「アレなアニメの館」
アレなアニメの感想など。
(御注意!ネタバレ有です)
 
ガンドレス・完全版
時代: 1999

製作:

ガンドレス製作委員会
監督: 谷田部 勝義


1)はじめに

 テロが横行する2100年の横浜ベイサイドシティー。パワード・スーツを駆る美女六人による特殊警備会社「エンジェル・アームス」の活躍を描く未来SFアクション。


2)物語

 2100年、横浜ベイサイドシティー、そこはテロが横行する場所でもあった。警察業務を代行するバウンサー(特殊警備員)達はランドメイトと呼ばれるパワードスーツを駆使し事件を解決していた。その一組織、社長の「タカコ・ホウライジ」を筆頭に女性が主だったメンバーである「エンジェル・アームズ」社の面々は、港で武器密輸の現場に突入するが、予想外に強力なランドメイトを操るテロリスト集団に遭遇する。チーム・プレイが功を奏し、彼女らはテロリストを制圧、リーダーを確保、新警察法により引き続き身柄を拘束する事となる。そんな中エンジェル・アームズ社の実働部隊に最近加わった「アリサ・タカクラ」は何故か全身をサイバネティックへと交換されており、過去を語りたがらない寡黙な性格も災いして未だチームに溶け込めないでいた。そんな彼女にはメンバーに伝えられない秘密があった。

 情報の漏洩を恐れた密輸組織は拘束されたリーダーを暗殺すべく準備を虎視眈々と進めていた。呼び寄せられたのは悪名高いテロリストの「ジャン・リュック」、空港へ降り立った姿が捉えられていた。ベイサイドシティーでは対応を協議、エンジェルアームズをはじめ、警察、軍への協力を要請した。シティーからハッサンの警護と組織の壊滅を指示されるエンジェル・アームズ。相手がジャン・リュックと知り、アリサをチームから外すか悩むタカコ。実はアリサはジャン・リュックの元彼女、テロリストの仲間だった時期があり、事件のさなか生死の狭間から警察の手により助け出されていたのだ。話を聞きアリサ自身もチームに加わるべきか戸惑う。が、タカコはアリサが自らチームへと加わるよう諭し、それを受け入れる彼女。

 ついにベイサイドシティー各地で爆発が起き大規模な同時多発テロが開始された。 対応する警察、軍、エンジェル・アームズ。終わり無く続くかに見える激しい攻防戦、エンジェル・アームズは無事、ハッサンを護り抜けるのか、テロは鎮圧されるのか、そしてアリサは。だが、事件は意外な広がりを見せ始めたばかりだった・・・。


3)感想
 未完成で止む無く上映、後にビデオを送付したとされる伝説の作品。数ヵ月後には完全版が劇場公開されました。本作はその未完での上映時の品質や、事の顛末ばかりが着目され、完全版が出来上がっても内容について語られる事はあまりありませんでした。
 一応付記しますと、筆者は未完成版打ち切り翌日に関西の某劇場に出向いています。差し替えられた作品の看板を前にして、受付で打ち切られたのかどうかの確認をした時に前売りか否かを質問されました。前売りでない旨伝えると受付嬢さんがなんともいえない含み笑いをしたのをよく覚えています。その後、完全版をやはり関西の某劇場で観ています。 当時としてはごく普通のアニメ映画に観えた記憶があります。既にOVAの「バブルガム・クライシス」や「ガルフォース」が懐かしい部類に入る位の時期でしたので、画質やコンセプト共々ちょっと遅れてきた作品という印象はありました。

 本作のパンフレットを見ると、フィギュアやノベル、資料集といったものがラインアップされており、メディア・ミックスを狙っていたのが判ります。どの程度実現されたかは別にして、作品世界の核となる本作が予定通り完成していたならば、まったく異なった評価になっていたかもしれません。

 設定協力に士郎正宗。アニメであれば「甲殻機動隊」「ブラックマジック」などが思い起こされます。 キャラクター・デザインは手堅くまとまっているので不安はありません。ただし、近年のアニメの傾向からするとやや旧世代に属する画風かもしれません。 一方、ランドメイトのデザインは意図的に強い個性を狙ったかの如くで、馴染めるかどうかは人それぞれでしょう。作品全体が従来からの手法で製作されているようですので、2Dと3Dが混在する画面に違和感を感じるような事もありません。

 物語は全編82分以内に過不足無く収まっており、ダレずに、しかも置いてきぼりを喰らう事もありませんので、丁度いい塩梅といえるでしょう。勿論荒唐無稽な部分も無きにしも非ずですが、話に勢いがあるので乗り切ってしまいます。登場人物の描写も主人公・アリサを筆頭に丁寧なものですので、個々のキャラクターがしっかりとしています。ですので絵柄と共にキャラクターの誰か一人でもに惹かれるものがあれば十分に楽しめる作品に仕上がっています。
 また、主人公たちがランドメイトに搭乗する時のコスチュームのデザインも個性豊かですのでコスプレの元ネタとしても魅力的かもしれません。

 本文を記述している2002年現在、様々なアニメ作品が発表されており、本サイトでは特色ある作品を数本紹介させて戴いておりますが、少なくともこれらの中では最も安心して愉しめる一本です。願わくば公開時の顛末だけが着目されるのではなく、一つの作品として今一度再評価される事を期待してやみません。

4)DVDジャケット

220KB



記述:2002-09-10