鳴子温泉滝の湯

外装を新しくした様子。
湯船、更衣室は昔のまま。
一度は訪れて見たい温泉
銀山温泉

小さな川の両側に古いたたずまいの温泉宿が建っている。
山刀伐峠

奥の細道では難所中の難所として有名な峠。
さすがに旧道には入らなかった。
南東北の旅
99年4月22日(木)〜24日(金)

いつも出発する時にどこへ行くのか決まっていなかったりする。出発間際に天気予報をみて北にするのか、南に行くのか考える。この時も天気予報で雨を避けて北へ行くことにした。

芭蕉の「奥の細道」という紀行文で芭蕉が歩いた道のりを頭に描きつつこのツーリングは幕をきった。

4月22日出発。10時
漠然と関西方面に行こうと考えていたが、当日の朝の天気予報で天気は西の方から崩れて雨になるとのこと。雨はちょっと。ということで、北に向かうことにした。

鶴ヶ島 熊谷 足利と首都圏近郊の小都会を乗り継ぎはしる。このあたりはまだまだ、信号が多くツーリングらしさはでてこない。
それでも、荒川 利根川 渡良瀬川といくつもの川を渡るたびに、少しづつ空は青く、目の前の景色が広くなってゆく。(明らかに高いビルディングが少なくなって、田畑が増えてゆくのがわかる。)

ひどく埃っぽい葛生の街道を走り過ぎ、鹿沼の広い田んぼの真ん中のコンビニでの車場で弁当を食た。妻が出発前に作ってくれたおにぎりと、から揚げをほおばる。あとから聞いたら娘の遠足に作ったから、ついでに作ったということだった。(爆)
それでも、やっぱり手作りは一味違う。

コンビニの駐車場は、広い駐車場のにトラックが点々ととまって休憩している。静かでのんびりとした風景だ。

鹿沼からとにかく先を急ぎたかった為に4号線を北上する。須賀川あたりで手持ちのツーリングマップ関東が御役ごめんとなり、街道沿いの本屋さんで東北版を買う事にする。学校帰りの地元の中学生でいっぱいの本屋さんだった。

さて今夜はどこで泊まろうか。傾き始めた日差しを浴びながら考える。
福島あたりのユースにするか。行けるところまで北上するか。本屋さんの前で缶コーヒーを飲みながら地図を見る。
気温も20度くらいあり暖かかったので、行けるとこまで走ってみるか。

夕日を浴びてひたすら北上する。
福島市に入ったらすっかりあたりは暗くなっていた。

飯坂温泉が近いがこんな時間に入浴なんてできないだろな。(時計の針は9時。)と思いながらも、GSの高校生ぐらいのアルバイトにたずねてみた。
「ちょっと待ってください。」といいながら誰かに聞いてきて、「多分この時間じゃあ ないと思います。」との返事。
「それでも、も少し先を右に折れると24時間営業のスパがありますよ。」と親切に教えてもらった。寝るところはともかく、身のまわりだけはさっぱりして眠りたい為にいつも風呂には入る癖がある。それでも教えてもらったスパはどうも気に入らずに行過ぎることに。

仙台に入り今日はこのあたりで走るのを止めようと思った。
バイクを降りて、地図を見るが頭の中でまだエンジンが振動してる。とりあえず仙台市街に行こうと、4号線を左に折れ仙台駅前ロータリーをぐるりとまわる。想像していたよりもずっと大きな街だ。

酔っ払ったサラリーマンだらけの国分寺町あたりをビジネスホテルを探して走ったが、どうもしっくりこない。僕にふさわしい寝場所を探しているうちに仙台城址の道路標示を発見。そうだ。お城の片隅にテントを張ろう。芝生ぐらい生えてるだろう。
途中酒屋さんを発見しワンカップとビールを買う。「国分寺町の賑わいがすごいね。」て話し掛けたら、「みんな会社の金使って飲んでるんだよ。この町のサラリーマンは。」と手厳しい。確かに支店勤務のサラリーマンって感じの人がつるんで歩いているのが目についた。

もう、かれこれ10年以上使っているダンロップのテントを向かいの公園に張る。

石垣の上の広場では葉桜になってはいたが花見の人たちが かなりいて、嬌声が夜遅くまで響いていた。



99年4月23(金)
テントの外が少しずつ明るくなってやがて朝が訪れた。いつのまにか花見の酔客もいなくなったようだ。
日の出とともに鳥たちがさえずり始め、浅い眠りからさめる。テントを撤収し荷造りするとすぐにエンジンをかけて出発することに青葉城址を一周して仙台の街を後にする。桜がとてもきれいだ。

松島を経由して、開けた田んぼの中の一本道を走り、やがて古河市にはいった。ちょうど学生達が通学する時間帯だ。国道を車の流れが絶えることなく続いている。そんな時、前を走っていた車が横断歩道をわたろうとしていた女学生に道を譲る為に停止した。
(別に止まらなくたっていいじゃない。)一瞬思う。
道を譲られた女学生は2人で急いで小走りに横断歩道をわたる。そのあとのこと。2人の女学生はこちら側の車に向かって丁寧にお辞儀をした後に、 くるりと向きをかえると反対車線の車にも同じように深々と腰を折ってお辞儀をした。
ちいさな風景だけれど、東京ではこんな景色はたぶん、見られない。
古河という街は いい街な。とその時思った。

その後、 鳴子温泉につかった後に山刃伐峠を通り尾花沢市 銀山温泉につかる事に。温泉の後は、山寺 立石寺に寄り米沢に。米沢からは大峠トンネルを抜け喜多方へ向かう。この大峠トンネル かなり長いトンネルだが、なんと無料。埼玉と山梨の雁坂トンネルが有料という時代にこれだけのトンネルが無料ということに感謝しながら通過。

トンネルを出ると今にも雨が降りそうな雲行き。
今日は温泉には2度も入っているが、石鹸 シャンプーなどは一度も使用していない。(もともと温泉では石鹸の使用は原則禁止。だと思う。)ヘルメットの中の頭が無性にかゆくなってきた。そういえば昨日は風呂に入りそこなっているし。

喜多方には蔵の湯というスパが道の駅にある。そこで頭をごしごし洗うことを夢見て喜多方へ走る。今にも降り出しそうな空の下、風が強く吹いてきた。桜の花は今日が見納めだろう。 花吹雪が曇り空のしたで舞っている...。

蔵の湯は広くて露天風呂もあり のんびりとつかる。出た後はソファーでしばし居眠りを。
さあ。今夜はどこに泊まろうかしらん。と空を見上げる。東京の我が家に電話したら、もう雨がジャンジャン降っていると言う。天気は西から変化する。

大雨の中の野営というのもいやなので、今日は会津の里というYHに泊めていただくことに。宿泊客は僕一人。庭先にお墓が。。。

ナイターなどを見ているうちに意識がだんだんなくなって眠りに落ちていた。夜中に雨の音がして、とうとうこちらでも降ってきたことに気づく。



99年4月24日(土)
朝目覚めると、雨は止んでいた。これはひょっとすると、昨晩のうちに前線が通り過ぎてしまったのか。とほくそえんだが、いつもながらそんなにラッキーな身の上ではあるわけもない。

昨日買っておいたバナナを2本食べて早々に出発。お店の前を掃除していたおばあさんに お世話になりました。と挨拶をする。
「思ったより雨が降らなかったねぇ。もっと降ってくれなきゃ田んぼにひびが入ってしまう。困ったもんだ。」とため息。その言葉の重みに極楽とんぼの我が願いの、身勝手さが引き締まる思いがした。農家にとっては雨は稲の育成に必要なのだ。

塩川の町を後にするとすぐに雨が降り出した。急いで線路沿いの物置小屋のひさしの下でかっぱを着込み覚悟を決めて出発。
鶴ヶ城の桜はこの時満開。晴れていれば。。。

道の駅たじまにて雨と寒さに耐え切れずしばし休憩。
コーヒーを飲んで温まっていると、話し掛けられる。その人から「足立区から来たけど、東京方面は朝から大雨だよ。」と更に暗い情報を聞く。

雨は案の定、東京に近づくにつれ強く降り、何度も鉄板やセンターラインや泥の水溜まりでタイヤを滑らせながらも帰宅した。
ここまで強い雨に長時間降られると、かっぱを脱ぐのもおっくうで、温泉どころかコンビニにも寄らずにひたすら走り続けた。家に着いてグローブを取ったら指がしわしわにふやけていた。

けれど、願わくば会津の里に雨が降ってればいいなぁ。


銀山温泉
山形県尾花沢市の母袋街道から枝別れした山村の中の道を行くとそこに銀山温泉があ
る。温泉の少し手前に小学校があり、どうやらそこで自転車の交通安全運動教育をおこなっているようだった。
ゼッケンをつけた小学生が白いヘルメットをかぶり街道をふらふらと自転車をこいでい
る。前にはパトカーが交通安全の放送を流しながら走っている。

こんな山里にバイクで乗り入れるよそ者は、できることならゆっくりと走りたい。こういう山里には老人や、児童が安心して向こうに渡れる環境があるべきだ。

道の行き止まりに忽然と現れる銀山温泉。
銀山川の両脇に温泉街が数軒残っている。

共同浴場の入り口で百円硬貨をチャリンと入れて中に入らせていただく。

決してきれいとは言わないが、脱衣場があり、そこで裸になり中に入る。
小さな浴槽の脇に初老のご夫婦がいた。

失礼します。と声をかける。
「熱くって、中に入られない。・・・」というような事をどうやら言っている様子。東北弁がよくわからない。あいまいに返事をしつつ風呂に入ろうとする。裸になってしまうと恥ずかしいという気持ちもあっさりなくなってしまう。やっぱり僕も日本人なんだ。

確かにお湯はかなり熱い。

東北弁でいろいろ話しかけられたが、はっきりいって よく分からない。
わかった事は、銀山温泉は熱くて熱くて浸かることができないということだった。



鳴子温泉
前日 葉桜となっていた仙台城址の片隅で野営した後に、当日は日の出とともに出発し松島を経由して、鳴子温泉についたのは10時前だったと思う。

鳴子に近づくにつれ、硫黄のにおいがだんだん強くなる。
大きなこけしが街道沿いに出現。こけしの町としても有名だ。

温泉街の奥まったところに 共同浴場「滝の湯」がある。わきの小さな駐車スペースにバイクを停めタオル一枚と着替えを持って入ることに。
湯船は古い檜づくり。外からは大きな丸太が三本浴槽の上に無造作に突き出ていてそこから豊富な温泉が流れ込んでる。

お湯は白く濁って、湯の花がお湯の中で舞っている。頭からざぶりとかぶっても、それほど目にはしみることはない。

シャンプーやボディーソープなどは使わずに入りたい温泉です。
僕ひとりしかいないので、遠慮なく打たせ湯をバイクに乗ってこった右肩にしばしあてる。これが結構気持ちいい。

料金150円
入浴券販売機がなぜか2軒ほど離れたお店の前にある。前に来たときは木の札だったのに、紙になっていまっていた。

江戸時代の風情を残す温泉です。