妹は同世代の友達から聞いたそうだ。こういうことは他の接種でもあるのかもしれないなー。しかし各戸に個別に連絡が来るわけではないので、市の便りなどをよく見て情報を漏らさないように心がけなければと思った。

 

-以上-


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