イタリア・ギリシアのツアーに友人と行ってきました。
2001.04.09〜2001.04.18
朝。少し早く目を覚ます。
仕事の夢を見てしまった。イタリア出発直前まで仕事が忙しく、午前様になることも度々だった。一段落はついたものの、逃げるように日本を離れたので、どうも気になっているらしい。
窓の外は白々と明けていた。
ホテルの隣には同じくらいの高さの建物が建っている。やはりホテルだろうか?屋上に植木鉢やプランターがあり、花や草が愛らしく植わっている。それを見ると民家なのかなとも思う。
鳥の鳴き声が聞こえる。日本の自分の家でも朝は雀をはじめ、色々な鳥の声が聞こえるが、この時の鳥の声は今までに聞いたことがなかった。鳥の歌もイタリア語なのか?
珍しかったので、友人に教えたかったが、友人はまだ寝ていたので、一人その声に耳を間傾けていた。
今日も6:30にモーニングコール。8:00出発。
ホテルを出て、バスの停めてある駐車場まで歩く。
水に囲まれた小さな町ともお別れだ。
ふと見ると、壁に大きなポスターが貼ってあった。
なんの宣伝か、女性の胸元に聴診器を当てるポスター。女性は洋服をはだけていて、胸の谷間が見える。
イタリアの宣伝ポスターは「露出が多い」のが特徴だ。
アイスクリームの広告で、人魚が裸の胸を手で押さえているものもあった。アイスクリームとどんな関連が?
極めつけは、街灯にぶら下がる下着メーカのポスター。壁に貼るものより小型だが、通りの左右に下着姿の女性がずーっと並んでいるのは圧巻だった。
胸出し過ぎ!
移動の途中、サービスエリアに立ち寄る。「AUTOGRILL」という名だ。 ここのトイレはチップ式だった。
今日はフィレンツェを観光する。
フィレンツェというと、ナイチンゲールを思い出す。
ナイチンゲールの名前「フローレンス」はフィレンツェのことで、彼女の両親がフィレンツェを訪れたときにこの町の美しさに感動し、その後生まれた娘にその名をつけたのだという。
ミケランジェロ広場はフィレンツェの町を見下ろす高台にあり、眺めが素晴らしかった。
午前中ははっきりしない天気だったが、このころは晴れてきた。多少灰色がかった大きな白い雲は水分を含んでふっくらと重そうだったが、透明な水色の空も覗いていた。すぐ手前には濃い緑色の木々が見え、遠く向こうには青みがかった緑の山々が見え、その間には赤茶色の屋根がぎっしり並んでいる様子が見渡せた。街の端には川と、大きな美しい薄黄色の橋が見えた。
小さな売店があり、友達はピサの斜塔の置物を買っていた。その置物は大小あって、友達は小さいほうを指して「ピッコロ」と言っていた。「ピッコロ」=「小さい」という意味だそうだ。
先にホテルに到着し、荷物を預けた。フィレンツェの町は景観の問題だったか、大型バスの乗り入れは認めておらず、路線バスも少し小さめの車体が走っていた。 ホテルから歩いて街に移動する。ホテル近くの建物の敷地内に藤があり、塀の外まで紫の花が咲き乱れていて美しかった。
フィレンツェの町では、パステルカラーでかわいらしい「花の聖母教会」や有名な「ウフィツィ美術館」を駆け足で見学した。美術館内は当然撮影は禁止だが、よそのツアーの外国人で写真を撮っている人がいた。うちのガイドさんは怖い声でそのおじさんに「No Flash!!」と注意していた。
小さい街だ。さほど治安は悪くないようだが、路上駐車と壁の落書きが目に付く。2列に路上駐車する場合もあるらしい。
シニョーリア広場で自由行動になった。
まずは郵便局を探しに出かける。
地図を見ると小さい街で、道も直線的なので、すぐにたどり着けるかと思ったが、どこかで間違えたのか、場所がよくわからなくなった。
あっちへ行ったりこっちへ行ったり、時々地図を確認したり、さんざんさまよった。
途中、タバッキ(売店)で友人が郵便局の場所を聞いてくれた。タバッキの店員さんの話によるとそう遠くないはずなのだが。ちなみにこのタバッキ、町のあちこちにある小さな売店で、新聞やタバコをはじめとする細々したものを売っている。キヨスクのようなものだ。同じタバッキでも販売するものに種類があるそうで、看板の色で区別ができるらしい。切手を売っている店もあるそうだが、道を尋ねたお店では置いてなかった。
玄関にポストが二つ並んだ大きな建物を発見したときは、安堵した。
郵便局は歴史のありそうな立派な建物だった。内部は薄暗く、天井が高かった。中央に切手を貼ったり書類を書いたりするための台があり、周りを取り囲むように窓口があった。
友達が郵便窓口ではがきを出そうとすると、係りの女性が何か言ってきた。どうやら、切手を別の窓口で買って来いと言っているようだ。友達は指差された窓口に出向き、日本までの料金(1500リラ)の切手を買った。それをはがきに貼り付けてみたが、切手の枚数が多くて、はがきの前もって書いておいた住所が隠れそうなほどだった。
郵便局の外に出て、ポストにはがきを投函する。友人がポストに手を入れる瞬間を記念撮影したが、その表情は疲労の色を隠せなかった。
郵便局とシニョーリア広場の間に、文房具店が3軒あった。フィレンツェは文房具の街、と聞いていたがそのとおりだ。しかしどの店も扱っているのは高級なもので、どうにも気軽に入れる雰囲気ではなかった。そうだ、自動ドアではなく、手で開ける木製のドアだったりするのも原因かもしれない。
特に、マーブルペーパーで有名なお店は、外からも「頑固な職人」風のお店の人の様子が見えて、私みたいな紙のことを良く知らない観光客が入ってはいけないような恐れ多い気持ちになった。結局、通りの反対側からお店の外観だけ写真に撮って、その場を去った。根性なし…。
ちょっとわき道を入ったところになぜかメリーゴーラウンドがあった。別に遊園地になっているわけではなく、ただメリーゴーラウンドが一つ置いてあるだけだった。これは一体…?
シニョーリア広場に戻ってきた。広い四角形の広場を取り囲むようにしてお店が並んでいる。そのうちの一軒、老舗のチョコレートのお店に入ることにした。チョコレートやお菓子の販売とともに、喫茶コーナーも併設している。お店の前にも椅子とテーブルがたくさん並べられている。
喫茶コーナーは小さ目の丸いテーブルがひしめき合っている。かなり盛況だ。
私達は真ん中あたりのテーブルに向かい合って座り、クリームの載ったチョコレートを注文した。白いカップに、濃い茶色のチョコレート、その上にクリームがたっぷりと載っている。チョコレートの写真を撮りたいけど、どうだろう。かなーり目立ちそうだ。しかも、歴史のあるお店だとすると、写真撮影を嫌がられるかもしれない。お店の雰囲気は堅苦しくはないが…。
そこで、友人がお店の人に声をかけて確認してくれた。相手は白髪交じりではあるが、やせて背が高く、きびきびと歩く青い目のおじさんだった。友人がイタリア語で「ここで写真を撮っていいですか?」と言うと、おじさんは「もちろん!」と答えた。
私達がほっとした直後、おじさんは友達の手からカメラを取り上げた。「えっ?写真撮っていいって言ったんじゃないの?」と私達二人が目を見合わせると、他の店員に声をかけ、そのカメラを渡してしまった。「えっえっ??」と何がなんだかわからずにいる私達。おじさんは私達の座っている間にしゃがんで、カメラのほうを見てにっこり笑った。あっ何、3人で記念撮影っすか!えーっと単にチョコレートを撮りたかっただけで…とは言えず、私達も戸惑いがちの笑顔を浮かべて写真に収まった。
私達の浴びた注目は飲み物の写真を撮る行為とは比較にならなかった。でも思い出になった。
お店を出ると、広場の真ん中でカップルがいちゃいちゃしていた。お互いの背中に手を回し、語り合っている。
うーん。大胆すぎる。何も公然と密着しなくても…。
最近は日本でもいるけど、つい「さすがイタリア。情熱的だ」と思ってしまう。
ホテルの部屋はなんだか寒かった。 疲れていたため、ぐったりと眠ってしまった。
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