「マイナ〜アニメ館」
マイナーなアニメの感想など。
(御注意!ネタバレ有です)
 
へヴィメタル FAKK2 (もしくは”ヘヴィ・メタル FAKK2”)
年代: 1999年アメリカ
時間: 87分
監督: ミシェル・ルミール、マイケル・コールドウェイ


1)はじめに

 取り敢えず、タイトルを人前で大声で言うのは避けたほうが宜しいかと(爆
アメリカの有名コミック誌「HEAVY METAL」の世界をアニメーション化した意欲作、が前作で、今回はその続編です。
  宇宙のどこかで謎の物体に触れて悪に目覚め永遠の生命の秘密を捜し求めるタイラーと、その道中で惑星ごと一族を滅ぼされた女戦士ジュリーの復讐を描いたスペースオペラです。
 お気付きの様に、前作の最終エピソード「タールナ」へのオマージュです。


2)物語

 とある宇宙のどこか。小惑星の採掘現場で作業中、「タイラー」は緑に輝く不思議なを発見する。が、手を触れた瞬間、タイラーの中に悪の力が宿ってしまう。性格、行動はおろか、体躯までもが変化してしまったタイラーは周囲を惨殺、宇宙船を乗っ取ると緑の物体の導きのままに、「ユロボリス」という星を目指す。ユロボリスには「闇の間」と呼ばれる場所があり、そこには太古に宇宙を支配した者達の力の源が眠り、訪れるものに不死をもたらすといわれていた。そして緑に輝く物体は、闇の間の封印を解く鍵であった。
 途中、辺境の生物的危険地域として進入が禁止されている惑星エデンに立ち寄るタイラー。エデンは危険地域という名とは裏腹に、人々が穏やかに暮らす星であった。エデンはかつて宇宙を支配した者達が「生命の水」の貯蔵庫として利用した星であり、そこに住むものは今でも僅かずつではあるが体内に残しているという。生命の水採取の為、攻撃を仕掛けるタイラー。しかし反撃もむなしく捕虜を除いて女戦士「ジュリー」ただ一人が生き残っただけであった。次なる目的地へ向かうタイラー。

 一族の復讐を誓うジュリーは、タイラーを追い宇宙ステーションへとたどり着く。首尾よくタイラーを見つけ蜂の巣になるまで銃弾を打ち込むジュリー。だがタイラーは、エデンの人々より抽出した生命の水を既に摂取していたのだった。
 ジュリーの復讐は果されるのか。タイラーは闇の間に辿り付いてしまうのだろうか・・・。
 


3)感想

 前作は同名コミック誌の映像化という事で、全編を貫くテーマを設定した上でのオムニバスでした。一話毎に画風までも変えていたので多くの異なる作品を見れるおトクな作品でした。
 さて、本作。オムニバスではなく、通常の形式です。物語の基本はタフなヒロインの復讐譚、前作最終エピソード「タールナ」へのオマージュといって差し支えないでしょう。本作では舞台が宇宙となっていますので、メカやら銃器やら派手なアイテムが登場します。その分現代的といえば現代的でしょうか。「タールナ」の主人公は劇中、一言も話さない寡黙でクールなキャラでしたが、本作の「ジュリー」はよくしゃべること。それも御世辞にも上品な言葉使いではなく、バイオレンスなイメージ。この点でもイマ風といえるでしょう。鍛え上げられた体を振り回し、悪役をなぎ倒してゆくその様は彼の地では”セクシー”と感じられるものなのではないでしょうか。

 本作は東京・六本木の俳優座劇場内「俳優座トーキーナイト」で公開されました。レイトショーであったため、終わると終電車が近い御時間。場所は夜の六本木交差点でございます、はい。海外アニメを観た直後に夜の六本木、ギャップというかなんと申しましょうか、いや逆にマッチしてたかもしれませんね。個性がはっきりしている作品でないと厳しいものがあったでしょうし、上映してくださった劇場に感謝です。

 画面の構成はアメリカ産2Dアニメの風味に慣れている向きには、違和感を覚える事はないでしょう。
ただし、色の段落しの境界線をグラデーション処理しているのは好みが分かれるかもしれません。
 また、3DCGを積極的に取り入れている点が興味深いものです。主に宇宙船や戦闘機の描画に用いられています。2Dとも親和性は、及第点といったところでしょうか。全般に、引いてしまうほど悲しい状況はありませんでした。最も、クライマックスである生物キャラを3Dで描写しようとしたのはいかにも勇み足でした。今日の3Dは対象物総てに焦点が当ってしまうなど、2Dと比べるとまだまだナマナマしさが拭えないようです。3Dキャラを2Dの中に何も工夫せずポンと置くと違和感アリアリになってしまい、本作でも溶け込ますまでには至りませんでした。また、3Dの場合、生き物のキャラの動き方が2Dとは異なるので余計に違和感が目につきがちです。
ちょっと残念でした。

 今回も多くの音楽アーティストが楽曲を提供しています。今回のアーティスト達は古い世代には所謂ヘヴィメタル系の鬱蒼として重い印象のロック(パンフによればこれらはゴシック・ロック、”ゴス”と称されるそうです)の面々、渋いですね、画面に合ってます。また、一部世代にはポップ系としてヒットチャートを賑わした経験もあるビリー・アイドルが、ハードな面を再び見せつつ曲の提供は勿論、声優として参加しているのも見逃せません。

 本作は大きく捉えれば所謂"Part 2モノ"というジャンルに入る作品といっても差し支えないかもしれません。これはあまり好意的でない呼ばれ方であったりしまずが、今回はその意味を補強してしまった感があります。一方、前作は筆者も強くプッシュしたい一編です。ということで本編は前作を楽しめてそのPart 2、あるいは外伝のようなものを見てみたい向きにお勧めいできるでしょう。
 そうそう、劇場では登場人物のフィギュアを販売していました。実際のところ、どの程度好意を持って受け入れられたのか知る術はありませんが、こちらから興味を持たれた向きにもお勧めできるかもしれません。


4)チラシ

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記述:2002-09-11