ニュージーランド見聞録

友人を訪ねて、ニュージーランドへ遊びに行きました。

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フィジュアある食卓

オークランド郊外で迎える朝。空気は冷たい。朝ごはんは昨日買ったパン、トマトとマッシュルームのオムレツ、果物に紅茶だ。普段はごはん食なので、なんとなくオシャレに感じる。

果物は「フィジュア」というもの。発音しにくいなー。緑色で、大きさはレモンくらい?皮はかんきつ類のようだが、中身はねっとりしてキウイのようにスプーンですくって食べる感じだ。これは3日目の朝、ワイトモのツチボタルを見に行く途中、果物農家で買ったものだ。そのときはまだまだ硬くてとても食べられなかった。農家のおじさんが数日すれば熟れて食べごろになると言っていた。あまい香りはするけど、食べてみるとまだもう少しかなという気がする。ちょっと生臭いような南国の香りがする。

オークランドの街へ出発。その前にモーテルの前で写真を撮る。結構派手な看板だ。ブルー地に黄色の文字でモーテルの名前が書いてある。

車に乗りこんで、れっつらごー!

オークランドの街

私がNZに来るとき、「オークランドってどんなところ?」と聞いたら、友人は「うーん、大宮(埼玉県)みたいな感じ」と答えた。私自身は大宮に行ったことがないのでその意味が正確にはわからないが、都会なんだけど渋谷や新宿のようにごちゃごちゃしていない、ということだろうか?

オークランド中心部に到着して、駐車場を探してグルグル回す。初日も街中を少し通ったが、けっこう小さい!北島で最大の都市のはずだが…。そして坂が多い。海のそばが繁華街だがそこに向かってすべての道が坂になっている。しかも急な坂が多く、そこを車で下るときなど、遊園地のアトラクションに乗っている気分だった。

繁華街から少し離れたところに比較的安価な駐車場があった。その駐車場までの道も急な坂。駐車場内には係員がいて誘導してくれる。外にも置くスペースがあるが私たちはビルの中に置いた。車を降りると係員が料金を徴収しに来て、何事か告げた。このビルは夕方になると防犯シャッターが閉まるので、それ以降に車を出すなら暗証番号を使ってドアやシャッターを開けてほしいとのことだった。

駐車場を出て坂道を下っていく。海が近くなり、高層ビルが見えてきた。と、そこに何やら音楽が聞こえた。近づいていくと、バグパイクを抱え、スコットランドの民族衣装をまとった楽団。おおっ。はじめて見た。「丘の上の王子様」のスタイルだ。
その後にぞろぞろとマントを羽織った団体が続く。その団体はいくつかのグループに分かれており、グループの先頭の人は旗を持っていた。書かれている文字を見ると、大学の学部名のようだった。卒業パレードなのだろうか。でも時期的に違う気もするが?
団体の前半は割りと年かさで立派そうな人々が威儀を正して歩いていたが、後の方になると若い人たちが多くなった。
偶然に珍しいものを見ることができた。

SKY Tower

オークランドのランドマーク、「スカイタワー」。まずはこれに登ろう。このタワーではバンジージャンプも体験できるという話だが、こんな街中でやる人いるのかね?

が、その前に、いいかげん家に電話をしなければならない。NZに着いたら電話しようと思ったのに、考えてみればもう帰る前の日じゃないか。かなり心配しているだろうな…。スカイタワー内の公衆電話からかけてみると、幸い母が出た。案の定「どうしたの!?連絡ないから、Mちゃんに会えなくて行方不明になったかと思ってたのよ!!」とかなり心配していた。いろいろ言い訳したが、申し訳ない。そのあと、「今NZなの?まるで近所からかけているみたいに良く聞こえるね!」と、イタリアから電話をかけたときと同じことを言っていた。そして友人MちゃんがNZから電話をくれたときも同じことを言っていた。最後に「くれぐれもMちゃんによろしくね。最後まで無事故で元気にね!!」と言われ、電話を切った。
隣の電話機では友人が今夜のレストランを予約してくれていた。「よかった。通じたよ♪」1年近くNZにいる友人にはお茶の子かと思ったが、やっぱりドキドキするものなんだー。

さてさて、それでは展望台へ上がりましょうかね。1階の受付でチケットを購入し、展望台までエレベータで向かう。東京タワーなどと同様、展望台の上にさらに最上階があり、そこへは別のエレベータに乗りかえる方式だ。

まずは展望台。うん、高い。窓ガラスにぴったりくっついて外の景色を見ると、腰が抜けそうになる。何ヶ所か床がガラス張りになっていて下が覗けるようになっている部分があった。友人は高いところが苦手らしく絶対見ない!!と言っていた。特別苦手でない私もちょっと怖かった。

と、突然「ワーッ」という歓声が響いた。どうやらバンジージャンプをした人がいたらしい。アホか!!でもその瞬間ちょっと見たいな。

それからさらに上の階に上がった。ここまで高いところに来てしまうと、逆に怖くないのはなぜだろう。また窓の下を覗いてみた。この階と下の展望台の間にバンジージャンプをする場所があるらしい。ちょうど女の人がバンジーに挑戦すべく準備していた。よしなさいよあなた!中国青島の「海上滑降」も驚いたけど…。

バンジーといっても足首にロープをつけて逆さに飛び降りるのではない。さすがに街中のタワーでそれをやるのは危険だろう。ブラブラしちゃうし。バンジーをする人は専用の服を着て、胴にベルトのようなものを装着し、ロープで接続される。そのロープを命綱にして飛び降りるようだ。もちろん、着地点には大きなマットが広げられている。その後、タワーの下の階に降りたあともバンジーをしてる人を見た。そのときは地面に近い位置だったので、ゆっくりと着地に向かっているところだった。みんな好きだなあ。

リピートアフタミー

シティタワー内にマオリの大きな船が飾ってある。それを眺めていると、どちらからともなく、「この前で二人で写真撮ってもらおうか」ということになった。友人は当然のごとく自らお願いしてくれようとした。が、私には一昨日からの決意があった。「私がお願いするよ」。そう、FUKA FALLSに行った時に友人に習った、あのフレーズを使うときが来たのだ。「Could you take a picture of us?」だ。

私はもちろん「シャッター押し依頼は男女二人連れの男性の方を狙う」というルールに従って周囲を見渡した。んー適当なターゲットがいない。あ、前方に熟年カップル発見。よおおし。そのときの私は獲物を狙う獣の目をしていたに違いない。異様な殺気を放ちながら、方々を眺めつつ近づいてくる熟年カップルを待った。が、二人は時折立ち止まり、建物の展示物などについて語らったりして、一向に至近距離までやってこない。業を煮やした私はそろりそろりと忍び足で近寄っていった。男性の方に目が合ったその瞬間、「エクスキューズミー」と声をかけ、間髪入れずに「クッジューテイクアピクチャーオブアス?」と畳み掛けた。良かった舌をかまなくて!男性は「OK」とか何とか言って私たちの写真を撮ってくれた。ふー通じたよ。まあ考えてみたら手にカメラを持っていたことだし、通じるとかなんとかって話ではないのだが。

シティタワーを出た後、手持ちのお金が心もとないので、少し両替をすることにした。銀行やお店によってレートが違うのだが、よくワカラナイ。とりあえず、友人が以前利用した中国系の両替商の店に入った。調子付いた私はここでも「両替したいのですが」というトラベル英会話の例文を使ってみた。が、ここは両替店。お金を差し出した時点で両替とわかるじゃないか。

異国の中の異国ごはん

あっという間にお昼になった。お店が連なる通りを歩きつつ、どこで食事にするか相談した。うーん、色々なものがあってかなり悩む。移民が多いためだろう、ファストフード的なものを含めると、様々な国の料理が食べられる。中華料理やタイ料理もあるし、日本食の料理店も何軒もあった。

私たちはケバブの小さなファストフード店に入った。ケバブはトルコ料理だが、気軽に食べられるようアレンジしてあるようだ。形としては近年ケンタッキーフライドチキンで販売している「クリスピーチキンサンド」のようだ。お肉と野菜を小麦粉の皮で巻いてある。お肉の種類もいくつか選べたが、やっぱりケバブといったら本来羊だろうと思って、羊の肉を注文した。が、失敗。実は元々私は羊の肉は苦手なのだ。だって日本でダメでも外国でなら食べられる気がしたんだもーん。ソースも各種ありいくつでも選べるようだったがよくわからないので一番無難そうなものにした。

そしてお買い物へ。デコレーションケーキのお店があった。イベントやプレゼントに使うものだろう、バラの花やアニメの人気キャラクターが描かれていたり、立体的な飾りとしてケーキにのっていたり。カラフルに着色されていて、キレイだけど絶対食べたくないな…元々食べるのが目的ではないのだろう。

お土産を探せ

頼まれていたおみやげ物から片付けよう。まずはオールブラックスのシャツ。看板があるのですぐに見つかった。小さなスポーツ洋品店で、そんなに混み合っていない。シダの刺繍のあるポロシャツを見てみると…うーん、思ったより高価なのね。NZは食費や宿泊代は安いと思ったが、その他のモノに関しては日本とさほど変わらないと思った。シャツの大きさは迷った。Mサイズでも日本のLより大きそうな感じだ。
なんとか買うものを決めてレジへ。レジに打ち出された表示を見てお財布からお金を取り出す。お札は問題ないが、硬貨がなかなか覚えられなくて、しかも足し算が苦手なので手間取った。えっっとあっこれはドルじゃなくてセントか…などと一枚一枚カウンターの上に並べていった。他にお客さんが待っていなくて良かった。レジのお兄さんも辛抱強く待ってくれている。ぴったりの額を出し終えるとお兄さんは「Good」だか「Cool」とか言って親指を立てた。良かった親指が下向きじゃなくて。まるで「はじめてのおつかい」だ。

続いて「ビーフジャーキー」を探しに行く。ビーフジャーキーなんてスーパーにいくらでもあると思ったが、なかった。しかし私は見つけなければならない。職場で私の留守中何かあったら対応してくれるようお願いした人が、「じゃあビーフジャーキー」と言っていたのだ。だから何としても買って帰らなければ。ポークジャーキーではダメだし、ビーフコンソメスープでもダメだ。ビーフジャーキーだ。小さなお店ではなさそうなので、有名な大型お土産店に行ってみた。こういう店って、「現地らしいもの」ではなくて「お土産らしいもの」になってしまうんだよな。そこでもすぐには見つからなくて困った。そもそもビーフジャーキー自体がNZではなじみがないものなんじゃ。それにパッケージで探すにしてもどういう綴りだろう。「jerky」か「jurky」か?(正解は「jerky」)フラフラしてきたとき、お店の思いっきり端っこにビーフジャーキーがぶら下がっているのを発見した。よ、よかった…。しかし「てりやき風味」とか日本語で書いてあるぞ。思いっきり日本人向け。
※実はビーフジャーキーは空港の土産物店で大量に売っていた!

そのあと、スノードームやメモ帳や蜂蜜セットなど買った。職場にはお菓子+一人一人に雑貨(しかももらって困らないもの)を配りたかったが、なかなか適当なものがなく苦悩した。何度もお店を行ったり来たりして、足が棒になってしまった。

偶然の再会

友人と私はアーケード商店街といった趣の道を歩いていた。すると突然友人が立ち止まって驚きの声を上げた。すれ違った二人連れの日本人のうちの一人が、知っている人だったようだ。相手の人も驚いている。

懐かしがり道端でしばし近況など語る二人。あちらの連れの人と私はなんとなく顔を見合わせて、「詳しいことはよくわからないけど、なんか良かったですね」と目で会話した。

あとできくと、NZ旅行中に知り合って別れた相手だったそうだ。同じNZにいても、その後どうするかはお互い知らなかったし、まして今日オークランドにいるなんて想像もしなかったという。そして小さい街とはいえ、こうしてすれ違う確率ってどんなものだろう。友人はロトルアでも以前お世話になった人に再会している。こんなことってあるんだな…と感心した。

文房具店

外国の文房具でも書いたが、オークランドの街は文房具好きの私の心を満たしてはくれなかった。大きな書店兼文房具店に入ったが、文房具店に入ったら1時間でも時間を潰せる私が、15分くらいで出てきてしまった。
友人に、45分後に本のフロアで待ち合わせねと言われたが、そんな時間は必要なかった。何か見落としているものがあるんじゃ…とフロア内を何周もしたが、やはりないものはない。
しかしこの店、本のフロアにソファなどあって、座ってじっくり本を選べるのがいいなと思った。私が文房具フロアから戻ってくると、疲れがたまっている友人は本を片手に寝入っていた。

フェアウェルディナー

明日はお別れと言うことで、今夜はちょっと贅沢にレストランで食事をすることにした。友人が持っていたNZ在住日本人向け雑誌に載っていた「リモン」というイタリアンレストランだ。港のそばで、海が見えるお店だ。このあたりは飲食店がかたまっていて、専用の駐車場がある。日中停めていた駐車場に比べて駐車料金が高かった!

友人が予約してくれていたが、私たちがお店に入ったとき、お客は他に誰もいなかった。私たちにとっては充分夕食時だったが、現地の人にはまだ早い時間なのだろうか。一瞬、私たちは「まさか、評判悪くてお客が来ないんじゃ」「ううむ」と目で会話した。が、1時間ほどすると店内が込み合ってきたところを見ると、やはり食事時間の問題だったらしい。

私たちの席は窓際で、しかもテーブルにはキャンドルの光が揺らめいていた。なんてロマンチックな…。ドラマで見る恋人同士のディナーのようだわ。が、料理が3皿ほど運ばれてくると私たちのテーブルはいっぱいになってしまい、ロマンチックなキャンドルは他のテーブルへと移動されてしまった。なんなの…。食事が終わるとテーブルの上は飲み物だけになったが、「今さら戻してくださいとは言えないよね…」と隣の席の私たちのキャンドルを見つめた。

私たちが注文したのはサラダ、クリームパスタ、この店お勧めのチキンの料理。一皿ずつが大盛りだった。さすがの大食漢の私も大満足だった。途中、お店の人に二人の写真も撮ってもらった。

明日はお別れだ。話したいことは今のうちに話しておかなければ。そう思いつつも、何を話して良いのかわからない。口から出るのはとりとめもないことばかり。本当に別れ際の遠距離恋愛の恋人同士のようだ。

そういえば、このとき「今後の目標」を話したっけ。友人は、勉強をしたいと言っていた。知識ではなく、見識を豊かにする勉強を指していたような気がする。私はといえば、「あんまりスゴイのはないんだけど、うーん、インターネットに自分のサイト作るとか♪でもって毒にも薬にもならない私の文を発信しちゃったりして♪」と頭の悪そうな発言をしていた。そしてそれは数ヶ月後に実現して今もこうしてサイトの文章を書いているのだ。

「帰りたくない。このまま…」そんな気持ちの二人だったが、駐車場の延長料金が心配で、仕方なく帰ることにした。「大体XXドルかな」メニューを見ながら友人が概算を出した。会計をするとまさにそのくらいの金額で、友人は「おっ」と声を出した。店員さんは「予想より高かったの?安かったの?」と聞いてきたので、友人は「同じだった」と答えたらしい。そんな自分の回答に対して「すごくつまらない答えだよね」とコメントしていたが、細かいことは気にするな♪

別れの雨

駐車料金を払って、帰途につく。オークランドの街も見納めかあ。もう遅い時間なので閉まっているお店が多い。帰り道、せいぜい面白い看板を見つけて写真を撮るようにする。さようならラインセブン。ただでさえ暗いのに、ぽつぽつと雨まで降ってきて、物悲しい風情がある。NZにやってきた最初の日、青い空の下まぶしい日差しにあんなに輝いて見えたのに…。

オークランドの街を抜け、店もなくなり民家の並ぶ中を走っていると、いよいよ寂しさが胸に迫ってきた。明日はもうNZにはいないのだ。
「ねえ…なんかさぁ、寂しいよね」私がポツリと言うと友人は「そうだよねー!」と意外に大きな反応を示した。友人曰く、「私なんて、さっきレストランにいたころからすごく寂しくて。でも私はNZに残るからさみしいけど、ナキウサギちゃんはそうでもないのかなと思って黙ってたんだ」と。どうりで友人もなんとなく言葉少なだったわけだ。「そんなことないよ〜すっごい寂しいんだけど今」と言うと「そうだよね!寂しいよね!」「寂しいよ!」とお互い寂しいを連発して、それでちょっと気が晴れた。

今日は最後の日だし、夜通し話そうね!と言っていたが、やっぱりそうとう疲れていたのだろう。シャワーから出ると、友人は眠ってしまった。

NZ最後の夜だし…と思って浴槽に湯を張ってみた。だって浴槽があるってことは使えるんだよね、と思ったが、違った。やっぱりシャワーの途中でお湯が水になってしまった。浴槽にお湯を使わなければ水をかぶらずにすんだのに…。

友人は起きる様子はない。まあ無理もないだろう。連日運転して、あちこち案内もしてくれたのだから。私もあえて起こさなかった。またすぐに会えるのだからと思った。友人と私はは日本でも近くに住んでいるわけではない。この友人は移動することが多い。あるときは北海道。あるときは長野。私たちはそれでも年にに1度は必ず会える。友人が私の住んでいるところに来てくれることもあれば、私が友人のいるところへ訪ねて行くこともある。今回はNZまで来てしまった。だから明日さよならしてもそれは長い別れではないと思っているのだ。人間、どんなに距離が離れたところにいても、生きていれば必ず会えるのだ。

 

〜つづく〜


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