「アレなアニメの館」
アレなアニメの感想など。
(御注意!ネタバレ有です)
 
シャム猫 ―ファーストミッション―
時代: 2001

製作:

アートポート
監督: 細田 雅弘


1)はじめに

 テロが横行する近未来。美女二人の政府秘密特殊部隊「シャム猫」が難事件を解決するアクションSF。主人公の女性はルパン三世の不二子のモデルになったと言われる。モンキーパンチ原作。


2)物語

 近未来の日本。そこはテロが横行する場所でもあった。折りしも横浜に展示中の旧帝国海軍の戦艦を占拠、運行し脅しをかけるテロリストが出現。あわや大惨事という時に事件を解決したのは謎の女性チームであった。彼女らはコードネーム「シャム猫」、出身・経歴一切が不明の「ジュン」と「ナオミ」のセクシーな美女二人。普段はラジオDJを務めるが一度緊急時となれば統括する「栗田」の命令一下、、アシストの「イッペー」らと共にを行動を開始、秘密裡に事件を解決してきた。
 一旦はテロを殲滅、ごくありきたりの日常に戻った彼女ら。そんな平穏の中でも謎の情報は日々舞い込んでくる。正体不明の巨大物体が捉えられた一枚の写真。その写真を見て栗田は驚く。写っていたのは現在開発中の秘密兵器の映像であった。
 またも平和な日々は打ち壊された。 国際テロ集団が東京湾岸地区を占拠、首相をも拉致し、身代金と仲間の開放を求めてきたのだ。あまりの大規模テロの為、国防軍特殊部隊と共同作戦を取るシャム猫。だが、テロリストの狙いは、政府の予想を越えていた。 現在軍が開発中の秘密兵器、驚くべき火力と強固な防御を誇る「アルテミス」の奪取こそ真の目的。
  テロリスト達を掃討する事は出来るのか、「アルテミス」を護り抜けられるのか。彼女らの苦しい闘いが始まった・・・


3)感想
 モンキー・パンチ原作のアニメーション映画。主人公の「ジュン」「ナオミ」はルパンV世の峰不二子の原型と言われるそうです。もっともキャラも純モンキーパンチ風から一歩抜け出して、独自性を持っているようです。謂わばコンセプト・ワークとしての原作で、この手はアリではないでしょうか。女性キャラに注視すれば、もう一人敵役の「ミユキ」という人物が登場します。本作は彼女ら主要キャラに感情移入できるかがポイントと言えそうです。

 画面は全体に懐かしい趣の動画と背景で構成されていて、これはこれで作品世界を築いているので宜しいのではないでしょうか。
もっと予算や時間を掛ければ素晴らしい絵になるのでしょうけれども、それが出来ない場合にどのようにまとめるかは製作者の手腕が問われる点なのでしょう。

  本作のように戦闘アクションものですとメカが演出上の小道具としてそこそこウェイトを占めますので、カッコ良く描くのが一般的ですが大胆にもさらっと流しています。せっかくミリタリー設定で東京マルイさんの協力を得ているのですから、もう一声あっても宜しかったのではないでしょうか。また、物語の核となる”最終兵器”のデザインは恐らくグロテスクさを目指したものと思われますが、なかなかに個性的、といえばそう見えなくもない形です。しかも”最終”の名に相応しい破壊力なのか、現実的な線を抑えているのかが
判然としない性能には奥深い設定を感じます。兵器の表面に血管のような凹凸が出て脈動するというのは斬新ではあるかもしれませんが、ある程度リアルな世界観を狙っている筈の本作には違和感アリアリかと。 移動する時に多数のケーブルを引きずるというのも「空中に浮くのはリアルじゃない」という狙いなのでしょうが、なんでそうなるのかはふと疑問を感じます。単なる脚ならそれらしい形になる筈ですし、あるいはエネルギー供給の為なら移動範囲が限られるので兵器として未完なのでは、といろいろ考えさせられます。

 兵器の設定においてリアルさを狙うのか斬新さを目指すのか迷いが感じられるかのごとく、物語全体にもどこか落ち着きのなさが溢れている上に、力押しで乗り切ってしまう強引さも持ち合わせていないので、観客としては居心地の悪さを覚えます。なお、余談になりますが本作は東京都内の某劇場で拝見しました。画面が大きくなかった事が印象に残っています。

 モンキーパンチ原作の物語が動く。まずはここが最もお勧めできる点ではないでしょうか。氏の作品が御好きな向きには宜しいかもしれません。また、「ジュン」と「ナオミ」は勿論の事、「ミユキ」が二人と闘う時の衣装はサービス・カットよろしくレオタードっぽい姿に鞭ですから、本作はコスプレのネタとして宜しいかもしれません。

4)パンフレット表紙

160KB



記述:2002-09-10