図書室


2004年上半期の読書(作品編)(2004,7,23)

さて、印象に残っている作品をいくつかと、一言感想を。
 *『カーニバル』清涼院流水
いきなりこれかよ!とツッコみたくなりますね(笑)
カーニバル三部作、実は再読。なぜかもういちど読みたくなって。
遺跡のたくさん出てくる中盤までは冒険小説風味で面白いけど、オチが・・・オチがぁぁぁ、と夢に出てきてうなされそうなラスト。
・・・ん?別の人のある作品を読んだ時も、これとほぼ同じ感想だったような(滝汗)
でも、遺跡関連の描写はホントに好きです。
 *『虹果て村の秘密』有栖川有栖
講談社の児童向けレーベル。とはいえ大人が読んでも十二分に面白い!
作者さんたちが楽しんで書いてくれているのが伝わってきます。
特にこの作品は挿絵も良かったし、有栖川さんお得意の緻密なロジックがわかりやすく噛み砕かれても生き生きしていてすばらしかった。
 *『きみとぼくの壊れた世界』西尾維新
若手作家さんの台頭の理由のひとつにパラレルのようでパラレルでない、閉じているようで開かれている、不思議な世界観が作品内で構築されている、というものがあるように感じますが、この作品は、新しいミステリ的世界観・キミとボク派の最前線の作品と言えるでしょう。
体操服に保健室、不思議少女と兄ラブな妹・・・お約束な「萌え」要素がこれでもかと詰め込まれており、それが客寄せとなっているのかと思いきや、西尾さんのお得意の「内部からの崩壊」がはじまります。これが小気味良く、また今日も西尾作品に手を伸ばしてしまうのでした。
 *『密室の鍵貸します』東川篤哉
烏賊川市シリーズ第一弾。ユーモア、というかギャグが、スベってるようで意外にツボにハマります(笑)
なかなか味のある動物絡みの演出をしてくれていて、三毛猫ホームズが好きという作者の遊び心が覗けました。
 *『殺人交叉点』フレッド・カサック
やられた。
こういう作品、いくつも読んでるはずなのに・・・_| ̄|○
多くは語れません、ハイ。 

とりあえず以上です。で、今は銀河英雄伝説にハマッていたりする波心であります(笑)

2004年上半期の読書(シリーズもの)(2004,7,9)

さて、2004年上半期の読書のことをちょっくら書きます。
まず、ハマッた作家さんのシリーズ。
 *谺健二(神戸シリーズ『未明の悪夢』など)
どう表現したら良いのか。痛みが直に伝わってくるようでした。 
 *松尾由美(バルーンタウンシリーズ『バルーンタウンの手品師』など)
SF系。妊婦さんだけが住む街で起こる、奇天烈な事件の数々。
日常の謎系ですが、後味が良くて好きです。
 *デニス・ルヘイン(私立探偵パトリックシリーズ『愛しきものはすべて去りゆく』など)
キャラにも読者にも容赦ないなこの人。というのが感想だったり(汗)
「ミスティックリバー」に続いてこのシリーズも映画化もされるとか。楽しみ。
 *西澤保彦(タックシリーズ『依存』など)
重い・・・ここまで重くされると潔いかもしれない。
でも青春小説風味は失われておらず、さくっと読めてしまう。
 *折原一(○○者シリーズ『沈黙者』など)
折原さんを形容するなら、小粒でもピリリと辛い文章のマジシャン。
時代がかっているっぽい雰囲気も良い。

・・・という感じです。
単発ものについては後ほど。

11月に読んだ本

『煙か土か食い物』舞城王太郎
『降魔弓事件』『狩野俊介の肖像』『白亜館事件』『銀扇座事件』太田忠司
『七人の迷える騎士』関田涙

10月に読んだ本

『眠りの牢獄』『学園祭の悪魔』浦賀和宏
『レイクサイド・ストーリー』サラ・パレツキー
『妖異金瓶梅』『おんな牢秘抄』山田風太郎
『すべてがFになる』森博嗣(再読)
『蜜の森の凍える女神』関田涙
『狩野俊介の冒険』『狩野俊介の事件簿』太田忠司
『上海香炉の謎』『倫敦時計の謎』太田忠司
『とらわれびと』浦賀和宏(再読)
『緋色の囁き』綾辻行人
『星虫』岩本隆
『月光亭事件』『幻竜苑事件』『夜叉沼事件』『玄武塔事件』『天霧家事件』太田忠司
『塗仏の宴』『陰摩羅鬼の瑕』京極夏彦

9月に読んだ本

『バラ迷宮』『ユリ迷宮』二階堂黎人
『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾
『瑠璃城殺人事件』
『ゴスペル』ウィルトン・バーンハート
『屠所の羊』A・A・フェア
『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『狂骨の夢』『絡新婦の理』京極夏彦(再読)

8月に読んだ本

『理由』宮部みゆき
『スナーク狩り』宮部みゆき
『パンプルムース氏のおすすめ料理』マイケル・ボンド
『パンプルムース氏の秘密任務』マイケル・ボンド
『パンプルムース家の犬』マイケル・ボンド
『嫁洗い池』芦原すなお
『黄色い目をした猫の幸せ』高里椎奈(再読)
『悪魔と詐欺師』高里椎奈(再読)
『金糸雀が啼く夜』高里椎奈(再読)
『アリス・ミラー城殺人事件』北山猛邦
『記号を喰う魔女』浦賀和宏
『実況中死』(神麻嗣子シリーズ)西澤保彦
『悪魔を呼び起こせ』デレック・スミス
『鉄鼠の檻』京極夏彦(再読)
『ヒトクイマジカル』西尾維新
『少年たちの密室』古処誠二

7月に読んだ本

『人形は遠足で推理する』我孫子武丸
『麻薬密売人』(87分署シリーズ)エド・マクベイン
『名探偵水乃サトルの大冒険』二階堂黎人
『軽井沢マジック』二階堂黎人
『幻惑密室』(神麻嗣子シリーズ)西澤保彦
『悪魔の見習い修道士』(カドフェルシリーズ)E・ピーターズ
『青空の卵』坂木司
『遺留品』P・コーンウェル
『欺きのD』スー・グラフトン
『小説 モルダイバー』早見裕二
『ミミズクとオリーブ』芦原すなお
『木乃伊男』蘇部健一
『証拠のE』スー・グラフトン
『北の夕鶴2/3の殺人』島田荘司
『高山殺人行1/2の女』島田荘司
『未熟の卵』黒崎緑
『ハートの刺青』(87分署シリーズ)エド・マクベイン
『ウェディング・ドレス』黒田研二
『第三の銃弾』カーター・ディクスン
『火車』宮部みゆき

6月に読んだ本

『最後の刑事』ピーター・ラヴゼイ
『A型の女』リューイン
『幻の女』アイリッシュ
『人形はこたつで推理する』我孫子武丸
『桜闇』篠田真由美
『陰陽師 瘤取り晴明』夢枕獏
『単独捜査』ピーター・ラヴゼイ
『長野・上越新幹線四時間三十分の壁』蘇部健一
『キャンティとコカコーラ』シャルル・エクスブラヤ
『Jの神話』乾くるみ

5月に読んだ本

『月長石』ウィルキー・コリンズ
『過去からの弔鐘』ローレンス・ブロック
『銀の檻を溶かして』高里椎奈 
『麦酒の家の冒険』西澤保彦
『死者は黄泉が得る』西澤保彦
『黒死館殺人事件』小栗虫太郎
『彼女が死んだ夜』西澤保彦
『冬を怖れた女』ローレンス・ブロック
『一ドル銀貨の遺言』ローレンス・ブロック
『九十九十九』舞城王太郎
『警官嫌い』エド・マクベイン
『とらわれびと』浦賀和宏
『泥棒は詩を口ずさむ』ローレンス・ブロック

『仮面山荘殺人事件』東野圭吾

結婚式の直前に婚約者が亡くなった男性が、その後、婚約者の親戚たちの集まる別荘に招かれますが、そこに強盗が押し入るというハプニングが・・・。内容について多くは語れない名作。雪の山荘ファンの方にはオススメ!
はじめから終わりまでまったく気の抜けない東野さんらしい趣向に満ちた作品です。(2003年4月読了)

『聖女が死んだ』キャサリン・エアード

女子修道院で起こった不可解な殺人事件。これまで警察が一度も踏み込むことがなかった女子修道院という場所で、スローン警部らが悪戦苦闘します。この、警察関係者の掛け合いが楽しい(>_<)
近くの農学校の焚き火事件や、農学校校長の縁談などのさまざまな出来事は、果たして事件とどう関わるのか?
修道院という世間から隔絶された場所での事件は不気味ですが、実に興味をそそる謎になってます。犯人は多少検討がつきましたが、動機に愕然、でした。
はじめは訳に慣れなかったものの、このシリーズはぜひ全訳されてほしいと思いました。(2003年4月読了)

『世界の終わり、あるいは始まり』歌野晶午

某サイトで話題になっていたこともあり、タイトルにも惹かれて読んでみました。
うーむ・・・これは、どう言えば良いのでしょうねぇ、難しいです(^_^;)
新・新本格の幕開けという感じでしょうか?まったく新しいミステリの形。ミステリという範疇を越えていると言えるかもしれません。
小学生を狙った残虐な連続誘拐事件が起こります、その間にちょこちょこと挟まれる社会・マスコミ風刺的な描写。これは、こういう展開で進んでいくのかな・・・?と思ったら、意外なことに、犯人はかなり早い段階で提示されます。しかし、その意図がまったくわからない。前半がかなりのスピードで進行していくので、どうなっちゃうんだ、と思っていたら、急に場面が転換して、それも大変驚くべき方向へ転換したので、振りまわされまくりました。
歌野さんってこういうのも書く人だったっけ・・・とビックリしているうちに、また別の方向へと転換し、そこでまた話が展開していく・・・その繰り返し。
混迷のうちに、ほんの数ページのラストが訪れます。
そして気づいたこと・・・この本こそが○○○○(作中に出てくるあるアイテム)なんだ。
いろんな可能性を試しているのかな、と推測もしていましたが、意外な、すごく気になるラストです。ミステリ的には納得は出来ませんでしたが、読んで良かった、とも思えました。事件の裏、いえ、事件の渦中ではこういうことが実際に起こっているのだろう、と、ミステリをいつも楽しく読んでいる自分にとってもじんわりと苦く感じるものがありました。
アンチミステリや新本格がお好きな方は一読の価値アリです。(2003年3月読了)

『ブードゥー・チャイルド』歌野晶午

歌野さんの作品は、こう言い切ってしまうのもナンなのですが、合うものはすごく合うのですが、合わないものはとことん合わないと自分でわかっていたので、ちょっとびくびくしながら読みはじめました(^_^;)
序盤のHPの掲示板のやりとりの描写はとあるサイトを彷彿させるイタさのあるやりとりがリアルで、現代を象徴(風刺?)してるなぁ・・・と思いました。
あらすじとしては、自分には前世の記憶があると信じて疑わない少年が、少年の家族に及んだある残忍な殺人事件で容疑者にされそうになったことを機に、義理の妹と捜査をはじめる、という感じになります。
この、少年の前世というのがどういうふうに殺人事件に影響しているのかというのが大きな見どころのひとつ。事件現場に残されていたのが、少年が昔から、自分の前世について語るときにいつも描いていたイラストなのです。被害者のダイイングメッセージではなく、犯人が残していったものと思われるのですが・・・。このイラストの持つ意味も、もちろんラストで明かされるのですが、これがまたスゴイんだ(>_<)なぁるほど!とおののきました。中盤で出てくるキャラにもいろんな意味で驚きました。きっと、この人物はこれからも活躍してくれるんだろうなぁとほのかな期待を寄せています。本格とも新本格ともちょっと違う、毛色の変わったミステリが読みたい、という方にオススメです(^_^)(2003年3月読了)

『ハイヒールの死』クリスチアナ・ブランド

ブランドの処女作。ポケミスの文体がすごくマッチしています(^_^)
クリストフ衣裳店の新支店のマネジャーをめぐる女たちの水面下の争いが毒殺事件に発展してしまいます。うさぎのカレー煮・・・おいしそうなのに(;_;)というのは置いといて(笑)
ブランドの作品が楽しいのはやはりキャラたちの個性。今回も、表で裏で、いろんな言動が飛び交います。衣裳店の女たちということで、ややもするとキャラがカブりがちになるおそれもありますが、人物表を見返しまくらなきゃならないのか、なんていう心配が全くないくらい、どのキャラも立ってます。
また、探偵役のチャールズワース警部も女に弱くてまだ新米っぽいところもあって、カワイイ♪と思ってしまいました(^_^;)
正直、今まで読んだブランドの作品の中ではいちばん読みやすいです(^_^)
読みどころも、フーダニットかと思ったら・・・というどんでん返しが最高(>_<)
手に入れにくい作品かもしれませんが、古典好きな方には超オススメです(^_^)(2003年3月読了)

『ジェゼベルの死』クリスチアナ・ブランド

言わずと知れたブランドの有名作。
ジェゼベル、とは、どんな意味を持つのか、これを読んではじめて知りました。ジェゼベルと呼ばれることを嫌うイゼベル。すごい女性です・・(^_^;)
上演中の舞台上、しかもセットである塔のまわりは出演者である騎士たちに囲まれている、というカーばりの密室状況で超個性的な女性・イゼベルが殺されます。過去の忌まわしい事件も絡んでおり、おそらくそれがキーになろうかと思われますが・・・?というお話です。
コックリル警部と久々に逢えた(^_^)と思っていたら、他にもこれまでの作品に登場した懐かしい人、逢いたかった人が登場(>_<)粋ですねぇ♪
ミステリ的にも、すごく充実していて、読みごたえたっぷり。海外ミステリファンの方にはかなりオススメです。カー好きの方にもぜひオススメしたい(^_^)
コックリル警部たちがいくつもの仮定を立てては事実と折り合わずに却下して・・というたくさんの推理が展開されて、デクスターのモース警部もちょこっと彷彿します。クライマックスも圧巻!(2003年3月読了)

『金蝿』エドマンド・クリスピン

クリスピンのジャーヴァス・フェン教授初登場作になります。ポケミスです。
「なんだいったい?」というタイトルですね。劇団の団員が主な登場人物なので、戯曲に出てくる台詞かなにかなのかなと思いながら読みました。
ちょっと誤植が多いので残念なのですが、読みづらさを感じさせないテンポの良さと楽しく読ませてくれる描写が心地良かったです。
読者へのヒントもあったりしますし、画期的な作品だと思います、しかも、この作品には、主人公フェン教授に関するある人も出てきて、ビックリしました。
フェン教授ものはもう2作(『消えた玩具屋』『白鳥の歌』)読んでいますが、いずれにも出てこなかった人。
すごい存在感・・・というか面白い・・・(>_<)
その人にフェン教授があることをさせるのですが、それもまた衝撃的というか、実験的です。
ストーリィは、劇団員の中での愛憎がメインで語り出されます。
新しい恋が生まれたり、憎しみだけで終わったり、なにかあるように見せかけて実は何もなかったり、あるいはその逆だったり・・・というフクザツな人間関係。個性派揃いの登場人物に振りまわされてしまいました(^_^;)
がちがちの古典ではなく、古典の流れを汲みつつもユーモアのあるものを読みたい方にオススメ(^_^)(2003年3月読了)

『泥棒は選べない』ローレンス・ブロック

アル中探偵マットスカダーシリーズを読んで大のお気に入りになり、ローレンス・ブロックのもうひとつのシリーズを手にしました。
泥棒探偵バーニィの1作目がこの作品です。
「泥棒」と「探偵」という対照的な職業(?)が並んでいるとなんだかそれだけで面白そう、と思えてきます。
マンハッタンの泥棒バーニィは、あるアパートメントに忍び込んで小箱を盗んでくるだけで大きな報酬がもらえることになりますが、そこで出くわしたのは死体と警官。
勢いで逃げ出してしまったバーニィは当然のごとく容疑者にされてしまいますが、これにはなにか裏がありそうだ。
ひょんなことから知り合った女性ルースとともに、自分の容疑を晴らすため、地道に、ときに大胆に推理と捜査をはじめます。
著者は、タイトルを上手く本編内で使う人だなあと感じました、「泥棒は選べない」というフレーズが数箇所あり、思わずバーニィの情けない顔が浮かんで吹き出しそうになりました。
推理ものとしても、すごくしっかりしていて、訳者さん(田口俊樹氏)が解説でも書いているとおり、ソフトボイルドな中にも本格ミステリの味があり、終始ユーモアとロジックが絶妙に絡んでいて、伏線も散りばめてあり、気持ちよく読めました。(2003年3月読了)

『記憶の果て』浦賀和宏

第5回メフィスト賞受賞作。
衝撃的な冒頭から、ぐいぐいと青春小説的にひっぱっていかれます。
高校の卒業式を終えた安藤直樹の春休みに起きた、人生を変えるかのような出来事・・・。
それは、直樹の父親の自殺からはじまります。
脳の研究者だった父親の書斎に入ると、そこには大きなコンピュータが。
電源を入れるとメッセージが流れ出ます。直樹に質問し、直樹の質問にも答える、それは人工知能なのか。直樹は幼なじみで親友の金田と飯島に相談します。
直樹の父親の葬式に現れた人物を手がかりに、父親の死の謎、そして人口知能(?)の謎に迫ろうとする直樹と親友二人。また、そこには直樹の高校時代のある恋愛も絡んできて・・・。しかし、直樹はこの親友たちにすら知らせたくない事実に直面することになります・・・。
作者は、ある「タブー」にとてもこだわっているなぁ、と感じました。
後半は、えっ、と驚く展開の連続でした。謎解きの結果が、というよりは、なぜ彼らはこんなふうに行動するのだろう、と、考えさせれるところが多かったです。
思春期を卒業しようとする彼らは、何を得たのか。
また、いくつか残る謎は、果たして結論づけられるのか。
この後、シリーズ化されているようなので、引き続き読み進めたいと思います。(2003年3月読了)

『時の鳥籠』浦賀和宏

浦賀さんの安藤直樹シリーズ第2作です。
と、いうよりも・・・1作目の『記憶の果て』の続編と言ったほうが合っているかも。なんといっても、1作目で明かされなかったあの謎が、実に衝撃的な方法でこの『時の鳥籠』という一冊にまとめられているからです。
この作品を読むときはぜひ、『記憶の果て』を読んでからにしてみてください、いや、もしかしたら逆に読んでも程良い眩暈感が得られるかも・・・(^_^;)
眩暈、という単語がとても似合います>浦賀作品
さて、ヒロインと主人公が二人ずついるとも言えるこの作品ですが、4人の行動・思考が交錯し合いつつ、浦賀作品独特のSFチックな展開の中にも殺人は起き、読み手を混乱・混沌に導きます。
この感覚が、気持ち良くなったら、あなたもウラガー(笑)
SFや森博嗣さん、京極夏彦さん好きな方にもオススメ。(2003年3月読了)

『頭蓋骨の中の楽園』浦賀和宏

安藤直樹シリーズ3作目。今まででいちばんミステリ色が濃いかも。
直樹の通う大学で起きた連続殺人事件。
直樹は、いやいやながらも、友人と一緒に事件を捜査しはじめます。
あらすじにあった、「笑わない探偵」直樹が笑う瞬間とはいつなのか。
それが気になっていたことのひとつでしたが、まさか・・・こんな形で直樹が微笑もうとは。次作がめちゃくちゃ気になります。
竹本健治さんを彷彿させるところもあり、講談社ノベルスファン・メフィストファンにはたまらない作りになっています。(2003年3月読了)

『巫女の館の密室』愛川晶

愛川晶作品の長編は初読みです。
主なキャラが、萌えさせるのを意識しているのかな〜と感じて少し引き気味なスタートでしたが、主人公の美少女探偵根津愛ちゃんもイヤミな子ではなく、博識ぶりを鼻にかけることもなく、普通の(いや、十分普通じゃないんだけど(^_^;))女子高生なので、ホッとしました。なわけで、ちょこっとキリンさんこと桐野刑事を応援しつつ読み進めました。でも途中でイケメンの美術部教師が出てきてからはその人にメロメロッと来てた自分(笑)なんか死語のオンパレードだな(^_^;)
インカ帝国の謎もふんだんに出てくるので、とても興味深く読めました。すごく興味ある分野だったので。
数年前、インカの神殿をモデルにアトリエを作った男性が、そのアトリエの中で怪死した事件を追うことになる根津愛と桐野刑事。被害者は愛の同級生の父親でもあります。謎めいた一族への疑惑は深まるばかり。
ひとつしかない出入り口、しかもそこは破ることが非常に困難な原始的な扉。美少女探偵根津愛はこの事件の真相を、現場を見てすぐに見破りますが、直後、彼女に魔の手が・・・。
大技トリックというか、「まだこんなトリックがあったか!」という感じの、驚愕せざるを得ない真相ですので、島田荘司、綾辻行人、泡坂妻夫さん系統が好きな方にはオススメです。切なさのあるラストもグー。(2003年3月読了)

『兄の殺人者』ディヴァイン

ディヴァイン初読みです。
最初ちょっと、文体が合わないかな〜、と危惧したんですが、霧の夜の描写はやはり良いですね、すんなりとミステリ世界へ入らせてくれます。
主人公は霧の深いある夜、兄から電話で呼び出され、事務所へ行くと、兄は殺されていた・・・。
そこに二重三重に不倫疑惑・恐喝疑惑などがからみ、兄を殺した犯人は依然として見つからないまま。主人公は悩みに悩みます。そして即席の探偵団(?)を結成。自分たちで容疑者をあたっていきます。
実は、ある作品を連想し、もしや・・・と思っていたのですがあっさりハズレました(笑)
解説に、「○○○○○(女流作家)のある作品と同じトリックが用いられている」なんて書いてあったからなおさらアレなんじゃないかと思ってしまったんですが。
ラストは爽快、とまではいきませんが、幸先良いスタートが切れそうな主人公と仲間に乾杯、です。
ストーリィテリングの妙を堪能したい、という方には超オススメ(^_^)(2003年2月読了)

魔法の国ザンス1巻『カメレオンの呪文』

ザンスはすごい読みたかったシリーズ(>_<)
FSUIRIでも何度もオススメいただき、ようやく読み始めることが出来ました。
主人公ビンクは、すべての人間が何らかの魔法の力を持つ国ザンスの住人なのに、25歳の誕生日の近づく今も自分の魔力を見出すことが出来ず、このままだと国を追放されてしまいます。
婚約者にも勧められ、自分に魔法の力があるのかないのか、確かめるために偉大な魔法使いハンフリーの城へと旅立ちます。
城へ辿りつくまでにもさまざまな困難が待ちうけています。
魔法植物に悩まされ、ドラゴンに襲われ、目くらましの術を使う女魔法使いの誘惑を振り切り、途中出会った兵士や女性らにも助けられながらようやくハンフリーの城へ着きます。
しかし、それは新たな旅への序曲にすぎなかった・・・。
くはぁ、面白い!久々にファンタジー読んだーっ、て充実感がありました。
想像力刺激されて、気持ち良いです(>_<)
旅の果てに得たものは。「カメレオンの呪文」の意味は。そしてビンクの魔法の力とは・・・?
ハリポタ読んだけどまた何か楽しいファンタジー読みたいな、って方にオススメ。文庫でお手軽だし。(2003年2月読了)

魔法の国ザンス2巻『魔王の聖域』

ザンスシリーズ、勢いに乗って2冊目です。
前作の主人公ビンクの一年後の身のまわりのことが書いてあるので、これはシリーズ刊行順に読むべし、ですね(^_^;)
できればしばらくの間、自分の家からは遠ざかっていたほうが良さそうだ、というある共通の理由を持つ2名が、ビンクとともに「ザンスの魔法の源を探れ」と王から命ぜられます。
そこに、約二人の同行者もでき、ビンクたちは魔法の源へと近づいてゆきます。
とにかく障害の多いこの旅。ザンスの魔法の源が、ビンクたちを近づけまいとしているのか?それとも・・・?
途中の村での一騒動や、天空の星座との戦いなど、ファンタジーの魅力いっぱいの読みごたえある作品です。
しかし・・・このクライマックスに、ある日本のミステリ作家さんを思い浮かべた方は私だけではないはず・・・(謎笑)読んでのお楽しみです。(2003年2月読了)


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