「懐かシネマンガ」
懐かしいアニメや漫画や映画やらの感想など。
(御注意!ネタバレ有です)

※本作品はちょっと”エッチ”です。念の為。
 
フレッシュ・ゴードン  
原題:FLESH GORDON
監督: マイケル・ベンベニステ、ハワード・ジーム
時間: 90分


1)はじめに
 スペース・オペラの名作「フラッシュ・ゴードン」のエロ・パロ。1974年アメリカの作品。


2)物語

 突如、アメリカを襲った異変。
 それは人々が突然に我を忘れてエッチに奔走してしまうという怪現象であった。何もかも放り出して場所も気にせずエッチを始めてしまう人々によって世の中は大混乱に陥っていた。
 科学者を集め対策を検討する政府機関。しかし、高名な科学者「ゴードン博士」によればこの事態は全地球的なものではなく局地的であり、原因は遠い星から発せられる怪光線にあるという。それを発見したのは国際ホッケーチームのメンバーである博士の息子「フレッシュ・ゴードン」。

 ところ変わって、科学者の息子「ゴードン」はアメリカに戻るために飛行機に乗っていた。が、飛行機は怪光線(セックス光線)を浴び機内は大騒ぎに。客室で繰り広げられる狂宴に持ち場を離れたパイロットも加わり、ついに完全にコントロールを失った旅客機はそのまま墜落してしまう。間一髪、強い自制心を持っていた青年・ゴードンは、身悶えする隣席の妙齢の女性「デイル・アーダー」を伴ってパラシュートにて脱出していた。

 二人はとある林に降り立つ。目の前の一軒家に救いを求めようとしたところ、一人の男が拳銃を突きつけてきた。男は人里離れ一人で新しい推進機関を搭載した宇宙船を開発しており、その研究を盗みにきたのだろうと言う。フレッシュは男が父のゴードン博士の知人「フレクシイ・ジャークオフ(マスカキ)」であることに気づく。丘の上の一軒家はジャークオフの家で、納屋ではティムポ型の宇宙船(俗称:ペニス・シェイプト・ロケット)がほぼ完成していた。ジャークオフもまた怪光線に地球の危機を感じ、準備を整えていたのだ。ゴードンとデイルの二人に怪光線の発生源である星の探査の同行を頼むジャークオフ。

 発信する宇宙船。途中幾つかの危険に遭遇しつつもなんとか目的の星に辿り着く。だが、その星「ポルノ星」から発進した戦闘機に攻撃されよろめきながら着陸する。星に降り立つ三人。星には酸素があり、地球とよく似た環境であった。三人は兵士に追われ洞窟へ逃げ込むが奥には怪物が住み着いていた。逃げ遅れたデイルに襲い掛かる怪物。フレッシュとジャークオフはデイルを助けるべく怪物に挑むが歯が立たない。デイルの悲鳴を聞きつけ兵士達は光線銃で怪物を仕留めると三人を捕らえ城へと連行した。

 城の王の間では狂宴が繰り広げられていた。王、ワング皇帝の前に連れ出される三人。怪光線の理由を問われても答えないワング皇帝はジャークオフを科学者と知るや研究所へと送り、デイルの美しさに妻とする事を決める。危うく男のエキスを抽出されるところであったフレッシュはアモーラ王女に引き取られ白鳥型宇宙船(俗称:スワン・シップ)で連れ去られるがワング皇帝は追撃を命じる。研究所ではジャークオフが見張兵の隙を突いて脱出に成功、戦闘機を奪いフレッシュを追う。一方、スワンシップを狙う戦闘機の攻撃は成功、アモーレ王女は死亡してしまう。辛くも生き延びたフレッシュは墜落現場でジャークオフに再会する。

 ワング皇帝とデイルの婚姻の儀が始まっていることを知るフレッシュ。突如、アモーレ王女のダイイング・メッセージが現れる。王女は闇に生きてきたが故か心満たされる事がなかったが、自らの力の源である乳首飾りを操りワング皇帝の行いを阻止せよという。  一旦、宇宙船に戻り準備を整え、婚儀を遮る為に再び城へと向かう二人。

 さて、まだまだ話は続きます・・・。


3)感想

 まず始めに、本作はソフト・ポルノといっても差し支えない一編です。ですので紹介するのは躊躇われますが、一応、SF映画史の一頁として、或いは、アレな作品として一応御紹介させて頂きます。
 ということで、敢えてお奨めするものではありません。

 本作の醍醐味は、正面きってメジャー作品のエロ・パロ(註記01)をやったという事にあるでしょうから、存在そのもので勝負している、といったところでしょう。
 話が面白いという訳ではありませんし、演出はダレまくり、90分がとても長く感じられます。
 登場人物のネーミングやらの感性に疑問を感じなくありませんし、ギャグにしていいのかな?と危惧する部分もあります。このあたりは文化とかの製作された背景の違いということで、敢えて触れるべきではなさそうです。
 見所を敢えて挙げるとすれば特撮でしょうか。フィギュアによるコマ撮りのアニメーションは確かに光るものがあるといえば言えなくもないかもしれません。

 DVD同梱のリーフレットによれば本編にはリック・ベイカーが参加していたそうです。まぁ「ギャラクシー・オブ・テラー」にジェームズ・キャメロンが参加していたのと同じようなものでしょうか。また、主演のジェイソン・ウイリアムズは「宇宙から来たツタンカーメン(註記02)」の製作、助演を担当しているそうです。加えて、本作の配給はジョイパック・フィルム(註記03)だそうです。

 2002年発売の初回限定のDVDボックスは「フレッシュ・ゴードン」と「フレッシュ・ゴードン2」の二本セット。しかもペニス・シェイプト・ロケットのフィギュア付という豪華さ(?)。個人的にはスワンシップですとかも捨てがたいのですが、本作にあってはこの機体が最も有名ですから確かな選択と言えましょう。そして、なんといってもDVD化してくれたパイオニアには感謝、感謝です。

 筆者は本作公開時、所謂二番館、三番館にて拝見しました。当時、メディアへの露出はややチープめではあったもののスペオペ風味の作品といった風情でしたから、期待して劇場に行きました。ところが入場券を買って進むと、受付の女性が「?」といった顔をした後、たまたま傍にいた劇場側のおじさん、今思えば偉い人、に「いいんですか?」と質問しました。聞かれたおじさんは構わないよというリアクションを取り、無事に観劇できました。なんたって当時筆者は小学生でしたからね。そりゃぁ、むべなるかな、というところですが内容を知らないものなので、こちらも「?」でしたです。観てからその対応が判りましたが。


 なお、伝説的SF雑誌「スターログ」の日本版で、本作に参加されていたモデル・ビルダーの記事が載った事があり、当時の苦労話などが面白おかしく紹介されていました。


4)必要ないと思いますが一応の注記

01)本サイトを御覧戴いている向きには恐らく必要ないとは存じますが、本作はコミック「フラッシュ・ゴードン」のパロディです。異星に住む悪の皇帝の地球侵略を阻止するスペースオペラです。こちらは意図的にチープさを狙った画像で、ですが真っ当に映画化されています。こちらはそのものずばり「フラッシュ・ゴードン」。クイーンの提供になるメインテーマの楽曲が秀逸でした。
02) その大胆なオチが賛否両論を一部で巻き起こした怪作。原題「TIME WALKER」。エジプトで発見された墓の副葬品の宝石を手に入れた者が、取り返しに来たミイラに襲われる。つまり所謂ミイラもののはずが、という一編。筆者は好きです、この作品。御興味をお持ち戴けた向きは、検索ればネット上で詳細に紹介して下さっているサイトが御座いますので、そちらで御覧下さいませ。
03)DVDのリーフレットによれば「ジャイアントスパイダー大襲来」の配給も手掛けていらっしゃったそうです。本編はまるで台車に乗せられたつぶらな瞳の大きな蜘蛛のぬいぐるみが動き回る、こちらも怪作。本作もネット上にて詳細に御紹介して下さっている先達がおられます。



記述:2002-11-05