◆阿佐ヶ谷でラーメンは高級品?◆



1)中華のランチ

 〜これを書いているのは2002年の夏です〜

 さて、阿佐ヶ谷の特に区役所周辺。足元には営団地下鉄丸の内線南阿佐ヶ谷駅があります。ここはまた、JR阿佐谷駅の下を南北に走る中杉通り、通称「けやき通り」の南端、青梅街道とぶつかるところでもあります。今一つ、近い場所を進む歩行者専用道、商店街であるところの、JR阿佐谷駅前から始まって南南東に進むアーケード、「パールセンター(+すずらん通り)」。そして青梅街道。この三本の道で囲まれる一帯が、阿佐ヶ谷南の中心地といえるでしょう。公的機関のお役人さんをはじめ、会社員さん達が平日の昼食時ともなれば大挙して繰り出し、近辺のお店は大騒ぎです。

 余談ですが、この「パールセンター」は今和次郎の考現学に関する著書にも登場する結構な歴史の或る商店街です。同氏が当該学問を提示したのは1920年代、大正期の話でした。

 閑話休題。現時点で、この三角地帯には多くの中華料理店があります。 メディアにても著名な「希須林 小澤」をはじめ、「點(とむす)」。あるいは「鍋屋」「天津」「申記」などなど、挙げ出せばきりがありません。先に挙げた二店舗の日替わりランチは\1,000.-ですが、他の多くの料理屋さんでは\700.-近辺に集中させており、競争の激しさを伺わせます。例えば最近業態を中華ベースのオリジナル・エスニックへと変更した「オリエンタル AZ」、旧・希須林では、日替わりランチを「つけ麺+日替わり丼\850.-」にするなどして対応しています。「オリエンタル AZ」さんは変化球で勝負ですが、一般に日替わりランチは「主菜+漬物+スープ+御飯」のセットです。そして御飯が御代わり自由というのも少なくありません(この点で最も強力なのが「天津」です。自分で器に盛るセルフ・サービス式で御飯、スープ、漬物、杏仁豆腐が御代わり自由)。ということで、\700.-で十分満腹になれます。味に関しては好みがあるので一概には言えませんが、これだけお店があるので、好きな味に出逢える可能性は高いでしょう。


2)阿佐ヶ谷はラーメン不毛地帯(大袈裟)

 一方、かつてそこそこの代金で食べられる品だったラーメン。こちらは残念ながら高騰したまま留まってしまっています。ラーメンといえば、小腹が空いた時にちょっとどうかな、といった手軽な一皿でした。ここで話題にしている場所では多くのお店で概ね\600.-は必要、ま、こちらは結構なのですが、一方で\700.-〜\900.-近辺が主流でちょっと高く感じてしまいます。これでは手軽というよりは「高級品」といった趣です。いつからこうなってしまったのでしょう。
   一つには、ブームに乗って名前があれば高くても客が来る時代があったのでしょうし、 景気の良かった折には気にならなかったのかもしれません。筆者の場合ラーメンはほぼ\700.-を超えると高価に過ぎると捉えていますが、例えばあるお店ではこれを\300.-をも上回る値段のものも多くあります。実名を挙げるわけにはゆきませんが、この地域には長い事続けておられ、かつメディアにも早くから登場していたお店があります。で、まずもって、こちらが高い。そして高い分美味いかといえば、ありきたりの東京ラーメン。量は確かに多い。客が途絶えないからでしょう、結構横柄で偉そうです。

何か違うように思います。

 そういったお店ががんばっていると食べに行く方としては残念ですがあまり嬉しくありません。より美味しい品を、安価で、あるいはサービス良く、と努力しているお店を応援したくなってしまうのは仕方がないと言えるでしょう。また、一方で、とにかく安価に手軽に、という昔ながらに戻ろうとしているお店もあります。 こちらも声援を送りたくなってしまいます。
 散策して気が付いたのですが、新しいお店や努力している料理店さんは値段やメニューを外に判り易く掲示してくれていることが多いようです。今一方の店は何の掲示もなかったり、という事はよく言えば常連さん相手なのかもしれませんね。
  金を使うのに何の躊躇のない剛毅な御仁はともかく、残念ながら阿佐ヶ谷では、味、量、サービスを納得価格で頂戴できるラーメンに頻繁に出逢えるようになるには、今暫く掛かるかもしれません。

 ただ、そんな中でからこそ、好きな一杯に出逢えた時の嬉しさ、というのは味わえそうです。また探しに出かけてみたいですね、阿佐ヶ谷に。



記述:2002-10-24