奄美・九州編
2月18日(土)
いつもの日課、買い物と図書館へ。
久しぶりに焼きそばを食べたけれど、食べなれている「マ○ちゃん」のではなかったため味が馴染まず(そういう問題でもないと思うが・・・)、おいしくなくて残念でした。
免許もできたことだし、ヒカンザクラも咲いたことだし、そろそろ本土復帰を考えて図書館で各地のフェリー時刻を調べ始めました。カヌーイスト憧れの四万十川に行くための四国入出の便も思ったよりあり、アクセスはしやすいかもと明るい見通し。
そんな調べ物をしていたらカウンターのほうから聞き覚えのある声が。「?この地で聞き覚えがあると言えば・・・?」。はい、おばさんがいました。おばあさんをデイサービスに連れてきて、時間のあるときに本を借りに来るそうな。
天気は悪く、海は怒っています。
2月19日(日)
昨夜は大嵐だったため食器が洗えず、朝一番の仕事はその片付け。ついでに未明に来て騒ぐだけ騒いで帰った、謎の集団が残していったゴミも片付けました。
【と】は暇だとお腹が空くのか突然ラーメンを食べ始めたり何かをつまんだりしています。
午前中いっぱい猫達を外に出していたので思う存分遊んだと見え、回収に向かった私たちの腕におとなしく帰ってきました。いつもこうだと楽なんだけどね。
「今後のことを考えよう!」家族会議。北海道にまた行きたい!というのは二人の共通した意見なのだけれど、どう考えても金銭的に非現実的なので断念。もう既に予算オーバー。川下りはしないと意味がないので、できる限りやろう。九州、四国等、気軽にまた来られる場所ではない。そして、岩手に帰ってからはボロボロのアパートを借りてしばらく住み着くことに。以上のことを決め、差し当たってはここにいてもお金がなくなるだけなので、寒いけれど北上することにしました。まだ2月。川の水は冷たい・・・。
2月20日(月)
移動の準備、テカポの撤収。さんざん海で遊んだので念入りに真水で洗いました。北海道の尾岱沼で海に出した後、適当に洗ってたたんでいたら次回の川下りのときに数箇所骨折してしまい、ガムテープで応急処置をして川下りを決行した苦い経験から学んだことです。間接部分は特に念入りに何度も何度も流しました。石鹸で洗おうかと思ったくらいです。なかなか学習しない私たちでも、さすがに大事なものは大事に扱います。
純はなぜか蛍の後をついてまわるので、「シスターコンプレックス純」略して「シスコーン純」と牛乳をかけたくなるようなあだ名がつきました。いつか血がにじんでいた目はまだ治らないみたい。
本土に汚れた服は持ち込めないと、コインランドリーへ。一緒にランドリーにいた男性がジュースを買い、持っていた紙袋からケーキ(!)を出して食べ始めました。とても怪しげだったけれど、とてもおいしそうでした。
明後日のマリックスラインのフェリーを予約し鹿児島への切符を手に入れました。
自宅以外でこんなに長いこと滞在した経験はありません。免許交付を待っていたためこんなに長居することになってしまったけれど、居心地がいい所だったのは確かです。思ったより寒かったけれど(奄美で紅葉があるなんて知らなかった)、岩手なら雪に囲まれている今の時期に、海に入って魚や珊瑚を見られるなんて、狭いようで広い日本を感じました。
2月21日(火)
REIとL.L.Beanのカタログを見て欲しいものを物色。しかし買えるわけでもないので後から空しい気持ちになりました。
最後の挨拶におじさん宅に行きました。上がらないつもりで行ったのですが「お茶でも飲んでいきなさい」という言葉に甘えてお邪魔し、おいしいお餅まで出していただき、シチューをおばさんと一緒に作り、結局夕食をご馳走になってしまいました。
食後、蛇味線を持ち出したおじさんが、民謡を沢山歌ってくれました。奄美のだけじゃなく、全国各地のを歌ってくれたのだけれど、一緒に歌えるものが一つもなくてちょっと淋しく、申し訳なく、きっとおじさんもがっかりしちゃっただろうなと思いました。独学、見よう見まねと言っていましたがとても上手でした。
2月22日(水)
夕方の便なのでゆっくり起きていつもどおりにご飯を食べ、出勤してきたおじさんにお礼と挨拶をし、名瀬のフェリー乗り場へ向かって出発。
途中またおじさん宅に寄り、おばさんにも挨拶。
本当に本当にお世話になりました。おじさんとおばさんがいなかったら、私たちはまだ沖縄で呆然としていたかもしれません。または「免許の再交付ができない」という理由で、旅を途中で止めていたかもしれません。鹿児島県の住所で発行してもらった免許は、私たちの宝物です。
フェリーの時間まで書店に入ったりスーパーに入ったりぶらぶら。
乗船券を買ったとき、窓口の人から「いい旅を」と言われました。はっきり言って驚きました。日本でそんなことを言われるなんて!でも、なんだか嬉しい気持ちになりました。
船に乗ったら場所を指定されてびっくり。今までフェリーと言えば好きな所に適当に雑魚寝、というイメージしかなかったのです。混んでいたのですね。
【む】は隣りに座ったおばさんから「受験ですか」と訊かれ、心底びっくり。最初、言っている意味がわからなかったくらいでした。薄暗かったからでしょうが、喜ぶどころか面目ないと思ったものです。この年でそんな顔に見られるとは・・・。
今度こそ、本当に奄美よさらば!なのです。
島だから長い川がないので川下りができず、海はどこか怖い【む】は奄美にはずっと住めません。しかし、きっとまた来ようと思わせる所です。おばさんが「本土の人には想像できない」と言った台風もこの目で見てみたいし、あっついのに日陰に入ると海風で涼しいという真夏も体験してみたいし、珊瑚と魚をまた心ゆくまで見たいし、大きくなったほくろととらにゃんにも会いたい。
いつかまた来るぞ!
2月23日(木)
祝!本土復帰。
思ったより暖かくてちょっと安心。
車が多い!走っても走っても道は続く。これが久しぶりに広いところを走った私たちの率直な感想です。
まだ足を踏み入れていない宮崎へ。
途中、桜島を見ると今日も元気に煙を吐いていました。火山灰で車がどんどん汚れていきます。
2月24日(金)
都農でリニアモーターカーの実験センターに寄りました。古い車体が展示(放置?)してありました。
ホームセンターで猫用品を買い(その充実ぶりに「本土」を感じました)、何か食べ応えのあるものをと思いジャーキーをあげてみましたが、あっさり、本当に見ていてあっけに取られるほど、あっさり食べ尽くされてしまい「も少し時間かけて、よく噛んで食べようよ」と二人してぶつぶつ言ってしまいました。
川下り第1回目を五ヶ瀬川に決定し、下見に行きましたが水量はやはり少なくちょっと不安。石が大きく、かなりの距離を歩かなければならなくなりそう。
移動途中のため純と蛍は外に出せず、ストレスがたまるらしく時々狂ったように走り回っています。ワンボックスカーの中をあれだけ全力疾走できるのもすごいとは思いますが・・・。
2月25日(土)
天気予報では午後から雨と言っていましたが、聞く耳持たずで川下り決行!
とは言っても、細見駅まで車を移し、川の水に指を入れたときには「中止」の文字が二人の頭を掠めました。やっぱり冷たいのです。
しかし、ここまできたらやるしかないでしょうと荷物を運び、列車に乗りました。
堤防に残した車のフロントガラスには「怪しい者ではありません。川下りをしています。夕方には戻ります」の張り紙。かえって怪しい。
幸い川沿いを走る列車なので、見える所だけでも川地図に情報を書き込んでいきました。久しぶりなのにろくに情報がなくちょっと不安です。
出発地点へは槇峰駅から人様の家の前を通って川辺に下りました。一応声をかけたのですが応答なし。ま、いっか。
流れがほとんどなく、足場も確保でき、久しぶりの川下りにはもってこいのスタートでした。
このときはもうウェットスーツを着込み、パドリングシューズも履いていたので、水の冷たさは気になりませんでした。
そろそろと船を出し、最初の瀬は無事に通過したものの、次の瀬はぎりぎりで船を岸に着けて下見に行くと、どうやら道路から見て「どうがんばっても下れない!」と思った瀬のようでした。石がごろごろしていて水が少ないため、カヌーだけ流すのも難儀なようですが、仕方なく【と】がテカポを連れ(ライニングダウン=ポチの散歩)、【む】がパドル2本を担いで瀬をパスしました。出発後30分で長い長いポチ。そして【と】は頭までずぶぬれ。船に乗ってないのになぜ?はい、テカポを引いているとき、あまりの足場の悪さに川の中でこけたのでした(ポチ沈)。
とにかくあらゆる瀬で水がないためポチばかり。
降りて乗っての繰り返しも疲れるので、後半の浅いところは「ゆっくり流されながら引っかかったら歩く」というワザ(?)を駆使し、下見の余計な時間もとられなくなり幾分楽になりました。
終わってみたら、瀬、ザラ瀬以外はトロ場(流れがない)というとんでもないコースでした。一番疲れるパターン。普段は漕がず瀬の中でだけターボとして働く【む】も、本日はほとんど漕ぎっぱなしだったため(トロ場では漕がなきゃ進まない)、指の皮が向けて痛い思いもしました。
そしてやはり2月だけあって、ウェットスーツ、パドリングシューズを装備しているとはいえ寒いものは寒い!手は剥き出しなので、かじかんでいました。ここまで寒い思いをして川下りをしたのは初めてでした。
槇峰10:30初、距離にしたら本来2〜3時間のコースでしたが、歩いてばかりいたため車にたどり着いたのは16:00!夏に参加したカヌーショップ主催の最上川ツアー並のハードさでした。しかもその時は「ひたすら漕ぎ続けて16:00」でしたが、今日は「ひたすら歩いて16:00」だったのでどっと疲れました。途中、休憩のための上陸はなし。ひたすら前進あるのみでした。
川で出会った人は、釣り師2〜3人、ギャラリー(子供)数人、火を焚く人2人。
【む】が描いた川地図はないよりマシ程度しか役に立ちませんでした。もっと忠実に川を写し、川から見えそうな目印を的確に見つけられるように腕を磨かなくては。
疲れきった体に鞭打ちテカポを車に乗せ、温泉を探しに行きました。
走っているうちにバイパスに乗ってしまい、温泉がある様子は微塵もありません。
道の駅があったのに、店じまいしており訊くに訊けないので、向かいのお店に訊きに行きました。お店の人が教えてくれたのですが、複雑そうな道筋に「???」の顔をしている【む】を見かねて、ちょうどビールの配達に来ていた人が「近くに行くから付いておいで」と言ってくれました。本当に助かりました、ありがとう。
案内してくれた温泉は駅に隣接しているところでした。新しくてきれい。ゆっくり入りすぎて湯当たりを起こしたのは【む】です。反省。
2月26日(日)
道の駅で寝ていると、朝も早くから子供の団体等がゾロゾロやって来ては「裏のトイレ」を探しています。大きく張り紙でもしておけばいいのに、【む】も散々探してやっと見つけたくらいだから、きっと大抵の人はあきらめてしまうと思う。
天気は悪いけれど阿蘇を目指す。
水のない五ヶ瀬川さえ見えないほど高いところに造られた国道を走りましたが、そんな国道沿いにもずーっと前から住んでいるような家もあるし段々田んぼもあり、「昔の人は水はどうやって手に入れていたのか?」という疑問がムクムクと湧き出てきました。湧き水があるのか?川まで何10メートル、下手したら100メートルくらい降りて水を汲んで上ってくるのか?疑問は解決せず。
阿蘇山登山道路に入ると「雪のため注意」の表示。料金所の人に聞くと3本ある道路のうち1本が積雪があるらしいので他の2本へ。周りを見回すと確かに高い山には雪がありました。
ロープウェイ乗り場に到着、駆け込んでロープウェイに乗り込み頂上へ。
頂上へ着くとすごい寒さ。耳も手も痛いくらい。風も強い。看板を見ると「ただいまの気温−2度」。マイナス2度!今年初めてのマイナス体験です。
火口を一回りしてストーブにあたって、とっとと降りてきてしまいました。南国で冬越えをしたためとても寒さに弱い私たち。
車まで戻り、近くに雪が残っていたので純と蛍を外に出しました。道産子、九州で初雪体験!びっくりした感じはあったけれど、ぺちゃぺちゃと歩き回っていました。
雪で遊ぶのが好きな【と】、猫をおちょくるのが好きな【む】、この二人がいたら次にやることは自ずと決まります。「雪玉ジャーキー」。
水皿に入るくらいの雪玉をつくり、2cmくらいにちぎったジャーキーを刺し、猫達の前へ。純はジャーキーの周りを舐めて雪を溶かし、何本か食べることに成功していましたが、蛍は冷たいのが苦手らしく二舐めくらいであきらめていました。
チキンラーメンでお昼を済ませ、やまなみ方面へ。
南下のときとは打って変わって天気がよく景色がきれい。風に揺れる草原の風景がとても美しい。でもやっぱり冬、緑は無し。
長者原で宿泊しようとしましたが、あまりに寒いので(霜柱の跡がたくさん)、山を下ることにしました。
由布院を抜けて、食料を確保し、寝る場所を探そうとしたら目の前に「庄内町運動公園」の文字が!迷わず入り、無事寝場所を確保。
それにしても・・・山を下りたのに寒い。
2月27日(月)
朝、公園で純と蛍を遊ばせていると管理人らしきおじさんと共に結構大きな犬がやってきました。犬さんが純に気づいて近づくと、純は威嚇の体勢(斜め歩き)で「フー!」。お友達になれなくて残念ですという感じで、犬さんは戻ってきたのですが、それまで隠れていた蛍がいきなり飛び出し、斜め走りピョンピョン(本猫は威嚇のつもり)で「フー!」とやったので、のんきな犬さんもこれにはびっくり。犬さんが退散すると蛍は手近な木(2〜3m)に登り、てっぺんで「ワオーン、ワオーン!」と叫んでいました。勝利の雄叫びのつもりでしょうか、すごいぞ、蛍!でも、罪の無い犬さんはかわいそう。
大野川の下見に行きました。
途中、酒のディスカウントショップを見つけると吸い寄せられるように入り、それぞれ好みのアルコールを手に入れました。
イチ押しだった大野川も水が無く下れそうにないのでパス。私たちは川を船で下りたいのであって、船を引いて散歩したいわけじゃないもん。
そのまま四国行きフェリー乗り場、佐賀関へ。
こうして、あっけなく九州とはおさらばとなったのでした。
祝!四国初上陸。
もう夕方なので、寝場所を求めて西へ。
九州に日が沈む、佐田岬で眠りました。
2月28日(火)
九州では山の上の方まで人が住んでいることに驚きましたが、四国はそれよりもっと上まで人家があり、たまげました。温暖なんだなーと納得。
みかんがあちこちに落ちていて「みかんの国」を実感しました。
肱川の下見。水無し、下れない。
そのまま四万十川方面へ。
国道を迂回して県道を走っていると「四万十川源流」の看板。喜びいさんで見に行ってみましたが、普通の川でした。一体何を期待していたのでしょう、私たち。きらきら輝く清流、風に揺れる花、気持ち良さそうに泳ぐ魚・・・?
ご多分に漏れずやはり水が少ない。
奄美の海を見慣れた目には、清流四万十川でさえあまりきれいには見えませんでした。とてもゼイタクだと思いました。
家地川ダムで泊。
またしてもファジーナビ【む】の本領発揮。地図を見ていながら、道に迷ってしまいました。しかし、【む】に言わせれば、地図と実際の道路表示が食い違っていて、迷った後でも【む】の方がさっぱりどこにいるのかわからなかったのです。困ったものです。
つづく