北海道編2

9月1日(木)
観光文化センターに行って土産物を物色するも誰に買う土産だい?的な問題もあり、荷物を増やしてもしょうがないので早々に退散し、たたんだカヌーを乗せて運ぶカートを買いに雨の中車を出しました。
(お馴染みの少し説明。フォールディングカヤックはたたむと人が担げる大きさになります。テカポは二人艇のためちょっと大きくて、背負い袋と手提げ袋の2つに分かれます)

やっぱりいくらたためるとはいえ、25kg近くにもなる荷物を背負って歩くのはきついよね・・・。
しかし、斜里まで行って探しても見つからず、川下りの度に肩が抜けそうだと泣いていた【と】の苦労はまだまだ続く模様。

クレームをつけたダンロップのエアマットはイコライザーマットと交換してもらう事で話はつきました。
広げると勝手に膨らむエアマットを買って使っていたのですが、車中が暑くなった時に接着剤が溶けてしまったらしくマットの端が剥がれてしまったのです。ぜんぜんマットの意味がなくなってしまった・・。
そんなことでいいんかい、と東京のダンロップまで電話をして(あぁ、電話代が・・)文句を言いました。交換しようにも買ったのは横浜の店、しかも商品を直接客に売る事はできないといわれ途方に暮れましたが、なんとかここから一番近い釧路のビクトリアに商品を卸してもらうことにして決着しました。
よかったぁ。ダンロップの人もめんど臭いだろうけど、マット無しで寝る私達も辛かったのよ。


9月2日(金)
標津川下り決行!
しかし・・・ケネカ川に散る・・(大泣き)。
標津川を下ろうと思いましたが区間が短いのでもっと上流から下ろうと思い、流れ込んでいるケネカ川から下ろうとしたのです。

現地に着いてもテカポを組み立てる場所がろくにないので、仕方なく少し道路が広がっている所で大型ダンプが頻繁に通る中、【と】が組み立て、【む】が見張り(?)をして埃にまみれて組み立てました。前回関節が折れた所はガムテープでグルグル巻きにしてなんとか使えるようにしました。
そして足場が悪い川っぷちをなんとか下りて川までたどり着いて、やっとのことで川に漕ぎ出したのに・・のに・・。
なんということでしょう!20mで倒木に張り付き、抜け出したと思ったら有刺鉄線で通せんぼ・・。後はひたすら冷たい水の中を歩きました。
どうやら家畜用の有刺鉄線らしい。最初は倒木と思っていたものも、人工的な倒木だったのです。

これじゃ下れないと、すごすごと撤収(また関節折れた・・)し、薮こぎして振り出しに戻りました。荷物が重く薮のチクチクが苦手な【と】、なかなか進まないので【む】が前に出て「うりゃ!」と掛け声も高らかにバッサバッサとパドルで薮の中に道を作っていきました。逆境に強い人>【む】

バス停に行ってバスを待つ間、地元のおじさんと話をしました。
「何やってんだ」
「カヌーで川を下ろうと思って」
「どこの川」
「ここのケネカ川」
「(さもビックリした様子)!??この川か!?だーめだ、下れね」
はい、おじさんのおっしゃる通りでございました。

ヤケになって500円の高い温泉に入り、アイスまで食べ、開陽台に行ってラーメンを食べました。
中標津に行って念願のカートを手に入れました。これですこしはテカポを持っての移動も楽になるでしょう。
中標津空港に行って飛行機を見ていたら自衛隊機の離陸を見られて大喜び。あんなにずんぐりむっくりなのにちゃんと、しかも旅客機よりも短い距離で離陸するのに驚きました。

横浜にいた頃【む】が働いていた会社の知り合いHさんが弟子屈に家を持っていて、その方に連絡を取りました。すごく広い土地に家を建ててTVで取材なんかされちゃった人です。

人のいない所をいつも目指す私達、摩周湖も裏摩周にしか行った事はありません。で、今夜は裏摩周で泊。


9月3日(土)
なぜか4:30に目が覚め、摩周湖を見て車に戻ってくると鹿さんがぼーーっと立っていました。
3秒ほど2人と1匹は凍り付きましたが、鹿さんが歩き始めたのでじっと見ていると草を食べ始めました。ここで小さな発見、鹿って草食べるんだ!(あたりまえじゃ、草食動物だろが!)木の芽を食べる場面しかTVで見た事なかったので・・。オハズカシイ・・。
驚かせないようにゆっくり車に戻り車の中から観察を続けていると、1時間ほどかけてのんびり朝ご飯(なんだろうか?)を食べ薮の中へ消えていきました。なんてのどかな朝でしょう!

900高原で柵の中の牛さんに草を摘んで差し出しましたが、大きな顔が迫ってきて結構怖いものですね。臼歯だからそんなに痛くもないかもしれないけど、草と一緒に噛まれたら大変、と及び腰の私達でした。


9月4日(日)
3度目の釧路川下り決行!
手に入れたばかりのカートにカヌーを載せて弟子屈の『道の駅』からバスセンターへ歩きました。でも、バスに乗っているとあれま、『道の駅』のすぐ近くを通るではないか!ちゃんと地理を把握してないから余計なところで体力を使ってしまった・・。
本日の運転手さんも湖眺橋まで乗せてくれた。うぅぅ、ありがたいことです。

すっかり慣れた気分で、普段は瀬の中しか漕がないのターボ君の【む】がしゃかしゃか漕いでずんずん進む。
そういう時ってとっても危ないのよね、はい、とっても。

美留和橋下流の、川幅が少し広がり浅くなったところの前方で何かが動いていました。家畜の横断かと思いつつ流されていくと、それは鹿の群れでした。10頭近くいたのではないでしょうか。

倒木、隠れ岩、テトラに1回目の川下りでは全然ぶつからなかったというのに、3度目の今回はゴンゴンぶつかりまくり、挙げ句の果てに前回もちょっとかすめた倒木をスピードの出し過ぎで避けきれず張り付きあえなく沈!普通に乗っていれば沈する事はないと誰もが言う『カナールU』でひっくり返ってしまいました。ナサケナヤ。
なにしろ初めての沈だったので(沈からの脱出は本栖湖で練習はしたけど)びっくりしました。
そのときの各人の様子をば・・。

  【と】ひっくり返る瞬間、体を上に向けていたらすんなりスプレースカートが外れたので頭までは濡れずにテカポから抜け出せた。
  しかし、【む】がいない!テカポと一緒に律義にひっくり返ったらしい・・。
  おい、早く上がってこいよ、まだかよ。・・おい!大丈夫か?!
  【む】(既に水の中)あぁぁ、ひっくり返っちゃったよー。この前TVで見たもんね。まず落ち着いてスプレースカートを外して・・・えっ?!外れない?!なんで外れないのよぅ。ひー、助けてくれー。
  あ、外れた!やったぁ、じゃ落ち着いて頭を水上に・・・げげっ?!なんで上に行っても頭がつかえるのよぅ。ひどいよぅ。
  テカポめ私を溺れさせるつもりかぁ!!空気をくれ、空気を・・。ぷはー、なんとか浮いたぞ〜。

やっと【む】も浮いたので今度はどこかに上陸しなければなりません。深い所だったので川の中を歩くことはできませんでした。

【む】は流されている間に倒木に足を挟まれあわや骨折!の危機もありましたが運よく外れたため怪我をせずに済みました。よく川下りで骨折するというのを聞きますがこういう時にしてしまうのですね。

やっとのことで上陸し、怪我がない事を確認し荷物の点検をすると、なんということか、スプレーカバーがない!
(こんな時にも少し説明。カヤックはデッキ内に水飛沫が入るのを防ぐためスプレーカバーというものを付けます。二人艇の場合は人間がスプレースカートという物を付け、スプレーカバーにくっつけて水が入り込むのを防ぎます)
元々テカポのスプレーカバーは船体に小さなマジックテープで留めてあるだけの「そんなんで大丈夫?」な物だったので、沈の拍子に外れてしまったようでした。きっと【む】がスプレースカートを外そうとしても外れなかったのはそのせいだと思われ・・。

スプレースカートだけ残ってもカバーがないと使えないので川に入って探しました。しかし、流れは速く危険だしこの先下っていったら見つかるかも、と半分あきらめて再出発しました。釧路川にゴミを残してしまった。そのゴミは買うと3万円はするもので、貧乏旅行中の私達にはとても悲しい出来事でした。
スプレーカバーは見つからないままなんとか『道の駅』近くまで下り、ずぶ濡れのテカポと人間は仲良く天日干しされたのでした。

教訓。同じ川を何度下ろうとナメたらあかん!

温泉に入って身を清め汚れ物も片付けてから、弟子屈に家を持つHさん邸にお邪魔しました。林の中を入っていくと木漏れ日の中にすてきな家が。
原野を買ったので家の周りだけ整地して後はゆっくり手を入れているとのこと。都会育ちの奥様が「草刈り機も随分使えるようになったわ」とのたまうのを聞いて少し感動してしまった。
野良猫にチーズをごちそうしてあげたり、リビングから庭の木にやってくるリスを観察したり、餌台を作って小鳥にパン屑をあげたり生活を楽しんでいらっしゃる。

猫のミミちゃんがいて、猫好きの【む】としては仲良くなりたいのだけれど、どうも人見知りするようなのであまりしつこくしない事に。撫でるだけならとりあえず逃げない子でした。

お茶だけいただくつもりがお風呂も使わせていただき(温泉に入ったのに)、豪華な夕食もごちそうになりお酒まで飲んじゃって、ついにはお布団まで借りて寝てしまった!旅行始まってから初めての畳の上での睡眠。本当に感謝。


9月5日(月)
余所のお宅でも爆睡しちゃうのが【む】の欠点・・。
沈した疲れもあり、お酒まで飲んじゃったのでとてもよく眠れました。
【と】は夜中に息苦しさを感じて目覚めるとミミちゃんがお腹に乗っていたそうな。人見知りするはずぢゃあ・・?
お弁当まで作っていただき、ここ何週間分の栄養補給(笑)をさせてもらってHさん邸を失礼する。

霧多布岬へ。よくパンフレットに載っているアザラシは見られませんでした。

山の中の道路端で夕食を作っているとキタキツネがやってきました。ちょうどキャベツを切っているところだったので切れ端を投げてみました。ところが、匂いを嗅いで「しけてんなぁ」って顔して帰ってしまいました。

場所を変えて寝る準備をしているとバイクに乗った人がやってきて道路から「キャンプ場はどこか」ときいてきました。よくわからないけど、地図に載っていた方向を指し示すとそちらに向かって走っていったけど、果たして彼は無事テントを張る事ができたのでしょうか・・。


9月6日(火)
釧路のビクトリアに行ってイコライザーマットを交換してもらう。エアマットより高いので、差額を払おうとしたら「いりません」とお店の人。へ?なんで?と思ってきいてみたら、ダンロップからの納品書にも0円と書いてあり、どうやら北海道から東京まで延々と電話をかけた事で差額を免除してくれたみたいでした。よかったぁ。

白糠をまわり、足寄を目指す。なんで足寄かというと『道の駅』にチーズ工場がくっ付いていてあれこれ食べられるから。


9月7日(水)
仙美里ダムの近くの山中で散髪。小さい鏡で全体の髪を切るのは至難の技でした。

温泉にも入り、さあ、チーズ、チーズとウキウキしながら『道の駅』に行くと・・ひどい、ひどすぎる、定休日。あぁなんて不運な私達(おまぬけともいう)。残念無念。

肩をがっくり落として十勝ダムの奥の方の川っぷちで泊。


9月8日(木)
雨の音で目が覚めて慌てて逃げました。川っぷちは怖いですね。

秘境トムラウシ温泉の国民宿舎で優雅に朝風呂。建て替えたばかりらしく、きれいで気持ちがいい。

南富良野を通って富良野へ。

サンバースト(テカポを買ったお店)に電話して骨の修理の仕方を聞きました。
幸いテカポは木を使っているので素人でも直せるとの事でした。強度を保つためグラスウールなる物を巻くと良い、と教えられたものの、一体それは何ぞや?というド素人の私達。とりあえずホームセンターにでも行けば何とかなるかとホームセンターへ。
一緒にスプレーカバーを取り寄せられるかどうか聞いたのですが、輸入物のため商社は船とセットでしか扱わないらしく手に入れられない事が決定・・。(今でもできれば手に入れたいものの一つです。これを読んだ方で『カナールU』のスプレーカバー持ってるよ、という方いらっしゃいませんか)

修理材料を探したけれど、グラスウールなる物はやはり見当たらず、途方に暮れました。


9月9日(金)
『麓郷の森』見学。
ここも来る度に建物が増えているような気がします。
『北の国から』の撮影で使った五郎さんの家はいっぱい落書きがされててとっても悲しい。中に入れないように紐が張ってありました。
観光地の性とはいえ「ここに来る人って『北の国から』のファンのはずなのに・・」と頭に来てしまいました。

カヌー修理用のグラスウールを求めてさまよい始めました。
旭川に行けば何とかなるかも、と期待を込めて北上しましたが、ホームセンターには見当たらず・・。
またサンバーストに電話してどんなものなのか詳細を聞きました。なんてったって探してる本人たちがどういう物かわかってないんだから、見つかるものも見つからないかも。

タウンページで見つけたガラス繊維の会社に電話して、普通は一般人には売らないところを無理して売ってもらえる事になりそうだったのに、詳しい事を聞こうと再度電話したら担当の人が出掛けてしまって、ぬか喜びに終わってしまいました(大泣き)

半分あきらめて、それでも、と寄った石黒ホーマで『FRP用補修キット』を発見!よくよくパッケージの中を覗いてみるとグラスウールも少し入ってました。迷わず購入、一安心。これでテカポを修理できる(嬉し泣き)

寝る場所を求めて東神楽キャンプ場へ。
駐車場の端っこでベンツが3台とカメラを構えた人がいて、「カーグラか?」と思ったけど、そんなわけないよね。
夕方になり、どうやら駐車場は閉められそうな雰囲気なのでそそくさと退散。

でも、もう暗くなるから遠くへは行けないので、とりあえず林道に入りどかどか走っていくと、突然目の前が開けてきれいな森と丘の風景。誰かの畑の脇なんだけど、収穫は終わっているようだし誰も来ている気配がないので、ここで寝させてもらう事に決定。

つづく

北海道編1へ   旅日記目次へ   北海道編3へ  北海道マップへ