高校時代の友人とともに、カナダ・プリンスエドワード島を訪れました。
2004.08.28〜2004.09.04
もう何年前になるだろうか。大学を卒業し、会社に入ってまもなく、高校時代の友人Wとごはんを食べたときのこと。
「お互い、社会に出て収入も入るし、夏休みにカナダ行かない?」という話になった。「いいね!行こう!」
しかしこれが、なかなか実現しなかった。毎年毎年、春先に話が出るのだが、旅行資金が貯まらなかった、休みが取れない、他の予定とぶつかった…などなど、さまざまな理由で流れてきた。それでもお互いその約束は忘れていなくて、毎年毎年、「今年はどう、行けそう?」とどちらともなく確認するのだ。
そして今年、ようやく今年、双方「行けそう」「いや絶対行こう」と意見が一致し、数年来の約束であったカナダ旅行がここに実行されたのだ。ババーン。
ところでカナダといっても広い。どこに行こうか?雄大な大自然か、オシャレな町並みか。相談したところ、「プリンスエドワード島」という結果になった。これは意外だった。
プリンスエドワード島といえば、乙女に愛される物語「赤毛のアン」の舞台となったところだ。Wが「赤毛のアン」好きだとは、知らなかった。そして私も、近年ちょっとしたきっかけで「赤毛のアン」を読むまでは、むしろ「そんな少女趣味な本、読まんもんね」と侮っていたほどなのだ。実際の「赤毛のアン」は、女の子の夢物語といった単純な話ではない。現実社会にもある困難や人間関係も描かれている。それを作者の文章が希望に満ちた作品にしているのだ。この物語で描かれるプリンスエドワード島の風景はとても美しく、私はこの目で見てみたいなぁと思うようになった。
今年はカナダに行こう、と決定したのが今年初め。具体的な打ち合わせを始めたのが2月。休みの取りにくい仕事なので、「今年の8月末は一週間夏休みを取ります」と宣言しておいた。半年も先なのに。
この旅日記にも度々(ええ、ダジャレです)登場するMちゃんという友人がいる。全国各地を仕事をしながら旅して回る、寅さんのような人だ。最近は海外にまで進出し、インターナショナル・フリーアルバイターとなっている。
彼女がワーキングホリデーで今年カナダに行くことになっていた。彼女とは小学校からの付き合いだが、その頃から彼女の本棚には赤毛のアンシリーズがずらりと並んでいた。私のようなにわかファンではなく、「セリフを覚えるくらい繰り返し読んだ」アン愛好家なのだ。そんなわけで、彼女が行くのもカナダ東部、できればプリンスエドワード島(Prince Edward Isrand、以下「PEI」)で働きたいと言っていた。
WにMのことを話すと、「もしよければ一緒に回ってもいいよ」と言ってくれ、Mちゃんも「じゃあ私が運転するからレンタカー借りようよ」と提案してくれた。スバラシイ。
PEIは交通の便が良くないため、タクシーかツアーバスで回るつもりだった。でも友達が運転してくれるなら比較的自由に動けるので助かる。Mもドライブ好きなので、レンタカーを借りられるのは嬉しいそうだ。私達がPEIにいるうちの二日をMの運転でドライブすることになった。
MはPEIではなく、少し離れたフレデリクトンという町にアパートを借り、仕事を見つけた。8月末に仕事を辞めて、そのあとはカナダを巡る旅に出るというステキな計画だ。
Mちゃんが住んでいるところの図書館ではインターネットに接続したPCが使えるそうで、時々メールでやり取りしていた。ただ、日本語入力ができないので、文章はローマ字読みのアルファベットだ。込み入った話は難しいので、こちらの出発が近づいた頃から電話をくれるようになった。かけてくれるのはカナダの金曜夜20時。カナダ(フレデリクトン)と日本の時差は12時間。日本では土曜の朝8時でちょうどいいのだ。
前もって現地情報をもらえるのはありがたかった。特に、両替の話。私はトロント空港で両替をするつもりだったが、Mに注意された。トロントは治安が良くなくて、大金を両替していると目をつけられる危険があるというのだ。あー、私なんか正にいいカモだね。多少手数料が高くなるかもしれないが、日本で両替していこう。
Mちゃんに、お土産は何がほしいか聞いてみた。前回のNZではMちゃんは車を持っていたので、本やらお菓子やら漬物やら色々持って行ったが、今回は旅行カバンを抱えて交通機関を利用しての旅になるとのこと。軽いものの方が良いということで、お茶とゆかりを持っていくことにした。
お茶は「山本山」で煎茶と玄米茶を購入。精算待ちの間、アイスグリーンティの試飲をさせてくれた。すみません、ティーバッグ買っただけなのに。
飛行機は夜の便なので、昼ごろゆっくり出発した。朝出かけるなら成田エクスプレスを利用するが、時間に余裕があるので横須賀線の「エアポート成田」で行くことにした。
成田に着いて、まずは旅行会社のカウンターで航空券を受け取る。今回はHISを利用した。団体のカウンターは長蛇の列だが、個人のカウンターは空いていた。
次に、東京三菱銀行の窓口で両替をする。職場の人に、「現金は危険。クレジットカードを使わないならトラベラーズチェックを持っていったほうが良い。」とアドバイスを受けたので、今回初めてトラベラーズチェックを購入してみる。カナダドルは$500単位の購入になるので、7万円のうち$500分をトラベラーズチェック購入、残りを現金で両替にしてもらった。窓口の人がトラベラーズチェックの使い方を丁寧に教えてくれた。
時間になったので、チェックインの手続きをする。航空会社はエアカナダ。窓際の席はすでに埋まっていた。私達は格安航空券だが、正規料金で航空券を購入した人は購入時点で座席指定できるのだ。私達がいくら一番乗りでチェックインしても、よほど運が良くなければ気に入った座席は取れない。二人並んだ席が取れただけでも良しとしよう。
物騒なご時世なので、手荷物検査はさぞや厳しいだろうと覚悟していたが、すんなり通過した。ペットボトルを持っていたが、それもチェックされなかった。出国審査も通過し、搭乗口に移動。
搭乗開始になると、私はすぐに飛行機に乗り込もうとしてしまうのだが、友達はゆったりと構えて、列が短くなってから立ち上がった。そ、そうだよね、座席決まってるし、棚に置く荷物もないんだから、そう急ぐことはないんだよね。

飛行機はあまり苦痛でない私だが、今回はなぜか退屈だった。眠れないうえ、機内上映も面白いものがなかったからだろうか。
お楽しみの機内食もあまりおいしくなかった。エアカナダって、おいしそうなイメージだったんだけどな。

うだうだ過ごしているうちに、トロントに到着。現地時間は夜18:30。トロントと日本の時差は11時間なので、日本では朝の7:30だ。
まずは入国審査だが、これまで入国目的など一度も聞かれたことはなかったので、今回も「ハロー」で素通りだろうと踏んでいた。ところが周りの人の様子を見ていると、係員と会話している時間がやたら長い。い、一体何を話しているんだ?難しいことは答えられないよ。
先に友達が前に進んだので、神経を集中して、何を質問されているか後ろから聞いていた。観光の目的と訪問する場所を聞かれている。そのくらいなら答えられそうだが、変化球が来たらどうしよう。私の順番になり、おびえながら係員の前に行くと、係員に「Can you speek English?」と尋ねられたので、力いっぱい「ノー」と答える。すると、係員は日本語で「カンコウ?」と聞いてくれた。イエスイエス。「ぷりんすえどわーど島?」イエスイエス。パスポートの確認後、「行ってよし」という仕草をされたので、私は逃げるようにその場を離れた。ふー助かったよ。しかし、こんなことで大丈夫だろうか。
荷物を受け取り、外に出た。とりあえずホテルに向かおう。
今日の宿は空港のターミナル3に直結している「シェラトン・ゲートウェイ・ホテル」だ。私達の飛行機が着いたのはターミナル1なので、シャトルバスで移動する必要がある。表示に従ってシャトルバスの乗り場に辿り着き、少し待っているとすぐにバスが来た。行き先表示が「Terminal 3」になっていることを確認し、乗り込む。イヤイヤ、この空港は広いね。ターミナル3までけっこう距離があった。

ターミナル3に降り立つと、目の前にシェラトン・ゲートウェイ・ホテルがあった。渡り廊下か何かあるだろうと空港内を探したが、見つからない。仕方ないので、外の道路を渡った。
入り口から少し入ったところにあるエスカレータを上るとフロントがある。Wが「部屋まで荷物運んでもらうときに、チップがいるんじゃない?」と気がついた。二人とも小銭は持っていない。どうしよう。「あ、チェックインのときにくずしてもらえばいいのか」とW。くずして…「くずしてって、英語でなんていうの!?」Wに慌てて聞いた。まるで授業中当てられそうになって隣の席の子に答えを聞こうとするアホな生徒だ。そんな私を尻目に、Wが英語で言ってくれた。
が、チェックインではキーを渡されただけで、ポーターが荷物を運んでの部屋の案内はなかった。シェラトンと言ってもここはビジネスホテルのようだ。なぁんだ。しかし、さすがシェラトン、部屋は広くてベッドも巨大だった。でも日本のように歯ブラシは置いていなかった。外国ではホテルのクラスに関わらず置いていないものなのかな。
ちなみに窓は空港に面していて、なかなか良い眺めだ。下の写真は夜遅い時間に窓の外を撮ったもの。部屋の中が映りこんでちと失敗。

荷物を置くと、夕食に出かけた。もう日も暮れかけているし、明日は出発が早いので、目の前のターミナル3で食事をすることにした。飛行機の中で座っているだけだったので、あまり食欲はない。
ターミナル3にはレストランとファーストフードのお店が数軒あったが、どれもコテコテだ。早くもあっさりした食事が恋しくなった。レストランで食べるほどお腹はすいていないし、ハンバーガーやピザの気分ではないし。迷った挙句、パンのお店にした。
列に並んでいると、すぐ後ろに並んでいる親子連れが私達の方を見ながら何か話している。父親がふざけた口調で子供に話し掛けていて、内容はわからないが、私達のことを揶揄しているようだ。いい年してバカ親父だ。
店員さんはインド系の人のようだった。えらくむっとした顔でレジを打っている。一度聞き返されたが、なんとか注文を終えた。
私達は二人とも、サラダとスープのコンボ、ガーリックトースト付きを頼んだ。字面だけ見るとお腹に優しそうだと思ったが、そうではなかった。全体的にすごい量だ。サラダはカリフォルニアサラダとかいうもので、ドライフルーツやナッツが入っていて、あまり口に合わない。レタスもあまり新鮮でない。スープはものすごくしょっぱい。私は普段めったなことでは食事を残さないが、こればかりは我慢できず、半分ほどで降参した。

他のお客さんたちに問いたい。「この味をどう思っているんですか?許容範囲ですか?まさかおいしいと思ってるんですか?」
その夜、気がつけば口内炎ができていた。唇も荒れている。早くも体が異変を訴え始めたようだ…。
食事の後、空港内の売店に寄った。日本の家族と、カナダにいるMに電話をかけるため、テレホンカードを買うつもりだったのだ。
Mによると「Global box」というテレホンカードが安価で、$5程度のものを買えば充分だそうだ。町なかではタバコ屋や「Irving」というガソリンスタンドで売っており、空港なら売店に必ず置いてあるし、自動販売機もあるかもしれないという話だった。
そのため、テレホンカードなどすぐに手に入るものと思っていたが、意外とハードルが高かった。
売店のレジのお姉さんに「テレホンカードありますか?Global boxというのがほしいんですが」と、尋ねてみた。この英文はMに教わったとおりのものだ。すると、お姉さんは「そのカードはないわ。これならあるけど」と別のカードを出してきた。いきなり、予想外の回答!動揺しつつ、「日本に電話をかけたいんですが」と言うと、「このカードなら日本にかけられるわよ。でも$20のしかないの」との答え。$20!高いっす。1、2回しか使わないから、あまり高額のもの買うと無駄になるな…。しかたなく、お礼を言ってその場を離れた。あー、すぐ買えると思ったのに…。
試しに公衆電話を硬貨で利用してみようとしたが、国際電話の場合はデポジットとして最初に$10入れる必要があるらしい。$10分の硬貨っていうのが、また集まらないのよ…。
ホテルに戻ってシャワーを浴びると、11時間(約半日)の時差があるにもかかわらず、何の迷いもなく眠ることができた。。
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