望丘寮物語

新人歓迎会

5月9日(金)晴れ
 今日は寮の新人歓迎会である。今年の4月に4人、昨年の10月に2人が新たに寮生として加わり、非常ににぎやかになった。彼らの歓迎会を今日やることにした。収集範囲は寮生全員と寮OBとした。また、マブだちの乱入は大歓迎にした。ここ数年、歓迎会も参加者が少なく静かな感じになっていた。私は入省した当時は、けっこうにぎやかな感じだったが・・・3年前、復帰した時はあまりにも静かで、「寮の歓迎会って、こんなんだっけ?」と思ってしまった。今回も静かなんだろうなぁ〜、参加者は10名そこそこかな?と思った。私は寮長なので、挨拶の言葉を夜な夜な考えたり、練習をしたりして当日に備えた。挨拶は長ければ長いほど下手な証拠なので、3分以内で抑えるようにした。
 当日・・・
 この日、私は盛岡時代の上司が来ていたので、8時までおつきあいをしていた。その後で参加という形にしてもらった。終了後、タクシーで寮生の1人とマブ1人と寮へ帰った。ロビーを見ると、
人、人、人・・・・
ロビーにビッシリと所狭しといた。寮生だけでなく、OBのKくんも来て、盛り上がっていた。参加者が自分が思ったより2倍になっていた。
おわわ・・・すっげぇ〜
私はおったまげた。入ってみると、異常に盛り上がっていた。こんなに盛り上がったのは久しぶりである。新人は所用のため1名欠席していたが、全員参加していた。この盛り上がり方から、「挨拶はいらねぇなぁ〜」と思ったが、せっかく考えたのでとりあえず挨拶をした。一瞬静かになり、パチパチパチと手を叩いた。みんな途中まで聞いていたが、1/8以外はガハハハと別の話で盛り上がっていた。聞こうが聞くまいがそんなものは関係なく、話し続けるのが私のスタイル。それでも強引に挨拶した。私は新人と仕事のことなどについていろいろ話したりした。
 8時45分頃・・・
 突然、寮のOBになりたてのMくんが立ち上がった。そして、
「注目!!」
と叫んだ。
「F寮長は、挨拶でいいことを言った。オマエら聞いているか?
寮生活を楽しくするのも、つまらなくするのも
自分次第です。
新人諸君、君たちの意気込みを聞かせてもらおう」
と、司会進行を始めた。本来の私の仕事であるが、彼に任せることにした。Sくんが「それ、寮長の仕事じゃないの?」と突っ込むと、彼は「管理人と寮長どっちが偉い?」と問いつめた。すると、全員が「管理人!」と叫んだ。したがって、彼にすべてを任せた。新人の方に一人一人自己紹介をしてもらった。それぞれ無難に1分以内で終わらせた。しかし、Mくんのボルテージはすっかり上昇気流に乗ってしまい、ノリノリになっていた。まさにフィーバーし倒すとはこのことかな?という感じであった。次に寮のOBの人にも挨拶してもらった。終わった後も、Mくんはまだまだ上昇気流だった。
「オレは史上最強だぞ!」
と叫び、半分踊っていた。一般の人が見たら引いてしまうが、周りのみんなは引くどころかすっかりノリノリになっていた。私は「この職場を選んだことは間違いではなかった」ことを確信した。羊ヶ丘へ来て本当によかったと感慨にふけっていた。すると、突然、Mくんがアルコール度35%の強力焼酎・泡盛の一気飲みを始めた。
やめろぉ〜!#
私たちは止めに入った。しかし、手遅れだった。Mくんはまた、「オレは史上最強だぞ!」と叫びまくった。「ハイハイ、最強なんだねぇ〜」と言った。安心した。5分後、Mくんは突然、地蔵のような姿になり動かなくなった。そのうち大の字になって寝てしまった。そこで5人ぐらいで彼を家に運んだ。家といっても寮の管理人室だが・・・とりあえず応接間に運んだ。腹と背中を出していたので、ここままでは風邪を引くと思い、何とかしまわせた。Mくんの新妻は申し訳なさそうな顔をしていた。
 10時頃・・・
 寮のOBの方々が数人帰りだしてきた。でも盛り上がり方はおさまることを知らなかった。缶ビールや炭酸飲料をぽーんと投げて渡す者あり、栓を開けてジュワーッと泡が吹き、じゅうたんにこぼす者あり・・・とにかくじゅうたんは飲み物のこぼれ汁のおかげでべたべたになった。これは絶対に中古で売れないだろう。また、飲み会に付きものであるからむ方も出現した。Kくんも絶好調だったが、新人のOくんも絶好調にからんでいた。同じ新人のNくんの頭をピシャピシャ叩き、「オマエなぁ〜」と一生懸命からんでいた。「オレも昔、こんなのだったかな?」なんてちょっと反省してしまった。まだまだガハハハという笑い声は鳴りやまなかった。ただ、いつの間にか人間の数は減っていた。帰って寝てしまった寮生の
「家庭訪問」を始めた人もいた。
 12時頃・・・
 人間の数は1/4になっていた。料理や寿司がなくなりケースなどの撤収を始めた。ずいぶん広くなった。まだまだ飲み会は続く。
 結局、午前1時過ぎまで続いた。私は午前1時で帰って寝た。本当によく盛り上がった新人歓迎会だった。やってよかった感じである。私もいろいろな寮に住んでいたが、盛り上がり方は基本的に変わらない。ガハハハという笑い声、寝る者、からむ者・・・どこも同じなんだなぁ〜と思った。ただ、盛岡時代と違いマジックでいたずら書きをする者はいなく、こちらの上品さを確認した。寮長として、
「退寮しても里帰りしたくなる寮」を目指しているが、こんな歓迎会が続く限り、十分達成は可能であることを確信して床に着いた。

新人歓迎会の残骸

望丘寮