ニュージーランド見聞録

友人を訪ねて、ニュージーランドへ遊びに行きました。

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五月だけど季節は秋

さわやかな朝だ。まだ空気がひんやりとしている。今日は土ボタルを見に出かけるのだ。

昨日の残りののり巻きで朝ご飯を済まし、出発前に部屋を簡単に片付けた。と、気がつくと私のカメラのケースがない。昨日、モーテルに入ったときまではあったと思ったのに、一体どこへ行ったの??実はカメラのケースを紛失したのは2度目。1度目は日本のどこかの湖で観光船に乗っていたときに飛んで行ってしまった。あーあ。結局ケースは見つからず、今もNZの地のどこかに眠っているに違いない。

モーテルの前で写真を撮った。昨日は暗くてわからなかったけど、向こうに見える風景はすっかり秋色だ。いつかこの友人と一緒に行った、富良野の風景に似ている。

ツチボタル見学ツアー

途中、野菜の直売所に寄ったりしながら、目的地へ。

観光案内所の「i(information)」マークが見えてきた。ここでチケットを購入。少し行ったところに土ボタルと鍾乳洞の観光ができる場所があるのだ。

待合所のような場所に行くと、すでに人がたくさんいる。日本人もいた。何人かでまとまって1つのチームになる。1つのチームに1人、係の人がついて、案内してくれるのだ。係のお兄さんの英語はNZ流なのか、「Today」を「トゥダイ」と発音していた。オーストラリアも[ei]の発音がが[ai]になると言っていたから、それと同じなのだろう。

チームごとに鍾乳洞の中を歩く。鍾乳洞、一度入ってみたかったんだ!それがこのNZの地でかなうとはっ。鍾乳洞の中は、じめじめしていて滑りやすいのかな、と思っていたがそうでもなかった。観光用に手すり付きの階段もあり、明かりもついていて歩きやすい。時々立ち止まって、係員の説明が入る。私も一単語でも拾おうと必死に聞いているがやはりよくわからない。友人が通訳してくれる。
鍾乳洞の中はあまり天井が高くないのだが、ある地点でぽっかりと天井が抜けて、広くなっている部分がある。こういう場所は「カテドラル(cathedral=大聖堂)」と呼ばれるそうだ。私たちの前のチームの人たちはカテドラルの中央で何やら歌を歌っている。音が響くのを試しているらしい。

続いて、「土ボタル」を見に行く。この鍾乳洞の先が土ボタルの洞窟につながっている。土ボタル(Glow worm)とは、蛍ではなく虫の幼虫で、暗い洞窟の天井にへばりついて光を放つのだ。水の流れる洞窟の中を私達はボートで巡る。洞窟にロープが張り巡らせてあって、船頭さんがそのロープを手繰り寄せることでボートを操るのだ。土ボタルは物音がすると光らなくなってしまったので、静かに、そーっとそーっと。

ガイドブックやパンフレットでも見ていたが、それはそれは美しかった。見上げると無数の青い光が星のように輝いている。

洞窟から出てきて代わりばんこで写真を撮ろうとカメラを構えると、邦人女性が「撮りましょう」と声をかけてくれた。ありがとうございます。この親切は私も他の人に返していきたいと思います。

Yabbaカードって?

駐車場の入り口に緑色のゴミ箱があった。見ると「DO THE RIGHT THING」(正しい行いをしよう)という標語が書いてあった。ほほう、と思って写真に収める。近くに停まっていた車の中からそれを見ていたおじさんが、友人に向かって、「ゴミ箱の写真を撮るなんて、彼女は変わっているね」と言っていたらしい。友人は「It's rare for us.」(私達には珍しいんですよ)と答えてくれたそうだ。ありがとう、「彼女には珍しいようです」ではなく「私達には」としてくれたところに思いやりを感じる…。

先ほどのインフォーメーションセンターに戻って、絵葉書を買う。いかにもNZらしいもの(NZの地図や羊の写真)もあれば、各都市に独特のものもある。洞窟の中で写真は撮れないので、土ボタルの葉書と、その他何枚かを購入した。ついでにテレホンカードも買っておこうと思った。日本の家族に電話するためだ。

レジのおばさんにテレホンカードくださいと言うと、戸棚からいろんな種類のカードをドサッと持ってきた。ええ〜?どれがいいのかわからないっすよ。日本に国際電話がかけられるものがいいんだけど…。「これさえあれば大丈夫!トラベル英会話」にはそんな例文は載っていないので、それらしき単語を並べると、わかってくれたようだ。そのうちの一枚を取り出して見せてくれた。表に「Yabba!」と書いてある。続けて、このカードについての説明をいろいろとしてくれるのだが…ごめん、おばちゃん、私全然わからない。とりあえず説明書がついてるってことはわかったからあとで読んでみるね。それだけの思いを私は「サンキュー」という一言にこめて立ち去ったのだった。

車の中で待っていた友人に「テレホンカード買ったよ」とYabba!カードを見せると、「あぁ〜Yabba買っちゃった〜!ごめん、言っておこうと思ってたんだけど…それ高いやつなんだよ」。えっそうなの?確かに「日本に国際電話がかけられるカード」とは言ったけど「しかも安価なカード」とは言っていないから…仕方ないよね。

Yabbaカード表 Yabbaカード裏

車で町へ移動。友人が銀行へお金を下ろしに行っている間に公衆電話(青と黄色のボックス)でYabbaカードを使ってみる。これはプリペイドカードではない。Yabbaカードに書かれている番号をコールすると、電話会社につながり、ガイダンスが流れるので、それに従って操作する。Yabbaカードごとにユニークな番号があらかじめ設定されているので、その番号を押し、次に自分用の暗証番号を設定する。道理はわかっているのに、うまくいかない。そうこうしているうちに友人が戻ってきたので聞いてみたら、最初のガイダンスに対する操作の時点で間違えていたらしい。おかげでやっとかけられた…と思ったら、家族が誰も出ない!おーい、留守?!そんなぁ。

憧れのフィッシュアンドチップス

NZといえばフィッシュアンドチップス…もとはイギリスのものだが、NZはイギリスからやってきた人が多いので、イギリス文化があちこちに見られるのだ。車の右ハンドルもそうだろう。英語のつづりも「center」が「centre」だったりした。
フィッシュアンドチップスは中学生のとき漫画「美味しんぼ」で知って以来、食べたいと思っていたものだ。ちなみに私は海原雄山が好きだ。海原先生に「愚か者!」と怒られたい。

友人によると一口にフィッシュアンドチップスと言っても、お店によってだいぶ違って、おいしいかどうかは賭けだそうだ。ふむふむ。

町を歩くとお魚屋さん発見。「お魚屋さんのフィッシュアンドチップスなら、きっとおいしいよ!」さっそく中へ入ると、中国系のおじさんが応対してくれた。フィッシュアンドチップスとカキのパックづめを注文(イヤ、友人がね)。「フィッシュアンドチップスは何のお魚を使ってます?」と友人が問うと、「チュバラ」とかそんな答えが返ってきた。何ですか、それ?あとで友人は、「ちょっとなまってるかも」と言っていた。
注文してから揚げているらしく、けっこう待った。しばらくして戻ってきたおじさんの手にしているものを見てびっくり。ちょっと大きめの小包のような紙の包みだ。えっこれ?!ものすごく大量。

100%オレンジジュースも買い、ほくほくしながら車に乗り込む。さっそく包みを開くと…きゃ〜おいしそ〜。大きな白身魚が3枚、一本一本がしっかり太いポテトフライがたくさん、これがフィッシュアンドチップスかぁあ、フィッシュアンドチップスばんざい!
運転中の友人が「冷めるから、どんどんお食べよ」と勧めてくれた。いやでも運転してくれてるのに私だけ悪いよと言うと、「私はこれからも食べる機会あるし。今ちょっとお腹いっぱいだし。せっかくだからおいしいところ食べてよ」と言ってくれるので感涙しつつ食べた。おぉいしいぃ〜。運転中の友人にも時々手渡しして食べてもらった。

途中止まってカキのパックも食べた。これは日本で食べられるものではないそう(ごめん、名前忘れちゃった)。友人の持っているしょうゆをたらして食べるとこれもまたおおおいしいい。このときも友人は「私はこれからも食べる機会あるし」とたくさん食べさせてくれた。かたじけない。そういえば、青島に行ったときも北京ダックに大喜びする私に友達(別の)が自分の分をわけてくれたっけ。親戚のおじさんもよくごちそうしてくれる。みんな、親切だ…。見ていて「食べさせてあげなきゃ」って気持ちになるのかな…。私って、食べるときよっぽど嬉しそうなんだな。

町のお店屋さん

山道を越えて、また牧場のそばを走る。途中、車道近くで一人モソモソ草をはむヤギを見たり、養蜂の箱を見ては感動。

また小さな町に出た。

公衆トイレに入っておく。NZの公衆トイレは私が旅行した中ではスウェーデンに次いできれいだと思う。どんなに辺鄙な場所のトイレでも、必ずトイレットペーパーがある。ただし、紙の無駄遣いを防ぐために1枚ずつに分かれた状態か、ロールでも引っ張っている途中で切れやすいものになっている。

次に、商店街の本屋さん兼文房具屋さんに入る。ジェイミー・オリバーの料理の本が平積みしてある。日本でもおなじみのカリスマ料理人ジェイミー・オリバーだが、このときの私は彼のことを知らなかった。友人に「今すごく人気があるんだよ」と教えられた。へぇ。
家族や親戚に葉書を送るために切手を買おうと思った。友人が文房具店でも売っているから、と値段を聞いてくれた。日本への値段に加えて、スウェーデンとオーストリアの値段までいちいち聞いてもらって、申し訳なかった。三国の料金はすべて同じだった。

そのあと、お菓子屋さん?に備えてある、コーンのアイスクリームを食べる。どこの町でも必ず「Jip Jop」というアイスクリームメーカーの看板がある。「ホーキーポーキー」という蜂蜜の粒が入ったアイスクリームを食べた。NZオリジナルのものらしい。ここのお店はアフリカ系の人が経営していた。

町歩きが楽しくて、ずいぶん時間が経ってしまったが、ここで今夜の食料を調達しておかなければならない。商店街にもお肉屋さんや八百屋さんがあったが、スーパーに入った。
NZ見聞録「二日目」で書くのを忘れていたが、NZのスーパーも形式はスウェーデンと同様だった。日本のような手提げカゴではなく、おおっきなカートで買い物する。こんなに買わないって。みんな車で来て買いだめするのかな。それともよく食べるのか?
サラダ菜のパックと、にんにく1つと、量り売りのマッシュルームたくさんと、牛肉を購入。マッスルの量り売りもあった。昨日も食べたが、今日も購入。他にも色々見たかったが、時間が押しているのでさっと帰る。

トンガリロ国立公園

友人の提案で、国立公園を通ってからタウポに向かうことにした。公園といっても滑り台やブランコがあるわけではない。自然の姿を残すために、国が指定・管理する土地である。

山道を越えたあたりに「PIRIKA LOOCKOUT」という標識があったので、車を止めた。景色の良い所にはこうした標識があってわかりやすい。車から降りると、向こうには山、眼下には川と鉄道の線路が見えて、なるほどすばらしい眺めだ。友人は日本の家族のためにハンディカメラで撮影を始めた。私もカメラを取り出したが、とてもカメラの画面に収まりきるものではない。ここは目にしっかり焼き付けておこうと思った。

さらにドライブは続く。NZといえば羊だが、本当に羊、羊、羊、たまに牛、また羊、羊、羊…といった感じだ。羊を写真に撮ろうとするが、彼らは車を止めた時点で警戒し、窓を下げたところで逃げ出し、カメラを構えるともうそこにはいない。羊達は臆病なのだ。

大きな円柱のかたちにまとめられているのは干草だ。羊のいない牧場にピラミッド型に積み上げられているので見たら、「SALE」という文字と電話番号が書かれていた。こんな形で売り地をアピールするとは、面白いなあと思った。

やがて、前方に2つの山が見えてきた。「国立公園内にある山だよ」と教えてくれた。すごーい。きれーい。これまで目にしていた緑の山とは違う、大きな山がまるで手をつなぐように並んでそびえていた。
大喜びで写真を撮るが、車が進むに従って山の見え方も変わり、そのたびにシャッターを押したくなる。きりがないぞ!山に向かって進むうちに国立公園内に入っていた。これまでの牧草地帯とは様子が違う。おりしも夕暮れどきで、赤く染まる大地の中、一本道を友人の車は駆けた。右手に見える山はまるで富士山のような形をしている。私達はそれを「ニュージーランド富士」と呼ぶことにした。

道路標識

旅行に出ると「林屋ぺー」化してしまう私だが、今回絶対撮りたいものに「道路標識」があった。「ワールド・カルチャー・ガイド ニュージーランド」を読んで、面白い道路標識がいろいろとあることを知っていたのだ。

パックツアーだったら絶対無理だが、友人は標識を見つけるたびに車を止めてくれた。通りすぎてしまったときなど、わざわざ停止してギュルギュルとバックまでしてくれるのだ。NZ滞在中に写真に収めた標識は、「馬に乗る人注意」「牛注意」「消防車注意」「丸太を積んだトラック注意」そして「羊注意」。スウェーデンでも「カモシカ注意」の標識は見たが、こんなにバラエティに富んではいなかったと思う。

友人は南島で「ペンギン注意」の標識を見たという。「でもそれは、たぶん洒落だと思うけどね。水族館の近くだったし」とは友人。でも、いいな〜。

そして今、私達はとうとう遭遇した!!念願の、でもきっと無理だよね、と思っていた、「キウイに注意」の標識!!絶滅寸前のキウイ(鳥)がこんなところにひょっこり出てくるとは思えないが、国立公園内だからだろうか?

私は興奮しながら、シャッターを切った。やったよ!これで私の「道路標識コレクション」が完成した!

きゃあきゃあ言いながら、夜の近づいた道を走る。両側にはススキに似た、でもちょっと違う羽箒のような草が群生して、アーチのようだ。
※この植物、NZ旅行中に何度となくみかけたのだが、やっぱりススキの仲間なのだろうか。

タウポのモーテル

翼よ!あれがタウポの灯だ。イヤ翼じゃないって。すっかり日は暮れていた。坂の上から見下ろしたタウポの町の明かりは美しかった。
町を入ってすぐに、2軒のモーテルがある。「どっちにする?」。優柔不断の私に聞かないで〜。設備や価格も同じくらい。結局、「釣り人の宿」と書かれている方のモーテルにした。

モーテルの部屋のベランダから外を見ると、そこにはプールがあった。近づいてみると湯気が出ているので、温水かな?と思ったけど、さほど温かいわけではなく、外の気温が低くなっているためだった。入りたいけど、風邪引いちゃうな。
空を見上げると、そこには南十字星があった。北半球では見ることのできない星座だ。「すぐ近くに、ニセ南十字星もあるから注意だよ」と友人。ニセモノの方は本物より大きい。知らなかったら、そっちが本物と思ってしまうかもしれない。友人は、天気や場所によってはもっと星がはっきり見えて、天の川が本当にミルクをこぼしたようなのだと語った。

本日の夕食はにんにくたっぷり牛肉のステーキ・マッシュルームソースと、野菜サラダ、マッスルそして西利の漬物。生のマッシュルームを扱うのは実ははじめて。家できのこといったら、シメジやシイタケくらいのものだ。マッシュルームは生のまま食べることもできて、サラダに使われたりもするそうだ。試しにマッシュルームを生のまま食べてみた。柔らかくて、確かにおいしい、かもしれない。炒めたら、予想以上に水分が出て、ソースにするにはぴったりだなあと思った。

昨日は私が先だったので、今日は友人に先にシャワーを使ってもらった。友人のあとすぐ続けてシャワーを浴びていたら、シャワーのお湯が水になってしまった。ぎゃー。石鹸がついたままでは仕方がないので、水になったシャワーで急いで流す。ひえー!どうも、お湯は1度に30分しかもたないらしい。ということは一人15分以内に済ませなくてはならない。長風呂の私にはなかなか厳しい。

夜、友人がこれまでNZで過ごしてきた間に撮った写真を見せてくれた。南島の写真もたくさんある。かなり眠いが、これを逃すと次にいつ機会があるか…。ペンギンの写真もあった。こんな近くで見られたなんて、いいなぁ。鯨もイルカも見て、いいなぁ。

 

〜つづく〜


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