北海道編3
9月10日(土)
仔猫発見!!
買い物をしに行こうと車を走らせていると【と】が「あ、仔猫!」と。「どこどこどこ?」と【む】はきょろきょろ。
車を止めてバックし始めるとバックミラーの中に走って近づいてくる仔猫発見。
「危ないから下りて先に行くね」と車を降りて歩いていくと、キジトラ白の仔猫が大喜びで走ってきます。
あの時の嬉しそうな顔は今でもはっきり思い出せます。くりくりした目でピョンピョン跳ねながら走ってきたのです。
抱き上げて撫でているとどこからか違う鳴き声が聞こえました。
とりあえず車を停める場所をと仔猫が最初にいたすこし広くなったところへ歩いていくと、道路脇の草むらにもう1匹、三毛の仔猫がいました。さっきの鳴き声はこの子だったのね。
お腹がすいているようなので、手持ちの食料から猫が食べそうなものを探して、牛乳とかつおぶしをあげました。
草で遊んだり足にまとわり付いたり、うーん、とにかくかわいい!
猫好きの【む】には、『もーたまりまへんなぁ』状態でした。
キジトラの方は走り回ってよく遊ぶけど、三毛の方はうずくまる事が多く元気がない。
歩く姿を見てみても後ろ足をつかないので、骨が折れているんだとわかりました。
こんな所(山の中)にいるって事は、捨てられたんだね、可哀相だね、と思いつつ、昨夜雨降ったのになぜこの子達はきれいなのか、と素朴な疑問も湧きました。
でも、随分お腹がすいているみたいだし、捨てられた直後だったのかもしれません。
しばらく・・1時間近く遊んだ後出発する事にしたのですが、あまりに【む】が嬉しそうで、楽しそうで、名残惜しそうだったのを見兼ねてか、【と】が「連れてく?」と言いました。もちろん【む】に異論はありません。
連れて行く事に決め、名前をどうするか話し合ったのですが、そこは東神楽とはいえ富良野の近く、兄と妹らしいので即『純』『蛍』に決まりました。
実は【む】は猫を抱いた瞬間から連れていく事を考え、名前は『純』『蛍』で決まりだな、と思っていたのです。
こうして純と蛍はうちの子になりました。
東神楽のキャンプ場に水を汲みにまた行きました。
そこで草むらに純と蛍を放していると蛍が突然哲学的な顔をし始めました。
「あ、これはうんPだ!」と悟った【む】はティッシュを持って急行したのですが、あわてて手元が狂い、というより、どこから出るか正確に把握していなかったため、蛍の排泄物はみごと【む】の手の上に・・・。凍り付いたのは言うまでもありません。
しかしなぁ・・、会って間もない人間がティッシュ持って、お尻の周りでうろうろしている時に、平然ときばれる猫っていったい・・。
実は偶然にも数日前、【と】は犬好き、【む】は猫好きなので「途中で子犬か仔猫がいたら拾おう」と話していたのです。
たまたま猫の方が先にいたので現在に至っています。
旭川に行き、本屋で猫の躾の本を買い、ホームセンターで猫用品を買い込む。
とりあえず、動物病院に連れて行き健康診断をしてもらいました。
生後3ヶ月くらい、似ているからやっぱり兄妹だろうとのことでした。
純は問題はないようなのですが、やはり蛍の左後ろ足の骨は折れているので、入院させて治して欲しいとお願いしました。
でも、獣医さんは「家に帰ってから病院に連れて行けば」と言うのです。
ごもっともな意見ですが、あいにく私達はしばらく家に帰る予定はなく、その間放っておいて骨が変にくっ付いても大変なので、今一つ納得できない獣医さんに頼み込んで手術してもらう事になりました。
ふつう、納得できないよね、「旅行中で、家に帰る予定は立ててなくて、この先どこに行くという予定もなく、必要ならばいつまででも待てるから怪我を治してくれ」って言われても・・。
1週間くらいで退院できるだろうといわれ、その間この近辺をうろつく事にしました。
蛍がいないのをわかっているのかどうか、純は初日から膝の上でひっくり返って寝ていました。
純のお気楽モードは初日から全開だったのです。
3日連続でお風呂に入れずショックを受けながらも、純、蛍と出会った事で楽しい我が家。
夜は用心のため(粗相されたら大変!)箱に入れて寝かせようとしましたが、自由を求めて鳴き叫び段ボールも壊れるかと思う勢いで暴れる純でした。
しかし、その騒音に耐え、私達も歯を食いしばって眠りました。
9月11日(日)
夜中に変な鳴き方をするので「トイレかな」と起きて箱から出してあげると、する様子も無くじゃれ始める純・・。ただ外に出たかったのね。3:30の出来事。
そしてそのまま日は昇り、私達の方が眠くなり、純をお腹に乗せて眠りました。
富良野のコンビニでお弁当を買い発進しようとしたけどなぜか動かない。えーい!と勢いをつけて発進したらガックン!というショックとともに走り出しました。
何事かと思い後ろを見るとどうやら車止めを乗り越えて走り出したらしい・・。周りの人はさぞビックリしたでしょう。
鳥沼公園でお弁当を食べていると雨が降ってきました。
おでんをあげても食べなかった純ですが、キャラット缶を開けたらすごい変わりよう。気が狂ったようにかぶり付き、1缶全部食べてしまいました。やっぱりお腹すいてたんだ・・。
それにしても、しっこもうんPもしない純。大丈夫かい?
本に書いてあったので濡らしたティッシュでお尻を拭いてみたりもしたのですが、一向に駄目。
ティッシュをちぎったものでトイレを躾ようとしたのですが、ぜんぜん見向きもしません。
あんなに食べてるのに大丈夫なのかと真剣に心配し始めました。
自分たちもお風呂に入っていないくせに、純のシャンプーを試みました。
洗い物用のバットに純を座らせ、お湯を沸かしてかけましたが「人でなし〜」の悲鳴を上げ暴れまわる。
ちょっと濡らした程度で私達の方が負けてしまいました。
今日こそはと意気込んで上富良野の『竹の湯』へ。3日ぶりの極楽でした。
ところが、銭湯から帰ってみると純がいない・・。
探してみると床下に潜っていました。そしてなんたることか、ケトルに入れておいたサンマ蒲焼き缶の空缶を引きずり出し、きれいに舐めてしまっていました。
蓋もしてあったはずなのに、どうやって引きずり出したのか今でも不思議です。
仔猫といえども侮れませんなぁ。
キャラットドライと水をあげるとよく食べるけど排泄は無し・・。不安がつのる・・。
9月12日(月)
明け方近く、純が起きだしてうろうろしているなぁと思ったら、いきなり顔に冷たいものが!!!
ついに我慢できなくなって放尿してしまったらしい・・ひー、なんてことを!
2日分だからものすごい量!シャワーのようでした。
飛び起きるとこっちの動きに純もビックリしてシャワー出しっぱなしのまま走り出してしまいました。
2人でティッシュだ、タオルだと騒いでいると純は助手席の足元へ。
もしやと思って【と】が覗くと「うっ!!」と言いながらクイックリターン。「んこしやがった・・」
幸い公園の駐車場で寝ていたので、トイレに行って水を汲んできてはお湯を沸かし、シュラフカバーやマットを熱いお湯で絞ったタオルでせっせと拭きました。大変な騒ぎでした。
水がたくさん手に入るところにいたのがせめてもの救いでしたねぇ。
とりあえず、純は2日間我慢し続けたものを放出したという事で、粗相面よりおめでた面の方が前面に出てしまい、叱られるどころか誉められたのでした。
午後、喫茶店北時計へ。『北の国から』のシナリオや撮影現場の写真が置いてありました。不要になった電信柱で造られたログハウスでした。
公園の隅の大き目の石がごろごろある所で純と遊んでいると、石の下に入って土をかき出しました。なんと用を足してくれたのです。
驚かせないように目と手振りだけでバンザイしました。
そしてその後の【む】のとった行動とは・・。トイレ暴きをしたのです。
自分の匂いが付いていないと車の中では永遠にしてくれないかも、と思い、今出されたばかりのブツを掘り出し、車に持って行って、ちぎったティッシュの上に置いて匂いを移したのです。
純が【と】と遊んでいる隙を狙ってやったのですが、さすがに動物は自分のテリトリーを見張っているらしく、暴いた事がばれてしまいました。
わからないように土を戻したつもりだったのですが、純が戻ってきて「ったくよぅ!何すんだよぅ。せっかく隠したのに、丸見えじゃないか」と言う顔で土をかけなおしているのです。猫には猫のトイレへのこだわりがあり・・。
それ以来、外で哲学にふけった後は、私の行動を監視しているような気がしました。
これで今夜は安らかな眠りにつけるはず。
9月13日(火)
夜中、純はシュラフに潜り込んできます。
3時を過ぎると遊びたいらしくじゃれ付いてきます。さすが夜行性・・・。
安らかな眠りとは程遠い眠りでしたが、私達も頑張って眠りました。
起きてすぐ昨日の石のところに行くと即座に哲学的なお顔。
よかったですねぇ、ほんとによかったですぅ(嬉し泣き)。
芦別の『道の駅』目指して走り出しました。確か星の町、芦別の面白そうな施設があったので行ったはずです。
ところが、時間になってもオープンしない・・。なぜじゃ?
定休日はチェックしたし、休みのはずはない!と入り口に見に行くと、ひぇ〜ん、酷すぎる、研修旅行だと。
ここでも不運な私達でした。
しょうがないので(?)美瑛へ。
ホームセンターで『猫砂』なるものの存在を知り、購入。
これで用を足してくれなきゃもうお手上げです。
美瑛の『松の湯』(あたらしくてこぎれい)で入浴、また東神楽の人様の畑の脇へ。
この丘の夕焼けはそれはそれはすんばらしいものです。
西の空はオレンジ、東の空の雲はピンクに染まるのです。
純は外に出しても用を足さず、また心配。
夕食の準備中、食材に手を出しこっぴどく叱られた純は車の下でいじけていました。
夕食が終わり、片付けも済ませ純を車に入れると自分からトイレへ向かいました。
おぉ、ついにその時が来たかと温かく見守っていると、めでたくキョーレツな匂いが漂ってきました。
どうやら砂をかく動作がないとできない猫のようです。
9月14日(水)
天気はよくないけど、とりあえず旭岳へ。
雨のため何も見えずそうそうに退散。
蛍の面会に行きました。
靴下で作った包帯を足に巻かれた蛍は、ものすごい声と形相で叫んでいました。
私達の匂いは憶えていたみたいで指を差し出すと少し静かになりましたが。
キャリーバッグに入れて連れて行った純は蛍のあまりの変わりように驚いたのか、はたまた他の動物の匂いが充満しているからなのか妙におとなしくしていました。
獣医さんに手術の後のレントゲン写真を見せてもらい、骨の中に金属が入っているのを確認。後で抜くのだろうと思ったらそのままだといわれ、びっくり。骨が伸びる時支障はないのかしらと素人は考えたのですが、その点は大丈夫とのこと。
ま、確かに一旦入れた物を取り出すってことはまた骨を折るってことだもんね。そんなことしないか(苦笑)
それにしても、猫ってすごい。大腿骨が折れていたのに2〜3日で歩けるようになっているのです。
これが人間だったら何ヶ月もリハビリをして・・ということになりますよね。
だいぶルールをわかってきたようで、純はテーブルに登らなくなってきました。
外に出して遊ばせていると林の中に何かを見たらしく大急ぎで戻ってきて車によじ登り隠れていました。
クッションを買って箱に入れてあげたら気に入ったようで夜はそこで眠るようになり、私達も安眠できるようになりました。
9月15日(木)
相変わらず天気はぱっとしないけど、十勝岳へ。
初めて純を長時間車に閉じ込めることになり、出掛ける時は「純、ちゃんと留守番しててね。すぐ帰ってくるからね」と何度も言い聞かせてしまいました。
てくてく歩いて安政火口到着。
本当は『立ち入り禁止』の看板があったらしいのですが、古くなって文字もよく見ないと分からなくなっており、しかも地面に転がっていたので、周りを確認してから更に奥へ歩いていきました。
岩自体が暖かくて手を触れると気持ちいい。天然の床暖房みたい。
シューシューいっている音を頼りに音源の場所を探すと岩の隙間からものすごい勢いで蒸気が出ていました。
少し高くなっている岩場があり【と】が登ってみたのですが、あわてて戻ってきて言うには「登り切ったら湯気で眼鏡が曇って何も見えなくなった。ぼんやり見えただけでも穴がいっぱいあったし、湯気の量が半端じゃないからここは本当の火口みたいだ」・・・。慌てて逃げました。おー、こわ。
富良野に戻ったけど、富良野の銭湯にふられてしまい(定休日)、しかたなく上富良野の竹の湯へ。
9月16日(金)
またまた芦別へ。
何かの100年記念館見学。めずらしくお金を払って物を見ました。おもしろかったと書いてあります。
純の左手がおかしい。元気もない。どうしたんだろう。
9月17日(土)
富良野に戻り、テカポの修理。
午後、チーズ工房見学。いろんなチーズの製造過程などがわかって面白かった。
空知川の川辺で夕食。秋刀魚を焼いたら純は猫らしく狂ってました。
2本足で始めて立ってみせたのもこの時。
猫との付き合いは長かったけど、2本足で立つところは見たことがなかったのです。
あまりに感動したため、「もっとやって」とわざと秋刀魚をテーブルの端に置いたのは私です。
9月18日(日)
純がやけにおとなしく寝るようになり、逆に心配になってしまいました。
テカポの修理続編。
蝶番の部分に買ってきた代用品(釘)を使い、骨(木)の部分にはグラスウールを巻いてラップでグルグル巻きに。
手がべとべとになって大変。
富良野駅前のコインランドリーで洗濯物処分。
暑いため純を車に残しておけず連れて行きましたが、知らないところなのでかえって疲れさせてしまったようでした。
外に出してもろくに遊ばずすぐ車に戻る。左手をつかない。純、どうしたの?
9月19日(月)
蛍退院の日。
お世話になった獣医さん達と記念写真など撮り、蛍を連れて帰りましたが、純がいじめ始めました。
1週間で忘れてしまうものなのかなぁ。
蛍の方は憶えているらしく純に寄っていく。そのたびに猫パンチする純。
苛め方が陰険で、手術をしてまだ抜糸の跡も生々しい所を齧ったりするので「こら〜!なんて卑怯なことするんだ!」と本気で純を叱りました。
純の方の怒りが爆発したのはトイレ。
蛍にトイレを覚えさせようとトイレ箱に入れたら早速哲学的なお顔・・。さすが、蛍!
しかしその後純が匂いを嗅いで狂ったように走り回り、私達を睨むのです。「なんで僕のトイレを使わせるんだ!」と私達に対しての怒りでした。
別々じゃないと駄目かと溜め息をつきながら(狭い車なのにさ)、仕方なくもう1つトイレ箱を用意しました。
しかーし!その後純は元の方(蛍が使った方)も使っていました。
結局どうでもいいんかい、新しいトイレをどうしてくれるんだとこっちが怒りました。
一応先住猫との差を付けなくてはと純はシュラフの中、蛍は箱の中に閉じ込めて寝ました。