奄美大島編3
2月7日(火)
夜中、暑くてマフラーを取ってしまいました。タオルも取りかけたけど、息をすると鼻が痛いので取らずに頑張って寝ました。うーー、風邪は辛い。鼻が詰まってしまい、頭がボーーーっとする。
【と】は食料を求めて海へ。ギャング君の大きいのを釣って来たので、さっそくムニエルにして食べました。
午後は図書館へ。峠を走っている時におじさんとすれ違ったのですが、何事かワーワー言っているので車を停めて聞きに行きました。すると、なんと免許の再交付までの日数がわかったという電話が警察から来たそうな。大事なことを知らせようとワーワー言っていたのに「なんか言ってたねー」と私達がそのまま行ってしまっていたら、きっと呆然としたことでしょう。
ちょうどいいので、警察に行って話を聞くと、あと10日くらいで完了するそうな。
図書館に行き、本を読んでいると警察に保険証を忘れたことを思い出し、あわてて取りに行きました。道路を挟んだ向かいだったのでよかったけど、いったい何遍忘れれば気が済むんだ!と自分たちでもあきれてしまいました。
蛍が文庫本をカジカジしたのでしこたま怒られる。「おまえがやったんだろー!吐けー!」と刑事ドラマの真似して【と】が電灯で照らしたら、怖がっていました。釈放するとトイレに立てこもったのですが、純がトイレに行けずに気の毒だったので前座席に移動させました。震えていたけど、悪いのはあんたなのだよ、蛍。
またしても最強装備で眠りにつく。
『栗田よしなりと福地たかこのチョットアブない夜が来た』を聴いて大笑いする。RKBラジオ(福岡の放送局?)の番組だったのですが、結構遠くでも電波が届き(なにしろここは奄美!)、西日本にいる時は毎日これを聴くためにチューニングしたものです。ラジオ番組にハマったのは生まれて初めてでした。
2月8日(水)
おだやかないい天気。
こうなったら、釣りするしかないでしょうということで、テカポを出す。『ベタ凪』というのはこういうことを言うのだなと素人の私達でもわかる、まるで湖のような大島海峡でした。
しかし、すぐ錘を引っ掛けてしまい、代わりの石を探しに浜へ(ちょっとまぬけ)。
出なおすも、結局ギャング君と大ぶりな唐揚げ君を1匹ずつしか釣れませんでした。
うーん、凪なのにねぇ、日はいいのにねぇ・・・。
きつね蕎麦を食べ、魚はおろして干しました。猫用に干物にするつもり。
猫達を外で遊ばせていると、ポメラニアンとかシーズーとかそう言う感じの小さい犬が来てキャインキャインと走りまわり始めました。猫達は既に松の木に登っていたのでじっとしていましたが、そのうち純が降りました。そこへ件の犬がキャンキャン言いながら近づいてきたのです。しばし見合った後、純が威嚇の体勢。すると犬は逃げ出したのです(爆笑)。猫だけでなく、犬に対しても攻撃的な純でありました。
夜は寒いのに昼間は暑い。『暖かい』ではなく『暑い』。もう春かなぁ。
ホクロが干物を狙ってパイプに登っていました。直系3、4cmの鉄パイプの上をチョコチョコ歩くのです。尻尾のある猫はやっぱりバランス感覚がいいのでしょう。
【と】は『ビーパル』を読んで、新たなお楽しみ発見。ブーメラン作り。木を削り出して作るらしいのですが、ヤスリがないとぼやきつつ、コンクリートの表面でゴリゴリ削りヤスリ代わりにしていました。人間、なんでも工夫すれば出来るものです。
2月9日(木)
暑くて寝苦しい。夏か?(なわけない)
風が強く、海は大荒れ。
ブーメランの試し投げをしたら思わぬ方向に飛んで行き、草刈をしているおじさんにぶつかりそうになってしまいました。あぶないあぶない。
もっと広いところじゃないといつか犠牲者が出ると思い、ホノホシへ。しかしここも山と山の間のせいか風がすごい。車がひっくり返るのでは、と思ってしまいました。
頃合いを見て、辺りに人気がないのを確認してからブーメランを放る【と】。しかし、空高く舞い上がったブーメランは急降下し、石の上に落ちました。拾いに行ってうなだれて帰って来た【と】の手には真っ二つに折れたブーメランが!ポチ(【と】命名)1号の最期でした。
わざわざ場所まで変えて投げたのに悲しい結果となり、うなだれて図書館へ。ほんとうに図書館ばっかり行ってる。
帰りにAコープで買い物をして車に乗るとき一瞬ドアから手を離したら、風がビューと吹き、ゴツンという音が…。驚いて振り返ると隣の軽自動車に【む】が開けたドアがぶつかっていました。辺りを確認し、逃げました。ごめんなさい、白い軽自動車の持ち主の方。修理費を請求されても払える見込みがない私達なのでした。それ以来、Aコープに行く時はとてもびくびくしていました。もし現場を誰かが見ていたらすぐわかる。鹿児島ナンバーばかりの車の中で、岩手ナンバーの私達はとても目立っていたの思うのです。
懲りずに板切れを拾ってきてコンクリートでゴリゴリする【と】。
2月10日(金)
雲が高く、穏やかな天気なので釣りに出る【と】。
【む】はというと、昨夜から考え事をしておりなかなか寝つけず、調子が悪いのも手伝って車でゴロゴロ。
ノー天気そうな私達でも直面している問題がありました。
お金です。
いくら節約しても魚を釣っても、減る一方なのは変わらず、どう間違っても増えることはない。本当は最初に決めた金額を既に使い切っているので帰らなければならないはずなのです。さもなければ働くか。そういう条件で始めた旅だったので。期間として考えればまだ半年残っているけれど、続ける気ならば職を探さねば・・・でも、住所不定なのにどこで働く?などと考えて眠れぬ夜を過ごしたのでした。
昨夜吊るしておいた魚のうち1匹が消えており、明るいうちから狙っていたホクロの仕業だろうということになり、ホクロをシメました。今日の釣果は小魚3匹だったので全部干物にしました。
高いところに吊るしている干物を「とらにゃん、これ」と言って指差すとちゃんと干物を見るとらにゃんは実はとても賢い猫なのかもしれません。
純を抱いて広場に行こうとするとバスの運転手さんが窓を開け「それ(猫)はあんた達が養っているのか」と言います。そうだと答えると「犬と猫ば△★◇○☆(聞き取り不可能)」。どうやら前は犬も沢山ここに居たらしい。「マリンステーションの×☆○★。東京から来とる人もおるから★△○◇●」。マリンステーションの若いもんが餌を与えるので20匹近くいるらしい。適当に相づちを打っていたけれど、たぶん大意は理解できたと思っています。
きれいにヤスリをかけたポチ2号を試し投げしていて、芝の上に落ちたにもかかわらずまた真っ二つ。落ち込む間もなくポチ3号を作り始める【と】でした。なのになのに、削っている最中に割れてしまいました。あまりの仕打ちにボー然とする【と】。ポチ3号は飛ぶ前に散ってしまいました。
1日干した魚を純と蛍の夕食にしました。めんどくさいので丸ごとあげることにし、リードをつけて外へ。ホクロととらにゃんがじーーっと見ているため、純は唸り続け蛍は食べようとしません。【と】が追い払うと今度はそれを見ておびえる蛍なのでした。そーじゃないってば!まったく世話の焼ける猫だなーとブツブツ言いながら撫でてなだめて安心させてやっと食べさせました。
2月11日(土)
朝からラジオを聞いたら今日は祝日と言っていたのでびっくり。おぉ、そういえば建国記念日だと思い出したものの、そんなこともすっかり関係なくずーーっと休みの私達。
食事の後、浜のゴミ拾いをしました。一応ビニール袋がいっぱいになるまで、と決め、義務感を持たないようにしました。まだまだビニール袋は必要です。
おじさんは鼻歌を高らかに歌いながら草刈り。しかし、機械の音と対等に聞こえるんだから果たして鼻歌といえるのか…?それに負けじとブーメランを作っている【と】も口笛から鼻歌へと進化(?)。車の中で聴いているととてもおもしろい。
鼻と喉が痛い【む】は車にこもって読書。蛍もお腹の上で幸せそう。
昼にハンバーグを小麦粉の衣で包んで揚げると言う摩訶不思議な食べ物を作りました。これがどうやら火が通っていなかったらしく古仁屋に向かう途中で猛烈な腹痛に襲われる【む】でした。Aコープ前の公衆トイレに心底感謝しました(食事中の方すみません)。頭が朦朧とするくらいの腹痛は久し振りのことでした。
買い物を済ませ、いつものコース、図書館へ。好きな作家の本はいずれ買うと思いそれ以外の興味のある本を読むことにしました。
猫達の夕食はさんまの蒲焼缶の汁かけご飯(本当はいけないんだけど)。すごく美味しそうに食べ、皿をきれいに舐めていました。
2月12日(日)
暑くて寝苦しい。本当に春かもしれないね。
大雨、大風、つまり嵐です。
この天気にバーベキューか何かをしにやってきた集団がありました。うるさいのは嫌いなので「俺のブーメラン用の板を燃やすなよー」(【と】)とブツブツ言いながら図書館へ避難しました。
コンクリートのヤスリではやはり限界があるようで、本物のやすりを買うことにし、古仁屋の金物屋さんへ。しかし、お店は閉まっていました。そういえば、古仁屋のお店は日曜日は閉まっているところが多いです。
食料品を買いに行ったAコープでこの前ドアをぶつけた車とすれ違いました。ぎょっとしました、さすがに。しかし、自首はしない私達。
図書館で本を読んでいるうちに雨は上がり、青空となり虹も出ました。
ヤドリに戻るとゴミは猫とカラスの混合部隊に荒らされ、板は跡形もなく炭になっていました。
2月13日(月)
嵐の中のバーベキュー集団に板を燃やされてしまったため、仕方なく【と】はポチ2号と3号を修理し、生き返らせることに。カヌーの骨を直した時に買った接着剤とグラスウールを使い、はっきり言ってものすごい強度を持つブーメランとなりました。試し投げをするとなんと返って来るようになったのですが、そうなったらそうなったですごいスピードでこちらに向かって飛んでくるので逃げてしまう私達でした。
雨が降ってきたので車に戻ろうと猫達を回収すると、蛍の首輪がありません。どこでなくしちゃったのだ?
純はザーザー降りの中、鳥と遊び続けていました。車の下まで戻ってきたので入れてあげると右目が血走っています。すごく痛そう。枝にでもぶつけちゃったの?
暇なので「のり天」を作りました。しかし、なかなか売っているもののようにカラリと揚がりません。続けてご飯を煎餅風に揚げました。真ん中がカラリとならなくて水につけた煎餅のようになってしまいました。そしてトドメと言わんばかりの最後の作品。おじさん宅でご馳走になった揚げ持ち風のものを真似してご飯に小麦粉をまぶして揚げて砂糖醤油で食べました。しかしここまで来るとものすごい油で、二人とも「うげーーー」といいながらノビてしまいました。
蛍の首輪を探しに行った時、おじさんと会い、一緒にいた人たちを紹介してくれました。役場の人たちでした。へんな2人組のことが役場にまで知れてしまいました。首輪は無事に見つかりましたが、その際【と】は棘付きの枝を思いっきりつかんだため痛い思いもしました。
純は目のせいかずっと元気がありません。
ブーメランの試し投げをした【と】でしたが、休憩所の屋根の上に上げてしまいました。
2月14日(火)
屋根に上がったポチ2号の休出作戦。(屋根の高さ3〜4m)
作戦その1:長い板に紐をかけて足を引っ掻けて登る。→手で引っ張ったら切れたのでボツ。
作戦その2:紐をもやい綱に変える。→伸びたけれど無事に登れてポチを救助できました。
おじさんに見つかったら止められそうだったので、おじさんの出勤前にやるというまるで映画のような大作戦でした。
その間、猫達は外に出していたのですが、終了後呼んでも来なかったので(当たり前)、いつもなら放っておくのですが車道が近かったため危険を感じ皿を鳴らしたらどちらもすっ飛んで来ました。単純でよろしい。
純の目はなんとか開くようにはなったけれど瞳の大きさが左と違いました。目ヤニにも血が混じっていて、見るからに痛そう。(純の目はこの時以来、左右で瞳の大きさが違います)
ブーメランを飛ばしにホノホシへ。ポチ3号を投げ、返って来たところを【む】が取ろうとすると手首に当たりました。【む】の手首は腫れ、ポチ3号は折れました(泣)。決死の大作戦で救出したポチ2号はまともに飛ばない…(更に泣)
2月15日(水)
おじさんから『アオサ』と貝の採り方を教わりました。
潮が引いた時その辺の岩にへばりついているコケのようなものが『アオサ』で、それを集めて海苔のように乾かして保存する。実際に砂を取ってきれいにしてまな板に貼りつけて・・・と挑戦してみましたが、砂を取るのにえらく苦労したのと、まな板では風が通らないので全然乾かず、その後しばらく食事に苦労したのとで、もう作ることはないだろう、という結論が出ました。
貝も岩にへばりついているものを鎌で引っかいて採りました。天然の牡蠣だそうです。大きめのをいくつか採ってボールに海水をいれて砂を吐かせていたらちょっと目を離した隙に脱走を企てているものがありました。貝の動きは思ったよりずっと早いですね。ちょっとびっくり。
今日のポチ日記。念願のヤスリを手に入れポチ1号を磨き、飛ばしたが空しく折れてしまいました。まともに飛び、元のままの姿で着地するのはいつの日か…。
2月16日(木)
朝方、蛍は割と早い時間からシュラフには戻らないで外を見たり人の寝顔を見たりしているけれど、純は一旦シュラフから出ても、また入れると人が起きるまで寝ています。完全に人と同じ習性になっているようです。
洗濯デーなので出かけようとするとおじさんが管理人室から出てアワアワ言っていました。なんだろうと思い戻ってみるとビニール袋を二つ下げ、「おばさんが天ぷらを作ったから食べなさい。こっちは茹でて食べなさい」とのたまいました。袋を覗くと美味しそうな天ぷらとブロッコリが入っていました。ありがたいことです。
古仁屋で洗濯、買い物、図書館の用事を済ませヤドリに戻り猫を外に出すも、蛍は全然動かず車の方に戻りたがっていました。かといって入るわけではないのだけど。猫も難しい年頃です。
2月17日(金)
休みのはずのおじさんが「免許証できてるて電話あったよ」とわざわざ知らせに来てくれました。
さっそく取りに行って見てみると、白黒写真の【と】の顔は指名手配の犯人のよう。人相わるーい!しかし、これでとりあえず一安心、今後の移動もできるというものです。
考えるのが苦手な私たち、しかしそうばかりも言ってられず「これからどうする?」討論会。結論は・・・日記には書いてないのでわかりません。今もって出ていないかもしれないですね。
蛍光灯の調子が悪く、解剖してみると線が切れていました。大事な文明生活の証が!どうしよう!ハンダ付けもできないので、セロハンテープで応急処置をしてなんとか日が暮れた後でも食事ができる状態をキープすることができました。
つづく