北上編1

3月12日(日)
川下りをするため吉野川へ。

カヌーを置いて、川沿いを下見しつつ走る。どうやら大雨の後の法則どおり、昨日より水位が10cmくらいは減っていました。とても下れたものではないと断念し、カヌーを取りに戻りました。「年間で見ても水量の少ない時期+昨年の雨不足」 では、なかなか川下りは難しいです。

 

日置川にターゲットを替え、車を出しました。
川沿い(日置川ではありません)の国道309号を走っていると、釣り師の多いこと。ただでさえ山の中の道で狭いのに、ずーーーっと駐車していました。川でもそれに見合った数の竿がずーーーっと並んでいました。さすが釣りブーム!

うんざりしながら走っているとなんと「通行止め」の看板。確かに地図にも冬季閉鎖と書いてありました。しょうがないので、釣り師街道をまたうんざりしながら戻りました。川の水がとてもきれいなのは救われました。

あれこれルートを考えつつ、十津川沿いに走りました。工事だらけで、人工水路がいっぱい。この辺の川の特徴として釣り橋が多いですね。

なかなか日置川に着かないうちに雨がザーザーふってきました。またしても雨・・・。

やっとのことで日置川に着くと、まずまずきれいな水。なぜか釣り師がいません。

ダムから下はお約束のように水がなく、放水口からとりあえず戻された水で水量は増えていましたが濁っていました。

それでも、せっかく来たのだから下る準備(食糧確保)をして、水が手に入らなかったので何ヶ月ぶりかの外食をして眠る場所を探しました。野生猿公園に行ってみましたが、本当に猿に襲われそうな所だったのでパスし、川原に戻って、強風の中車ごと揺られながら眠りました。

 


3月13日(月)
いつもどおりに起床、川下りはパス。水がないとやっぱりね。

昨日から川原でキャンプしている人がいましたが、想像通り川下りをしているようでした。

 

川も下れないし、見るところもないし、ぼちぼち大阪へ。

印南町で欄干がカエルの親子の形をした橋を見つけ大喜び。これは後に新聞に載っているのを見つけました。茶目っ気があってとても良いと思いました。

「真田庵」という文字を地図で見つけ、『真田太平記』(池波正太郎著)ファンの私達としては、行かずにおられようかという感じで見学。本当に住んでいた所のようですね、ふむふむ。テレビでやった『真田太平記』のポスターが貼ってあり、チラッと見たことのある【む】は「懐かしい!」、見たことのない【と】は「この人がこの役を・・・」とそれぞれ感慨深げでした。

吉野山を目指して坂を登っていると、突然エンジンから変な音がして「ガツン!」とショックがあり、あれよあれよという間に警告ランプが全て点灯。「フィーバーしてる!」とびっくりしつつマヌケなことを口走っていると、【と】が「ブレーキが利かない」と言い始め、青くなる二人。サイドブレーキを使ってなんとか車を停め、エンジンを覗いてみたら、いる筈の方がいらっしゃらない・・・ファンベルトが切れてしまっていました。

JAFに電話し、状況を説明するとレッカー移動になるかもしれないといわれ、またしても青くなる二人。

レッカー移動=車使えない=荷物担いで2猫連れてこれから高槻へ・・・ということでしょうか。

見てもらってからでなくてはどうなるか分からないので、とりあえずカヌーをたたみ、猫バッグを出し、着替えをリュックに詰めました。

JAFの人が来た時、車中泊の旅行中であること、猫がいるので簡単にその辺には泊まれないことを話すと、同情してくれてなんとか応急処置をしてくれました。

複雑なつくりになっているらしく、応急処置のためにはパワーステアリングのベルトを切らなければなりませんでした。しかし、走れるならそれでいいのです。

料金も会員価格でやってくれて、本当に助かりました。感謝感謝。



3月14日(火)

わき目もふらず、重いハンドルに苦労しながら高槻に向かいました。

思ったよりも道が空いていてお昼過ぎには到着。

猫達は家には入れられないので、車に閉じ込め。ときどき様子を見に行くと大喜びで飛びついてきます。たまには人間の有難味を噛みしめなさいね、君達。

 

 

3月15日(水)

ファンベルトを直し、【と】の友人宅にお邪魔したり、買い物したりして過ごしました。

 


3月18日(土)

5時出発。
【む】の小学校来のペンフレンドに会いに行きました。もう10年以上手紙をやり取りしていますが、会うのは2度目です。

ひとしきりおしゃべりして、カレーを食べ、再会を約束しておいとま。

 

目指すは長良川です。

 

 

3月19日(日)

現地についてみると、スラローム艇で遊んでいる人多数。

さすが、メッカですね。



3月20日(月)

長良川下り決行!

が、しかし、撃沈!!

郡上八幡に行き、テカポを組み立て漕ぎ出しました。隠れ岩が多いのでそろそろと注意しながら進みました。瀬では横波が多くすぐに水船になってしまい、沈の危険性が増します。寒いし(朝、車が凍っていました)、水路が見つけられないし、ビクビク。

結構波が高い瀬に突っ込んで、右だ左だと叫びながら一所懸命抜けようとしていたら、岩にテカポの先が引っかかり、あっという間に横向き→沈。「パドルは死んでも話すな」とカヌーショップの人に言われたのを思い出し、【む】は流されつつもパドルを握りっぱなし。はっきり言って邪魔でした。【と】はテカポにつかまって流されています。流れが速くて全然思う方向に行けず、岸にも近づけません。「かなりまずい状況だ」となぜか落ち着いて考え始めた頃、すっと流れから外れて岸に近づけました。私の人生の中で2度目の「死ぬかもしれない」と本気で感じた出来事でした。海や川で流された経験のない人にはわからないでしょうが、それはそれは恐ろしいものです。ライフジャケットを着ているので沈むことはありませんが、逆にそのせいで思うように体を動かせず、泳ぐことも難しいのです。水面からは顔しか出ていないような状態なので、目の前を過ぎていく岸の早いこと早いこと。同じ時速60kmでも、スポーツカーとトラックでは地面からの距離が違うので体感速度が全然違いますよね。あれと同じです。

【と】は更に下流まで流されましたが、なんとか怪我もなく荷物も流されず無事上陸。【と】のパドルは沈した瀬の中で波につかまりクルクル回っているのを発見し、苦労しましたが回収に成功、被害は人が濡れただけで済んだようでした。

ただでさえ寒いのに、濡れてますます凍えそうになってしまいました。しかし、近くに駅もないので下るしか道はない、ということで、気を取り直してまた川へ。

いくつか瀬をクリアしたものの、橋をかける工事をしている所で流れに負けてコースを取れなくなり、また岩に張り付き、沈。わざわざ上陸して下見までしたのに、いざ船に乗るとルートが読めないのがまだまだ未熟な証拠。この瀬では入り口付近で沈したのですごく怖かったです。隠れ岩がたくさんあるのが分かっていたからです。今度は【む】もテカポにつかまれたので、随分楽ではありましたが、やはり流されるというのは心理的にも体力的にも非常に疲労します。テカポから手を離して岸に近付こうとしたら、岸近くで流れが逆になっており、それに流されてまた川に戻されそうになりました。岸近くでもこんなに怖い思いをするなんて・・・。

リタイヤを決意し、次の駅までで【む】は止めることにしました。

【と】は「次の瀬を乗り切れたら続ける」というので、深戸の駅近くで荷物を分けた後、【む】が見守る中漕ぎ出していきました。そして、10mくらい行った先の瀬で見事に沈。【と】は茫然としつつかなり流され、テカポは波に引っかかり、なかなか流れません。やっとのことでテカポは回収しましたが、予備パドルとしてくくりつけていたパドルが目の前を流れていきました。しかも、残ったのは1回目の沈で波にもまれて割れてしまった方。悲しい・・・。

すごすごと撤収し、駅のトイレで着替えました。ウェットスーツを詰め込まないうちに電車が来てしまい、乗り遅れたらいつ帰れるか分からん!ととにかく手に持てる形にまとめて飛び乗りました。

車を停めていた道の駅近くのラーメン屋でラーメンを食べました。おいしい!

暴れ波ばかりでとても怖い川だという印象を持ちました。

 

 

3月21日(火)

パドルがなくてはこれから川下りが出来ないので、関の方へ買い物に。

「楽山荘」というアウトドアショップ、さすがカヌーのメッカの近く、カヌー用品なんでもござれという感じでした。テカポと同じ船、カナールUも売っていました。パドルは気に入ったのがなくて買いませんでしたが。

長良川の下流を下ることにして、美濃に戻りました。美濃は古い町並みが残っています。

 

 

 

3月22日(水)

長良川再び(区間は違います)。

名鉄で湯の洞温泉口まで。車掌さんに「・・・でっせ」と言われ、大ウケする【む】。テレビでしか聞いたことのない言葉が普通に話されている!

先日の教訓。とにかく下見。小さな瀬でも下見。視線を下げて下見・・・できたらいいのですが。

瀬の中で船の向きを変えようとしても、追いつかずにどんどん流されてしまいます。今まで経験したことのない流れの早さ、力強さです。岩に乗り上げ、またしても沈か?と身を硬くしたとき、【と】が岩に足をついてなんとかテカポを外し、脱出。こんなとき、オープンデッキでよかったとしみじみ思います。

下流はさすがにテトラポッドが増え、水路の中でもちょっと怖いです。隠れテトラには腹が立ちます。岩より始末が悪い。

瀞と瀬がいいペースで現れ、「暴れ」でない素直な瀬も多く、さすが絶好の初級者コースという感じを受けました。

上陸後はジャスコで買い物→銭湯→ラーメン屋のゴールデンコース。

ラーメン屋で犬の前に車を停め、蛍をダッシュボードに乗せるといきなり犬に向かって「フーーー!」、何事かと純もやってきたので乗せてあげると背中の毛が逆立っていました。大笑い。

 

 

3月23日(木)

昨日からカメラが動かなくなったのでカメラ屋さんへ。とりあえず、フィルムを取り出してもらい、電池がないようだったので入れてみたらシャッターが下りました。お!なおった!と思ってリモコンであれこれやっていたら、フラッシュがピカピカ光り、挙句の果てにパン!といってそれっきり光らなくなりました。お店の人と一緒に唖然とする私達。

結局、どこが悪いのかわからず、持って帰りました。

 

楽山荘にまた行って、結局パドルを買ってきました。前のより短いけれど、【む】が漕ぐ分には問題ないでしょう。

 

小倉山公園に居着いてしまった私達、動物がいるので飽きずに見物していました。

七面鳥は常に歩き回りながら「ボッ!」という音をさせて羽ばたいています。怒っているように見えたけれど、本当にそうなのかな?

孔雀が羽根を広げるのを生で初めて見ました。あれは怒っているときにとる行動だったかな?どうしてみんな怒っているのでしょう?

猿が毛繕いをしているのをじっと見て、檻のこちら側で真似する【む】。それに気付いた猿はとても居心地が悪そうだったけど、毛繕いを止める気にはならないらしく、【む】を気にしながらもせっせと手を動かしていました。

猫達を抱いてこれらの動物の前に連れて行きましたが、とても緊張していました。パニックして暴れるかとも思ったのですが、そんな余裕もないらしくとにかく身を硬くしていました。

 

 

3月24日(金)

本日よりテカポの底のガムテープはがし開始。長期間貼りっぱなしにしていたため、粘着成分がテカポにくっ付いたままになってしまったのです。せっせとガムテープで押さえては剥がしてみたのですが、なかなか思うように剥がれてくれません。丸一日やってもぜんぜん成果はあがらず、疲れた私達でした。

 

 

3月26日(日)

相変わらずガムテープはがし。除光液の代わりにオーデコロンでマニキュアを落とせることを思い出し、ためしに粘着成分の所にシュシュッとやってみました。すると、おぅ!取れるではないですか!勿体ないと思いつつ、ガムテープが残っているテカポもかわいそうだったので、存分にシュッシュとやり続け、なんとか粘着成分はきれいに取れました。

そして、あらためてクレモナテープ(組み立てカヌー用補修布)を貼りました。

 

次なるターゲット、木曽川の下見。

上陸地点となる木曽川ライン下りの船着場を確認。

 

 

 

3月27日(月)

寒い朝でした。

しかし、木曽川下りは決行なのです。

上陸地点に車を運び、カヌー一式を持って電車で上流へ。しかし、鵜沼駅に向かうも、「近いかも」と入った裏道が全然近くなくて、電車に乗り遅れてしまいました。この時点でかなり歩き回り、ぐったりしてしまいました。

スタート地点の美濃川合に着いても、川の位置がわからずまたしても迷子。やっと川沿いに出て、ダムも見つけたけれど川原に下りられず、どんどん下流へ。そのまま行くとライン下りの乗船所まで行ってしまいそうだったので、途中の土手を無理やり下りました。結構無茶してます、はい。

ライン下りの船を見送ってから出発。水汚い・・・。

川地図に「大波の瀬」という注意書きがあった所に突入。ホントにすごい。あんな大波は初めてでした。シーソーのようにテカポの船首は上下していました。あっという間に水船になり、ちょっとの波でふらついてとても怖かったです。

ライン下りの船をやり過ごし、「左張り付き注意」の可児合の瀬。これまたすごい大波。必死で漕ぎました。大波はおさまってもまだ波は続き、足がすっかり隠れるほどの大量の水がテカポに入っていました。しかし、水を出そうにも取り付ける岸がなく、そろそろとバランスをとりながら流れの穏やかな所まで行こうとしていた・・・のに、ディズニーランド級の横波を受け、「あーれーーー」と言いながら、ゆっくり、ゆっくり沈。そして流れは速いままだったのでどんどん流され、体が冷え切るまでたっぷり木曽川に漬かってしまいました。やっと岸に着き、ホッと一息ついているとライン下りの船が。すんでのところで、みっともない姿を見られるのを免れました。

しばらく岩の上で甲羅干しをし、気を取り直して出発。

道路から見えた「やばそう」と思った瀬は何とかクリア、最後の3級の瀬は暴れ波だったので、水船になったらとっとと脇に抜けよう(また沈したくないからね)ということにして突っ込みました。しかし、思いの外水は入ってこなくて、何事もなく終了。

船着場で上陸、カヌーを上げ、車がすぐそこにあるってすばらしい!と感動していたら、とんでもない事が起きていました。エンジンがかからないのです。どうやらバッテリーが上がったようでした。

今すぐどうなるものでもないので、とりあえず腹ごしらえをし(やっぱりのん気かしら・・・)、カヌーを片付け、バッテリーを見られるように後部のパイプを分解し、JAFに電話しました。

見てもらった所、バッテリーも危ないが、充電器の方がだめになっているといわれ、またしても車修理の危機が訪れました。

エンジンをかけてもらい、近くのディーラーまで行って事情(くどいようですが、猫付きで車中泊してます)を説明し、修理することになったら夜は車の中で寝られるように話をつけました。しかし、見てもらったら充電器は正常らしく、やはりバッテリーの寿命との事。仕方がないので近くのカー用品店を教えてもらい、そこに向かいました。ところが、北国で買ったこの車、寒冷地仕様のためバッテリーはバカでかいのです。ここは岐阜、雪が降るとはいえ、寒冷地仕様のバッテリーなんか置いてません。お店の人に聞いたら、普通のでも大丈夫だろうというのでそれを買うことにしました。レジに行ってお金を払おうと思ったら、あれまぁ、お金が足りないじゃありませんか。近くの郵便局を教えてもらってそこでお金を下ろそうとしましたが、既にCDは閉まっており使えません。夜間窓口をどんどん叩き、「今開いているCDがある郵便局を教えてくれ」と頼むと、本局を教えてくれました。地図を見ながら、さらにはガソリンスタンド、コンビニで聞きながら、やっと6:45ころたどり着きました(注:今と違って当時CDは遅くても7時までしかやっていませんでした)。お金を下ろし、またカー用品店に戻り、閉店ギリギリでバッテリーを手に入れました。

すぐ取り付けねば、と片付けをしている店先でガタゴト。しかし、六角ボルトが固すぎて緩められません。しかたなく、その辺を掃除していたお店の人を捕まえて道具を借りてやっとのことで外しました。お手数かけます。

バッテリーをつけ終わると8:30、夕飯は吉野家で済ませ、美濃の小倉山公園に戻りました。

途中、スーパー銭湯に入り、さっぱり。

長い長い一日がやっと終わりました。

 


つづく

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