「懐かシネマンガ」
懐かしいアニメや漫画や映画やらの感想など。
(御注意!ネタバレ有です)
 
那由他  
作者: 佐々木 淳子
時代: 1981〜
発行他:

小学館(週刊少女コミック)



1)はじめに
 身に付けた者に超能力を発揮させる謎の”輪”を手に入れた少女「那由他」が、”輪”の所有者を抹殺しようとする謎の散在に追われながらも事の真相に迫ってゆくSF作品。開始早々人類の起源にまで遡る問題を提起する深遠な物語。この壮大な物語を、少女漫画の柔和な雰囲気を維持しつつも未来的な設定の取り込みを可能たらしめた作者独自の画風で描き切る。全三巻。 アニメ化もされました。


2)物語

 ごく普通の少女「那由他」。彼女は街中で怪我をしている少年「キロ」を助ける。キロが頭にはめていた”輪”は持つ者に超能力を発揮させた。そして何故かキロはUFO(アダムスキー型)に追われていた。間一髪、UFOを撃破するキロ。だがUFOの乗員、奇怪な宇宙人もその”輪”をはめていた。だがある日突然に、キロはUFOに乗る宇宙人と共に歩む事を決めたと言いそれまでの那由他の記憶を消し、去っていった。いつもの日常に戻る那由他であったが、隠しておいた”輪”を見つけ、それまでの経緯を思い出してしまう。
  日常でも”輪”をつけて生活していると、街中で那由他は同世代の青年「リョータロー」に呼び止められた。リョータローはうかつに”輪”をはめている姿を人に見せるなといい、”輪”を持った者たちの隠れ家へと那由他を連れてゆく。 そこで那由他はUFOに乗った存在「アザドー」と”輪”を手にした者との数千年に及ぶ長い戦いの歴史を知る。アザドーは一切が謎であるが人類を監視していたらしく、”輪”を持った者を抹殺しようとしてきたという。”輪”を知ってしまった以上、後には引けなくなくなってしまった那由他、いったい彼女の行く手にはどのような未来が待ち受けているのか・・・。


3)感想

 本作はいわゆる少女漫画誌に掲載されていた作品ですが、見事に”SF”しています。
 物語は、序盤から人類を監視する謎の存在アザドーと”輪”を手にしてしまったが為に追われる者達の緊張感あるサスペンス的展開が繰り広げられます。新書版単行本で3巻という長さを途中ダレる事無く駆け抜けますので一気に読めてしまいます。また、話のスケールは開始早々広がりを見せ、遂には文明やら人類の起源やらにまで届きます。 なかなかの大作です。

 絵はいわゆる少女漫画風味とはやや異なるもので、乾いた画面が物語にとてもよくあっています。少女漫画はちょっと、という向きにもそれほど抵抗無く読めるでしょう。

 SF好きにはお勧めできる一編ではないでしょうか。
 また、本作が連載されていた頃は、御手軽コスプレのネタとしても取り上げられていました。”輪”を作ってはめれば、一応それらしくなりますから。流石に最近では見なくなりましたけれど。

 なお、作者さんは同時期に「ブレーメン5」というやはりSFを描いていらっしゃいて、こちらは全6巻となっています。



記述:2002-09-18