立山黒部アルペンルート紀行

立山黒部アルペンルートと宇奈月温泉にでかけました。

2004.07.16.〜2004.07.18

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大町温泉を出発

自然と5:30に目が覚める。気合だ。
カーテンを開けると、少し雨が降っているようだ。向こう側の山には薄日がさしているように見える。

6:30ちょうどに食事処へ行くと、すでに食事の用意はできていて、他のテーブルにもけっこうお客さんが座っていた。朝からごはんをおかわりする。

7:00過ぎにチェックアウト。
手荷物配送システムがあり、大町温泉と宇奈月温泉の宿の間で荷物を送っておいてもらえる。通常料金は荷物1個につき1200円だが、旅行会社を通して前もってお願いすると1000円で済んだ。おかげで必要最低限の荷物だけで動ける。
アルペンルートに行くというと、宿の車でバス停まで送ってもらえた。
ちなみに、フロントの人はアルペンルートのことを「アルペン」と省略していた。通は「アルペン」と呼ぶのか?

バス停にはすでに2,3組の観光客がバスを待っていた。おはようございます。
けっこう気温が低い。長袖シャツの上にウインドブレーカーを羽織っていてちょうどいいくらいだ。山の上は10℃前後というので、さらに一枚持ってきている。

アルペンルートの乗り物

路線バスでアルペンルートの出発地、扇沢へ向かう。

アルペンルートは多彩な交通機関で結ばれている。今回の私達の行程は次のとおり。
扇沢→黒部ダム(トロリーバス)
黒部湖→黒部平(ケーブルカー)
黒部平→大観峰(ロープウェイ)
大観峰→室堂(トロリーバス)
この室堂動がアルペンルートの中で最も標高の高い駅だ。
室堂→美女平(高原バス)
美女平→立山(ケーブルカー)
その後、立山から本日の宿泊地である宇奈月温泉に電車で移動する。

アルペンルートの乗り物はどれも乗車時間は短い。高原バスは50分ほど乗るが、それ以外はそれぞれ5分〜10分程度しか乗らない。
ただし、混雑時には待ち時間がかなりあるという。30分程度はあたりまえで、大変なときは2時間待つこともあるらしい。

扇沢駅

扇沢到着が8:00少し前。
天気が悪いせいか、観光客はかなり少ないようだ。

受付窓口に行き、ツアーのクーポン券を、扇沢から立山までの交通機関の通り抜けチケットに替えてもらう。

8:00発のトロリーバスに間に合った。予定ではここで一時間の待ち時間を予想していたので、得をした気分だ。

トロリーバスは電気で走るバス。外を走るのはわずかな時間で、すぐにトンネルに入り、終点までトンネルの中を走り続ける。
一度に数台発車するが、けっこう混みあっており、殆どの人は吊り革につかまって立つことになる。

黒部ダム

黒部ダムに到着。
中島みゆきが紅白歌合戦で「地上の星」を歌ったことで話題になった場所だ。
夏季の観光シーズンには、観光放水といって朝から夕方までダムの放水が見られる。これもアルペンルートの見どころだ。だが、扇沢駅の窓口で、天候不良のため黒部ダムの本日の観光放水は中止されている旨の張り紙があった。がっくり。

展望台と新展望台の2つがある。前者は高い位置からダムとその周辺全体を見渡せ、後者は少し低い位置なので放水を見る際、迫力があるらしい。
せっかくなので、上の展望台に行ってみる。220段の階段を上らなければならないと聞いて一瞬怖気づいたが、覚悟して上るとそんなに大変でもない。時々「あと○○段」というプレートが階段にはってあって、面白い。やはり「あと何段〜?」とゼイゼイ言いながら上る人が多いのだろう。

もうすぐ出口だ!

トンネル内の階段を抜けると、いきなりすごい風だった。気温も低い。
そういえば扇沢の駅からここまで、ずっとトンネルだったのだ。いきなり標高1470mに出てきたので、下界との差に驚いた。かなり風が強く、息が苦しくなるくらいだ。
旅のしおりか何かを飛ばして、追いかけているおじさんもいる。

花のお出迎え

展望台からは、当然かもしれないがパンフレットと同じ構図で黒部ダムの写真が撮れた。曇り空だが、湖の向こうの山の上の方には日が当たっている。

よくある構図

ふと見ると湖に遊覧船の姿が見える。最も高いところにある遊覧船、「ガルベ」だ。
展望台には小さな売店があり、フィルムなどが置いてある。その売店からは件の「地上の星」が流れていた。
階段を少し下りたところにレストハウスがある。屋内なので、ほっとする。窓が大きく、ここからも黒部ダムがよく見える。

階段を一番下まで下りて、元の場所に戻る。上の展望台へ行く階段と反対側の入り口から歩くと、ダムの上の遊歩道に出られる。遊歩道を歩いて、その先のトンネルを行くと、ケーブルカーの黒部湖駅に着く。

黒部ダムの模型。手前には水がたまっている。やはりと思ったが、小銭が投げ込まれていた。

黒部ダム模型

ケーブルカーの駅に向かって歩いていると、「観光放水を再開します」とのアナウンスが入った。20分ほどなので、待つことにした。

ダムの上も風が強い。耳が痛くなってきた。それでも体が冷えないのは、ウインドブレーカーのおかげだろうか。
今回の旅行のためにわざわざ購入したのだ。さすが、その名のとおり、ウインドをブレイクしてくれているぞ!ちなみに雨もブレイクしてくれるようで、小雨がかかった程度ではまったく気にならない。
ダム付近の売店には、ここでしか食べられない「木いちごソフトクリーム」が売られている。私は絶対に食べるつもりだったが、あまりの寒さに断念した。

遊歩道から下を覗くと、ダムと距離が近くなった分逆に怖くて、足がすくんだ。
いいかげん飽きてきたころ、ようやく放水が始まった。放水前にサイレンを鳴らすと言っていたが、聞こえなかった。本当は展望台で見たかったが、もう一度220段の階段を上る気力がなかったので、遊歩道上から覗き込んで良しとした。

左側から 右側から

黒部湖駅・ケーブルカー

撮るべきものを撮ってケーブルカーへ。やはり人が少なく、すぐに乗れる。

駅構内のTVに、この上の大観峰と室堂の現在の映像が映っていた。大観峰は曇りながらも周囲の景色は見える。だが、室堂は真っ白だった。…私が行くまでに晴れてくれ!

ケーブルカーに乗る際に整理券が配られる。この整理券の番号が次のロープウェーに乗る際の順番になるので、なくさないよう持っていなくてはならない。
順順に、窓口や売店のあるところから、ドアを隔てた向こう側に通される。普通の電車で言うならホームと同じだろう。

ケーブルカーを待っている間、駅員さんがケーブルカーやアルペンルートについて説明をしてくれる。この話し振りが面白い。シーズンはかなり混雑することがある。待ち時間の客の退屈を紛らわそうと工夫されてきたのだろう。
このように話をしてくれるのはこの駅員さんだけなのか、それとも黒部湖駅駅員が皆習得しなければならない伝統芸能のようなものなのか。
話も佳境で、最後は写真集の宣伝になる。駅員さんが「たったのXX円」とか何とか言い終わらないうちに、客の周囲にちらほらいた若い駅員達が一斉に「いかがですか〜?」と写真集を掲げる。うーん、息があっている!この若者達の中にきっと後継者が育っていることだろう。

ケーブルカー待ち

ケーブルカーはトンネルの中を走る。
ケーブルカー自体よりも駅員さんたちの技術に心奪われつつ、黒部平に到着。

黒部平・ロープウェイ

黒部平駅構内にはテレビがあり、ロープウェー整理券の番号が表示される。順番が来たらアナウンスも入るが、自分の番号があとどのくらいか目安になって良い。

この駅の売店はけっこう広い。中は暖房が入っているので暖かだ。
少しおなかがすいたので、おやきを購入。信州といえばおやきだね。売れ行きが良いらしく、売店の人が慌てて蒸かしていた。
私は野沢菜、連れはキノコのおやき。キノコの方は問題ないが、私の野沢菜は中がまだ冷たかった。急いで解凍したからねー。連れ(信州出身)曰く、「これはおやきじゃない」。そ、そーなんだ。確かに、皮がもちもちして白くて、どちらかというとおまんじゅうっぽいかもしれない。私もコンビニの肉まんを見るたびに「こんなん、肉まんじゃない!」と思ってしまうので気持ちはわかる。別物と思って食べてくれ。

駅の上の展望台に出てみた。黒部湖と、これから乗るロープウェーの写真を撮る。

ロープウェー 黒部湖

展望台のパネルににここから見える山の写真と名前が書いてある。「ズバリ岳」というのを見て「面白い名前だなぁ、由来はなんだろ」と思ったが、よく見たら「スバリ岳」だった。なおわからん。
けっこう大粒の雨が降ってきたので、退散する。

観光地の売店は妙なものがあるので好きだ。ここの売店では「山人(やまんちゅ)」と書かれたTシャツがあった。思いっきり海人(うみんちゅ)Tシャツのパクリだ。やまんちゅって、あなた…。(その後、TV番組で農家の人か「畑人」というTシャツを着ているのを見た。じゃあ私は「会社人」Tシャツを着るべきか)

自分たちの整理券の番号がアナウンスされた。思ったよりも待たなかった。
ぞろぞろとロープウェーに乗り込む。座席は6人分くらい、おまけ程度についている。数分のことなので座る必要はない。私は進行方向一番前の窓のそばに陣取った。おおっ、向こう側から来るロープウェーとすれ違うぞ。天気がよければ「緑の山と青い空、白い雲、そこに浮かぶオレンジのゴンドラ」というパンフレットによくある写真を撮れるのだが…。

ロープウェー 残雪

霧の大観峰

大観峰に到着し、ロープウェーを降りると早速写真を撮った。白い…。

ロープウェー後車場所から

展望台に上る数十秒のうちにも霧が濃くなったのか、風景がさらに白くなっている。大観峰というからには最も眺めの良いところだろうに…残念。

大観峰展望台から

とりあえず、次のトロリーバスで次の室堂駅に向かった。
天気が悪いおかげで観光客が少なく、自分も見るものがないため、どんどん先に進んでしまう。

室堂は真っ白

室堂はアルペンルートで最も高い位置にある駅。
この周辺はトレッキングコースとなっており、私も一時間ほど散策しようと楽しみにしていた。だが外は雨と霧…。

散策ができればお弁当を買って食べようと思ったが、ひどい天気なので駅に併設されている「ホテル立山」内のレストランで昼食を取った。
正直、大した食べ物はない。もちろん山の上価格だ。自動販売機のビールの値段も標高が上がるに従っていくらかずつ上がっていった。こんなところまで輸送するのは大変な労力だろうから、ボラれているとは思わないが。

ホテル立山釜めし

星の雫というお菓子を自分用のお土産にした。ナッツをホワイトチョコで包み、パウダーをまぶしたもので、そんなに珍しいものでもないが、「星に一番近い駅」「ここでしか買えない」という言葉につられた。
あと、売店にあったホテル立山の「立山マロン」というのがおいしかった。パイ生地の中にマロン(ペーストというより、栗のかたまり)が入っている。

どうしても気がすまないので、駅の外に出てみた。
寒そうなので、ウインドブレーカーの下にもう一枚着た。
果たして外は…真っ白だった。

室堂

うーん、こんな景色を前にも見たことがあるぞ。あ、あの、2年前の夏の北海道の旅行だ。
網走に行ったときの天気が最悪で、「天都山」の展望台に上がったときの風景がちょうどこんなだった。そして、あのときも一緒に行ったのは今回と同じ相手。悪天候を呼ぶ組み合わせなのか?

本来なら、この後ろに雄大な山がガガーンとそびえてて、「うゎー、やっほー!!」となるはずだったのだが…。5m先に何があるかもわからない。
試しに少し歩いてみると、あ、「立山玉殿の湧水」が…。

湧き水?

散策コースの立て札があった。この先にみどりが池やらみくりが池やら、見どころいっぱいのコースが…。でも一寸先は白。周辺は道がきっちり作られてわかりやすいらしいが、何しろ歩いたことがないし、万一迷ったりしたらいけないので、そのまま引き返すことにした。
室堂散策が今回の旅行のメインイベントだったのに…。無念だ…(「白い巨塔」の財前五郎風)。
名誉ある撤退…と思うことにしよう。

散策コース

トレッキング・登山のベテランの人はきちんと装備していて、歩く気まんまんだった。
外で食べるためにお弁当を買ってきた人たちが室堂駅内の階段でごはんを食べていた。お互い、残念でしたね…。
アルペンルートの観光客はアジア系外国人の人も多いようで、トイレの注意書きなど韓国語や中国語も見られた。

高原バス

時間は12:00だった。ちょうど12:20発の高原バスがあったので、列に並ぶ。
終点は美女平で、私達が乗るのは終点まで直行するバスだ。隣の列はの弥陀ヶ原で途中下車できるバスの列だった。弥陀ヶ原は遊歩道があり、美しい植物が見られるとかで、散策にとても良いところらしい。

程なくバスが来て、順次乗り込む。
後から乗ってきた幼児がなにやら泣き叫んでいる。なんだい、何がそんなに悲しいんだい。
外は雨。室堂バスターミナル近くには残雪があったが、霧にまぎれて写真には撮れなかった。

高原バスの車窓から

高原バスには50分ほど乗車する。途中うとうとしてしまった。

立山駅でアルペンルート終了〜

美女平からケーブルカーに乗る。ここから立山駅まででアルペンルートは終了だ。

ケーブルカーを待つ間、またおやきを買った。今度はかぼちゃ味にした。連れ曰く、「さっきのよりはおやきに近づいている」。

ケーブルカーで、キャッキャとはしゃぐ声がした。見ればさっき高原バスの中で泣き叫んでいた幼児だ。山のお天気のような奴め。

ケーブルカーから

ああ、立山駅に着いてしまった。もう下界だよ。自動販売機の飲み物も安くなっている。

のどかなローカル線

ここからは、富山地鉄に乗り換え。電車で宇奈月温泉へ向かう。
またまたいいタイミングで電車が来ていた。目的地まで2時間ほどかかるので、急いでトイレに行ってから乗り込む。
2両編成で、バスのような料金箱があるタイプの電車だ。この駅は改札があるが、途中の駅は無人駅が多いのだ。
のどかな風景が続く。

富山地鉄車窓から 田んぼは心安らぐ

途中、寺田という駅で乗り換える。
他にも何組か乗り換える乗客がいる。皆、宇奈月温泉行きだろう。
この寺田駅、乗換駅とは思えないひなび方だった。駅員はいない。トイレはあったが…いや、立山駅で入っておいて良かった。ホームにある広告看板もなんとも懐かしい香りを漂わせている。

寺田駅

乗り換え後、運転席のすぐ後ろに立って、電車にゴトゴト揺られながら通り過ぎていく風景を眺めていた。

運転席の窓

宇奈月温泉に到着。
さすが温泉地、改札を出ると各旅館の旗を持った人かずらり並んでいた。私達の泊まる宿の人もいたので、旅館のバスで運んでもらえた。

宇奈月温泉駅

 

〜つづく〜


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