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まずはじめに。
さまざまなアニメーション表現が試みられ、視聴できる状態というのが製作者、観客にとって幸せな状態であると感じていますので、本編のような作品が現れるという事自体好ましいことであると感じます。
物語は平たく言うと一種の自分探しの旅のような内容ですが、そういう事柄に興味が無い場合は辛いものがあるでしょう。また全編に文化人・知識人達の演説まがいの熱い台詞が畳込まれますが敢えて追いかける必要は無いかもしれません。どこかで聞いた記憶があるような高説はいまさらという感が無きにしも非ずですし、それ以前に”未だに自分探しで映画ですか”という基本的な印象も捨てがたいものがあります。尤も個々の高説はその話序盤でだいたい何を訴えたいか感じられるような塩梅ですし、掴みづらくても字幕を追い掛ければ大体において把握できるのではないでしょうか。勿論、こういうやりとりが好きならば十分に楽しめるでしょう。
本作においては夢と現実の関わりについて焦点が当てられていますが、東洋の物語ではよく見られる内容なので、それ自体については目新しいものは感じないかもしれません。どちらかといえば東洋的視点について、漸く西洋が理解、もしくは発見しつつあるといった印象でしょうか。
さて、本作のように”色々な人の意見を聞く”という映像を生で映すとかなり厳しいものがあるのですが、そこを独特のアニメーション表現にて切り抜けたといった感があります。勿論”夢の中”といった感を表すのに選択された表現でもあるのでこれはこれで興味深いものです。また、近代絵画の初期、具象から抽象へ移行する過程にみられた表現を彷彿する部分もありますので、所謂”油彩アニメーション”の変形といえるかもしれません。
もっとも、発言内容を画面中に描くといった部分があるのは、日本のTV放送で実写に漫画的表現を付加する表現を見慣れた目にはややいまさらかもしれないでしょう。
全編で画面が揺れるので、目が疲れている折には厳しいものがあります。徹夜明けは避けたほうが懸命かもしれません。また、フライアーに描かれている場面は瞬間的に登場するものも数多く、字幕にばかりに意識を集中していると見逃してしまう可能性がありますので、留意したほうが宜しいでしょう。
いずれにして映像表現としてかなり興味深いので一見の価値は十分にあるといえるでしょう。
概ね、映像に魅力を感じるか、アニメーション表現に興味のある向きにはお勧めできるでしょう。2002年末前後あたりで未見であれば観ておいたほうが良いのではないでしょうか。
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