北海道(白老・阿寒・知床・網走・層雲峡)初秋の自然満喫紀行

秋の北海道を訪ねました。白老・阿寒・知床・網走・層雲峡と、あちこち回りました。

2005.09.17.〜2005.09.21

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ヒメマスのルイベ

朝。窓の外を見ると白樺の木立の向こう側はもう湖だった。本当に湖畔の宿だね!
朝食の時間が近づいたので階下へ行く。お腹ペコペコだよ。

朝ご飯は普通。「料理自慢の宿なんだけど、夕食に全力を尽くして朝食には余力がなかったみたい」とMちゃん。
別注文で、「ヒメマスのお刺身」を注文した。一人分が4切れくらいというので二人分注文したが、来てみたら山盛り!食べきれないほどあった。これなら一人分にしたのにー。しかも、お刺身ではなくルイベ(凍ったお刺身)だった。ルイベって保存には良かったのだろうが、正直なところ、食べるときはもう少し軟らかい方がいいよね!ということで、邪道ではあるが二人してルイベをごはんの上で解凍してから食べた。
ご飯は大きな炊飯器から自分で盛るシステムだったので2回もお代わりしてしまった。

ルイベ

朝食の時間は全員同じなので、宿泊客が勢ぞろいしている。
客層は様々で、若い夫婦。一人旅の若者。小学生のいる家族連れ。赤ちゃんやおじいちゃんもいる大家族。子供のころにこういうタイプの宿に泊まるのは、マナーの学習もできて良いかもしれないなと思った。

チェックアウトのとき、絵葉書を1枚ずつもらえた。私は屈斜路湖にフロストフラワー(霜が花のような形になっている)が咲いている写真のものにした。

絵葉書

灯油タンク…寒い国といえばコレですね。

灯油タンク

屈斜路 砂湯

昨日来た道を少し戻って、屈斜路湖畔の砂湯へ行く。
このあたりの湖の砂を掘ると、温泉が湧いてくるのだ。

砂湯

まだ午前中早い時間だが、駐車場に何台か車があり、三三五五の人出もある。
湖に近づくと、そこかしこに穴が掘ってあり、水面から湯気が沸いている。
そのうち一つを触ってみると、確かにあったかい!湖なのにー。面白い!
ちょっと離れたところにカップルがいて、ビデオカメラを回している女性に対して男性が「アチアチ!」とはしゃいでいた。ふっ、おおげさな…。
男性がいたのは、砂を掘った温泉ではなく、湖に入ったところだった。あとで私達もそこへ行ってみて、足を入れてみた。「アチアチ!」さっきの男性と全く同じ反応をしてしまった。
予想外に熱い。ちょっと移動すると冷たかったりぬるかったりする場所もある。よく見ればポツポツと泡が見える。

カラスもやってきてお湯だか水に浸かっていた。
カメラを向けたが文字通りカラスの行水で、すぐに去ってしまった。

カラスの行水

木の枠に囲まれた足湯が設置されているので、そこで足を洗った。
このお湯がまた熱い!足湯のへりに座ったまま昨晩の宿のタオルで足を拭く。お湯やヘリの周辺の砂に足を触れないように気をつけつつ足を拭くというのが身体の固い私にはなかなか難しく、あやうく高温の足湯に落ちるのではないかと思った。熱湯コマーシャル。

お土産屋が何軒かあるので、それぞれ見てみる。
近くの阿寒湖のお土産が多い。ネームバリューがないのか、屈斜路湖オリジナルのものは少ない。
マスコットキャラクターのクッシー君(安直だ!)のグッズがいくつかあった。

「世界一おいしいアイスクリーム」の看板があったので、そのアイス1個500円を買ってみた。うーん、世界一って…図々しいにもほどがあるよ。長い間買われていなかったのか、アイスに冷凍庫の匂いがついていた。

昨日のアイヌコタンにも置いてあったが、黒百合の球根が売られていた。珍しいものなんだろうなー。

くりーむ童話でアイスクリーム

移動中、前方に岩肌が剥き出しの山が見えてきた。
所々黄色に染まり、白い噴煙が上がっている。硫黄山だ。

硫黄山

これまでの道は両側を高い木々に囲まれていたが、硫黄山が見えるあたりだけ木がなくなっている。山から上るガスのせいだ。
カーブを曲がるあたりで、急に木が増えている。ここあたりからガスをかぶらない場所なんだろう。なんてわかりやすいんだ。

途中、「くりーむ童話」というアイスクリームの店の看板を発見する。
まだ走り出したばっかりなのにー。でも食べたいので寄ってしまう。

くりーむ童話

ガイドブックにも載っていた有名なお店だ。家族連れやカップル、一人旅のライダーなどお客さんで賑わっている。
私はトウモロコシとくるみのダブルにした。自然な甘さでおいしい。Mちゃんはチョコレートとストロベリーだったかな?他にも北海道ならではのアイスクリームが色々あった。全種類食べてみたいくらいだ。
クッキーなどのお菓子も置いてある。
外で食べていると、定年したばかりっぽいご夫婦がいて、ご主人が奥さんの写真を撮っていた。いいなぁ、年取っても仲良く旅行できて。
アイスの向こうには仲良さそうなご夫婦、その向こうには山があり、周りにはコスモスが咲いている。平和だ…。
トイレを借りて、また出発。

コスモス

シリエトク 〜知床〜

週間天気では、旅行中の天気はずっと雨だったが、日が照ってきた。
昨日も苫小牧を出発して午前中はどしゃぶりだったけど、その後は降らなかったし。ついている。

車で走っていると一面に黄色い花が咲いている畑を見かけた。
こんな季節だけど、菜の花だという。家畜の飼料用だそうだ。

菜の花

今日は世界遺産の地、知床へ向かう。
前も行ったことがあり、オシンコシンの滝や知床五湖のうち二湖まで見たが、今回は観光船に乗ってみたい。
知床まで、ひたすら走る。
そうそう、自宅へ携帯メールを送りたくて毎晩試みていたのだが、友人宅も宿も圏外だった。試してみると、今日は送信できた。この辺の道路沿いにはアンテナがあるようだ。

知床の手前

斜里を通過。うーん、微妙な時間だ。
観光船は知床の入り口、ウトロの港から出る。知床峠まで行くコースの便は8:15発の一本のみ、途中の硫黄山までのコースは8:15、10:30、12:30、14:30の便がある。
知床に着く時間が読めないため予約はしていない。できれば12:30便に乗りたいが、間に合わなければ先にお昼を食べて14:30の便に乗ることなる。
ただ、晴れていても高波のため欠航となることがあるらしい。そうしたら、知床五湖の散策に切り替えるつもりだ。
ずっと左右に畑を見ながら進んでいたが、やがて風景が変った。左側に海、右手に山の道路を進む。知床に入ったようだ。
観光船が見える。その船、乗ります!

海だ 観光船

ウトロに近づいたころ、海に流れ込む川があった。その橋を通りかかると、車が数台停まっており、欄干から川面を覗き込んでいる人が何人もいた。なんだろう?
車を停めて傍へ行くと、鮭が上ってきているのだとわかった。そう、鮭の遡上の季節なのだ。ウトロからすこし離れた羅臼では見られると聞いていたが、この辺りの川にも上ってくるのか。
少し先に階段があり、川の近くに降りられるようになっている。地図を見ると、川の上流にはさけます孵化場がある。おお、いるいる。私達が写真を撮っていると、杖をついた女性が「ここよりも、海の近くのほうがたくさん見られるわよ」と教えてくれた。確かに、途中に急流があるため、ここまで来られる鮭の数は少ないのだ。
帰りにもこの川を通るので、先に観光船に急ぐことにした。
「帰りに見られなくなったりしないよね」と言うと、Mちゃんは「鮭が『本日の遡上は終了しました』なんてね。大丈夫だよ」と笑った。

知床観光船

ウトロの町に入った。
地図を見ながら進んでいると、「観光船」の看板がかなり短い間隔で出ている。これは助かる、と思っていたが、曲がり角のあたりで看板が見えなくなった。そ、そんな!曲がり角こそ看板が必要でしょうが!少し先に行っても看板はないので、近くにあった観光案内所で場所を聞き、観光船の券売所へ行った。

あー、もう10分前…出航より早く乗り場に着いていないといけないのだろうから、12:30のは間に合わないかなぁと覚悟していたが、12:30で間に合いますよーと言われて券(大人2,700円)を買った。
乗り場は券売所から少し移動して、トンネルを抜けたところにある。駐車場でお金を払う。観光バスが何台か来ていて、団体客が海をバックに記念撮影している。
駐車場の片隅に公衆トイレがあった。「せせらぎ」という名に反して、できれば利用したくない感じの…。券売所で急いでトイレに行っておいてよかった。

観光船 ウトロ港

私達の乗る船はすでに乗船を開始している。
例の、「一方的に記念スナップ」もやっていたが、私達が乗り込む頃には出航間際のせいか、撮影していなかった。

船の席は指定ではない。座って景色を楽しむには右側の席がオススメだ。
私達は甲板に出た。出航するとやはりカモメが寄ってきた。そしてやはりスナック菓子をやっている人(大人)がいる。それを見た小学生の女の子が小声で「あげちゃいけないんだよ…」とつぶやいていた。うん、君は正しいぞ!
船内アナウンスで「船内でのカッパエビセンの販売は中止しております」と言っていたが、はっきり「カモメにエサをやるな」と言うべきだ。

船の右手には不思議な形に削られた岩が続く。
途中、漁船と行き交う。その船に乗った漁師さんが、本日の獲物だろう、大きな魚を持ち上げてこちらに見せてくれた。楽しー。
有名なカムイワッカの滝は温泉の成分が混じっているせいか、その滝の流れ込んだ周辺だけ海水の色が明るい。ここで折り返しだ。

知床 知床

港につくころ、天気雨が降ってきた。もしかすると虹が出るかもしれない。
私は虹と出会う機会が多い「雨女」ならぬ「虹女」なのだ。きょろきょろと虹を探してみたが、このときは出ていなかった。

お昼とカニとお土産

近くの食堂でお昼にした。私はカニチャーハンにした。うーん普通。
Mちゃんは以前このお店で食べたことがあるが、ウニはいまいちだったそうだ。少し離れた席のおじさんがウニ丼を注文していて、ちょっと気になった。

お昼

周辺のお土産屋さんを見て回る。
あまり魅力的な商品がない。オホーツクの塩とかクリオネ形のグミとか…。せっかく世界遺産に指定されたのだから、もっとお土産にも力を入れたほうが良いと思う。
一箇所、鹿の角を専門に扱ったお店があった。鹿の角マニアにはたまらない品揃えなのだろう…。私にはわからないが。

両親にカニを頼まれていたので、発送してもらう。
タラバガニはミソが苦くて食べられないので、茹でるときに抜くそうだ。母はミソが好き、父は足が好きなので、ミソを食べられる毛蟹と足を食べるタラバと両方買った。観光船の半券を見せると10%引きになるので、まぁよいだろう。予算の関係で一番サイズの小さいのになってしまったが。

観光船の半券

知床のマンホールにはシンボルが盛りだくさんだった。マンホールコレクションのページをご覧ください。

鮭の遡上

さきほどの音遠別(おんねべつ)川に戻ってきた。
教えてもらったとおり、海に近いほうへ行ってみた。道路脇から、河原に降りる。階段などはない。草の坂道を駆け下りた後、ゴロゴロしたい紙の上を歩き、河原に下りる。
河口付近には鮭の密漁禁止の看板が立っている。どこかで監視しているのだろうか。
川の水は透明で、川底の石や苔が見える。傾いた日の光が水面に反射して、薄いオレンジ色に輝いていた。

川 遡上

あっちにもこっちにも鮭がいる。鮭にも種類があるのか、大きさや頭の形が違っている。
川の流れはかなり急のようで、必死に泳いでいるがなかなか前進できずにいる。ちょっと気を許せば後に流されそうになるほどだ。バシャバシャと激しい波しぶきを立てている。手前でも、向こうでも、ずっと先の方でも、鮭が前進しようともがいているのが見える。
よく見れば傷だらけの鮭もいる。ここまで来るのにも相当の苦難があったのだろう。弱った鮭を狙っているのか、鳥が2、3羽川面を見ていた。食物連鎖…。
上流には鮭の死骸がいくつか浮かんでいた。こんなのどうやって上るの?という、滝のような場所があるのだ。深緑色の川面に白く浮かぶ遺骸は何か貴重なものに見える。

川原の花 上流

産卵のときに鮭が川を上る、誰もが知っていることだけど、目で見ると、あぁこういうものだったんだと改めて思う。
中学のとき、塾の国語の教材に中島敦の「悟浄嘆異」の一部が載っていた。主人公の沙悟浄が、孫悟空は星の名は知らなくてもその働きを知っている。自分は星の名を知っているがそれがどれかわからない、学問はしなくても実際的な能力を持っている孫悟空たちが優れているのだと思い悩む場面を読んで、竜胆という漢字が書けてもリンドウの花がどんな花か知らない私も、同じだと思った。
知識として知っていたことも、実際見て感動して、本当に知るということに近づけた気がする(まだ『気がする』だけね)。

夕焼け

アイヌ語地名

ところでアイヌ語の地名には「別」とか「内」が付くものが多い。両方ともアイヌ語で「川」を意味する。川は生活に密着した場であるからだろう。ペッとナイで意味の違いがあるという説もあるが、定かではない。ナイには「沢」という意味もある。
ちなみに、前項で鮭の遡上を見た遠音別(オンネベツ)は大きい川という意味。
アイヌ語の地名は東北地方にも見られるそうだ。東北にもアイヌ語を使う人たちが暮らしていたのだ。

網走

夕日を追いかけるようにして、今日の宿へ移動する。

夕焼け

斜里に戻り、小清水原生花園を通過。
「秋の日は釣瓶落とし」というとおり、網走湖のあたりを通る頃にはそらも景色も灰色、宿につく頃にはとっぷりと日が暮れていた。

本日の宿は「能取湖荘」。その名のとおり、能取湖のそばに立つ宿だ。
能取湖畔にはサンゴ草という植物の群生地があり、ちょうどこの時期に赤く色づくのだ。といっても、もう暗くて湖は見えない。
部屋にはなぜか殺虫剤のスプレー缶が置いてあった。
廊下に網走の観光ポスターが張ってある。「網走の、青を見たか」(湖の青の写真)「網走の、赤と出会ったか」(サンゴ草の赤)「網走の、黄に触れたか」(稲?の黄)「網走の、白…(忘れた)」(流氷の白)という4枚組みで、写真も良い。ちょっとほしいな。

今日のお風呂もほとんど貸し切り。そして今日もお湯の温度がとても熱い。なんでこんなに高温なんだ…。

お風呂から出てお食事。料理自慢の宿で、テーブルいっぱいにお皿が並んでいる。従業員の人は忙しそうだ。
看板メニューは貝殻に入ったグラタン。カニの足もあり、甲殻類好きの私は嬉しい。足一本だけだが、その足が太くてボリュームたっぷりなので満足。ただ、全体的に味付けが濃い気がする。

夕食

明日は朝食前に湖畔を散歩することにした。
今夜も布団にオケラがいた。いつものようにMちゃんに処理してもらう…。
翌朝早い時間に一度目がさめた。カーテンを明けてみると、まだ暗い。Mちゃんも目を覚まし、「サンゴ草見えた?」と言うので、「何も見えない」と答えた。

〜つづく〜


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