秋の北海道を訪ねました。白老・阿寒・知床・網走・層雲峡と、あちこち回りました。
2005.09.17.〜2005.09.21
朝、トイレに起きると、激しい雨音がする。えぇえ。次に起きるまでに小降りになっていますように。
Mちゃん宅のご飯は、朝も、ペンションで出るようなオシャレなお食事だった。
温かいパン、無添加のソーセージ、手作りのピクルスなど…。無添加のソーセージってなかなか売っていないし、高価なんだよね…。ポリポリという名前のキノコのお味噌汁もいただいた。ほんとに歯ごたえがポリポリしていて、おいしい!
好き嫌いなくなってよかったなぁ。昔は食わず嫌いだったけど、治したおかげで今はこうしておいしいものが食べられる。

食後、本日のメインイベントその1、Mちゃんちの畑での収穫体験に出かけた。
土の準備も種まきも虫取りもしないくせに、収穫というおいしいところだけやらせてもらうという、なんとも虫の良い話だ。小学校の校外学習の芋掘りや最近流行りのグリーンツーリズムと同じ。
そういえば、子どもの頃、新潟の祖母の前栽(せんざい=小さな畑のことをこう呼んでいた。)に柿の木があり、柿をもいだことがある。前栽に行こうと言われても気が進まなかったのに、柿もぎをはじめたら楽しくて、ずーっともぎ続けたのだった。
Mちゃんの家族は、無農薬で色々な野菜を育てている。
時期的に終わっているものも多いということだが、それでも、十六ささげ、トウモロコシ、ニンジン、きゅうり、カボチャ、オクラ、ピーマン、プチトマトなどがあった。
色んな種類をちょっとずつ、とらせてもらった。きゅうりは触ったら痛いほどトゲが鋭かった。収穫のタイミングは、カボチャはツルとつながっている頭の部分が、トウモロコシはふさの部分が茶色くなったらだそうだ。トウモロコシ周辺は虫がたくさんいて近寄れなかった(虫が苦手な軟弱者です)ので、Mちゃんがとってくれた。とったらすぐに皮の部分を除かないと、栄養が取られてしまうそうだ。


2人とも、お母さんの用意してくれた畑ルックに身を包み、長靴を履いていた。私は雨が降っているので寒いと思い、畑ルックの下に上着を着ていたが、少し動いたらとても暑くなってきた。
Mちゃんは、「面白いからこれもとってみようか」と言い出した。畑の一画に、干瓢の元となる夕顔があった。その大きさはハンバじゃなく、ツルや支柱がよく無事でいられるなぁと感心するくらいどっしりと大きかった。ツルはものすごく太く、他の野菜と違って手でとれそうになかった。Mちゃんは、「ナイフも何も持ってきていない、無計画な私」と言って、どこかから鍬を持ってきた。その刃の部分をツル目掛けてガンガン打ち付けるのだが、やはりなかなか切れない。なすすべなく横で立ち尽くす私…。それでも、押したり引いたりしているうちにミシミシとツルが弱くなり、夕顔が落ちた。Mちゃんの強引さにちょっと笑ってしまった。
夕顔を干瓢にするのをTVで見たことがある。機械で夕顔の皮をむいていた。その話をすると、Mちゃんのお母さんが、「ピーラーの夕顔専用みたいなのがあって、この辺ではスーパーでも売ってるわよ」と教えてくれた。そ、そうなんだ!やはりこの一帯、何らかの形で農業をしている人がほとんどのようだ。
いやー、たくさん収穫(と言っていいのか)ができた。
野菜はMちゃん手作りのドレッシングやジャムと共に家に送ってもらえる。調子に乗って色々とってしまったので、箱に入りきらなそうだが…。配送料2000円を置いてきたけど足りたでしょうか…詰めるのもかなり大変そう。
ちなみに昨晩味わったパウンドケーキ一本もいただいた。これは自分のカバンに入れて持って帰ることにした。
窓の外はウッドデッキのベランダになっていて、鳥の食事台(何て言うのか不明)がある。食卓には自分の畑で取れた野菜が並び、ドレッシングも手作り。キッチンやトイレには刺繍の施された手作りの鍋つかみやら壁掛けやら。近年、TV番組や専門雑誌も出ている、憧れの田舎暮らしのお手本のようだ。
そういえば、お父さんが重曹を使って掃除をしていると言っていたっけ。重曹を家事に活かす本も最近たくさん発行されている(おしゃれに「ベーキングソーダ」とか言うこともある)。
流行最先端な暮らしを実はこのおうちではずっと昔からフツーにされているのだ。
Mちゃんの家ともお別れ。
左手には、Mちゃんが私に見せたがっていた黄金色の稲の海が雨に煙っている。

天気は悪いが、その分おしゃべりができる。私は用意しておいた「しゃべりたいことリスト」を開いた。
旅行の間、どうでもいい話を色々した。「キャベツを水につけたら油のようなものが浮いてきたけど、農薬なのか」とか。「(最近結婚した)安達祐美ちゃんは幸せになってほしいよ。でも、『絶対に守ります』みたいなことを言う男は信用ならない」とか。「レイザーラモンが実はハードゲイじゃなくてがっかり」とか。「恋愛モノ、特に気取った文体の女流小説家の本が受け入れられない」とか。
雨脚が強くなってきた。。

道端に、「ツール・ド・北海道」開催の立て看板が見える。
私も名前くらいは聞いたことがある。自転車ロードレースの大会だ。でも、この激しい雨では中止かな。…と思ったら、少し先にツール・ド・北海道の警備員と思われる人が雨に濡れながら立っていた!雨天決行か。スタッフの方々、お疲れ様です。
やがて、大きな車と二人乗りバイクが前方からやってきて、通り過ぎた。バイクの後には、後ろ向きにTVカメラを構えた人が乗っていた!続いて、数台の自転車が通り過ぎる。これか!そのあとは選手の所属団体の車が数台通り過ぎた。「すごい速さだったね…」でも、自転車は4、5台しかいなかった。先頭グループというやつかな。思ったとおり、少ししたらさっきより大くの自転車がやってきた。
写真に撮りたかったが、あれよあれよと言ううちに通り過ぎる。とりあえず、車内から「ガンバレー!」と声援を送っておいた。
いやー、こんな至近距離でレースを見られるとは、ついてるね。
日勝峠を越える。天気が悪いので、峠の頂上付近は相当視界が悪いのではないかと心配したが、そうでもなかった。
小腹が空いたので、昨日の夜ご飯の伊達巻を二人でつまんだ。おいしー。

清水町に出たところでガソリンスタンドで給油、ついでにトイレも借りた。ガソリンは価格高騰が続いている。この先の道東地域ではさらに高いのだとか。
高速道路(道東自動車道)に乗る。十勝・帯広を通る道路だ。
最初、Mちゃんが「高速だと、せっかくの北海道の景色が楽しめないね」と残念そうにしていたが、そんなことはなかった。都会の高速は道路の両側に高い灰色の壁が続くことが多いが、この高速は両側に高大な大地が広がっていた。いかにも北海道らしい眺めだ。
「北海道はでっかいどう」というコピーを最初につけたひとに感心する。単純だけど、この広い土地を見るたびにこの言葉が頭に浮かんでしまうのだ。
十勝・帯広は豆の栽培が盛んということで、豆を干してあったりする。
途中のパーキングエリアはトイレと自動販売機だけしかなかった。でも、キレイなトイレでよかった。
トイレから出てきて、パーキングエリア正面の風景の美しさにびっくりした。雨が上がって、山にもやがかかっている。

足寄(あしょろ)町に到着。ここは、日本一大きな町だそうだ。
大きくて立派な駅がある。ふるさと銀河線の足寄駅だ。
構内に売店と食堂、松山千春コーナー(足寄町出身)がある。売店にはやはり豆が置いてあった。
そろそろお昼を食べようということで、売店兼観光案内所の人にMちゃんがお店を聞いてくれた。二軒あるうちの、近いほうに入る。
豚丼に並と上があり、違いは豚の枚数だと言うので、並にした。並でもどんぶりからはみ出す勢いだった。うん、普通においしい。
しかし豚丼って野菜が一切入っておらず、牛丼や親子丼のような気休めの玉葱すらないので、栄養バランスが偏っていることへの不安を感じてしまう。でも、この味に玉葱は甘すぎるしなー。

歩道のコンクリートに足型がはめ込まれている。町内の人たちのもののようだ。
町のキャラクターもラワンブキを持ったピンク色の「足」なのが面白い。足がキャラクターって!

このラワンブキは足寄に自生する大きなフキ。
足寄を走っていると、時折「ラワンブキ自生地」の看板がある。フキを傘にして歩いたら、楽しいだろうな。人間が小人のように見えるだろう。

子供のころ新潟に遊びに行ったとき、雨が降ってきて葉っぱを傘にして家に帰ったことがある。あれはフキではなく多分里芋の葉だったと思うけど。今にして思えば貴重な経験を色々と新潟でさせてもらった。
後日談:翌年4月、ふるさと銀河線は赤字経営を理由に廃線になった。

阿寒湖のアイヌコタンに到着。
アイヌのお店が並び、奥にあるポロチセでは伝統舞踊の鑑賞や体験教室が行われている。

本日のメインイベントその2は「アイヌ料理を食べる」。
アイヌコタンの店でこれを実行するのだ。
でも、昼の豚丼がかなりのボリュームで、まだ夕食の気分にならない。
とりあえず、お店を一軒一軒のぞいてみた。
たいていの店にマタンプシ(鉢巻)が置いてあり、個性豊かな刺繍にうっとりするのだが、このマタンプシの使い道が思いつかない。鉢巻以外の使い道があれば、買うけど…。
私はアイヌ模様が彫刻された鍋敷きを探していた。川崎でアイヌ展を見たときにミュージアムショップで売られていて、そのときは買えなかったのだが後からほしくなったのだ。でも、お盆や稀に器はあるのだが、鍋敷きはなかった。どの店も、鍋敷きというとキツネやふくろうの形のものしか置いてなかった。ううー、あのとき買っておけば!あの鍋敷きは、沙流川流域に独特のウロコ模様だったので、平取町のアイヌ博物館になら売っているのかもしれない。
あるお店では、手彫りのアクセサリーを売っていた。Mちゃんがかんざしの一つを取って、「これ、イナウじゃない?」と言った。確かに、昨日博物館で見たあのイナウがデザインに取り入れられていた。面白い!
別のお店では、入り口に入ったとたん若い女性の店員が寄ってきて、お店を一周して出口までぴったりとついてきた。その間、商品の前で立ち止まったり手に取ったりすると「人気ですよ」「ここにしかないですよ」と横で言う。「はぁ」と気のない態度を示しても、避けるように別の売り場へ移動しても、お構いナシだ。熱心な接客という域を越え、ストーカーっぽい。落ち着いて見られないよ。
Mちゃんが、「そういえば、子供のころにもここに来たことがあって、やっぱり今みたいに付きまとわれたよ」と思い出して言った。てことは、それから10数年、この店の接客法としてこの「つきまとい」が連綿と受け継がれているのかー。後から、店員に「ゆっくり見たいので」とはっきり言えば良かったと思った。言われなければ自分達がやっていることが逆効果になっていることに気がつかないままだろう。
他にもお客がいるのに私達がマークされているということは、「押せば買うお人よし」と思われたのかもしれない。Mちゃんが「人は良いけどお金は持ってないから」と言うのが笑えた。
アイヌコタンの外に、定期券がたくさん貼ってある店があった。中をうかがっているとお店の人が「無理に売りつけたりしないから、入りなよ」と言う。小さな店内では、店員の他に若い男性が椅子に座ってコーヒーを飲んでいた。
アイヌの民芸品のお店のようだ。イクパスイ(神酒箸)がいくつもあり、川崎の展示会で見たのと同じ手の込んだデザインのものもあった。それは熊が並んでいたり、鯨やイナウが掘り出されているものだった。スゴイ。ほしい。「でも何に使うんだ、イクパスイを」冷静な自分の声に制止された。そう、昔のように何の用途もないものをキレイだとか面白いだけで買ってはいけないのだ。お手ごろ価格の500円のヘラとかあったけど、ヘラっていうのも使い道が難しい。せめてスプーンとかバターナイフの形だったら。彫刻されたアイヌ文様がきれいなので、惜しい気がした。それこそ鍋敷きを作ってくれたら。
私が商品に釘付けになっているとき、Mちゃんはお店の人と話していた。というより、私には、お店の人が一方的にまくし立てるのに相槌を打っているように思えたが。
お店の人はアイヌ出身のようで、昔は雇われて商品を作っていたが独立したということだった。アイヌの名前の付け方や言葉の話をしていたが、大体本で読んだことだった。
この人くらい押しが強くないと独立してやっていけないのかもしれないが、口を挟むスキのない話しぶりで、「知ってほしくて主張しているのかもしれないけど、対話は難しそうだな…」と残念に思った。
日が暮れる前に阿寒湖を見ておこうと思ったが、間に合わなかった。
暗闇にかろうじて水面が確認できた。阿寒湖周辺は緑色にライトアップされている。マリモをイメージしているのだろう。
近所の売店で悪評高いジンギスカンキャラメルを薦められた。お店の人も味はおいしくないと言っていたが、そのまずさが受けてけっこう人気商品なのだ。→のちにちょっとおいしくなったら、逆に人気が落ちたとか。
そろそろお腹にすきまができてきたので、夕食にする。
お目当ては、民芸喫茶「ポロンノ」だ。

お店の入り口付近は民芸品が陳列してあり、中ほどにカウンターと小さなテーブル、奥に大きめのテーブル2つがある。
奥の壁際に本棚があり、なぜか夢野久作全集があった。Mちゃんが、夢野久作は割と好きだという。君もか!なぜか私の周囲には夢野久作とか江戸川乱歩が好きな人が多いのだ。
メニューを見ると、珍しい料理が色々あって、迷う。お得なセットもある。
大食漢の私は一つずつセットを頼んでもいいかと思ったが、Mちゃんはあまり胃が丈夫でなく最近調子が悪いということで、セットを一つと鹿肉のロースのタタキとポッチェイモを注文した。
セットの内容は、アマム(イナキビ、キトピロ、豆が入った炊き込みごはん)、チェップオハウ(鮭・山菜・大根・焼き昆布が入った塩味の汁)、メフン(鮭の背ワタの塩辛)。

ポッチェイモはジャガイモの餅のようなもの。秋、小さいイモは収穫しきれず畑に残ってしまう。それが冬の寒さで凍り、発酵する。それを水で洗ってでんぷんをとり、餅にする。
これは、「固くなるからすぐ食べてください」と言われた。確かに、今でもかなり弾力があり、ほっておくと固くなりそうな食感だ。
バターが載っているけど、昔は何もつけずに食べたんだろう。でも昔の人のほうが味覚が敏感そうだから、充分ジャガイモの甘さが感じられたのかもしれない。
鹿肉は鮭と並んでアイヌの主要な食料なので、ぜひ食べたいと思っていた。行者ニンニクと一緒のせいか、臭みは感じない。おいしいよ。
オハウはジャガイモやニンジンなど具沢山でほっとする味だ。
アイヌの本では何度も出てきて、どうも主食のような感じで食べられていたようだ。
三平汁とよく似ているので、これがルーツかと思ったが、元の三平汁は鮭でなくニシンを入れていたというから、違うのかもしれない。
味は、ちょっとしょっぱいと思ったが、Mちゃんは「え、私はあっさりした味だと思った」と言っていた。もしかして、寒い北海道の人にはちょうどいい味なのかな?
メフンはお酒を飲む人にはおいしいものらしいが、私は通ではないので、一口でやめておいた。
「ポロンノ」の営業時間は9:00〜23:00、日中は喫茶ポロンノ、夜はバーポロンノになる。夜食にポッチェイモだけ食べるっていうのでもいいかも。
ポロトコタン近くには私が以前に泊まった大型ホテルがある。ここのゴージャストイレを借りて、今日の宿へ出発した。
あたりはすっかり暗くなっている。車で山道を行く。
双岳台という、見晴らしの良い場所を通ったが、当然暗くて何も見えない。
行き交う車も稀で、対向車がなければ私達の車のライトしか灯りがなく、心細い感じだ。
と、Mちゃんが「あ、鹿!」と言って車を止めた。
「え?」「ほらあそこ!」見れば、私達の左側の土手の上に、雌の鹿と子どもの鹿が私達の方を見下ろしていた。
う、わー。Mちゃん曰く「鹿はこっちが止まっていると警戒するから」と車を少しずつ動かした。無理とは思いつつ、写真を撮った(薄っすら写っていた)。
鹿は少しするとヒョイヒョイと坂を駆け上がって去っていった。
「鹿って危険が近づくと尻尾を開いて後方の仲間に知らせるんだってー」と役に立たない知識をMちゃんに話す。ちなみに、この情報は幼稚園のときに読んだ本に書いてあった。それ以来約30年封印されていた情報。
それからしばらく行ったところで、Mちゃんが「今、目が光った」と言って車を減速させた。今度は右手前方にキタキツネが!わー。
す、すごいなMちゃん。運転をしながら暗がりに次々と動物を発見して。
私も何か見つけたい…。そう思っていたら、前を走っている車の前を、黄金色の生き物がスタスタと通過したのが見えた。「Mちゃん!またキタキツネだよ!今度は私が見つけたよ!」やつは道路を通過して左手のガードレールにしゃがみこんだ。が、車を近づけてみると…猫だった!キタキツネじゃないよ!猫だよ!どうしてこんな山中に!?そしてキタキツネだと思って鬼の首とったみたいにはしゃいでた私って!?
そういえば、この前の日だったか後だったかにも、同様の間違いを犯していた。鹿のマークの動物注意の看板が前方に見えて、「あ、動物注意だ〜」と喜んでいたら、近づいたら鹿じゃなくて矢印マークだったことがある。右に曲がった矢印が、鹿がはねているところに似てたんだよ…。
山を下りて、小さな町を通り過ぎ、両側に木の立ち並ぶ道を真っ直ぐ走る。
と、Mちゃんが「あっ!」と声を上げる。私も驚いた。歩道に大きな鹿が立っていたのだ。こ、こんなに間近で見るの初めてだよー。びっくり。
今日は鹿3頭にキツネ1匹、それに猫まで見ることができた。
やがて宿の名前の書かれた看板が見えてきた。看板は道の右手にあったのでそこが入り口かと思ったら、看板に小さく左向きの矢印が書いてあった。わかりにくいですって!
左側に曲がって舗装されていない道路に入り、もう一度左折して進むと右手に宿が見えた。
「湖畔の宿 にぶしの里」。大きな民宿だ(下は翌朝の写真)。

駐車場には宿泊客の車がたくさん止まっており、私達は一番端の空いたところに駐車した。Mちゃんが他の車を見て曰く、「駐車の線のとおりに止めていればもっと台数が入るんだけど、こういう大雑把な止めかたするのが北海道らしいね」。
2階の部屋に案内された。部屋の外は木が並んでいるのが薄っすらと見えたが、暗くて景色はわからない。
押入れから布団を出して敷く。Mちゃんは旅館の仕事をしているので、手馴れていて早い。縦半分に折ったシーツの片端をこちらに投げ、「二人でシーツをセットときはこうするとやりやすい」とか教えてくれた。
お風呂に入りに行く。
夕食抜き設定で宿泊したので他のお客の行動とズレているためか、お風呂は貸しきり状態だった。が…浴槽のお湯がものすごく熱い!少しだけ浸かってみたが、ちょっと罰ゲームっぽかった。
部屋に戻ると、白い布団の上を黒い虫が歩いていた。私が騒ぐと、Mちゃんは「なんだ、オケラだよー」とつまんで捨ててくれた。
オケラだろうがゴキブリだろうが、私の中では「虫」という嫌なものカテゴリーに一括りなのだ。
オケラっていうと歌に出てくるあれか。そういえば初めて見た。♪みんなみんな、生きているんだ友達なんだ♪…なのに始末してもらったよ。ごめん。
そのあと、一階の食堂で、水を飲みながらまったりする。他にも一人本を読んでいる人がいる。
部屋に戻るとMちゃん家から持ってきたトウモロコシを食べた。おいしい。
トイレや洗面所は外の共同のものを使用する。修学旅行っぽい。普段はホテルや旅館ばかりで民宿に泊まることがないので、珍しく思える。
NHKの英会話の番組など見ているうちに、眠ってしまった。
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