§§§  花雑記  §§§
 


 

■ 杜鵑草(ほととぎす)                        杜鵑草の花をクリックして下さい。
杜鵑草(ほととぎす)


 桔梗、紫式部、杜鵑草(ほととぎす)、私の好きな三つの花の名前です。
先週まで、紫と白の花を咲かせていた桔梗が雨にうたれて花がおち、蕾も残り少なくなっています。凛と咲いていた紫の花はなくなりましたが、しかし、うちの桔梗は、まだ優雅で、ほかの花の中にあって、桔梗の花の存在感を十分に示しています。桔梗は秋の七草の一つ、夏の最中にも秋の匂いを感じさせ楽しめる花です。
  萩の花尾花葛花瞿麥の花女郎花また藤袴朝貌の花   山上臣憶良
 桔梗の根は痰をとめる薬になります。『万葉集』に歌われているあさがおは、桔梗のことをいいます。また、別名の「ありのひふきぐさ」というのは、桔梗の花を蟻塚に入れますと、紫の花弁が真紅変色するからといわれています。
  きりきりしやんとしてさく桔梗かな 一茶
 むかしの住まいの庭の紫式部は、毎年繰り返し真珠のような紫色の実を楽しませてくれました。そして、ことしの紫式部の小さな花は、雨と低温の日が続いているこの7月に戸惑いを覚えているみたいです。紫式部の落ちた花のあとに小さな青いツブが残っています。このツブが秋から初冬にかけて銀がかった紫色に輝くのです。
 紫式部の学名は「美しい果実」、紫式部の美しい実につけられた容姿どおりの名前です。
 杜鵑草(ほととぎす)の花は、白地に紫の斑点の模様がつき、その模様を鳥のホトトギスの斑紋に見立ててこの名前がついています。
 ゆり科の多年草で、崖などに多く自生しています。30センチから70センチの高さで、崖では垂れ下がっています。葉は笹の葉に似ていて、先が曲がっています。10月頃から葉のつけ根に花が2、3個ずつ咲きます。百合を小さく小さくしたようで、内側には紅紫色の斑点があり、美しい花です。
 名前はこの斑点が時鳥の胸の斑点に似ていることから杜鵑草(ほととぎす)とついたのです。
 桔梗、紫式部、杜鵑草(ほととぎす)、この3種類の花の共通点は「紫」です。
 紫色は昔から、高貴の象徴とされています。クレオパトラは紫の帆の舟に乗ってその権威を誇ったと言われています。当時は、紫の染料を貝から抽出しましたが、1グラムの染料をとるのに2000個の貝を必要したそうです。ちなみに現在も、荒波の海辺に生息するその貝で糸を染め美しい絹織物が作られています。
 人が桔梗など、紫色の花の美しさに強く惹かれるのは、紫が常ならざる色なのだからでしょう。白の桔梗の花に交じって紫の花が一輪花を咲かせてました。





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