ニュージーランド見聞録

友人を訪ねて、ニュージーランドへ遊びに行きました。

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タウポの朝

朝、まずは洗濯をすることにした。別の建物にコインランドリ−があるのだ。外は寒い!眠いし、出たくなかったが、これを逃すと次はいつできるかわからないので、頑張って移動。洗濯機をガラガラ回して、少ししてから今度は乾燥機へ。しばらくして見に行ったが、まだ乾いていない。再度乾燥機を回して、その間に、昨日の晩御飯の残りで朝食を済ませる。結局洗濯物は生乾きのままだった。時間に対して、量が多かったのかも。どうしよう、くさくなる…。

しかしまあ、どうしようもないので出かけることにした。荷物をまとめ、車を受付に回して部屋代の精算。都会に近いので、昨日のモーテルよりは高いかもしれないと友人は言っていたが、二人合わせて100ドルしなかった…と思う。とにかく、思ったより安かった。

モーテルの前で写真を撮った。「どこでも写真撮っちゃって、おのぼりさんみたいかな」と思ったが、実際そうなので構うまい。友人も私の写真撮影にはいつも快く協力してくれ、「ここで撮っておく?」とか「これ撮っておかなくていいの?」とか、聞いてくれる。

空はどんより曇っている。風も冷たい。モーテルの庭先の木は真っ赤に紅葉していた。

モーテルを出て少し行くと、ガソリンスタンドがあった。走り出すとなかなか機会がないので、給油することにした。NZのガソリンスタンドはセルフサービスが基本らしい。友人は手馴れた手つきでガソリンを入れていた。すごいぞ。お金を払うときはお店の中に行き、店員に払う。窓拭きやらゴミ捨てやらしてくれる日本のスタンドとは大違いだ。このまま走って逃げても大丈夫そうだが。

NZのシダ

「シダはNZのシンボルとなっている植物なんだよ」。また友人から新たな情報が。そういえば、NZのラグビーチーム、オールブラックスのユニフォームにもシダの模様が刺繍してあった。しかしシダって、生物で習う、あのシダ植物だよね?地球の大昔からある植物で、森の木陰のじめじめしたところにいる…。そんなのが国の象徴なんて。
「イヤ、私達の普通イメージするシダより、ずっと大きいんだよ。この辺にもそろそろ…あ、ほらあれ」。友人が示した方を見ると、木のような大きさのシダがあった。盛りの中、普通の木に紛れて立ち並んでいる。シダ、というより椰子の木のようだった。葉を見ると確かにシダだ。
このシダ達を見ると、たくましさ・生命力を感じる。それなら国の象徴というのもうなづける。

人の家の庭先にシダが一本だけ立っていた。記念に、写真を撮ってもらう。タイトルは「シダと私」。

このあと、各地でこの巨大シダを目にすることになる。

タウポ湖

町を出るとき、ちょっと道に迷ったりした。町をぐるっと回って同じところに出ちゃったりして。私はかなり重度の方向音痴なのであてにはならない(いばるな)。

町から出てすぐにタウポ湖がある。せっかくなので、ちょっと寄り道。けっこう湖近くまで乗り入れられる。

一歩車の外に出ると、さ、寒い!気温も低いが、湖周辺は特に冷たい風が吹いている。あの木の下で写真を撮ろうかーと言ったそのあたりによその車がやってきて停まってしまった。タイミング良すぎ。とりあえず、湖をバックに凍えた笑顔で記念撮影。

実はこのあたりから、私は体調の異変を感じていた。なんとなくお腹が痛い。冷えや食べ物によるものではなく、「なんか疲れちゃった」と言っているような痛みなのだ。旅行の後半で体調が悪くなることはけっこうあったが、ま、まだ半分だぞぉ。耐えられない痛みでもないが、、友人と会話していて時々うかない返事になってしまうかもしれない。

途中、ネイピアという町を通った。道路を走っているとすぐ横に海が見えて、その手前には牛たちが草を食んでいる。絵になる光景だ。
「ティッシューのネピアはここから名前を取ったんだよ」。友人が教えてくれたのだが、ちょうど腹痛のさざ波が寄せてきていたところだったので、「へー」とか、ちょっと気のない返事をしてしまったかもしれない。

超トイレ

町についた。トイレに行けば腹痛が治るというわけでもないのだが、やはり行っておくことにした。

そこは有料公衆トイレだった。大きな看板があって、「SUPER LOO」と書いてあった。なんだろう、「LOO」って。辞書で調べると、「トイレの意」。「超トイレ」か。看板には、トイレのほか、シャワーや授乳、コインロッカーの絵もある。そのあたりが「SUPER」なのだろう。中に入ると、案内の人の座る席がった。トイレの入り口はバーで通せんぼしてある。お金(2セント?)を入れるとバーが動いて中に入れる仕組みになっている。
さすが有料、中は広々としてきれいだ。シャワーもある。旅人は利用するんだろうな…。

銀行

友人の用で銀行へ。外国に口座を持つなんて、なんだかすごいわ。友人は2回ほど窓口をたらい回しにされたあと、窓口で定期預金からの引出しをしたい旨告げると、係員が何か言ってきた。引き落とすだけなのに、何だろう?友人も「?」という顔をしている。しばらくやり取りをしていたら、話が見えた。友人は何回か定期を引き落としているが、それだと手数料ばかりかかって利息がつかないので、いっそ解約して普通預金にした方が良い、とアドバイスしてくれていたのだった。親切だ。

そういえば、ワイトモの売店のおばちゃんもテレホンカードについていろいろ説明してくれた(聞きとれなかったけど)。

ランチにしましょう

NZは左右に牧場や山を見ながらひたすら走っていると、突如町が現れる。町を抜けるとまた長い道。しばらく行くとまた町…。そんな繰り返しだった。小さな町でも、銀行やらGSやら、ひととおりのものは揃っている。

オシャレなカフェも何軒もある。今日のお昼はパン屋さんで調達した。かぼちゃのサラダとミートパイ。町を出て、丘の上で食べた。風が強くて寒い!!車の中で食べれば良いのに、むきになってそこにいた。

こういった何でもないところにもしっかりベンチやテーブルやゴミ箱があって、ちょっと休憩ができるようになっているところがいいな、と思う。日本だったら公園へ行っても気軽にお弁当を食べたりは難しいかもしれない。

HUKA FALLS

今日の最終目的地はロトルア。その前に2箇所ほど寄り道をする。

まずは「HUKA FALLS」(ハカ滝)。寒そうなので、上着の下にさらにセーターを着た。駐車場には他にも何台か車が停まっている。キャンピングカーもあった。NZではキャンピングカーをよくみかけた。旅行好きの人が多いようだ。受付建物があり、その先を少し行くと、ドドドドという水音が聞こえてきた。

フカ滝の水は氷河から溶け出したもののため、美しい水色をしている。まるでディズニーランドのアトラクションの水のよう。滝自体は高低差はあまりないが、水量がものすごくて、迫力がある。

滝の前で記念撮影。友達がそばにいる人にシャッターを押すのを頼んでくれた。日本でだって、シャッター押しをお願いするのはちょっとドキドキする。おばさん達に頼むと、たいてい「あら私だめだわ、あなたとってあげて」「私もダメよ〜」という展開になる。カップルの男性の方にお願いするとたいてい快く引き受けてくれる。おじさんの場合、ものすごくこだわる人がいて、「もっと前に出て」「もっと右」とかなり真剣に指示してくれる。

友達もちょっとタイミングをみはからってから、初老のご夫婦のだんなさんの方に「Could you take a picture of us?」と声をかけた。おじさまは「Sure.」と答え、私達の写真を撮ってくれた。ここで友達の「超基礎英語講座」。「私達の写真っていうのはour pictureじゃなくてpicture of usなんだよ」。そうなんだ。「写真を撮っていただけますか」って、中学校で習った気がするけど、すっかり忘れてたよ。あのころは英語のテストもほとんど満点だったけど、実際まったく使えない典型的な英語ダメ人間になってしまいました。「picture of us」かぁ…。私はこの旅行の間に、絶対にこのフレーズを使ってみようと、このとき心に決めたのだった。

私たちが写真を撮ってもらったあと、友人が東洋人の若者のグループにシャッター押しを頼まれた。かなりアングルにこだわってポーズを取っていたので、多分中国の人だろうと思った。

Craters of the Moon

また車に戻り、今度はワイラケイという地熱地帯へ向かう。箱根の大涌谷のような所かな?途中、ヘリコプター乗り場があり、時間があれば乗るのになーと残念に思った。

地熱地帯は歩いて回れるようになっているが、ぐるりと一周するとかなりの時間がかかるため、私たちはちょっと短いコースを行った。入り口からしばらくは左右に植物の生えた小道を歩くが、中ほどに行くに従って、地熱のために植物が少なくなっている。赤い岩肌が見え、ところどころ白い煙がもうもうと上がっている。大きな白い煙の柱に突入してみた。真っ白で温かい。「隊長!前が見えません!」と探検隊ごっこをしてしまう。

一番の見ものは「Craters of the Moon」という巨大な噴火口だ。月のクレータのように見えるためこの名がある。隕石の落ちた後のようにも見える。中を覗きこむと泥がぐつぐつと煮えたぎっている。が、その横には緑の雑草のようなものが見える。こんな生きるには最悪の条件のもとでも生命がしっかりと息づいている。その生命力には感心した。

Craters of the Moonの手前に案内板があったので、説明を読みたいなと思ったが、その前には学生らしき女の子二人が座りこみ、せっせと内容をノートに書き写している。学校の宿題かな?大学生くらいに見えたが、友人によると高校生かもしかしたら中学生かもしれないと言っていた。大きい…。さすがに勉強の邪魔はできないので、そっとその場所を離れた。

このあとは本日の宿泊地ロトルアに向かう。

宿探し

ロトルアの町についた。温泉のある町で、北島では有名な観光地だ。たしかに、今まで立ち寄った町の中ではオークランドに次いで大きいような気がする。

今日の宿とハンギショーをやっているところを探しに、観光案内所へ向かう。いかにもコンクリートの建物ではなく、可愛らしい洋館風でおしゃれだ。
ガイドブックに温泉を引いている宿があるとかいてあったので、係の人に尋ねると、そんなものは聞いたことがないという。あれ〜?ここに書いてあるのに…。宿は後回しにして、ハンギショーについて聞いてみた。ハンギショーを行なっているところは何ヶ所かあるが、一番近いところを予約してもらった。そうこうしているうちに観光案内所はクローズの時間。

気がつけば夕暮れ。宿はガイドブックに載っていたB&Bに友人が直接電話をかけてくれた。日本人が経営していて、温泉をひいているという…。電話に出たのは思いっきり日本人経営者の奥様で、友人は日本語で予約をしてくれた。私達は観光案内所の前の電話ボックスから電話をかけていたが、そのB&Bはわりと近くにあり、車で移動するとあっという間だった。

宿につくとオーナーが出てきて、路上駐車は危険だ、と言う。友人はB&Bの前に停めようとしていたが、このあたりは車上荒らしなどもあるということで、隣のB&Bの駐車場に友人の車を置かせてもらえるよう手配してくれた。ほっ。

ダイニングでドアの鍵や門限、お風呂の使い方などの説明をしてもらう。
そういえば生乾きの洗濯物があったのだ…。コインランドリーはあるか聞いてみると、「洗濯物があるならこちらでやっておきますよ」。そっそんな、人様に洗ってもらうなんて。乾燥させたいだけだと話すと、乾かしておいていただけるとのことで、お言葉に甘えることにした。
次に、私達のお部屋を案内してもらった。き〜れ〜!!(←「綺麗」といいたい)これまでのモーテルもなかなかこぎれいで可愛らしかったが、お掃除やお部屋のセットがものすごく行き届いていて、しかもお布団やカーテンは花柄…男同士で泊まるんだったらちょっとキツイかもしれないが、レースのカーテンもあるし、お蝶婦人(若者は知らないか?)ごっこができそうだ。

それからお風呂の説明。各部屋にもシャワーはあるが、ここでは温泉のお湯を使った共同のお風呂があるのだ。ロトルアは温泉が有名だが、たいていは水着着用で入るもので、日本風のお風呂は珍しい。私達の他に泊まっている人はそう多くなさそうだし、ハンギショーから帰ってからゆっくりと入るつもりだ。

ハンギショー

ハンギショーを見るために近くのホテルへ行く。歩いても行けそうだが、夜遅いし、そんなに治安がよくなさそうなので、車で行った。

ハンギとは…ニュージーランドの原住民、マオリ族の伝統料理である。お肉や野菜を蒸し焼きにして食べるシンプルなもの。ハンギショーではそのハンギを食しつつ、マオリの人々の歌や踊りを紹介するショーを見せてもらえるのだ。

指示された会場へ行くと、たくさんの丸いテーブルが並んでおり、半分以上の席が埋まっていた。日本人観光客の団体もいた。すると友人が「あっ」と驚きの声を上げた。その団体さんの中に知っている人がいたのだ。世間はせまい!

すでに席は決まっているらしく、私達はステージ前のテーブルに案内された。ボーイさんがすでにテーブルについている人達とあとから来た人達を簡単に紹介してくれる。テーブルには4人家族、カップル、そして私達が座った。

最初にお料理を取ってくる。ブッフェスタイルで、ハンギのほかにも普通に前菜やビーフシチューなどがあった。デザートはどれも甘そうなので躊躇したが、NZの代表的なお菓子「パブロワ」(メレンゲでできたケーキみたいなもの)とチョコレートのケーキとアイスクリームをあとから取りに行った。結局たくさん取ってるじゃん!がしかし、予想どおりケーキもパブロワも気絶しそうなくらい甘かった。

ショーが始まった。伝統の衣装を身にまとったマオリの男性が登場する。彼の名はジェームズというらしい。司会の人の言葉を隣のテーブルで日本人団体客のガイドさんが通訳しているので、聞き耳を立てる。
お客の中からステージに上がってくれる人を募った。こういうとき、私はものすごく緊張してしまう。立候補者がいなくて私が指名されたらどうしよう。司会者の目にとまらないよう息を潜め、身を堅くした。私の心配をよそに、同じテーブルにいたパパさんが息子にお願いされて名乗り出ていた。助かったよ、パパさん。
ジェームズが舞台端にいて、パパさんが近づいていく。多分マオリの森の中という設定なのだろう。侵入者を発見したジェームズは相手を威嚇する動作をする。これがまた怖いんだ。目を剥き出し、舌を出し、奇声を上げながら不思議な足運びでパパさんに近づいていく。ショーと知っていながらも、あの顔を正面で見たら泣いちゃうだろうな〜と思った。ジェームズは自分とパパさんの間に大きな木の葉を置いた。これを拾うと「私は敵ではありません」という意味になるらしい。パパさんが木の葉を拾ってジェームズの威嚇の動きは止まった。近づいて鼻を合わせる。友好の動作だ。パパさんの息子は誇らしげにステージを見守っていた。やったね、パパさん。
あとで私はジェームズと一緒に写真を撮ってもらった。

それからマオリの伝説を題材にした歌があり、続いて踊りがあった。男性の踊りは「ハカ」という戦闘の前の踊り。ずいぶん前だが栄養ドリンクのCMで「ガンバッテガンバッテ仕事〜」と歌いながら踊るものがあったが、あれはこのマオリの伝統舞踊から来ているらしい。正確に言うとハカをNZのラグビーチーム「オールブラックス」が試合前に踊り、それを参考にしたのかな。女性の踊りは「ポイダンス」といって先に丸い玉がついた紐を操ってクルクル回しながら踊る。歌も踊りも明るく生命力に満ちていて、素晴らしかった。特に中心となっている女性がとても楽しそうな笑顔で、輝くようだった。

ショーの終わりに、今日のお客さんの出身国の歌を歌ってくれた。日本の歌としては「SUKIYAKI(上をむいて歩こう)」が歌われた。日本人のお客が多かったのでサービスということだろう、日本人客全員がステージに上がって手をつなぎながら合唱することになった。ヤメテ〜!そういうのは嫌いなのだが私も大人になってヤダヤダ駄々をこねることもできず、歌の輪の中に入ってしまった。同じテーブルの奥さんが私のカメラでテーブルから写真を撮ってくれるというのでお願いした。写真を撮ってもらえれば記念になるからいいか。がしかし、ステージ上からテーブルを見ると奥さんが首をかしげている。えっ何?あとで見てみるとフィルムがきちんと入ってなかった!これはかなりショックだ。ステージから微笑みかけた私は何だったのか…。

まあまあ、最後にかくっとなったが、興奮のうちにハンギショーは終了した。会場を去るとき、出口近くでショーに使用した踊りの小道具などを販売していた。それを見た友人は「ショーでマオリの人の笑顔が素晴らしいと思ったけど、商業主義を見てちょっとがっかり」と言っていた。イヤイヤそんなことはないよ。だって元手がなければ伝統文化を伝えることなんてできないからね。利益だけが目的になったら残念だけど、ボランティアじゃあやっていけない。

 

〜つづく〜


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