「マイナ〜アニメ館」
マイナーなアニメの感想など。
(御注意!ネタバレ有です)
 
ぼのぼの クモモの木のこと
年代: 2002年日本
製作: 竹書房
監督: クマガイコウキ


1)はじめに

 フワフワの毛並みを表現した3DCGによるハートウォーミング・アニメーション。本作の前に同様のコンセプトの「モンスターズ・インク」が公開されるというタイミングの悪さが残念ですが、3DCGによる表現の可能性を魅せてくれた良作です。


2)物語

 何にでも興味を持ち、驚きを隠さない純粋な心の持ち主、ラッコの子供の「ぼのぼの」。 ぼのぼのは大切に飼っていた美しい「コゲトリ虫」がいなくなってしまい、友達の「シマリスくん」と森を探す事に。探しても探しても見つからずに悲しくなったぼのぼのはクモモの丘へと向かった。そこに生える大きなクモモの木は葉っぱの匂いを嗅いでいると悲しい気持が消えるという。クモモの木の下には既に誰かがいた。しかしぼのぼのに気が付くとその子は逃げていってしまった。
 今度はシマリスくんが大切にしていた「ヘソガエルのヘソ」をなくしてしまった。たまたま遊びにきた「アイライグマくん」とも探したがやはりみつからなく、再びクモモの丘に向かうことに。木の下にはこの間の子がいた。アライグマくんによると彼は「ポポ」。しかしアライグマくんが声をかけると、また逃げてしまった。
 ある雨の日、ぼのぼのが一人でクモモの木に向かうとポポがいた。打解ける二人。ポポはここで誰かを待っているという。 楽しく遊ぶ三人、だがある日、クモモの木の枝が折られるという事件が起きてしまう。いつも木の下にいるからと、森の皆から疑いの眼差しで見られるポポ。
 本当にそうなのか。それとも他の誰かのいたずら?だが、いったい何故・・・。


3)感想

  いい作品です。

  ”いい”というのは個人の趣味を多く含んだ”好き”ではありません。
 まず、物語がとてもしっかりしています。 冒頭、”ほのぼの”路線で終始するのかな、と思わせておいて話が進むにつれ見事なまでに裏切ってくれます。その詳細を記すのは避けますが、大人が観ても十分に楽しる内容です。ですから、例えばお父さんが家族サービスとやらでお子さんと一緒に観に行ったとしても、逆にグッときてしまうのはパパさんかもしれません。ママさんも結構来ると思います、多分、いや一番ハマるかもしれません。本作は夏休み終盤からの上映で、その61分という長さからか大人\1,300.-となっていました。しかしながらこの時間の長さがとても心地よく感じました。無駄なく、大急ぎでなく、いいあんばいです。封切館大人\1,800.-で2時間も掛けた上で観た後に怒りを覚える事も少なくない昨今ですが、本作は納得のゆくものでした。入替制も止むを得ないと感じます。

 さて、映像的には毛のふさふさした3DCGがウリの「モンスターズ・インク」が公開された後という、タイミングの悪さがありますが、本作はとても好感の持てるものでした。3DCGはややもすると生々しい、あるいはどぎつい映像となりがちですのようですが、本作ではその傾向を巧みに転化、鮮やかな色彩による特徴のある画面の構築に成功しています。少なくとも3DCGに興味のある向きには、まずお勧めできるでしょう、いやさ、失礼な物言いになりますが未見でしたら御覧になった方が宜しいかと。

 音楽は「ゴンチチ」。これがまた見事に融合しています。 抑える所では仄かに、勢いをつけるところでは力強く、でも肩の力は抜けていて力んだりはしていない、映画に音楽を用いるのはこうあって欲しいものです。

 もちろん、ぼのぼのが御好きな方に。3DCGに興味のある向きにも。そして家族サービスをしなければならないけれど、手頃な作品は無いかなとお探しのおとうさん、おかあさん方、お勧めできると思います、ハイ。

 余談ですが、 この作風で一週間に一話、5分の帯番をTVで放映したら人気が出そうです。


4)チラシ

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記述:2002-09-13