「懐かシネマンガ」
懐かしいアニメや漫画や映画やらの感想など。
(御注意!ネタバレ有です)
 
ギャラクシー・オブ・テラー  
原題:GALAXY OF TERROR
年代: 1981年アメリカ
時間: 78分


1)はじめに
連絡を絶った宇宙船の救助に向かった隊員達が異星で出合う恐怖を描いたSFホラー映画。堂々のB級作品。


2)物語

 宇宙のどこか、顔が無く頭が赤い光で覆われている謎の多い風貌の運命をつかさどるマスター(帝王)が支配する星。マスターは惑星モガンサスで連絡を絶った宇宙船・リーマス号の救助を命令する。隊長は一度は引退したベテラン、攻撃を受け壊滅した惑星ヘスペラスからの唯一人の脱出者である女性船長、武器の使い手、超感覚者(テレパス)などなど個性的な面々。
  隊員を乗せた宇宙船は緊急発進するがモガンサスに近づいたとたん何者かに引き寄せられ惑星上に不時着する。とりあえずリーマス号の調査をする一行。リーマス号には既に人気は無く、屍骸のみが横たわっていた。調査する内に隊員の一人が何者かに襲われる。だが、襲ったもののは直に姿をくらませてしまった。
  惑星より脱出する方法を模索する隊長。引き寄せたエネルギーは宇宙船からそう遠くない惑星上のピラミッドのような建造物から発せられていた。ピラミッドの調査を開始する調査隊。だが、隊長はピラミッド上に蟲の住処様に穿たれた穴の奥で怪物に襲われる。一行は止む無くピラミッド内部の調査を始めるが、外で見張りをしていた隊員も次々に不思議な襲撃のされ方をする。クリスタル手裏剣の使い手は自らの武器によって、一人残った女性隊員は巨大芋虫に襲われた。しかも超感覚者によれば、彼等を襲った存在の気配そのものが現れては消えるのだという。
  一方、怪物の魔の手は宇宙船に待機していた隊員をも襲った。ヘスペラスを襲った敵が突如出現、宇宙船に装備された砲で迎撃を始める船長。しかし、何故かコックに止められる。そして忽然と姿を消すも再び現れる敵。船長はなおも攻撃する為武器を手に一人エアロックへと向かうが出会い頭に逆襲され倒されてしまう。
 一端は宇宙船に戻る一行。しかし脱出は出来ず、仕方なく今度は残った全員でピラミッド内部へと進む一行。照明が明滅する回廊で暗闇から現れては消える怪物に襲われる隊員。一人は突き落とされ、コックは行方不明。ピラミッド内に残されたのは三人。超感覚者は狭い通路を潜り抜ける時に蔦状の何者かに締め付けられた。いま一人は自分自身に襲われる。必死に争う中で襲ってきた自分自身の正体に気付く隊員、そして怪物は消えていった。彼等を襲ったのは己の恐怖心。恐怖心が実体化して隊員を襲っていたのだ。
 ついにピラミッド内に残ったのは二人。そんな二人の前に突如姿をくらませたコックが現れる。二人を奥へと誘うコック。自分自身に襲われた隊員はその時の負傷で身動きが出来ず、残ったただ一人が先へ進む。 コックは過去にピラミッドに来た事があった。ピラミッドは異星人が残したもので、彼らの子供に恐怖心を理解し克服させる為に作られたという。コックはかつてピラミッドを訪れた時、その謎を解く事によって力を得、マスターへとなっていたのだった。 総てを伝えたコックの頭は赤い光に包まれ、マスターの姿となっていた。一人残った隊員に最期の試練をあたえるマスター。これまで死亡した調査隊員達が最期の姿で襲ってくる。必死に抵抗し彼等を退け、マスターを倒す事に成功する隊員。だが、そのとき赤い光がマスターから隊員へと乗り移ったのだった。了。


3)感想

 ロジャー・コーマン製作。これで総てが見えてしまうような気もしますが、まさにらしい作品です。本作前年に「宇宙の七人」と製作していますが、これで、あ〜、と感じた方は歳がバレるかもしれません。若き日のジェームズ・キャメロン(「タイタニック」「ターミネーター」他監督作多数)が参加していた事で一部でも有名です。尚、SF好きには、冒頭のテロップで原作がBruce D.Clarkという一部ウケがあります(注記01)
 今日の目で見てしまうと海外SFTVな画面ですが、当時はそこそこ観れた記憶があります。震え上がる程怖い訳でなし、残虐シーンが目白押しという事
でもありません。ま、やや気色悪い場面はありますが。当時の水準で週末にビデオで借りてきてそれなりに楽しめる所謂B級という感じです。その頃は邦画が悲惨な時代でしたから本作であっても羨ましく思えたものです。B級であれば「低予算」が基本ですが、この作品で最も金がかかっていないなと感じるのは音楽で、ショボさが際立っています。
 映像的には、異星のピラミッド状建造物の内部が興味深いです。梁様の構造物が間接光によって浮き上がる、画面上で格好な結構な見栄えがあります。同様の処理は「アウトランド」でも観た記憶があります。
 さて、物語の関連性では「禁断の惑星」が挙げられます。「異星の調査に向かった探検隊が怪物に襲われる。怪物の正体は隊員の恐怖が形をなしたもので、実体化させたのは異星の文明の遺物であった」。正にそのものですね。本作では、舞台を丸ごと異世界とし、恐怖を乗り越えることで到達する高みを物語序盤に登場する存在に結び付けている点に捻りを感じます(注記02)
 
おまけ: 今一つ、影で有名になったのが物語序盤の女性隊員が怪獣に襲われるシーンです。芋虫様の怪物が登場しますが、この場面で何故か被害者は衣装を総て脱が
されてしまいます。う〜ん、サービスなのでしょうか。


4)必要ないと思いますが一応の注記

01)Arthur. C. Clarkの文字ずらし。A.C.クラークは「2001年宇宙の旅」原作者にしてハードSF界の大御所、代表作は数知れません。経歴から齎されると思しき未来技術・世界観の描写は当代随一。過度な人間描写を省き、アイデアの提示に留まる文章は簡潔にして無駄がなく小気味良いもの。ややオプチミストかと推察される程に明るい未来感も独特。氏の作は長編は勿論、短編に個性的な着想のものが多く見逃せません。
02) 「禁断の惑星」カラーSF映画初期の名作。ロビー・ザ・ロボットが出演(ロビーの場合、ロボットでも出演と称します)する事でも有名。宇宙船が円盤型なのが時代を感じます。もしも未見でしたらばSF映画好きとしては必見の一作です。



改定:2002-09-20